東京芸術劇場 プレイハウス
2022/10/08, 15:00-17:50.
scenariu de [script by] Silviu Purcărete,
inspirat din [inspired from] Sakura Hime Azuma Bunshô 『桜姫東文章』
de [by] Tsuruya Namboku IV [四代目 鶴屋 南北].
Regia [Directed by]: Silviu Purcărete
Traducere [Translation]: Eugen Gyemant;
Muzică originala [Original Music]: Vasile Şirli;
Scenografia [Scenography]: Dragoş Buhagiar;
Asistent regie [Assistant director]: Eugen Gyemant, Sanda Anastasof;
Asistent scenograf [Assistant scenographer]: Iuliana Gherghescu;
Face designer: Minela Popa;
Pregătire muzicală [Music preparation]: Vlad Robaș;
Make-up: Elena Vlad, Corina Predescu, Bogdan Dobre;
Manager proiect [Project manager]: Claudia Maior.
Distribuție [Casts]:
Ofelia Popii (Seigen/Kiyoharu [清玄], Tsurigane Gonsuke/Sinobu no Sota [釣鐘権助/信夫惣太]),
Iustinian Turcu (Shiragiku [白菊丸], Princess Sakura/Princess Scarlet [桜姫/風鈴お姫]),
Dana Taloş (Zangetsu [残月]),
Adrian Matioc (Nagaura [長浦]), et al.
Producție a Teatrului Național "Radu Stanca" Sibiu.
Data premierei [Premiere date]: 2018-06-01
Festivalul Internaţional de Teatru de la Sibiu (シビウ国際演劇祭) の中核劇場として知られる
ルーマニア・トランシルバニア (Transylvania) 地方の主要都市シビウ (Sibiu) の
Teatrul Naţional “Radu Stanca” Sibiu (ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場)
[過去の鑑賞メモ] の久々の来日公演は、
芸術監督でもある Silviu Purcărete が演出した
江戸後期 (文化文政時代) の歌舞伎狂言作家 四代目 鶴屋 南北 による『桜姫東文章』に着想した作品です。
『桜姫東文章』の歌舞伎の上演は観たことはなく、あらすじを予習した程度で臨みました。
あらすじのレベルでは大きな変更はなく、衣裳は日本的なものも交えつつも、
20世紀前半の欧米のマフィアやその娼婦を思わせる服装を交えたもの。
舞台美術は木製の台や幕を組み合わせた抽象的なものを見立てて使い、
歌舞伎舞台のような花道も使われました。
白塗りに口や目元を強調したメイクだけでなく、様式化された演技、
ミュージシャンが並び演技に合わせて鳴り物を鳴らしたり、
舞台上手袖に楽屋用ドレッサーが並んでいたりと、
という所は、Commedia Dell'Arte の流れをくむ道化芝居を思わせるものがありました。
女形の男性俳優が女性を演じる歌舞伎に着想したのか、
主要な役において役と俳優の性が逆転している ––女性が男性役を演じ男性が女性役を演じている–– のですが、
セクシャリティの問題というより、
大柄な女性に小柄な男性と体格が逆転することによる、組み合わせの意外さ、ユーモラスさが印象に残りました。
このように興味を引かれるポイントがいくつかあったのですが、
それらと現代の視点からすると感情移入し難い面のある物語に結び付きを見い出すことができませんでした。