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8月23日(旧暦7月13日)
今日は「シキルピン」、盆の迎えの日である。仏壇を開けて飾り付けをするため、今日から仏間には泊まれなくなる。
浜田さん夫妻は今日帰り、もう1組の夫妻はいしの荘に移動ということで今日は7人となるのだが、康恵さんは前組で出るのだからちょうど人数分だ。 食後、新聞を読んだり、部屋の移動の準備をしたりでのんびりと過ごした後、ニシハマへ向かう。さんぴん茶のペットボトルを買いに冨嘉売店に寄ると、八重泉に混じって泡波の1升瓶が。有難く購入する。店のおばさんに運がいいね、最後の1本だよ、と言われる。 坂道を、ブレーキの悲鳴をあげながら下っていく。目の前に広がる海は昨日よりも断然に彩りを増している。
沖まで出て、リーフエッジ沿いにゆっくりと泳ぎ魚見物。リーフの先の海中はペイルブルーの水が視界いっぱいに広がる深い海。海の底には真っ白な砂が砂漠のように広がり、大きな魚が数匹、群れながらゆっくりと進んでいく。エッジの崖には沢山の魚が群れて餌を探している。ときおり、小魚の群れがきらきらと光りながら過ぎていく。 海から上がり、木陰に座る。朝食時につくったおにぎりを食べ、海を眺めているとだんだん眠たくなってくる。西表の方にわきたつ雲が、気がつかないくらいゆっくりと、形を変えていく。
木陰に戻るが、だんだん日陰がなくなり、日差しが直撃するようになってきた。あずまやに避難すると、先に引き上げてきた直子さんがぼおっとしている。ここでも何をするでもなくぼんやりと時が過ぎていく。海から剣太君と真治君が上がってくる。真治君は日焼けで体が赤い。かなり痛くなりそうだ。 夕方たましろ荘に戻ると、庭先がずいぶんと片付いている。帰省してきた親戚の人達が大掃除をはじめたのだ。
おんぼろで悪いですねえ。もう築40年以上も過ぎているものだから。
みなが出先から帰ってきて、きれいになっていることに驚く。
日が暮れるころ、また雨が降ってくる。今日も夕食は室内となった。なんだか朝ご飯を食べているときのような気分で、みなおとなしい。襖が取り払われて食堂と仏間がひとつづきになったので、昨日よりは開放感があるが。
食事の横で、おばあちゃんを中心に親戚の人達が仏前に集まり、お祈りをはじめた。その後は話の流れで明日のムシャーマのレクチャーが始まる。
仮装行列は、もともとは豊年祭の行事だったのを、分離したこと。(他の島では仮装行列は豊年祭で行われる)
5集落を組に分けるため、前集落が、東組と西組に分けられた。そのため集落内の争いが絶えず、それを避けるため前組は独立して3組になったということ。この歴史があるため、前集落の人達は血の気が多いという説。
これだけ話を聞いて明日のムシャーマに参加しないわけにはいかない。全員がその気になって仮装行列の打ち合わせ。仮装行列は行き(朝)と帰り(夕方)の2回あるが、帰りの方に参加することになった。 お面は6つ。アンガマのおじいとおばあの面、四国のお面、韓国のお面、天狗と般若の面。三線の伴奏は「山崎のアブジャーマー」と「殿様節」。功一先生が演奏してみせる。これにあわせて、おどけながら踊ればよいという。特に振り付けなどはなし。
雨が降ったりやんだりしている。明日の天候が気になるところだが、夜も更けてきたので寝ることにする。
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