水中カメラの選び方
水中カメラの選び方について、時々ご質問をいただくので、独断と偏見(と、下手したら勘違いも)を交えて、私の意見等を書いてみようかと思います。
このページは、シュノーケリングとダイビングの初心者〜中級者で、かつ水中写真は初心者という方を対象として書いています。 細かい例外等を省いて、言い切ってしまっている部分もありますが、ご了承ください。また生産終了となった高価なニコノスRSについては、手軽に買えるものでもありませんので説明ははぶいてあります。
水中カメラやシステム構成や写真についての高度な話は、私の手に余りますので、もっと突っ込んだことを知りたい方は、 「Marine photo」などの水中写真専門誌や専門書をご覧になるか、AquaScape 水中映像メーリングリスト に入りましょう。すごく詳しい人達がたくさん参加しています。初心者歓迎です。
<まず>水深の深いところできれいな写真を撮るために必要なものは、光量の大きなストロボだと思います。特にダイビングで使用する場合は、ほとんど必須です。
水深が深くなるにつれて、太陽の光は水に吸収され、魚もサンゴも本来の色が出ずに青味がかって見えます。また、水深が深くなるにつれて、太陽光が届かなくなって、薄暗くなります。
人間の目は優秀なので無意識の内に補正して本来の色に比較的近いものを見ていますが、フィルムはそうはいきません。そのため、ストロボなしに水中で撮った写真は、自分が思ったのより青っぽかったり、暗かったりしてしまいます。
水中で失われた太陽光の代りに、ストロボを使うことで、被写体の本来の色が再現されます。カメラに内蔵してある程度のストロボでは光量(ガイドナンバーという単位で表示します)が小さいので、近接撮影程度には使えますが、被写体からちょっと離れると光が届かず、あまり効果がありません。
ただし、ごく水深の浅いところでは、太陽の光が充分届くので、ストロボの必要はそれほどありません。
天気の悪い時にはあった方が良い場合もありますが、太陽がギラギラと輝く日中の水深1〜2mでは、ストロボを焚いても、太陽光に打ち消されてしまってほとんど効果がありません。
だから、浅場を中心にシュノーケリングをする人は、ストロボにはあまりこだわらなくても良いでしょう。
大体水深5mより深いところを中心に撮影するような場合には、ストロボがあった方が良いでしょう。
<選び方その1>シュノーケリングやダイビングの技術で選ぶストロボだけでなく、カメラもレンズも、高性能のものを使えば、きれいな写真は撮りやすくなります。
しかし困ったことに、高性能のものになればなるほど、大きく、重く(、値段は高く)なる傾向があります。自分のシュノーケリングやダイビングの技術を無視して、重く大きな水中カメラを選んでも、水中での持ち運びで持て余してしまいます。
極端な話、金属ハウジングにストロボをつけて、ネオプレーン製のウエットスーツ(←浮力がある)も着ずにシュノーケリングをしたら、私なら重さに負けて溺れます。ダイビングでも、流れがあったら、私ならたぶん流れに逆らっては泳げません。
持て余して自分が危険な目にあったり、カメラで手一杯になって周囲に気を配れなくなりサンゴを破壊したりしては元も子もありません。そこまで行かなくても、くたびれてまで写真を撮ってもあまり楽しくないと思います。シュノーケリングやダイビングの初心者、特にシュノーケリングの場合は、なるべく軽量でコンパクトなものを選んだ方が良いでしょう。
ダイビングの場合は、BCDという器材を使って浮力をコントロールできますので、多少重いものでも持ち運べますが、流れがまったく無い時はともかく、流れのあるところでは、かさばるカメラは意外に抵抗が大きくて、泳ぐのに負担になります。筋力や体力・泳力のある人は構いませんが、それらに自信のない人は、初心者を卒業しても、無理をしない方が良いと思います。
「軽量コンパクトなものを買ってもそれなりの写真しか撮れないのではお金の無駄だから、最初から高性能なものを使いたい」という人は、シュノーケリングやダイビングの技術が伴うまで待ちましょう。逆に、水中写真がまったく初めてであっても、ダイビングの上級者であれば、いきなり「金属ハウジング+ストロボ2灯」などの重装備から始めても、いっこうに構わないと思います。これは、水中での持ち運び等の取り回しの話です。そのシステムの機能を使いこなせるかどうかは、また別ですが、でもダイビングの上級者なら、水中であれこれ気を配る余裕がありますから、本人の興味さえ持続すれば、そのうち使えるようになるでしょう。
シュノーケリングの上級者の場合は、ちょっと難しいところです。例え上級者でも、金属ハウジング等は重くて負担になるような気がします。(私には計り知れないレベルの話なので、よくわかりませんが。)また、ダイビングと比べ、水中で静止することが難しいので、一眼レフ(+ハウジング)で、オートフォーカスでピント合わせをするのは、なかなか難しいのではないかと思います。
なので、シューケリング専門の場合は、上級者であっても、選べる水中カメラは多少限られるように思います。ニコノスVやモーターマリン2 EXなどの、ピントを目測で合わせるカメラが、使いやすいと思います。
が、時々しかピントの合った写真が撮れなくてもかまわないから、すごくきれいなのを1枚撮りたい、という方は、一眼レフ(+軽量なハウジング)でもなんでも、好きなカメラを使われたら良いと思います。しょせん趣味の世界なのですから、本人が満足するのが1番でしょう。
シュノーケリングの上級者で、かつ陸上で一眼レフの扱いに慣れていてマニュアルフォーカスで一瞬の内にピント合わせができる人なら、あるいは一眼レフ(+ハウジング)を使いこなせるかも知れません。
<選び方その2>予算で選ぶ実際のところ、ほとんどの人にとって、水中カメラを買う際の1番のポイントとなるのは、やはり値段でしょう。
- シュノーケリングの場合、初期費用が1番安いのは、「水に強い写るんです」などの水中用レンズ付きフィルムです。水深3m程度まで使用できるものが多いです。とりあえず水中写真を撮ってみようか、という場合は、これで充分でしょう。
- ダイビングで1番目、シュノーケリングで2番目に初期費用が安いのは、レンズ付きフィルム+ハウジングです。ハウジングというのは、陸上用のカメラを水中に持ち込むための防水耐圧ケースで、レンズ付きフィルム用の場合は透明プラスチックで出来ています。「潜ルンです」などが有名で、製品にもよりますがダイビングでも使えるのがほとんどです。
これは何本か撮ると、「水に強い写るんです」よりは単価は安くなりますが、それでも中味のレンズ付きフィルム代でランニングコストが結構かかってしまうので、要注意です。また、レンズ付きフィルムがモデルチェンジして大きさや形状が変わってしまうと使えなくなるので、1度買ったら永続的に使えるというものではありません。反面もし水没しても、そのレンズ付きフィルムがダメになるだけで、ハウジングは乾かせばまた使えるので、水没してしまった時の損失額は1番小さいというメリットがあります。
- 上記「レンズ付きフィルム+ハウジング」は、ランニングコストが割高だ、と思う場合は、
シュノーケリングなら、水陸両用のコンパクトカメラが手軽だと思います。
製品にもよりますが、水深5m程度まで使え、フィルム交換が出来るので経済的です。
オートボーイD5(キャノン)、 ベクティスGX−4・愛称イエローエンジェル(ミノルタ)など、何種類かあります。
ミノルタ・ベクティスはAPSフィルム用なので、海外では地域によってはフィルムの入手が困難かも知れません。APSフィルムは充分な量を持参された方が良いかも知れません。ダイビングなら、「マリンカム」「ボニカスナッパー」などの陸上コンパクトカメラ+ハウジングのセットか、「スプラッシュ」などの水中用お手軽カメラが、フィルム交換できるので良いでしょう。
- もう少し予算があるのなら、ダイバーにはモーターマリンMX-10+専用ストロボが良いと思います。
カメラの機能自体は「スプラッシュ」よりちょっと上程度なのですが、ガイドナンバー(光量)が大きい専用ストロボのYSー40Aを使うことで、ダイビングでは、写真の出来にはかなりの差がつくでしょう。軽量コンパクトなので、シュノーケリングやダイビングの初心者にも無理なく持ち運べると思います。更にオプションレンズを買い足せば、お手軽カメラにしてはかなり幅の広い写真が撮れます。
- 別の考え方として、せっかく買うのだからお手軽カメラではなく、ある程度の写真を撮れるものが欲しいという場合は、
とりあえずモーターマリン2 EXの本体だけを買って外部ストロボ無し(内蔵ストロボのみ)で使用し、そのうちお金がたまったらストロボを買い足す、という手もあります。
モーターマリン2 EXは、プロも使うニコノスVほどではありませんが、ピント位置が変えられ、シャッタースピードや絞りも何段階かに変えられるので、ストロボ付きであれば、上記お手軽カメラたちとは段違いにきれいな写真が撮れます。(もちろん、操作するところが多くなる分、使いこなすにはちょっとした努力が必要です。)オプションレンズも豊富で、幅の広い写真が撮れます。
ただし、ストロボなしのモーターマリン2 EXと、専用ストロボ付きのMX-10を比べた場合、水深の深いところでは、MX-10の方に歩がありそうな気がします。同じ考え方で、ニコノスVを、当初はストロボなし、レンズも35mmなどの安いもので揃えて、いずれストロボや他のレンズを買い足す、ということも出来ます。ニコノスVなら、ワイド撮影には15mmや20mmのレンズをつけてプロも使うカメラですので、雑誌のグラビアのような写真も夢ではありません。
ただし、ニコノスVは、モーターマリン2 EXと違って、内蔵ストロボすら付属していないので、ストロボなしだと水深の深いところではちょっと悲しいかも知れません。モーターマリン2 EXやニコノスVは、ストロボなしなら、軽量コンパクトなので、シュノーケリングやダイビングの初心者にも、取り回しは楽だと思います。
ストロボ付きとなると、選んだストロボにもよりますが、ある程度は泳げるようになってからでないと、人によってはしんどいと思います。 特にシュノーケリングの場合はそうです。私はウエットスーツ(←浮力がある)を着ずに、ニコノスV+SB105ストロボ(純正アームセット)を持ってシュノーケリングをすると、負担に感じます。でも男性で体格の良い人なら、全然平気な人かも知れません。
- もっと予算がある場合には、「モーターマリン2 EX+ストロボ」「ニコノスV+ストロボ」「一眼レフ+ハウジング(+ストロボ)」などが選択できます。これらのうち、どれを選ぶかは、下記の、どんな写真を撮りたいか、によって変わってきます。
<選び方その3>どんな写真を撮りたいかで選ぶどんな写真を撮りたいかと言っても、ほとんどの人は色々な写真を撮りたいに決っていますが、大雑把に言ってしまうと、値段が高くて、重さが重くて、大きくかさばる撮影システムほど、色々な写真が撮れます。軽量コンパクトで値段が安くなればなるほど、撮れる写真のバリエーションは制限されます。
これはもう仕方のないことなので、あきらめるしかないです。<選び方その1><選び方その2>などと考え合わせた上で、妥協点を探しましょう。
- 一眼レフ+ハウジング
このシステムが、一番色々な写真が撮れます。マクロ、ワイド、半水面どれもOKです。
レンズやポートやストロボをあれこれ取り替えて使うことにより、多様な写真が撮れます。(あれこれ取り揃えれば、もちろんお金はかかります。)どういうのを撮りたいのかまだわからない場合は、とりあえずズームレンズを買えば、マクロ、ワイド、半水面ともに、そこそこきれいな写真が撮れます。ハウジングは、金属製のものか、アクリル製のものが一般的です。金属製のものの多くは既製品として売られていて、既製のアクセサリ類も多く、またストロボやアームも任意のものを好きな数だけ付けられるので、拡張性の点で有利です。ただし重く大きいので、水中だけでなく陸上での持ち運びも大変です。
アクリル製のものは、ハウジングにしては軽量コンパクトなものが多く、値段も安く、セッティングが簡単なので、気軽に使うのに良いです。ただしストロボの拡張性にある程度の限界があるので、ライティングの自由度では金属ハウジングよりも劣ります。
一眼レフ+ハウジングというシステムを選択する場合は、ハウジングだけではなく、中身のカメラの性能も考慮して機種選択をした方が、あとあと後悔せずに済むでしょう。
- ニコノスV、モーターマリン2 EX
ワイド中心で撮るには、こういう水中用カメラでもかなりの線まで撮れます。特にニコノスVは、ワイド撮影にはプロも使うカメラで、レンズによっては、雑誌のグラビアのような写真も撮れます。
ピント合わせが目測(目分量)なので、マクロ撮影には制限がありますが、ワイド系の撮影は得意です。細かいピント合わせは気にせずに、シャッターチャンスを優先して好きな時にシャッターを切れるのは大きな利点です。ストロボをはずせばとてもコンパクトになるので、機動性が高く、シュノーケリングでイルカやマンタやジンベイザメなどを撮影する時には特に威力を発揮します。 どちらも、接写用アクセサリを使用すれば、限られた範囲(撮影距離、あまり逃げない被写体、など)でではありますが、マクロっぽい写真も撮ることはできます。
ニコノスV用には、水中専用に設計されたレンズがいくつか発売されていて、レンズを交換することで、中位の魚の写真からワイド写真まで色々撮れます。特に15mmレンズの描写の素晴らしさには定評があります。プロが使うのは主に15mmですが、水中風景よりも魚を主題として撮影しているプロの中には、20mmレンズの方を好む方もいらっしゃるそうです。1番価格が安い35mmレンズは、水陸両用なので陸上撮影にも使え、水中で使い残したフィルムを陸上で消費するのにも便利です。
モーターマリン2 EXは、本体付属のレンズの上に、オプションレンズを付け足して変化をつける方式で(もちろん本体付属のレンズだけでも使えます)、画質的にはニコノスVに負けますが、水中でオプションレンズを脱着できるので、1ダイブの中でレンズをあれこれ使える(=多様な写真が撮れる)のと、比較的手頃な価格であれこれ撮れるシステムが揃う点は、他のカメラには無い大きな魅力です。
- モーターマリンMX-10
このカメラは、お手軽カメラに毛の生えたようなもので、撮れる写真のバリエーションも画質にも限度がありますが、光量の大きい専用ストロボが使えるのと、絞りを変えられるので海をブルーに写すことができるという点で、お手軽カメラの中では1歩抜きん出ています。
軽量コンパクトという、お手軽カメラならではのメリットは、専用ストロボをつけてもほとんど損なわれません。光量の大きいストロボを使うことで、曇りの日や水深の深いところでも、被写体本来の色が再現できます。本体付属のレンズで撮影できる被写体は、お手軽カメラと同様ですが、水中で交換出来る3種類のオプションレンズを使用すると、ワイド写真や、チョウチョウウオ位の大きさの魚や、マクロっぽい被写体も撮影することができます。
- お手軽カメラ
お手軽カメラできれいな写真を撮れるのは、天気が良く太陽の日差しが強くて、透明度が比較的良い時に、浅場で、被写体として人間や大きな魚や魚の群れなど大きなものを狙って、決められた距離から撮影した場合です。
これらの条件が満たされた状態で撮影すれば、写真を撮る人の腕前によっては、びっくりするほどきれいな写真も撮れるそうです。私はこのページの上の方で、「それなりの写真しか撮れない」と書きましたが、それは私をはじめとする普通の(?)人の場合のことであって、例えばプロが撮るとお手軽カメラで撮ったとは信じられない程きれいな写真が撮れるそうです。
逆に深場だったり、透明度が悪かったり、天気がどんより曇りだったり、被写体が小さかったりという要素が1つでも入ると、いまいちな写真になってしまいがちです。「お手軽カメラ」と書くと、「お手軽にきれいな写真が撮れるカメラ」と誤解されてしまいそうですが、「お手軽」なのは、値段が安くて、軽量コンパクトなので初心者にも取り回しがしやすいという点であって、きれいな写真を撮るという点では、お手軽カメラは実は1番難しいカメラだと思います。
機能が豊富なカメラならば、距離や被写体の大きさや明るさなどのさまざまな条件に合わせて、カメラ側を調整することができますが、お手軽カメラではそういうことが出来ません。きれいな写真を撮るには、そのカメラに許された狭い条件の中で、その条件を生かすような写真を撮る必要があります。
お手軽カメラを使う場合は、お手軽カメラが得意とする写真以外はあきらめる、という位の割り切り方をした方が、幸せになれるでしょう。機種にとっては、接写用アクセサリが発売されているなどして、小さめの魚の写真も少しは取れるものもあります。
マクロ用レンズ・・・潜るんです、マリンカム。
クローズアップレンズ・・・スプラッシュ。
ただ、これはモーターマリン2やモーターマリンMX-10でもそうですが、マクロといっても、ある程度の大きさがあって、しかもあまり逃げない被写体に限られます。
また専用の光量の大きいストロボが発売されているものもあります(潜るんです、マリンカム等)。本体付属のレンズだけでも、距離さえきっちり合っていてブレなければ、ピント自体はシャープなものが得られるので、トリミング等の加工をして、パソコン上の自作図鑑用に、チョウチョウウオ位の大きさの魚を撮影するのにはなんとか使えるかも知れません。(ちょっと効率が悪いかも)
上記の水中撮影システムは、ニコノスVに水中専用レンズを取付けた場合を除いて、いずれも陸上でも撮影が出来ます。ただし、下のマトリクスで「水中カメラ」に分類しているカメラについては、陸上での写りはそれなりかも知れません(まあ、「写るんです」程度には撮れます)。
<用語説明>
- 半水面写真
写真の上半分が陸(島、空など)、下半分が水中になっている写真のことです。
これを撮るには「一眼レフ+ハウジング」が必要です。
それ以外のカメラで撮影するのは、不可能ではありませんが、かなり困難です。
- マクロ(接写)写真
クマノミのどアップとか、ハゼとエビが共生している様子等、小さいものをアップで撮影するのをマクロ撮影と言います。マクロ写真を本格的に撮りたい場合は、一眼レフ+ハウジングでほぼ決まりです。
そんな予算は無いという場合は、MX-10、モーターマリン2、ニコノスVなどに接写用アクセサリを使えば、多少は撮れます。ただ、この場合、逃げる魚は撮りづらかったりと制約があります。
- ワイド写真
風景写真などの、遠くから見たような広い範囲を撮影した写真のことです。
個人的見解によるアドバイスシュノーケラーには、水陸両用のコンパクトカメラをおすすめします。
ダイバーの場合は、たまに、それも少しだけ写真を撮るような方、例えば月に1日ずつ近場に通ってダイビングするような方には、初期費用の安い「レンズ付きフィルム+ハウジング」がお手軽で良いかも知れませんが、モルジブに滞在して何日も続けてダイビングをして、フィルムを何本も使うような場合には、フィルム交換のできるお手軽カメラを買ってしまった方がお得だと思います。
お手軽カメラの中では、「マリンカム」「ボニカスナッパー」「スプラッシュ」などの間で悩む方が多いようですが、どれも大差はないと思います。カメラ本体だけで考えた場合、「スプラッシュ」だけは、露出を3段階に変えられる分、機能的には他よりちょっとだけ上だと思いますが、写真の出来は、多少の機能の違いよりも、写真の腕前やシュノーケリング・ダイビングの技術による違いも大きいので、あまり気にする必要はないと思います。「たまたま近所の店で売っている」「値段が安い」「外見がカワイイ」等の理由で選んでしまっても構わないでしょう。
ダイバーの場合、もう少し予算が出せれば、モーターマリンMX-10のほうがきれいな写真が撮れると思います。このカメラはお手軽カメラではありますが、ちょっと頑張って練習すれば、なかなかの写真が撮れるし、また長く使えると思います。
とりあえず記念写真が撮れれば良い人や、予算がない人、お金が貯まり次第上級機種に買い替えたい人は、「マリンカム」「ボニカスナッパー」「スプラッシュ」などを買われたらいかがでしょうか。ある程度長く使いたい人はモーターマリンMX-10の方が良いと思います。
1度買ったらずっと使えて、カメラ本体を買い替えたくならずに済むのは、ニコノスVか一眼レフ+ハウジングだと思います。(それでも更に上級機種に買い替えたくなる場合もありますが。)
独断と偏見によるマトリクス以下の表は98年5月頃の情報を基に作成してあります。
特記してないものは、ダイビングショップの他、大型のカメラ店でも入手できます。
種類 芸術作品の撮り易さ 重さ大きさ 商品名と価格の例 その他 水中用レンズ付きフィルム ☆ 軽量コンパクト 水に強い写るんです など
2000円位水深3mまで レンズ付きフィルム+ハウジング ☆ 軽量コンパクト 潜るんです など
実売5000円台位〜
レンズ付きフィルムは別売りランニングコスト(レンズ付きフィルム代)が高い 水陸両用のコンパクトカメラ ☆ 軽量コンパクト キャノン・オートボーイD5は実売2万円台半ば
ミノルタ・ベクティスGX-4は実売1万円台半ば水深5m程度までのものが多い ベクティスGX-4はAPS用
評価保留※
(想像としては☆)軽量コンパクト ミノルタ・ベクティス・ウェザーマチック 定価56,000円 水深10mまで
オートフォーカス
APS用陸上用コンパクトカメラ+ハウジングのセット ☆ 軽量コンパクト ボニカスナッパーは定価14,800円
マリンカムMC-10は定価18,000円
マリンカムMC-35Gは定価39,500円
(いずれもカメラとハウジングとのセット価格)マリンカム&潜るんです共通外部ストロボ「光るんです」18,000円 マリンカムMC-10はAPS用
水
中
カ
メ
ラスプラッシュ ☆×1.2 軽量コンパクト スプラッシュET-100plusは定価17,500円〜22,500円
(違いは色だけ)ダイビングショップか水中撮影機材専門店で入手可 モーターマリンMX-10 ☆×1.7 軽量コンパクト YS-40Aストロボとのセットで定価64,000円 実売5万円位〜 <オプション>
20mmワイドコンバージョンレンズ19,500円
クローズアップレンズ5,000円
マクロレンズ10,000円
(いずれも定価)ダイビングショップか水中撮影機材専門店で入手可 モーターマリン2 EX ☆☆☆ ストロボ無しだと軽量コンパクト ストロボ付きだとちょっと重く大きい
本体のみで64,000円
YS-60ストロボとのセットで103,000円〜(ストロボやアームにもよる)<オプション>
16mmワイドコンバージョンレンズ28,800円
20mmワイドコンバージョンレンズ24,000円
マクロレンズ2T 17,000円
マクロレンズ3T 14,000円
(いずれも定価)ダイビングショップか水中撮影機材専門店で入手可 ニコノスV ☆☆☆☆☆ ワイドはかなりいける
マクロは不得意ストロボ無しだと軽量コンパクト ストロボ付きだとちょっと重く大きい
(モーターマリン2 EXより更に少し重く大きい)(システムの一例)
Nikonos Vカメラ本体80,000円
SB105ストロボ(純正アーム付き)75,000円
35mmレンズ21,000円
以上合計176,000円他の選択肢は、
28mmレンズ45,000円
20mmレンズ92,000円
20mm用ファインダー20,000円
15mmレンズ196,000円
15mm用ファインダー32,000円
など(いずれも定価)プロも使う レンズには左記のニコン製品の他にも SEA&SEA社製の値段の比較的安いものがあり、ダイビングショップか水中撮影機材専門店で入手可
ニコン製品は大型のカメラ店でも入手可
陸
上
用
一
眼
レ
フ
+
ハ
ウ
ジ
ン
グア
ク
リ
ル
製
ハ
ウ
ジ
ン
グDIVインテグラル型 ☆☆☆☆ マクロはかなりいける
ワイドもそこそこいけるわりと軽量コンパクト (システムの一例)
ペンタックスMZ-50 50,000円
シグマ24mmレンズ27,200円
DIVインテグラルMZハウジング96,000円
以上合計173,200円
(いずれも定価)カメラの内蔵ストロボを使用
水中用ストロボ不要(装着も可)
DIVで入手可DIVビルトイン型 ☆☆☆☆ マクロはかなりいける
ワイドもそこそこいけるちょっと重く大きい (システムの一例)
CANON NEW EOS-Kiss 59,000円
Canon 28-80mmズームレンズ 30,000円
陸上用ストロボ220EX 20,000円
New EOS-Kiss用ビルトインハウジング(基本形) 120,000円
ズームレンズ用ギア12,000円
以上合計241,000円
(いずれも定価)カメラの陸上用ストロボを使用
水中用ストロボ不要(装着も可)
DIVで入手可金属製ハウジング ☆☆☆☆☆ かなりマルチだが機動性には欠ける
とても重く大きい (ストロボやアームの数や種類により多少変動する)
(システムのほんの一例)
CANON NEW EOS-Kiss 59,000円
Canon 28-80mmズームレンズ30,000円
INON X1-LGハウジング 198,000円
マクロポート21,000円
SB-105ストロボ47,400円
グリップ9,500円
アームSセットSB 20,000円
シンクロコード8,000円
以上合計393,800円
(いずれも定価)※値段はピンキリです。カメラが高級機種ニコンF5ともなると、カメラ本体だけで325,000円もします。
プロも使う ダイビングショップか水中撮影機材専門店で入手可
数社から発売されている
水
中
用
A
F
一
眼
レ
フニコノスRS ☆☆☆☆☆ かなりマルチだが機動性には欠ける
とてつもなく重く大きい (ストロボやアームの数や種類により少しは変動する)
カメラ本体は生産終了
(発売当時の価格は390,000円。現在はプレミアム付き)レンズは現在も発売中
28mmレンズ98,000円
50mmマクロレンズ165,000円
13mmFishEyeレンズ240,000円
20-35mmズームレンズ410,000円
(いずれも定価)他にストロボやアーム等も必要
プロも使う カメラ本体の入手は現在中古のみ
陸上撮影不可
ファインダーがものすごく見やすい
「芸術作品の撮り易さ」は、そのカメラが1番得意な分野の写真を撮った場合に、きれいな写真が撮れやすいかどうかです。そのカメラが苦手な分野については、まったく考慮していません。
※ミノルタ・ベクティス・ウェザーマチックは、コンパクトカメラとしては世界初の水中ズーム&水中オートフォーカスを搭載したカメラで水深10mまで使用できるという製品ですが、果たして体勢の不安定なシュノーケリングでオートフォーカスでピントがちゃんと合うのか?ダイビングである程度の水深まで行けば体勢は安定するけれど、そんな水深で強力なストロボも無しにどの程度の写真が撮れるのか?もっと深い水深までついつい持って行った場合に果たして壊れないのか?など謎な部分が多いので、評価は保留とさせていただきます。なにしろ、周りにも使っている人が1人もいないので、どなたか使ったことのある人はぜひ感想をお聞かせください。
参考hidepong's home page
「潜るんです」でここまで撮れるというお手本のようなページ。特にニシキフウライウオの写真はすごい。メニューからfishに進んでください。ANEMONEFISH NOTEBOOK
「もぐラー」のコーナーに、「潜るんです」で撮った写真の見本が多数。みんなのモルジブ情報長文情報コーナー
キャノン・オートボーイD5でここまで撮れるというお手本を見たい方は、MASAさんのヴィリバル情報の中の、「スノーケリング体験コーナー!!」をご覧になってください。かよ's Diving page
モーターマリンMX-10でここまで撮れるというお手本のようなページ。特にクダゴンベの写真はすごい。
「水中写真初心者の奮闘記」は、お手軽カメラを使っているor買おうとしている方にとても参考になると思うので、ぜひご覧になることをお勧めします。KANDA and J.photo Divers
水中撮影機材専門店。オンラインカタログが充実していて、このページで紹介したカメラのほとんどが写真入りで掲載されています。通信販売可。MARINE PRODUCT
埼玉県大宮市の水中撮影機材専門店。MX-10、モーターマリン2などの水中カメラがレンタルできます。使ってみてから、買うかどうかを決めたい方に。水陸両用コンパクトカメラで撮影して、大胆にトリミングした写真の見本
使用カメラは生産終了した「コニカ・マーメイド」ですが、撮影距離さえピッタリ合えば(それが問題)、他の機種でもたぶんこの程度には写るでしょう。DIVハウジングについて&写真の見本
アクリル製ハウジングの、DIVビルトイン(一体)型について