昨晩、ゴキブリコンビナートについて書いていて思い出しましたが
(<そんなんで思い出すなよ)、
Woyzeck を含む Georg Büchner の戯曲三作の翻訳が
去年10月に岩波文庫になりました:
ビューヒナー 『ヴォイツェク ダントンの死 レンツ』
(岩波文庫, 赤469-1, ISBN4-00-324691-8, 2006)。
以前は図書館で全集を借りて (or 古本を探して) 読むしかなかったわけですが、
去年の5月にその全集
『ゲオルク・ビューヒナー全集』
(河出書房新社, ISBN4-309-20463-5, 1970/2006)
が再発になったものの「さすがに1万円は出せない……」と思っていたところだったので、
出てすぐ飛びつきましたよ。
それにしても、立て続けにビューヒナーの本が出るなんて、
ここに来て再評価が盛り上がってるのでしょうか?
しかし、1万円もする全集を出した直後に文庫を出すなんてアリなのか!?
Büchner と ゴキブリコンビナート を一緒に語るなんてとんでもないと 真面目な演劇人には怒られそうですし、 ゴキブリコンビナートの人達も嫌がりそうな気がしますが、 Woyzeck ってゴキブリコンビナートが演って いかにもハマりそうな話です (って、昔にもちょっと書いたことがありますが)。 ブルジョワ階級の将校と労働者階級の兵卒の間の階級問題という全体のテーマはもちろん、 主人公 Woyzeck が貧困のため人体実験の実験台として体を売るとか、 自分より位の高い鼓手長に美しい妻を寝取られてしまうとか、 で、人体実験と嫉妬で発狂してしまうとか、狂って妻を殺してしまうとか。 Dr.エクアドルなど、Woyzeck に人体実検を施す医者がハマリ役だと思います。 主人公 Woyzeck はスピロ平太かしらん。 Alban Berg も Wozzeck (1925) として無調オペラ化してますし (ってそういう問題か?)、 ゴキブリコンビーナート流に土着SFテイストを加え翻案して 3Kミュージカルというか3Kオペラ化するのもアリだと思うんだけどなぁ……。
そういえば、Werner Herzog が映画化した Woyzeck (1979) も観てみたいんだけど、日本ではDVD化されてないんだよなぁ……。 英字幕版で観るしかないのか……。