水滸伝
用語解説

まだ勉強中なので、ぼちぼち増やします〜(^^;

『貫』 『尺』 『しびれ薬』 『太保』 『武芸十八般』 『ひげ』 『鞭』 『狼牙棒』 『李広』
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か行

『貫』
「銅貨1000枚を縄で通したもの = 貫」である。貨幣の基準単位となるので、
「合計十万貫の宝」などという言い方をする。後に800枚=1貫とし、
さらに770枚=1貫とする慣習ができた。
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さ行

『尺』
長さの単位。現在の 1尺は30.3cm。宋の時代の中国尺は30.7cm。
そして『水滸伝』が最終的に編纂された時代の1尺は31.1cm。
しかし、水滸伝では、三国時代の1尺=24cmを使ってるようです。
水滸伝の登場人物の渾名に『三国志』関係の名前がちらほら見えることからも分かるように
当時『三国志』は誰もが知っているメジャーなお話だったので、身長に関しては
三国尺で言われた方が、当時の人にはピンときたのでしょう。
ちなみに 6尺は約144cm、7尺は約168cm、8尺は約192cm といったところです。

情報提供は『華夏幻想』のまっきぃ様。ありがとうございました(^^)

『しびれ薬』
旅人の体の自由を奪い、身ぐるみ剥ぐための必須アイテム。
荷物だけではなく、解体されて饅頭の餡にされてしまうこともあるので要注意!
これって今で言うと、なんていう薬なんでしょうねぇ?(^^;
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た行

『太保』
宋の時代では怪しげな祈祷を行う妖術師のことを太保と言った。
(宮崎市定著『水滸伝〜虚構のなかの史実』より)
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は行

『武芸十八般』
矛 ・ 鎚(つち) ・ 弓 ・ 弩(いしゆみ) ・ 銃(てつぼう) ・ 鞭 ・ 簡(かくぼう) ・
剣 ・ 鏈(くさり) ・ ふとづえ ・ 斧(おの) ・ 鉞(まさかり) ・ 戈(ほこ) ・
戟(えだほこ) ・ 牌(たて) ・ 棒 ・ 槍 ・ 叉(さすまた)
(『完訳水滸伝』(岩波文庫・吉川幸次郎・清水茂訳)第二回より)

『水滸伝』では上記18種類が『武芸十八般』とされているが、多くの武器の種類から
18種類を選ぶ為文献により微妙な違いがあり、決定的な説はないようです。


『ひげ』
髭 … 口髭(くちひげ)
髯 … 頬髯(ほおひげ)
鬚 … 顎鬚(あごひげ)
「三牙のひげ」とは、この髭・髯・鬚のことを言う。

『鞭』(べん)

鋼や青銅などの金属製の棒。その重量で相手にダメージを与える
打撃兵器。全長は約90cm、柄の部分は約20cm、重量は7〜8kg。
打撃部は打撃の効果を上げるために角ばっていたり、竹の節に似た
突起がついている。
双鞭 呼延灼 はその渾名の通り”2本の水磨きの八角の鋼の鞭”(*1)
を操る。右の重さ13斤・左の重さ12斤というので、右は7.8kg、
左は7.2kgぐらいか。
病尉遅 孫立 は”1本の竹節虎眼”(*1)を操り、孫立の弟
小尉遅 孫新 も兄同様鞭の使い手である。

*1『完訳水滸伝』』(岩波文庫・吉川幸次郎・清水茂訳)第五十五回より
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ら行

『狼牙棒』(ろうがぼう)
柄の先に木か金属の紡錘形のかたまり(錘(すい))をつけ、そこに
狼の牙のような突起を大量に植えつけた打撃兵器。
錘の部分は40〜60cm、全長180cmぐらいの長兵器と100cmぐらいの
短兵器がある。霹靂火 秦明が使うのは長兵器の狼牙棒である。
…見てるだけで痛そう…(T-T)


『李広』(りこう)

(?〜前119)隴西郡成紀県(甘粛省奉安県)出身。前漢の人。
弓の名手で、虎だと思って射た矢が岩に刺さったという話は有名。

匈奴征伐や呉楚七国の乱征伐で活躍した。匈奴に対する北方防衛の
中心となって勇名を馳せ、匈奴に「漢の飛将軍」と呼ばれ恐れられた。
李広が右北平郡長官に任じられたとき、彼がそこにいることを知った匈奴は
あえて右北平郡には侵入しなかったという。

生来清廉な人物で、もらった恩賞も全て部下に分け与え、
自分は貧乏暮らしをしていたそうで、部下の信望は非常に厚かった。
荒野で水を見つけた時は、兵士全員が飲んでからでないと水に近づかず、
兵士全員が食事を始めなければ決して箸を取らなかった。
彼のためなら部下は喜んで死んでいったという。

これだけの武勲を挙げた李広であるが、あまり出世はしなかった。
口数の少ない戦いひとすじの、まさに武人という人となりで、世渡り
上手とは言えなかったようであるし、運の悪さとか間の悪さも
それを手伝っていた。とにかくむくわれない人生を送った人です…(T-T)

武帝の時代になり、衛青や霍去病が重用されるようになると、
李広はその武勲にもかかわらずその下にはいることになった。
前119年に衛青、霍去病とともに匈奴を討った時に作戦を誤り、
その責任をとって自刎した。

花栄の渾名「小李広」は、この李広にあやかったものである。


『al-qamar half』 Uriuri Tsukiyono 1999〜