20世紀以降のフィンランドのグラス・アート、ガラスを素材にしたオブジェ (立体作品) の展覧会です。 花器、香水瓶や食器 (皿、タンブラー、カラフェ、アイスペール、など) の形状を取る実用的なものもありましたが、半数以上は観賞用の宝飾品に近いものでした。 時代は20世紀前半、1930年代に始まり、主に21世紀に入ってから活動する作家まで8人の作家を取り上げていました。 戦間期 (というより戦中に近いですが) から戦後1960年くらいまでのシンプルでモダンなデザインが、 次第に、自然界の複雑な形状に着想したり鮮やかに着色されたりするようになり、 20世紀末以降になるとポップな意匠の引用を感じるポストモダンな色合いが濃くなっていきます。 おおよそ年代順に展示されていたこともあり、モダンデザインの流れをフィンランドのグラスアートを通して見るようでした。
特に印象に残ったのは、1930年代から活動するものの1948年に早逝した Gunnel Nyman。 Alvar & Aino Aalto [鑑賞メモ] に比べると有機的というか柔らかいフォルムや気泡使い。 フィンランド戦前〜戦中のモダニズムのデザインというと Aalto 以外を観る機会が少なく、 また、女性のデザイナということもあり、当時のモダニズムの広がりを見るようでもありました。