岡本 晃樹 主宰の現代サーカス・カンパニーの新作公演です。 Room Kidsとして観るのは初めてですが、 2022年に岡本が I/O Multimedia Performance CompanyとしてYPAMフリンジにエントリした 『in/deduction』を観たことがありました [鑑賞メモ]。 出演として3名クレジットされていますが、岡本以外の2名はほぼ黒子といっていい役割です。 舞台の上には10余りのアンティークの椅子や扇風機などが並べられ、舞台に投影されたエンドロールではそれらも出演としてクレジットされていました。 最初、それらはラップで包まれた状態なのですが、ラップを剥がし、黒子の2人が位置を動かしていきます。 もちろん、岡本が得意とする物理エンジン等を活用しライブで画像処理した映像プロジェクションも使っていました。
中でも、椅子や扇風機に仕込まれた小さなライトの白い光の点と、岡本がジャグリングする白いボールの点を、ビデオカメラで捉えて、 点を結ぶ疎な網状の白線を加えて投影した場面は、パフォーマーと並べられたオブジェの関係性を可視化するよう。 最後の繰り返し流れるエンドロールの文字が次第に伏字□になっていく中、オブジェにも白い方形の箱が被されていくエンディングの、ディストピア的なイメージも印象に残りました。 このように良いと思う場面もあり、 音楽や映像も手がけるなど 岡本 にアイデア、やりたい事がいろいろあるんだろうと思う一方、 自身のジャグリングとシンクロさせるように録画済みの様々な場所でのジャグリングの映像をマトリクス的に並べて投影する場面など、 並べられたオブジェとの関係性が不明確に使われている音楽や映像も少なからずで、アイデアが焦点を結んでいない印象も受けました。