Perfume のライブなどでのテクノロジーを駆使した映像演出を手がける会社 Rhizomatiks については、 そのライブのTV中継を見たり、展覧会は観たり [鑑賞メモ] したことはあるのですが、 映像演出した舞台を生で観たことがありませんでした。 Perfume のライブなどチケット争奪戦も激しく生で観ることは半ば諦めかけていたのですが、 世田谷ばプリックシアターのパフォーマンス & トークのシリーズ「MANSAI◎解体新書」で 研究部門 Rhizomatiks Research のビジュアルデザインを使ったパフォーマンスが上演されるということに気付いて、観てみました。
前半のパフォーマンス『5W1H』は、演ずる者、観るもののアイデンティティ、ライヴのパフォーマンスと映像やCGアバタの関係がテーマの1時間ほどの作品でした。 トークのように始まり、観客の名前やどこから来たのかを尋ねるような客弄りから、 Rhizomatiks Research の映像演出付きのパフォーマンスになだれ込みました。 動きに合わせてのライブ作成したCG映像のプロジェクションだけでなく、 人を乗せることもできる位置を精密に制御できる可動式の半透明のLEDディスプレイ (「ころすけ」と呼ばれているとのこと) を6台使いました。 テーマにも合致する『まちがいの狂言 〜ややこしや〜』や、三番叟、『船弁慶』の平 知盛などの能狂言のネタも散りばめられる一方、 映像演出に合わせたワイヤーアクションも見せました。 習作というにはかなり本格的なパフォーマンスで、Rhizomatiks の映像演出はライブの人の動きと合わせてこう観えるのかと十分に伺うことができました。
後半は約30分の日替わりゲストとのトークで、 自分が観た日のゲストは『シン・ゴジラ』 (2016) の縁もあってか特撮監督の 樋口 真嗣 でした。 『シン・ゴジラ』では 野村 萬斎 の動きをモーションキャプチャしてゴジラの動きとして使っており、 それと今回の Rhizomatiks でのアバタの動きを比較した話が多く出てきました。 特に、映画では作り込みに時間をかけたが、今回のパフォーマンスではライブで処理するため軽く作られているという指摘には、なるほどと。 ポストパフォーマンストークはうまくまとまらないことも少なくないのですが、 この企画はシリーズ化されているだけに流石に慣れたものを感じました。