インデペンデントで活動するアメリカの映画監督 Hal Hartley の最新作です。 2000年代に入って遠ざかっていましたが、この映画の公開に先立っての特集上映 『特集:ハル・ハートリー 90’sインディーズの伝説』で、 1990年前後の初期三部作 The Long Island Trilogy 『ロング・アイランド・トリロジー』をまとめて見直したところ楽しめたので [鑑賞メモ]、新作も観ることにしました。
自身をモデルにした隠遁気味のロマンチックコメディ映画監督を主人公とした作品です。 58歳にして遺言状を作成し教会墓守となろうとしますが、 それを察した周囲が死期が近いのではないかと勘違いして引き起こす騒動を描いた人情コメディです。 騒動と言っても、いわゆるドタバタではなく、さざなみのように細やかに、その会話もオフビート気味に広がります。 ラスト近く、主人公の家に周囲の人たちが集まるのですが、勢揃いした様子を俯瞰的に捉えることなく、一対一の対話のシーケンスとして描くあたりも Hartley らしいなと。 そんな Hartley らしさを楽しみましたが、描く時間も1, 2日程度で、空間も主人公の家の周りだけと、話としてはこぢんまりした感は否めませんでした。
しかし、主人公は58歳と自分と同じ歳という設定で、自分も第二の人生設計や終活を考えるべき歳なのだなと、感慨深いものがありました。 と言っても、遺言状を書き始めただけで騒ぐような取り巻く人々など自分にいるわけでもなく、この映画が描く状況が自分とはあまりに違うために、どこか他所ごとにも感じられてしまいました。