小野寺 修二 演出作品の 首藤 康之 出演作品は何回か観たことがありましたが [鑑賞メモ]、 客演ではなくメインとなった作品を観たことがありませんでした。 ex-NDT で首藤との共演も多く近年は新国立劇場バレエ団への振付も手掛ける 中村 恩恵 の演出・振付で、 新国立劇場バレエ団のダンサー2名を加え、音楽も生演奏の作品ということもあり、 観る良い機会かと足を運んでみました。
フランス近代の彫刻家 Rodin の弟子にして愛人 Camille Claudel の一生に着想した作品です。 象徴的な白い彫像2体、照明の色や明るさに変化を付けるも比較的フラットというミニマリスティックな演出で、 バレエ的なテクニックで踊り描くというより、静かな動きで場面を描いていくような作品でした。 動かしながらのテーブルを使った動きなど、縦方向にも変化がありましたし、 violin の 郷古 はダンサーに絡むというほどではありませんが、ダンサーが踊る舞台の中を歩みながら演奏するなど、 脇で静かに伴奏する以上でした。 Camille を2人1役としたり、メタな視点 (というか最後のソロなど影の主役にすら感じた) として Camille の弟 Paul を加えたりと、ストレートな物語りかたを避けようという演出を感じました。
しかし、残念ながら、ピンとくることなく終わってしまいました。 メタな視点を加えているとはいえ、ロマンチックなアーティスト像を描くという点が自分とは相性悪かったでしょうか。 しかし、席が悪かったということもあるかもしれません。 下半身がほとんど見えなかったのですが、ダンス公演でこれはかなり厳しいものがありました。 スパイラルホールは、Dance New Air などで何度となくダンス公演を観に来ていますが、こんなに見づらい席は初めてでした。