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Review: Ivo van Hove (dir.), Joseph L. Mankiewicz: All About Eve 『イヴの総て』 @ Noël Coward Theatre (演劇 / event cinema)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2019/11/24
『イヴの総て』
Noël Coward Theatre, 2019-04-11.
Sonia Friedman Productions and Fox Stage Productions present All About Eve by Joseph L. Mankiewic, Adapted & directed for the stage by Ivo van Hove.
Original screenplay by Joseph L. Mankiewicz. Original play The Wisdom of Eve by Mary Orr.
Director: Ivo van Hove; Set and Lighting Designer: Jan Versweyveld; Costume Designer: An D’Huys; Composer: PJ Harvey; Sound Designer: Tom Gibbons.
Cast: Gillian Anderson (Margo Channing), Lily James (Eve Harrington), Julian Ovenden (Bill Sampson), Monica Dolan (Karen Richards), Rhashan Stone (Lloyd Richards), Stanley Townsend (Addision Dewitt), etc.
First Performance: 12 February 2019, Noël Coward Theatre.
上映: TOHOシネマズ日本橋, 2017-11-09 13:00-15:35 JST.

2年前に National Theatre Live で観た Hedda Gabler が良かった [鑑賞メモ] 演出家 Ivo van Hove の新作が National Theatre Live でかかったので、その上映を観てきました。 1950年公開の Joseph L. Mankiewicz 監督による映画に基づく舞台です。 有名な映画でタイトルを目にしたことはありましたが、映画は観ていません。 50歳を迎え老いを恐れる大女優 Margo と、Margo の熱心なファンから付き人、そして女優となり、いつしか野心を露わに Margo の代役を手にする Eve の2人を巡るバックステージ物です。

ライブビデオを使って別部屋の様子や鏡に向かう時の顔を映しだしたり、 異化作用を狙ったか壁を取り払って舞台裏を見せたりと、工夫は感じましたが、 普通に家具を使ったセットなどもあり、説明的に感じる時もありました。 Hedda Gabler のでのような、抽象的な現代美術インスタレーションのような美しさを感じることがありませんでした。 前半は Margo を通した老いの受容についての物語、後半は Eve を通して野心ある女性が策に溺れて自滅する物語 (ちょっと Hedda ぽい) と、 主人公が入れ替わる感があるのですが、そういった話の変化がもっと視覚化されていたら、と。 といっても、Margo と Eve という主人公2人を演じた Gillian Anderson や Lily James を始め、俳優陣の演技はさすがで、 十分に引き込まれて観ることができました。 Eve をはじめ策をめぐらす登場人物の中では、むしろ Margo はワガママで天然なだけ。 そしてそんな Margo を受け止め最後には結婚する Bill はいい人過ぎると、思ったりしました。