資生堂が戦後1947年以来継続している現役美術作家のグループ展の第八次の6名による美術展です。
共同制作というほどではないものの、「あたらしい世界」というテーマの下でアイデアを共有しつつ、
個々に独立した作品としてというより、お互いの作品を組み合わせて、資生堂ギャラリーの空間をインスタレーションしたものになっていました。
コンセプチャルというより、置かれているオブジェが象徴的なナラティブを帯びているように感じられ、
シュールでミステリアスなインスタレーションになっていました。
ギャラリーへ下る階段の手すり代わりのロープ (杉戸 洋, 中村 竜治) や途中に置かれたビニールホース (中村 竜治)、そして階段の先に見える街灯という流れ (目 [mé]) でその世界に引き込まれます。
最初のギャラリーの河川敷の暗闇から土手上の車道を走る車の光を捉えた映像作品 (目 [mé]) と
河川敷のシロツメクサの白黒写真を元にした大サイズの平面作品 (Nerhol) の組み合わせ、
そして、奥のギャラリーのテーブルや椅子の置かれた最後の謎めいた小部屋、と続きます。
しかし、例えば 目 [mé] 単独のインスタレーション [鑑賞メモ] 程の作り込みではないせいか、
正直に言えば謎解きに誘われるというほどでも無かったのも確か。
2022年は資生堂創立150周年、『花椿』創刊85年第220号ということで、展示されていた作品の中にもそれをテーマとしたものがあり、
そこは深読みする程でも無かったということもあるかもしれません。
ちなみに、12月5日〜18日 (11:00-19:00) の間、西銀座駐車場地下1階の
地下鉄銀座駅地下通路に面した所にある
Sony Park Mini でも
『SHISEIDO 花椿 GALLERY Mini』
と題した小規模な関連展示をやっていました。
こちらは、Nerhol と 宮永 愛子 のみで、いっそう資生堂『花椿』色濃い作品の展示でした。