5月1日は、午後に横浜・若葉町へ。 ミニシアターシネマ・ジャック&ベティの 『柳下美恵のピアノ&シネマ vol. 10』 で、Buster Keaton のサイレント・コメディ映画をピアノ生伴奏で楽しんできました。
Keaton が自身のプロダクションを設立しての第1作です。 新婚の夫婦が、贈られた Portable House Co. の “Home” を組み立ててるものの、 恋敵に悪戯されてチグハグに仕上がり、 新居祝いパーティを開くも、嵐でめちゃめちゃになり、本来の正しい住所へ引っ越そうとして、 結局汽車に轢かれてバラバラになってしまう、という1週間のドタバタを描いたコメディです。 スチル写真でも有名な「デコン」な住居と、 その建物に着想した逆というかアクロバティックなパフォーマンスは、 装置に着想した現代サーカスとも共通するものが感じられ、そこがとても好みでした。
劇中劇相当の映画の箇所を除けば、憧れて「探偵入門」を読み耽っている映画の映写技師が、 恋敵にハメられて、時計泥棒と勘違いされ、恋人から関係を解消されるが、 やがて経緯が判明し、恋人が戻ってきて、プロポーズする、という話です。 が、後半、映写技師の投影している映画の中へ夢の中で入っていき、探偵として大アクションを繰り広げる、という劇中劇的な展開があり、 そこにアクロバティックなアクションだけでなく、トリッキーな編集、特撮も含め見応えありました。 Keaton の位置姿勢を同じにして砂漠、サバンナ、海岸など様々なロケで撮った場面を繋いでいるのは Keaton の正確なマイムのテクニックと正確なカメラワークが無いとできないと以前から思っていましたが、 それ以外にも映画と現実の出入りの場面のつなぎなども正確なフィルム送りが無いとできないということなど、 終映後の 新野 敏也 氏のトークと合わせて気づかされることも多くありました。
The Art of Buster Keaton (Kino, 2001) というDVD boxを持っている程で、今回上映の2本も観たことありましたが、 やっぱり、映画館で生伴奏で観るライヴ感は格別。 やはり、生伴奏でサイレント映画を見るのは良いなあ、と。 そういえば、2012年から2014年にかけて、 神保町シアターがゴールデンウィーク特別企画で『巨匠たちのサイレント映画』をやっていて、 生伴奏付き上映を観に通ったなあ、と、思い出したり[鑑賞メモ]。