イギリス・ロンドン Royal Opera House が COVID-19 対策で自己隔離している人々のため 週替わりでストリーミングをしています。 コンテンポラリー・ダンスの文脈で知られる Wayne McGregor [鑑賞メモ] が演出、振付たプロダクションがストリーミングされました。 作品は、ドイツ生まれながら主なイギリスで活動した George Frederic Handel によるローマ神話に基づく18世紀の opera ですが、 典型的な (19世紀的な) opera ではなく、masque (仮面劇) や pastoral (牧歌劇) と言われることもあるよう。 Opus Arte からDVD化された映像を使っていました。
基本的に、歌手とダンサーで2人1役という演出で、歌手は普通に演技しながら歌い、 全身タイツのコスチュームのダンサーが音楽というか内面を描くように脇で踊るという演出でした。 Wayne McGregor のプロダクションということで、もっと抽象的な演出かと予想していたので、 McGregror でもこんな物語的な演出するんだ、と思いつつ観ていました。 しかし、全2幕中の第2幕後半、Galatea が殺された Acis を泉に変える場面から、 群舞を使った象徴的な交えるようになって、グッと良くなりました。
時々、歌手とダンサーがインタラクションすることはあるのですが、 基本的に 歌手とダンサーはレイヤの異なる世界にいるよう。 このまま、歌手に歌わせることは無いかと思っていたら、 ラストのクライマックスで、合唱に合わせて、Galatea 役の歌手 (Danielle de Niese) が Acis 役のダンサー (Edward Watson) と組んで踊りました。 それまで避けられていただけに印象も強く、Galatea が Acis の魂と踊るようで効果的だったようにも感じました。