PC処世術>>雑感>>

PC処世術 - 雑感:グーグル・デスクトップサーチの意義


Google Desktop Search で「PC処世術」を検索  既に多くのところで話題に上っているようだが、“Google Desktop Search”というローカルファイル検索グーグルベータ版が登場した。筆者はつい先日、「データのエッセンスを抽出してデータの被検索性を上げるような減量志向の工夫を期待したい」と書いたばかりだが、この Google Desktop Search(以下 GDSと表記することにする)はとりあえずテキストというエッセンスを収集し、検索を行うと独自の優先順位付けを行って結果を表示してくれるというソフトウェアであり、筆者の考える減量志向を向いている。筆者にとってデスクトップ版Google は、長らく待ち焦がれたソフトでもある。
 「そんなものは既にWindowsの標準機能にあるではないか」という意見もあるだろう。しかしながら、現在のWindowsのファイル検索は甚だ貧弱だ。まず動作が激しく遅い。テキスト「PC処世術」を含むファイルを探そうと全文検索を試みたが、終了までに10分以上を要した。更に結果のチョイスは基本的にファイル名/フォルダ名ベースでしか出来ないため、内容を確認するにはアプリを起動する必要があり、ファイルを探すというのは決して楽な作業ではない。このため、Windowsが標準で提供しているファイル検索の機能は、「不覚にもファイルを行方不明にした」ときの最終手段でしかなかった。
 Windowsではなにかと物量志向で機能が提供される傾向があるように思われ、当サイトで解説している通りCPUHDDなどの性能は飛躍的に向上してきたのだが、ファイル検索というのは物量だけでは解決できない問題の一つなのだろう。勿論、今までにも全文検索ソフトウェアの類がなかったわけではないが、一般向けに簡便に使用でき、慣れたユーザーインターフェイスで操作可能なものはこの GDS が初かもしれない。

 現在公開されている GDS はベータ版でありインストールは若干躊躇したが、ダウンロードして使用してみることにした。まず、インデックスの作成はPCがアイドル状態にあるときに行われるらしいが、懸念された「使用中のPCが重くなる」という現象は見られない。尚,インデックス自体は各ユーザー毎に作られるが、筆者の環境では300MB強(約8万ほどのサーチャブルファイル)となった。
 検索は Webブラウザを介して実行するが、インターネットの Google と同様に、ほぼ一瞬で終了する。かなりすばらしい出来だ。また、ネット上には「日本語では検索できない」とする情報もあるようだが、その真偽は右上の図が示す通りである(但し、ベータ版のためか、一部の日本語ファイルで文字化けが発生することは確認された)。「英語版」というのは、メニューやメッセージが英語だという意味であるようだ。また、PCを触らずに放っておくとインデックスを更新するようで,coffee break の間に本稿もインデックスされたようだ。

 さて、物量志向の限界を感じつつある筆者としては,この GDS の登場は意義深いもののように感じる。それは、現在のストレージの水準からすると300MBという“若干”の物量の中に膨大な情報のエッセンスを凝集し、ストレージの中で眠りつつあるデータに息吹を与えるという作業は、PCをはじめとする情報機器の進歩には欠かせない機能だと思うためだ。
 なにぶん、ストレージ容量の進化のスピードは 5.1db/yearと速いのである。我々人間の記憶力の限界をファイル数が上回るのは当然だ。古典的なディレクトリ・ツリー型のファイル整理方法も,そろそろ限界である。このたび世に出た GDS のような機能とその発展は、今後のPCの将来像に大きな影響を与えるもののように思う次第である。

[追伸]  インデックス対象は現在のところ,.txt, e-mail(Outlook系のみ),.ppt/ .xls/. docの御三家 とキャッシュ内のhtml であり、テキストというエッセンスが検索キーである。残念なことにファイル名などは検索対象に含まれないようだ。そこで Google に意見しようと こちら を訪れてみると、その近未来像は既に示されていて安堵した。“audio files”などというのも候補に上がっているようだ。(16.Oct, 2004)

雑感へ

PC処世術トップページへ