というわけで、
『モボ・モガ 1910-1935』 展 @ 神奈川県立近代美術館, 鎌倉 (6/28まで)
を観てきました。
大逆事件 (1910) から二・二六事件 (1935) までの
日本の「近代」を概覧する展覧会。とても、興味深いものがありました。
日本におけるモダンっていったい何だったのでしょうねぇ…。
椹木 野衣『日本・現代・美術』 (新潮社, ISBN4-10-421401-9, '98)
の第8章で、この頃の日本でのダダの受容について触れられているわけですが、
そこで述べられているような「ウルトラ・ナショナリズムの温床」で
済まされないものが、この展覧会にはあるような気がしました。
なんともうまく言えないのですが。ううむ。
Centre George Pompidou が
70年代末に開催した2つの展覧会の資料本
_Paris-Moscou 1900-1930_ と _Paris-Berlin 1900-1933_ を
最近買ってかなりハマっているだけに、
それらの対比を見ると、かなり考えさせられます。
全7部構成という大規模な展覧会で見ごたえあります。
商業美術やファッションといった風俗にも多くを割いているのがいいです
(特に、第3部「モボ・モガ登場」)。エノケンのコーナーもあったし。
一方で、第6部は「労働歌の街」だし。
ところで、カラオケには軍歌がたくさんあるのに、
労働歌が無いのは、どうしてでしょうね。
第5部「先端に立つ」では、題名通り、アヴァン・ギャルドを扱っているのですが、
そこで 筑波大学 河口 龍夫 教室 『劇場の三科 1925→1997』 ('97)
という、去年、筑波大学で行われた大正アヴァンギャルド・パフォーマンスの再現を
収録したヴィデオが上映されていました。
当時のポスターや『マヴォ』誌などの他の関係展示から気になったのですが、
写りがとても悪くてよく判らなかったのが惜しいです。
しかし、鎌倉は観光客やデートしているカップルで凄い人出でした。 小町通りは歩くのも大変なほどで、洒落た店にはたいてい行列が出来ていました。 うんざり。そこまでして店に入る気はしないので、 神奈川県立近代美術館のミュージアム・カフェに入ったわけですが、 ここの雑然とした感じは、食堂的な公立美術館のカフェとはまた違う雰囲気でした。 サンドウィチにしてもとっても手作りっぽくて、妙にアットホーム。ううむ。