トーキョーアーツアンドスペースの公募プログラム 『OPEN SITE 2019-2020』 の一企画と行われた、 ジャグラーとしてだけでなく演出家としてもカンパニー ながめくらしつ を主宰して活動する 目黒 と 人形遣い・美術作家として活動する 長井 のコラボレーションしての作品です。 長井 の人形遣いについては予備知識はほとんど無かったのですが、 目黒 がどのように人形遣いを動かすのかという興味もあって観てきました。
会場はギャラリー空間で、はっきり舞台は設けず、作品展示かのように 長井 作のオブジェが展示されていました。 そんなギャラリーの隅でのエレクトリックピアノの生演奏に合わせて、人形遣いのパフォーマンスがギャラリー内を移動しながら行われました。 客の誘導してパフォーマンスエリアを確保するために移動の際にビーンバックで範囲を示したり、 手持ちの小型ライトで証明したりする程度で、目黒 はパフォーマンスに大きくは絡みませんでした。 ジャグリング的なトリッキーな人形のマニピュレーションなどがあるかと予想していたのですが、 ジャグリングに発想した動きは感じられませんでした。
セリフの類なく、長井 は人形を操るだけでなく、最初の場面では輪となるよう立てられ複雑に糸が絡められた12本のポールの中で人形を使わず蠢いたり、 パペットダンスを踊るわけでないけれども人形を手足を使って操るため手足を上げて仰向けの状態になるような姿勢になるときもあり、 現代的なパペット/フィジカル・シアターとでもいうパフォーマンスでした。 人形の造形もあって去年観た Duda Paiva Company, BLIND [鑑賞メモ] も思いだしましたが、 そこまで主題に沿ったグロテスクさを感じたわけではなく、 幼児を思わせる造形の人形やその動きに不穏さ、不気味さを忍ばせた、可愛らしい悪夢のような作品でした。