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8月24日(旧暦7月14日)
その1・ムシャーマ午前の部 今日は盆の中日、ナカヌピン。いよいよムシャーマ本番の日である。
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行列は各組とも大体同じような構成と順番になっている。
まず先頭には大旗が掲げられる。細長い幟状の旗には組ごとに字が書かれている(東組;「東」の字と太陽の図柄 前組;「五風十雨」 西組;「祈豊年」)。 続いて「ナーリ」、少年が五穀の実を実らせた木の枝を掲げる。豊かな実りを表している。 そして、行列の主役である「ミルク」(リンク参照)。真っ白な布袋の仮面に鮮やかな黄色の衣装。太陽と月の描かれた扇を持ち、杖をつき、ゆっくりと左右を見渡しながら進む。神々しくもユーモラスだ。組によってその顔や衣装はすこしずつ違う。傍らには椅子持ちの少年が、折りたたみの椅子を持ち、ミルクの衣装の裾をつかんでお供をする。 ミルクのすぐ後には「五穀の篭」。おめかしをした幼女が、五穀を盛り付けた竹で編んだ籠を下げてミルクの後を行く。ミルク世のもたらす豊穣の種を意味するのだろう。 そして「ミルクンタマ」。波照間のミルクは女性とされており、その子供達がミルクの後に続く。 次にくるのは「弥勒節」。絣を着た年配の女性が、年配の男性達の三線にあわせてミルクを称える弥勒節を歌う。 |
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次の「まみどーま」ではハッピを着た子供達が鎌のはりぼてで草刈の動作をする。リハーサルのときは走り回っていた子供達だが、何とかまとまって元気よく演じている。
「稲摺節」弥勒節よりは多少若めの男女が、白布で稲を擦るまねや、杵でもちを搗くまねをする。米俵を担ぐ者もいる。収穫の喜びを表すのだろう。 そして「崎枝節」(馬ブシャー)。水色の衣装を着、脚絆をつけた若者が、木型の馬を腰につけ、手綱をとり馬を走らせる所作をする。 ここまでは各組とも共通である。このあとさまざまな踊りが続き、これは組によって違っている。「六調節」「天川」「かりゆし節」「山崎のアブジャーマ」などが演じられる。中には色物的な演目もある。前組では着物に赤い褌、眼鏡に付け髭の若い女性達が、一升瓶を担いで踊っていた。
行列の半ば位には「ブーブザ」がうろうろしながら、踊り手にちょっかいを出したりしている。ミルクの旦那といわれる道化役である。決して先頭の方に行くことはないのは、遊び人でミルクに頭が上がらないためらしい。エイサー(沖縄本島の盆踊)の道化役「京太郎(ちょんだらー)」に似ているかもしれない。 |
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全身を蔓植物で覆った雨乞いの神様「フサマラー」も出現する。本来は雨乞いの神事に出現していた。長い葉を手に持ち、それを水につけて観客に振り捲く。
長い棹の先に張りぼての鰹をつけ、釣りの真似をする「鰹釣り」。かつて盛んだった鰹釣りを模したものだ。これもわりと道化的で、工事用のヘルメットを被っていたりする。 行列後部は再び、各組共通となる。
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1時間ほどですべての行列が公民館前の中庭に集結した。いつのまにか増えた観客がぞろぞろと公民館の中庭に移動する。
公民館の前で、ハジメさんを通して知り合いになった、京都の本庄森さんに偶然会う。西表出身の三線弾き「まーちゃん」のバンドでベースを弾いているとともに、本人も三線弾きだ。なんと前組の舞台の伴奏をつとめるという。
午前の部の締めとして最後に「ニンブチャー(念仏踊)」。祖先を供養する歌を歌うニンブチャーは、地味ではあるが祭りの中核である。中庭に用意されたお供えの膳の前に島の要人が数人しゃがみ、念仏歌を唱える。棒や太鼓に参加していた若者が輪になってしゃがみ、念仏歌を唱える人達を取り囲む。そして、皆がうさぎとびで廻る。このうさぎ跳びはたぶん他の島にはないのではないか。2周ほどした後は立ちあがって廻る。4年前よりうさぎ跳びの時間が短くなったように感じるのは気のせいか。
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