edogawa's diary on 2002-2003 season #12.
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11月20日(水)11:10 a.m.

 仕事上の必要から、林望『知性の磨きかた』(PHP新書)を読んだ。一気に最後まで連れていってくれる好著。とりわけ「国語教師たちの罪」に関する記述にはたいへん共感した。「高校の先生とか中学の先生程度の人はですね、そういう本(※古今の名著)を書けといわれたら書けないんだから、そういう非常に優れた本について、いろいろな解説をしちゃいけないということなんです」「それは名著をおとしめるわざでしかない」「大事なことはすべて本のなかで自己完結的に述べられているのであってね、読んだということでそれは自己目的的に達成されるんだ」----著者はダニエル・ペナックという人の言葉を引きながら、そう語っている。「だから、読んだ本について、ああだこうだと余計なことをディスカッションしたり、あるいはそのレポートを書かせたりすることは一切無用のことだ」というわけだ。そうそう。国語の読解問題に違和感を抱いていた私としては、まさに我が意を得たりというところなのであった。

 あと、「本の値段は高くない」にも心から賛同。本体価格1200円の拙著を「高い」と思ったアナタ。そう、アナタだ。いまどき、ラーメン屋に入ってチャーシューメンと餃子とビール1本を注文したって、すぐ1200円ぐらいにはなる。ビール抜きでもなるかもしれない。そのチャーシューメン+餃子ほどの価値が、人がさんざん苦悩しながら人格をかけて書き通した1冊の本に無いとアナタは言うのか。その1200円、アナタは「紙の値段」だと思ってないか? むろん、つまらなければチャーシューメン+餃子のほうが100倍いいかもしれない。しかし本なんて、6〜7千円払って5冊ぐらい買い込み、そのうち1冊でも面白いものがあれば(いや、たった1行でも面白い部分があれば)、それでモトは取れるものだと私は思っている。買え。

 今週も、黄チーム×黒チーム(高井戸西SC紅白戦第10節)は愚妻が観戦。セガレは黄チーム。本人によれば、「1-2で負けちゃった。ぼく、キーパーのとき1回シュート止めたけど、1回は入れられちゃった」とのことだったが、愚妻によれば「1-4で負け。セガレの失点は2」が正解らしい。たりらりら〜ん、たりらりら〜ん。しかし、セガレは決してウソをついているわけではない。単に、試合で何が起きたのか把握していないだけだ。ウソをついているほうが、まだマシかもしれないけど。うーむ。最初の失点は、シュートを足で止めた直後のことだったようだ。好セーブをしたセガレは、嬉しさのあまり、つい「どうだ」とばかりにゴール裏にいる母親のほうを見てしまったのである。そのスキにシュートされちまったらしい。「弾いたらすぐボールに飛びつく」もGK特訓のときにさんざんやったはずなんだけどなぁ。まあ、いいや。「でも、先生に言われたことを一生懸命やってるし、ズルいこともしないから、それだけでも私はいいと思ってる」と愚妻も言ってたし。それはそうです。おっしゃるとおりです。いちいち結果にこだわる自分を反省しました。

 ゆうべは、チェルシー×ミドルズブラ(プレミア第12週ぐらいかな)をビデオ観戦。相手のFK時に、ゾラとル・ソーが2人で作るカベは、とっても小さくてかわいらしいですね。白雪姫を懸命に守っている小人みたいでケナゲだ。それにしてもゾラはすごいなぁ。ゾラ、ネドベド、上ザーギが今シーズンの好調3羽ガラスだと思う。ピッポはもう終わりかけてるけど。そのゾラが中央から左サイドのスペースに出した小粋なラストパスを、ババヤロがゲットして1-0。ババヤロのゴールって、初めて見たような気がする。さすがナイジェリア人だけあって、しっかり宙返りを披露していた。チェルシーもラツィオも、応援してる人間がちょっと本気になってしまいそうな順位&好調ぶりである。ひょっとしたら、ひょっとしちゃうかも。とくにキャリアの終わりが近づいているゾラには、いい思いをさせてあげたくなってきた。いま、世界でいちばん楽しそうにサッカーをしているのは彼だと思う。



祝  電

 いつも楽しく読ませて頂いています。初めてメールします。日韓ワールドカップの時にこのページを発見しました。前回大会から始めてたとは! 中田、稲本、小野、中村の日記も読んでいますが、さすがにプロの文章は読んでいて安心します。較べるのは失礼とは思いますが、小野の「奥さんからは洋服をプレゼントしてもらっちゃった。エヘッ!!」な〜んていう文章を読んだ後には特にそう感じます。

 さて、いよいよ今日はアルゼンチン戦ですね。サビオラがどんなプレイを見せてくれるのか楽しみです。

(奥田さん)

どうもありがとうございました


11月19日(火)10:05 a.m.

 さむ。冬である。今日から冬だ。私はそう決めた。しかし21キロのセガレを自転車に乗せて幼稚園まで行くと、うっすら汗ばんでいるのだった。重い。通園はあと1年半続く。どこまで重たくなるのだろう。最近の奴の食いっぷりを見ていると恐ろしい。あ、そのぶん私が軽くなればいいのか。

 コモ×ラツィオ(セリエ第10節)を後半からビデオ観戦。コモに「MUSIC」という名前の選手がいた。なかなか典雅な名前だなぁと思っていたら、どうやら「ムシッチ」と読むらしい。ムシッチ。昆虫好きなガキの渾名みたいだ。そんなことはともかく、前半のハイライトを見るかぎり、シメオネのゴールは夢ではなかった模様である。ミハイロの三段ドロップCKを頭で強打、レフト線ギリギリをゴロで抜くツーベースのようなゴールだった。しかし、コモのゲロゲーロに華麗なゴールを決められて1-1で折り返し。後半は、よく言えば繊細、悪く言えばチマチマした攻防が続く。ちょっぴりヤな感じ。だが、心配には及ばない。経緯は忘れてしまったが、クラウディオの2発で1-3だ。持ち前のスピードをスパークさせて、ペナの右半分を自分の庭にしていた。大丈夫なのか秋田とか中西とか。奴は4年前より速くなってるかもしれんぞ。それにしてもラツィオは強い。財政難がバネになってるような印象である。そういう逆境にマンチーニみたいな熱血モチベーターが監督やってるのがハマった感じか。これが青春だ! レッツビギンだ! 太陽に向かって走るんだ! でも、「リビアの当局が株取得に興味」って一体どういうことだろう。意味がよくわからないが、なんかキナ臭いなぁ。だいたい、「当局」って具体的にナニ局なの? まさか秘密警察とかカンケーないよねぇ。「ディナモ・ラツィオ」なんて、あんまり応援したくない。

 ラ・コルーニャ×バルセロナ(リーガ第10節)は2-0。80分までは、がっぷり組み合った四つ相撲。残り10分で体勢を入れ替え、バルサの胸に頭をつけたデポルが一気に寄り切った。なんか、あの、ず〜っとお互いに牽制しながらトロトロ走ってて最後の1周だけ全力でスパートする自転車レース(スプリントっていうのか?)を見てるような感じでしたね。敵意や殺意みたいなもんが希薄で、ちょっと不満。もっとガツガツした攻防を見たかった。一方がCL突破決定直後、一方がデルビー前の谷間とあっては仕方ないか。メンディエータが真ん中でプレイしていたので、ちょっとドキドキした。無難にこなしていたが、無難にこなしていただけだった。



11月18日(月)12:30 p.m.

 きのうは、朝帰りの睡眠不足がたたって早い時間に沈没。WOWOWのラツィオ戦はハーフタイムまで見たのだが、ほとんどソファで熟睡していたのでよくわからない。ふと目を開けた瞬間に、CKからシメオネのヘッドが決まっていたような気がする。でも、もしかしたら夢かもしれない。シメオネは夢に出てきた前科があるからね。ともあれ、まともにサッカーを見なかった週末は久しぶりである。録画だけは4試合もしちゃってるから、今夜から一生懸命見ないとな。なんでサッカー見るのに義務感に駆られなきゃいけないんだろう。



11月17日(日)

 各方面の担当編集者諸氏も読んでいるので、あまり大きな声では言えないが、今朝の4時半まで私は高田馬場で歌っていた。喉がガラガラなので、大きな声を出そうと思っても出ない。どうしてそんなことになったのか自分でもよくわからないが、カラオケには人をずるずると引き込む底なし沼のようなところがある。

『さよなら色はブルー』はまだ入っていないものの、矢野真紀は2曲あった。『タイムカプセルの丘』と『大きな翼』だ。当然、歌った。でも、ふだんCDといっしょに原調で歌っているので、キーが低めに設定されているカラオケではもう一つ乗りきれない。こんどからはキーを上げて歌うようにしよう、と思った。

 それ以外には、70年代後半〜80年代前半のヒットメドレーやらアニメタルやらを、40歳前後の7人でマイクをリレーしながら歌いまくり。みんな、昭和が好きなのである。とくに1977年は歌謡曲の当たり年だったと思った記憶があるのだが、何がその年のヒット曲だったのかすでに記憶がない。それにしても、あちこちのメドレーに入っている『宇宙戦艦ヤマト』を一晩に4回も合唱することはないじゃないか、と思った。



11月16日(土)18:00 p.m.

 もはや週休二日をキープしていられなくなってきたので、土日の更新が増えるかも。それじゃ、忙しいのかヒマなのかよくわかりませんが。久しぶりに単行本の原稿を書いているわけだが、このところ雑誌仕事が多かったせいか、なかなかペースがつかめない。1行15〜17字詰めで書く雑誌原稿に比べて、1行41字もある書籍原稿はなんとも捗らないのである。25mプールと50mプールの違いみたいなもんかね。ターンのリズムが変わると、たぶん水泳選手も調子が出ないんじゃないかと思う。

 などと言い訳しつつ、ゆうべもサッカー観戦。ミラン×ラ・コルーニャ(CL1次第6節)の後半(前半1-0)を見た。サッカーが連続テレビ小説のようになっている。前半はしょぼかったデポルだが、まずはトリスタンのスーパーミドルで同点。あそこからあのタイミングで撃たれちゃ、ディフェンダーはどうしようもない。久しぶりに、トリスタンの意外性が発揮されたゴールだったと言えよう。さらに、何がどうなったのかすでに記憶がないが、マカーイのゴールでデポル勝ち越し。両エースの揃い踏みで逆転勝利である。一方のバイエルン×ランスは3-3で終わった模様。「さあ殺せ」的なヤケクソマッチだったことが想像される。そっちを見たかった。

 引き続き、フェイエノールト×ニューカッスル(CL1次第6節)をビデオ観戦。小野は出場停止だし、いま書いている本の担当編集者N氏がニューカッスル贔屓(当地に留学経験アリ)だったりするので、なんとなくフェイエに肩入れする気分にならなかった。もともとニューカッスルは愛嬌があって好きだしね。愚妻と世間話に花を咲かせながら見ていたので途中の経緯がよくわからないが、しのごの蹴り合っているうちに前半ロスタイム。GKギブンがボヨ〜ンと蹴ったボールがシアラーの頭をざらりとかすめ、その先にいたベラミーがちょろりと決めてニューカッスル先制。こういうゴールを見ると、サッカーで点を取るのって本当に簡単だと思う。ハーフタイムになるのを待って、またまた途中就寝。つづく。



11月15日(金)10:30 a.m.

 あらま。ワサワサしてるうちに、今月もすでに折り返しだ。早い早い。まずいまずい。単行本のゴースト1冊+ちょいと歯ごたえのある雑文2本を抱えているところに、週刊『神社紀行』の実用原稿(付録の初詣特集)までホイホイ引き受けてしまったのだが、大丈夫だろうか。たぶん大丈夫だから安心しろ。最悪でも、命まで取られることはあるまい。誰に向かって言ってるんだ。それにしても週刊『神社紀行』である。そういうのがあるんです。私の友人が編集に関わっているのだが、わりかし売れ行き好調らしい。興味ないなんて言わずに、たまには買ってみたまへ。自分の「くに」を見つめ直すいい機会になるかも。以上、友情宣伝おしまい。

 H氏に「見たほうがいい」と言われたので(下記祝電参照)、眠気に負けて中座していたバーゼル×リバプール(CL1次第6節)を前半途中(2-0)からビデオ観戦。バーゼルの勢い止まるところを知らず、いきなりの追加点だ。「いきなり」って、たまたま私がビデオのブックマークを外した数秒後の出来事だったってことですが。足かけ2日で前半は3-0。それでも、わざわざメールで「見たほうがいい」と勧められるぐらいだから何か起こるんだろうと思って、ワクワクしつつ後半を見た。起こった。3-0が3-3だ。リバプールは日常的に地味なスコアが多いチームだが、たまにガス抜きをするかのようにデタラメな殴り合いをする。さすがに、0-2で意気消沈してしまったアヤックスの若造どもとはガッツが違うと思った。オーウェンの同点ゴールが決まって、残り数分。「まさか……」の思いが頭の中を駆けめぐる。が、そこまでのドラマは起こらなかった。バーゼルの女性市民が発するヒッチコック風味の悲鳴が渦巻く中、阿鼻叫喚のドローでリバプール敗退。汚いプレイの少ない爽快なゲームだった。同点にされた途端に敵ボール時のブーイング作法を思い出したバーゼルサポのメリハリある応援ぶりが印象的。リバプールのUEFAカップ参戦は、ちょっと迷惑。

 引き続き、ミラン×ラ・コルーニャ(CL1次第6節)をビデオ観戦。デポルはランスがバイエルンに引き分け以下で自動突破である。好カードだが、一方が2次進出を決めた後とあっては、熱がこもらないのも無理はないか。しかもミランはユーベ戦、デポルはソシエダ戦を終えたばかり。ミランはもちろん、デポルのほうも「ランス待ち」の感じで気もそぞろ、目の前の試合に集中していない雰囲気だった。出番をもらって一人やる気満々のトマソンのヘッドで前半は1-0。使ってやれば仕事しますな。ランスは2-1でリードされていた。また夫婦揃って眠気に負けたので、そっから先は見ていない。見たほうがいいの?



祝  電

100ページおめでとうございます。
3000〜4000枚!?  偉い!
量を書ける人、読める人を日本から絶やしちゃイカンのじゃ〜。

めざせ200ページなんてケチなことは言わない。
1000ページでしょう。このペースで行けばあと36年。
9回のW杯とその予選、ユーロも9回、CLは36回ある。
ご子息もそろそろ引退するころかもよん。

(可処分所得三倍増計画さん)



 大変ご無沙汰しております。

 この100頁に160万字が詰ったフイールドは、単なるサッカー好きの親父ライターが本当にサッカー関連ライターになってしまう過程を赤裸々に記録したスタジオオリンピコである。なんのこっちゃ(^ ^;)

 この日誌掲載期間のサッカー界を回顧すると、わがユベントスからリッピが去り出戻り、ジダンとピツポが去り、テュラム、トレセゲ、ぶっふぉん、ネドベドがビアンコネロのユニフォームに腕を通した。ジダンが抜けてどうなるかと思われたが、現在のネドベドを中心としたアタツクの方が遥かに美しくエモーショナルなサッカーを見せていることは間違いない。ジダンが抜け、トレセゲが欠場中でも何の問題もなしにユベントスとして成立している深みを凄いと思えるか、嫌いであるかは本質的なサッカー観と鑑賞力により大きく分かれる部分であると考えられる。この2年間の活躍を見ているだけでネドベドはユーベに入るために生まれて来たことも間違いありません。しかし、過去10年間のユーベは間違いなくアントニオ・コンテのチームです。また、闘将コンテの全体のバランスを破綻させないボジショニングと危険な香りと摘み取るセンスは、日本代表のサッカー選手に最も欠けている部分と感じます。個人的には、イタリアのユーロ2000敗退とWC2002敗退はアズーリのコンテ不在であると結論付けています。

 それにしても、ウエザーリポート2枚組みライブはいいですね。このライブCDのすばらしさはジャコパスがいないユニットでもほとんど変わらないクオリティと感動があるところです。あー、WRは音楽界のユベントスかと手前味噌かつ共通の話題?で祝電を終了させて頂きます。

(ネドベドユベンテーノさん)



  ラツィオが財政的に大変なことになっているようですけど、お元気のようでなによりです。日誌100ページ到達おめでとうございます。今後も書き続けて、楽しませて下さい。

 金曜日はありがとうございました。週末は、またサッカー漬けで、おそらく6〜7試合以上(ザッピング込み)見たと記憶しています。最大の収穫はマンチェスターダービー。往年のユナイテッドファンとして、金満ぶりの目立つ現ユナイテッドより、かつてのヒーロー、シュマイケル(激太)のいるシティに贔屓して見ていました。大ミスあり、ファインゴールあり、ベルゴビッチの好アシストありの素晴らしい試合でしたね。

 ところで、リバプール対バーゼルですが、もしもビデオがあったら見直した方がいいと思いますよ。なんせファイナルスコアが(自−粛)なので、きっと面白かったのでは。

(S社インターHさん)

どうもありがとうございました


11月14日(木)11:05 a.m.

 長年の懸案である減量のため、夕飯後に1時間ほど住宅街を徘徊している。徘徊と言って悪ければ、ウォーキングと言ってもよい。夜の街を徘徊していて気になるのは、一戸建て住宅の玄関灯だ。あの、人が近づいたときだけピカッと光るアレはかなり不快である。こっそり監視されているような気分。いや、事実センサーで監視されているわけか。キカイに監視されるのはたいへん心持ちが悪い。それに、ああして不意に光を当てられると、意味もなく「しまった!」と呟いて逃走したくなるから不思議だ。サーチライトを浴びたルパン三世か私は。

 あれは一体、いかなる目的で作られたものなのだろうか。まさか不審者を照らすためではあるまい。不審者を摘発したいなら、見張り番を置かなければ意味がないからである。実際、ジャージ姿&ヒゲ面で徘徊する私は公平に見てかなり不審な感じだと思うが、まだ追いかけられたことはない。だとすれば、「家人が帰宅したときだけ明るければいいんだから、ふだんは暗くしておこう」という省エネ思想によるものか。「必要なときだけ光るなんて素敵」と、その合理性に酔っているのか。私が通ったときも明るくなるのだから、その目論見もあまり成功しているとは言えないが。そんなに省エネしたきゃ、セコセコつけたり消したりしてないで、帰ってくる家人のほうが懐中電灯でも携帯してりゃいいと思う。それ以前に、「自分たちの足元だけ明るければいい」というその利己的な態度が気に入らないのだった。玄関灯ってのは、街灯としての役割も担っているんである。街灯は、人が近づいたときだけ光ってもあまり意味がない。50メートル先に怪しい奴がいないことを明らかにしてこその街灯である。狭い国土でデカい敷地を占領してるんだから、少しはそういう公共心も持ってもらいたい。

 アヤックス×インテル(CL1次第6節)をビデオ観戦。ローゼンボリとのアウエー戦に挑むリヨンとの三角マッチである。何やらフクザツな三角関係になっていたのでよくわからなかったが、要はどっちも勝てば問題ないんだろうという認識だけを持って見た。こっちが引き分けるとあっちとの直接対決がどうとかこうとかという順位シミュレーションが、私はとても苦手なのである。つまりバカだということだ。

 前半はアヤックスが圧倒。主に右サイドのファン・デル・ゲロゲーロから、危険なクロスがびしびし入る。アヤックスって、もしかしたらシュートの8割はヘディングなんじゃないだろうか。頭で得点することしか考えてないような感じだった。一方のインテルは、雑駁な攻撃に終始。たまにビエリやクレスポがウロウロとボールを運ぶだけで、誰も上がってこない。右サイドのコンセイソンも、らしくない弱気な攻めっぷりだった。途中で「インテルはドローでOK」ということに気づいて納得しましたが。アヤックスには気の毒なノーゴール判定(オフサイド)もあって、0-0でハーフタイム。

 しかしサッカーというのはわからないもので、後半7分までにクレスポが頭で2ゴールである。びっくりしました。こっちは赤信号で止まってたのに、青になるやいなや隣の車線を猛スピードのポルシェがノンストップで追い抜いていったような感じ。わかりにくい比喩である。前半のベタ引きはブラフだったんだろうか。っつったって、誤審がなきゃ先制されてたわけだが。若さ爆発で自信喪失のアヤックスは何していいんだかわからんような状態になっていたが、リヨン苦戦で救われた。終盤、とりあえずの景気づけに1点を返し、どっちもハッピーな1-2。でもアヤックスは、2次リーグ開幕までに足のシュートを練習しといたほうがいいと思う。どいつもこいつもフカしすぎです。あと、ビエリは本当に大勝負に弱いと思った。

 引き続き、バーゼル×リバプール(CL1次第6節)をビデオ観戦。こちらは勝ち点差1で2位を争う直接対決なので、とてもわかりやすい。たぶん初めて見るスイスのスタジアムは、とってもいい雰囲気。さっきのアムステルダム・アレナは紙吹雪だったが、こっちは紙テープの嵐である。リバプールが消えるのは寂しいが、ああいう光景を見るとホームチームを応援したくなるのが人情ってもんですな。バーゼルは、ヤキン兄弟を中心とする好チームである。ヤキン兄弟だからといって、お兄さんがガードマンで弟がホストとかそういう種類のヤキンではないのだった。ま、フットボーラーも夜勤は多いけどね。そのヤキン兄弟の活躍もあって、バーゼルがいきなりの連続ゴール。試合開始前はボローニャのように見えていた赤青のユニフォームが、点を取るたびにバルサのように見えてくるから不思議だ。2-0となった時点で、夫婦揃って眠気に負けた。なので、そっから先はまだ見ていない。どうなったんだろう。ビエリと違って大舞台に強いオーウェンがあのまま引き下がるとも思いにくい。



祝  電

いよいよコラムニストなのね〜ふふふ。
え?あたし?あたしのほうがドタキャンされそうでヒヤヒヤよ〜ん。
サッカーズYさん仲良くしてね(笑)。
そろそろ年末(そうかい?)。お鍋ネドヴェド祭りでもしましょうね。
『たそがれ清兵衛』はいいらしいよ。

(いとうやまねさん)

どうもありがとうございました


11月13日(水)10:55 a.m.

 今月は忙しいので私はしばらく行けそうにないが、昨日は黒チーム×黄チーム(高井戸西SC紅白戦第9節)を愚妻が観戦。セガレの所属した黒チームは1-2で負けたらしい。5人対6人の数的不利だったようだから、しょうがない。だが、セガレがGKを担当している時間帯に1失点を喰らったと聞いては、心中穏やかではないのである。愚妻によれば、「ちょっとボンヤリしてるあいだにシュートされちゃった」そうだ。ボボボ、ボンヤリだとぉ!? だからボールから目ぇ離すなって言ってたのにぃ。日曜日のGK特訓は何だったんだ。もっともフィールドプレイヤーとしては、果敢に密集の中に入り込み、結構ボールに触って頑張っていたらしい。本人も、「ぼく、試合でドリブルしたんだよ」と威張っていた。あの苛烈なプレス合戦の中でドリブルするとは、なかなかのものじゃ。愚妻の採点を聞くのを忘れたが、まあ、失点をGKの責任にするのは一般的に酷だと言われていることだし、大甘の5.0ってことで。12月3日には、サンタさんがサッカーを教えてくれるクリスマス特別イベントがあるらしい。公式戦直前に、そんな悠長なことしてる場合なのか。

 バレンシア×ベティス(リーガ第9節)をビデオ観戦。活きのいい魚の群れがピチピチと海面を跳ねているような、軽快かつ鮮度の高いゲームだった。好プレイと珍プレイ、大技と小細工、上手投げとケタグリなどを取り混ぜて、いろんな選手がいろんなことをやって見せていた印象。要するに、どっちもすごく元気がいい。そして、気持ちに余裕がある。だから、「勝ちたい」と「魅せたい」がいい案配で噛み合うんだと思う。70分、アスンソンのFKでベティスが先制。壁のいちばん高いところを舐めるようにしながらゴール左隅に飛び込む、シャープなキックだった。十数分後、途中出場のミスタがファーストプレイで見事なサイドアタックを敢行。力強いクロスにフリーのアイマールが頭から飛び込んで1-1。采配ズバリの監督さんは笑いが止まらんでしょうな。この相手にアウエーでドローは十分な結果とはいえ、ベティスはどうも勝ち切れない癖がある。この試合か、停電騒ぎで2日がかりになったマドリー戦のどっちかは勝っておきたかったところ。ホアキン&デニウソンの両翼が90分フルに使えないあたりに限界があるのかもしれない。


祝  電

くれ。といわれては送らないわけにはいくまい。
おめでとうございます。毎日楽しみにしています。
ここんところ忙しいので今日はこれだけです。

(O崎さん)



 お世話になっております。連載(?)100回おめでとうございます。新参者ですが、これからも楽しみにしてます。今日ですべての入稿が終了しました。 あとは印刷屋さんにおまかせです。ちなみに、今月は24日がお休みなので発売は22日です。次号から年末進行に突入です。締め切りは追って連絡します。よろしくお願いします。

(サッカーズYさん)

どうもありがとうございました


11月12日(火)10:45 a.m.

 お気づきの読者も少ないと思うが、このページのファイル名は「fb100.html」だ。つまり、100ページ目の日誌だということである。めでたいめでたい。めでたいときは、とりあえず紅白の幔幕だ。さらに背景をほんのり桜色(に見えるといいのだが)に染めてみました。入学式みたいで、とっても季節ハズレですね。これで読者からの祝電(子メール)なんかあると、気分もいっそう華やぐというものである。くれ。

 分量にバラつきがあるのでよくわからないのだが、たぶん平均すると1ページあたり400字詰め換算30〜40枚分ぐらいだと思われるので、この4年間でざっと単行本10〜13冊分ぐらいは書いてきたに違いない。その間に、仕事でも30冊ぐらい書いているはず。書くアホウだ。創刊当初からつきあってきたあなたも、わりかし読むアホウだと思うけどね。書くから読むのか、読むから書くのか、近頃はどっちなのかよくわからなくなっている。ま、100ページなんて区切りは単なる通過点なので今後もよろしく。どれくらい書くと、ギネスブックに載せてもらえるんだろうか。ともあれ、「継続は力」だとシミジミ思う今日この頃である。

 ちなみに、「fb1.html」というページは存在しない。W杯フランス大会直前だったせいで、最初のページは「fb98.html」になっている。だから2ページ前のファイル名は「fb98b.html」にせざるを得なかった。要するに、あの頃は自分が100ページも書くことになるとは思っていなかったということである。成り行きというのは恐ろしい。

 そんなこんなで、ゆうべはユベントス×ミラン(セリエ第9節)をビデオ観戦。ネドベドがえらいことになっている。ひょっとして、本人のキャリアの中でも最高の部類に入る好調さなんじゃなかろうか。ラツィオを優勝させたシーズンをも上回る印象である。8分、そのネドベドが、彼にしか見えていなかったであろうスペースにふわりと出したボールを、デルピがドリブル。左から飛び込んできたマルディーニを嘲笑うかのように、フリーのディ・ヴァイオにラストパスをプレゼントしてユーベが先制したのだった。相棒が上ザーギだったら、九分九厘、デルピが自分でシュートしていたに違いない。反対側のゴール前で嫉妬の炎を燃やすピッポの歯軋りが聞こえたような気がした。

 この時点で、私は誰に頼まれたわけでもないのに「前半35分にミランが追いつき、後半は点が入らず、そのまま1-1のドロー」を予想したのだったが、きわめて常識的なその見通しを覆したのは、4年前のクロアチア戦を想起させずにはおかないテュラムの爆裂カウンターである。ミランのCK。リバウドのショートコーナーを受けたピルロが、ダイレクトで捌くべきところで余計な切り返しを入れる。甘い甘い。3人に囲まれるやいなやボールを奪われ、ヨーイドンの速攻開始。フィールド中央でデルピがドリブルを始めたとき、すでにテュラムはトップスピードでまっしぐらにゴールを目指していた。速い速い。アッビアーティとの一対一を楽勝で制して2-0。たまにしかシュート撃たないのに、あの決定力は大したものである。

 前半32分にピルロのPKが決まり、後半は案の定スコアレスでユーベの勝ち。ユーベは、あらゆる意味で速いサッカーを見せた。シュート体勢に入った相手に3人で飛びかかっていく光景は、イタリアン・ディフェンスの真骨頂。久しぶりに凄みのあるユーベを見たような気がする。ミランは、中盤でのパス回しにこだわりすぎか。たまにはロングボール放り込まないと緩急がつかないのでは。ま、なんにしろ、ピッポがあれだけ消されたらどうしようもないっすね。どうしたんだろう、ピッポ。私の記憶では、オフサイドがたった一度しかなかった。彼にとってオフサイドは、「5回で1ゴール」の銀のエンゼルみたいなものなのに。やはりシェフチェンコ復活で自分を見失ったか。短い春じゃったのう。

 バルセロナ×ビジャレアル(リーガ第9節)を後半からビデオ観戦。久々に見ると、パレルモは異様にデカい。周囲に与えるあの圧迫感には、どこか清原に通じるものがあるような気がした。好きな女のタイプとか似てそう。どうでもいいですか、そんなこと。そんなことで100ページやってきたんですが。試合は1-0。10人のビジャレアルからPKの1点のみってのはマズいだろファンハール。退場になったビジャレアルのウナイという選手の顔がひどく印象的だった。日本語で書いてる分には訴えられることもないだろうから思い切って書くが、ありゃ宇宙人だ。宇宙人を見たことはないので、映画界の人々がイメージする宇宙人ってことだけどね。クライファートは、相変わらず九九の七の段が覚えられないようだった。それも「しちにじゅうし(7×2=14)」レベルのシュートが決まらないのだから、本当に困る。



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