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8月22日(旧暦7月12日)
ようやく船が出るとのことで1便に乗るため小雨が降る中、康恵さんと離島桟橋へ向かう。木綿子さん、関さんは散歩にでたまま帰ってこない。大橋さんが見送りに来てくれる。安栄の切符を買うが、定員となり、ニューはてるまに廻されることとなった。 船が出港する間際に木綿子さん達が駆けつける。驟雨に襲われ雨宿りをしていたようだ。
欠航明けなのに、海は穏やかで、多少遅れたもののほとんど揺れずに波照間へ到着する。港は出迎えの人々で賑わっている。旧盆用の物資も多いようだ。見かけたことのある顔や民宿の車が並ぶ。送迎の車でたましろ荘へ。空港に寄り道してから、島の中心部を抜けたましろのある冨嘉集落へ。公民館の広場では舞台の設営が始まっている。名石の集会所ではムシャーマの衣装が広げられ、点検されている。ふだんは静かな島内が、旧盆に向けて活気づいている。 荷物を置き、なにはともあれニシハマへ向かう。いつもの角を曲がり、「モンパの木」の前を過ぎると海が広がる。浜に着くと、台風の影響で海には波がたち、海草が打ち上げられている。人はほとんどいない。シュノーケルマスクをつけ海中に入るが、濁ってしまっていて視界がきかない。
たましろに戻り、昼のサービス弁当を食べる。みそ汁つき。
たましろ前に戻ると、浜田さんと話しているマサミツさんに会う。星空荘に泊まっているそうだ。3年前に浜田さん、鈴木創(ハジメ)さんと4人で会って以来。ハジメさんとは3年前の与那国で出会って以来のつきあいで、今回は私と入れ替わりに8月末から波照間に来ることになっている。マサミツさんはそのハジメさんの親友である。 日が暮れてくると雨がまたぱらついてくる。夕食はいつもは庭のテーブルで食べるのだが、室内となった。いつものてんこ盛りの食事に、泡波。はじめての剣太君が驚愕している。
前庭では少年達が太鼓の稽古。鼓を担ぐ者、撥でそれを叩く者、パーランクを叩く者、伴奏の笛、各4人で合計16人。壮年の指導者が最後の仕込みをしている。
しばらくして集落内を一周した行列が戻ってくると、裸電球の照らす薄暗い中、棒術の練習が始まる。10人が、2人一組で棒や薙刀、鎌を振り回し闘う演技をする。まずは1組ごとに、そして最後には一斉に。若い男達が乱舞する様は勇ましいが、まだ動作に躊躇のようなものがみられる。郵便局のお兄さん(「ルパン」)が手順を間違い、舌を出したのが集会所の明かりでシルエットになってばれてしまう。笑いがもれる。 庭の演技の練習が終わると、集会所の中で舞踊の練習が始まる。年配の女性の、完成された踊りから、中学生の女の子の初々しい踊りまで。生演奏で三線、笛、太鼓の伴奏がつく。三線の伴奏は後冨底周二さん。マイクを通さない音が心地よい。練習を終えた男達は庭の片隅にござを敷き、酒盛りをはじめた。 田中さん、直子さんと前組の練習も見に行くことにし、前集落の集会所とその前の広場に向かう。前組は、前集落単体でひとつの組なので、こじんまりしている。ちょうど棒術の練習が終わり、舞台の練習が始まるところだった。 一休みしている康恵さんを見つける。馬をやることになり、衣装あわせをしたとのことだ。崎枝節にあわせて踊る若駒である。 ついでに東組の練習も偵察しにいくことにする。南集落と北集落が、東組となる。遠くから聞こえてくる銅鑼や三線の音をたよりに、北集落の集会所を目指す。
時間も遅いので、宿に戻ることにする。名石の集会所に戻ると、まだ練習は続いていた。他の人達はもう戻ったようだ。
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