日本・スウェーデン外交関係樹立150周年として開催された、スウェーデンのデザイナ、陶芸家 Ingegerd Råman の展覧会です。 この展覧会で初めて意識したのですが、 有田焼のティーセット 2016/ など、デザインショップなどで見覚えあるもの。 いかにも北欧モダンなシンプルなデザインの陶器やガラス器のデザインです。 IKEA とのコラボレーション Viktigt からスウェーデン王室用の食器までという振れ幅。 このようなデザインの場合、差別化できるのはほぼ質感のみ、というのも興味深く思いました。
あ 20世紀後半に展開した東アジア、東南アジアから南アジアにおける 近代美術から現代美術への展開を、国の枠組みを超えて辿った展覧会です。 残念ながら強く興味を引かれる作品には出会えませんでしたが、 美術史も各国史からグローバルヒストリーの時代へ、なんてことが頭に浮かぶ展覧会でした。 しかし、グローバルヒストリーのような歴史の描き方を目指したにしては、政治的なトピックを作品に紐付けるような構成は合っていないように感じました。 グローバルヒストリーったら、対象としたアジア世界における文化交渉史のようなものを 貿易額や美術市場の規模などの定量的な指標に着目して分析するといったアプローチの方がそれらしく思われますし、 そんな中から美術の展開を浮かび上がらせたらどうなるだろう、と思いました。
1962年の歌謡曲「遠くへ行きたい」に着想したという、コレクションによる小企画です。 その企画意図は掴みかねましたが、 大辻 清司 [関連する鑑賞メモ] が 《うまく作ってやろうと思うので、八年たっても手をつけられないプラモデルの写真》 (1975) や 《熱気球がうまく昇らなくて、朝早くからがんばっている人》 (1975) のようなお茶目な写真を撮ってたことに気付けたことが、収穫でした。