edogawa's diary on 2002-2003 season #11.
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11月11日(月)11:30 a.m.

 久しぶりに中央出版から電話が来た。むろん、出版社だからといってライターとしての私に用があるわけではなく、例によって「お子さんのお母さまはいらっしゃいますか?」と訊かれた。死亡していないかぎり子には母がいるに決まっているが、そーゆーことを訊いているわけではないことは私にも判っているので、「できればちゃんと名前で呼んでほしいが、もし、そのお子さんというのが私の息子のことを指しているのであれば、ここに私の息子の母親であるところの私の妻はいません。で、それがどうかしたのですか?」と答えた。電話の女は、動揺した様子で「あっ、ご一緒じゃないんですか……」と言った。瞬時に、ベッキョとかジョーハツとかそういうフクザツな事情を思い浮かべたに違いない。面白いので、「一緒だとか一緒じゃないとか、そんなプライバシーを見ず知らずのあなたに明かすつもりはない。とにかく、いないものはいないのだ」と答えた。むはは。ここが仕事場だなんて教えてやらんもんね。それにしても、なんでもっと端的に「奥様はいらっしゃいますか?」と訊かないのだろう。私の子の母親が私の妻でないなどということは、通常あり得ないと思うのだが。あ、そうか。妻じゃない人に子を生ませたと疑われているわけだな。無礼な出版社だ。私にそんな甲斐性があるわけないじゃないか。だいたい、昔から言ってるけど、母親がいないからって簡単に切るなよ。父親がいるんだから、せっかくのビジネスチャンスを逃すんじゃないっつうの。それしきの覚悟しかないなら、最初から電話なんか寄越すなと言いたい。まったく関係ないが、11/8の日誌に訂正。レッジーナ戦の3点目、柳沢慎吾のゴールは頭ではなく足による華麗なジャンピングボレーでした。あんなカッチョいいゴールをちゃんと覚えてないなんて、サッカーがわかっていないとしか思えない。

 きのうは午後から井の頭公園(西園)でセガレとボール遊び。やたら陽当たりのいいスペースで、気持ちよく汗をかいた。どうもセガレはGK志向がますます高まっている模様。ひたすら私にシュートを撃たせて、右に左に滑ったり倒れたりしながらセーブしまくっていた。楽しいか、それ。でも、こぼれたボールに飛びついて抱え込む姿なんか、あんがいサマになっている。たぶんテレビのサッカー中継も、GKばっかり見ているに違いない。紅白戦で見せた一度のファインセーブが、よっぽど嬉しかったんだろうなぁ。若林くん仕様のアディダス帽でも買ってやるか。

 ゆうべは、ラツィオ×パルマ(セリエ第9節)をライブ観戦。CIRIOの株価は暴落するわ、よりによってユナイテッドから訴えられるわ、パンカロは出てるわ、ミハイロはPK外すわ、リベラーニは相手の顔面にボール投げつけて一発レッド喰らうわで運気ドン底の週末だったが、それでも0-0の勝ち点1で乗り切ってしまうあたり今季のラツィオはひと味違うのだった。っていうか、そんなラツィオから1点も取れない(どころか一人多いのにチャンスがラツィオより少ない)パルマってどうかと思う。中田を引っ込めてくれて助かった。何かしでかしそうなのは彼だけだったからね。パンカロ、ミハイロ、ネグロ、スタムという亀のように鈍重なDFラインで守り切れたのは、僥倖というしかない。

 アストンヴィラ×フルハム(プレミア第11週)は3-1。よく見ていなかったが、稲本は惜しいシュートが1本あったようだ。もっと出場時間が欲しい。フルハム、気合いの入ったいい選手が結構いるから、まともなFWが一人いたらもっと勝てると思うんだけど。私はブレベットという左SBが好きなタイプです。

 アーセナル×ニューカッスル(プレミア第11週)は1-0。アンリがペナ内でDF2人を引きつけてから大外を回ってきたルジニーにパス、そのクロスを脱兎のごとく走り込んだヴィルトールが叩き込むというアーセナルらしい決勝ゴールだった。「脱兎」って見たことないですけど。難敵を退けて、早くもスランプ脱出か。でもアンリの決定力は低下の一途をたどっているように見えた。ところで問題は、エリクソンの連れ合いである。ナタリーさんっていうの? どう見ても、同伴出勤関係としか思えない。それに、あの女の人、どうしてあんなに顔がテカテカ光っているのだろう。どっちかって言うと、蝋人形みたい。



11月10日(日)

 きのうは、一家3人+セガレの祖父母×2=7人で連れだって調布の布多天神へ行き、七五三詣で。例によって親バカ丸出しだが、羽織袴姿のセガレはなかなか凛々しかった。カメラに向かっておちゃらけているところなどを見ると、立派な落語家になれそうな雰囲気。初めて着ても当たり前のように似合うんだから、民族性というのは侮れない。もっとも、美容院で着付けてもらったときは、おなかが苦しくてベソかいてたけどね。泣くなよ、そんなことで。ご祈祷は、16人いっしょのマスプロ方式。「ひと山いくら」の感じで、なんだか有り難みが薄い。子供が16人だから、その一族郎党も合わせると大変な人数である。プロ野球チームの必勝祈願みたいな光景だった。少し待たされてもいいから、せめて8人ずつ2回に分けてほしかったです。境内にテント張りで出張している写真屋で記念撮影。キャビネ版1ポーズ1万円。セガレのソロと親子3人の2ポーズ撮ってもらったが、高すぎじゃ。縁起モンだからしゃあないとはいえ、祖父母が出資してくれなきゃ絶対に撮らない。

 夜は、マンチェスターC×マンチェスターU(プレミア第11週)をライブ観戦。ユナイテッドがボールを持つたびに巻き起こる大ブーイングが耳に心地よい。開始早々の先制点なんか、観衆全員でモギ取ったとしか思えない勢いのゴールだった。ギャリー君が致命的ミス連発で3-1。Uファンには悪いが、いい試合だった。公平に見ても、シティはかなり魅力的なゲームをしていたと思う。たしか2点目だったと思うが、中盤で球際の強さを見せながらしぶとくつなぎ、最後にベルコビッチの洒脱なワンタッチパスをゴーターが仕留めたゴールが印象的。あのゴーターというバミューダ人、耳の位置がやけに後ろにズレているのが気になるが、なかなかのストライカーである。もう一人、シティには耳がやけに小さい選手がいた。人間の耳って、いろいろだ。何を見てるんですかレレレのレ。ところでベーマガ系の選手名鑑では、ソン・チーハイの表記が「スン・ジハイ」になっていた。どっちにしろ、麻雀したい。



11月9日(土)

 ゆうべは、S社インターの面々と銀座ペントハウスでステーキ。「日本がGL突破したら食わせてやる」という約束が、いまごろになって果たされたのであった。GLって、W杯の話です、念のため。相変わらず、旨かった。M部長、ありがとうございました。2つ隣の席に、かつて巨人&西武でリリーフエースとして活躍したことで知られるK投手コーチがいた。意外にデカかった。

 帰宅後、ベティス×マラガ(リーガ第8節)をビデオ観戦。ちょっと勢いの止まったベティスは、スタメンにアルフォンソもアスンソンもいない薄味の陣容だったが、3-0の快勝である。以前、「石原真理絵似」と紹介したカサスというアルゼンチン人選手が、わりと好きだ。このゲームでも、体を張ったプレイで味方のゴールを演出。少ない出番をケナゲに生かそうとする姿勢に好感が持てる。こういう控え選手がいるチームは素敵だ。



11月8日(金)10:15 a.m.

 昼過ぎにメールで送ったコラムの原稿が、その日の夜にゲラになってファックスで届いた。はええなあ。送る前に見飽きるまで推敲したので、「また読むんかい」と溜め息が出たものの、読むとまた直したくなるから不思議である。文章には正解がないからキリがない。「だから国語は嫌い」と理系の方々がしばしば口にするキモチがよくわかる。私も国語の授業や試験なんて好きじゃなかったけどね。とくに嫌いだったのは、「傍線部分で筆者が言おうとしていることを(ア)〜(オ)の中から選びなさい」というアレだ。筆者は、その傍線部分で、とっくに言いたいことを言いたいように言っているのである。だから、読めばわかるのである。なんでそれを、わざわざ別の言い方で説明せにゃならんの? 筆者に失礼じゃないか。しかも、どの選択肢を見ても帯に短しタスキに長し。選択肢の中に正解が見つからず、問題作成者の読解力を疑うこともしばしばだった。あれは、「私(問題作成者)は傍線部分をどのように解釈していると思いますか」という設問にすべきだと思う。「オ:そんなこと知るか」という選択肢があれば、なお良い。

 ゆうべは、レッジーナ×ラツィオ(セリエ第1節)をビデオ観戦。200メートル走のラスト40メートルを流して(っていうか歩いて)勝ったような、盤石の0-3である。安心安心。大ざっぱ大ざっぱ。1点目はピエリーニの自滅点。フィオーレの枠外シュートを、クライファートでも決めるのが難しそうな体勢&角度から丁寧なインサイドキックでゴールに流し込んでくれた。2点目は本格派シャドーストライカー・スタンコビッチの3戦連続弾。スタンコ君ってば、もう止まらないかも。うふ。好きよ。キモチわるいのである。3点目は、快足クラウディオのクロスを柳沢慎吾が頭でゲット。シメオネ様に抱きついてもらって、もう完全にラツィオの一員になった気分であろう。チーム一丸だ。スカイブルーの火の玉だ。青い稲妻は松本だ。さよなら色はブルーだ。わっしょい、わっしょい。……え? ちゅんちゅけ? あんまり見てませんでした。彼のことより、コウトがいつポカをしでかすか心配だったのだ。非国民だ。わっしょい。



11月7日(木)10:50 a.m.

 へへ。表紙改修工事を行ったのだった。行き先を間違えたと思って慌てた方、すんません。なんとなく、いっさいの画像を排した素っ気ない洋モノの教科書みたいな表紙にしたくなったのである。日々、うっかり重たいページにアクセスしてはネスケの機嫌を損ねて難儀な思いをしている反動かも。やたらデカい画像をばしばし貼りつけてやがるページが多すぎるんだよ近頃は。日本代表ニュースなんか、昔はとっても軽くて有り難かったのに、いまは重すぎてウチのパソコンじゃ読めないのである。ふん。なーんて言いながら、自分が高機能のマシンを手に入れたら、テキストだけの表紙なんて我慢できなくなるに決まってますが。

 サッカーズY氏より、レイアウトの都合で、初回コラム原稿を5行ほど削ってほしいとのご注文。拙著の写真スペースを取るためとあらばお安い御用だが、120行に満たない短い文章をダイエットするのは容易じゃないなぁ、と最初は思った。でも、あらためて読み返してみると無駄な部分が多く、あんがい楽勝。削れるものは削ったほうがよい。いままで数百枚の単行本ばかりやってきたせいか、「一つのことをできるだけ水増しして長く書く」が習い性になってるのかもなー。イカンです。シャープな文章を書くのは難しい。

 昨夜は、アトレチコ・マドリー×ラージョ・バジェカーノ(リーガ第8節)をビデオ観戦。ラージョのユニほど、着る人間を選ぶものはない。赤基調の地に白のタスキ掛け、胸には可愛らしいミツバチのイラスト。基本的に、スペイン語かポルトガル語を話す30歳未満の人間にしか似合わないと思う。それをオノプコに着せるのは酷というものだ。気の毒なくらい似合っていない。なんちゅうか、正視できない感じ。昔、「可愛らしい制服を押しつけるのは私たちへの厭がらせだわ。似合わない奴は辞めろと言わんばかりじゃないの」と銀行の30代OLが怒っていたことを思い出した。オノプコには、めげずに頑張ってもらいたい。試合は、PK含みのセットプレイ2発でアトレチコの2-0。1点目は、右タッチライン近くのFKをアルベルティーニがグラウンダーでマイナス方向に流し、後方から走り込んだゲロゲーロが右足で叩き込んだものだった。「ゲロゲーロ」のところには「何者か」を代入して読んでください。念のため。ゴール前へのクロスを予想していたラージョ守備陣がゲロゲーロをマークしていなかったため、あっさり決まったような印象だが、後ろからのカメラが捉えたリプレイ映像を見ると、シュートコースは林立する選手たちのあいだにようやくボール1個分あるだけだ。ああいうのを見ると、ゴールってほんとうにミラクルだなぁと思う。ま、枠に向かって蹴らないとミラクルは起こらないんだけどね。それ以前に、ボールに触らないと何も起こらない。どうなんだセガレ。としまえんでミラクルは起きるのか。



11月6日(水)11:20 a.m.

 先週来、どうやら人手が足りない様子のマッキー事務所からこぼれてきた、洋服、時計、洋酒、インテリアなどのタイアップやらパブリシティやらといった500字前後のルーズボールをコツコツ拾っていたのだが、昨日で一段落。飲食店情報もニガテだが、このテの「モノ語り」系はもっとニガテじゃ。自分にライターとしての武器があるとしたら、それは「知ったかぶり能力」だと思っているのだが、このジャンルはベーシックな関心と知識があまりにも乏しく、読者が暮らしている世界との距離も遠すぎるので、知ったかぶりさえできないのである。したがって、業界で言うところの「ふくらます」作業ができない。結果、<レザーバイディングされたアルパカのピローシャムと、毛長ビロードのベルベッドフランジが付いたキャバジンのピローシャムは、鮮やかなピロケース、ゴールドモールのスローピローなどを鮮やかに引き立てるミッドナイトブルーの背景になっている>などと資料丸写し攻撃に出てしまう自分を殴りたくなるのだった。翻訳ソフトに書かせた文章みたいですね。これでも少しはリライトしているのだが、何を書いてるのか全然わかりませーん。いいんだろうか、こういうことで。ま、商品紹介記事の本文なんて新聞小説並みに誰も読んでないからいいのか。

 きのうは黒チーム×黄チーム(高井戸西SC紅白戦第8節)にセガレが出場したのだが、私は観戦できず。付き添った愚妻によれば、セガレは相変わらず密集の外でウェーブ攻撃を繰り返していたようで、一度しかボールに触れなかったらしい。あらまあ。早くシュートなりゴールなりの成功体験をしないと、サッカーが嫌いになっちゃうかも。まあ、帰宅して「サッカー面白かったか?」と訊いたら、「2-0で勝ったよ!」と嬉しそうに話してたからいいんだけどね。練習のジグザグドリブルも器用にこなしてたらしいし。母親の採点は4.5。12月の大会が思いやられる。本番になると奇跡を起こすタイプであることを信じたい。

 トッテナム×チェルシー(プレミア第10節)をビデオ観戦。フルハム戦もそうだったが、チェルシーはダービーになるとやたら忙しないゲームをする。取って取られて抜いて抜かれて右往左往の卓球テイストな展開。どちらも前のめりな感じで、思わず「うわ」「ぐげ」「おりゃっ」と呻くゴール前のシーンも多かった。フルハム戦同様、スコアレスドローに終わったことが信じられない。ハッセルバインクが負傷退場しなければ……と思わないでもないが、いいゲームでした。すばらしかったのは、チェルシーのGKクディチーニ。記憶に残っているだけでも、「1点モノ」の危機を3度は防いでいた。ところでゾラのFKの際、主審の言うことを聞かなかったトッテナムの壁が10ヤード(だかメートルだか)の「罰退」を喰らい、かえってゾラにとって不利な距離(近すぎてボールが落ちきらない)になってしったのだが、あれは何とかならないのだろうか。その10ヤード(だかメートルだか)のあいだで好きな位置をキッカーに選ばせればいいのに。杓子定規な運用はサッカーに似合わない。主審がプレイスしたボールを、こっそり30センチぐらい後ろに置き直したゾラの姿がケナゲだった。

 ラシン・サンタンデール×バルセロナ(リーガ第8節)をビデオ観戦。これは愚妻が指摘したことだが、ラシンの10番ハビ・ゲレーロが吸血鬼に似ているのは、瞳が異様に小さいからである。ほんとうは死んでいるんじゃないかと疑いたくなるぐらい、小さい。試合は開始早々、その「生ける屍」のヘディングシュートでラシンが先制。レゲーロとプジョールの競り合いからこぼれたボールをクリアしようとしたコクーのキックが、ラシンのゲロゲーロの足に当たって跳ね返り、偶然にも絶好のクロスになってしまった。だからゲロゲーロって選手はいないんだってば。はいはい。まぁいいじゃん、名前のわからん選手はみんなゲロゲーロってことで。いきなりビハインドを背負ったバルサは、なーんか雰囲気が暗い。暗さの源泉は、故障したルイス・エンリケの代わりに先発したリケルメである。何が暗いって、顔が暗い。覇気がない。いまだに転校生特有の過緊張と居心地の悪さが表情に滲んでいる。コワモテのわりに、ホームシックとかになりやすいタイプなのかも。そんな奴があのポジションにいたら、勢いが削がれるのも当然であろう。終盤、世界中がノーマークだったフェルナンド・ナバーロのヘッドで辛うじてドローに持ち込んだものの、エンリケ不在時のバルサにはムードメーカーが必要だと見た。ガイスカ君も相変わらず無表情だし。ところでこの試合、スタンドにはアルゼンチンのビエルサ監督がいた。いまにも地面に片膝ついたりウロウロ歩き出したりしそうな深刻な表情だった。そんなふうに見えたのは、もちろん、彼がアディダスのジャージに身を包んでいたからである。視察旅行に、いちいちジャージなんか持ってくるかフツー。ジャージを着ないと、サッカーのことが考えられないのかもしれない。あるいは、ジャージしか持っていないのか。自宅のクローゼットを見てみたい。色とりどりの、しかしどれも3本線のジャージが30着ぐらい並んでるかも。来日するアルゼンチン代表の空港到着シーンを取材するテレビクルーには、是非ともビエルサのファッションをチェックしてもらいたい。「濃紺のアディダス」に1000点。



11月5日(火)13:10 p.m.

 少しは連休らしいことをしようと、昨日は午後から立川の昭和記念公園へ。周囲にあまり高い建物がないので、紅葉と青空の組み合わせがなかなか美しかった。広大な敷地の一角にある「こどもの森」で遊び倒し。シンプルだがスケールの大きい遊具が揃っていて、子供を半日遊ばせるには便利なスペースですね。カネもあんまりかからんし。

 夜は、ラ・コルーニャ×レアル・マドリー(リーガ第8節)をビデオ観戦。激しい雨で芝生が重く、ボールが転がらない。どっこいしょ。こういう試合は、低劣なスペックのパソコンで重たいウェブページを見ているのと同じぐらい疲れる。よっこらしょ。倉敷さんと戸塚さんのあいだで、「ヴィクトルはまだ若大将か、もうお父さんか」という議論が戦わされていた。「お父さん説」を唱える倉敷さんに向かって戸塚さんが示した「え〜! それは可哀想」という反応は、われわれお父さんに対して失礼じゃないか、と思った。人はお父さんになりたくないのか。お父さんは無条件で可哀想な存在なのか。いいじゃないか、お父さんで。お父さんはあんがい楽しいぞ。とくにお父さんが楽しいのは、セガレがこんな歌を作って聴かせてくれたときだ。

♪ カニちゃん カニちゃん サレスちゃーん
  カニちゃん カニちゃん サレスちゃーん
  カニとサレスが 合体したら
  カーニサレス カニサレスぅ〜

 厳密にいうと、発音は「カニサレしゅ」だけどね。合体ロボ・カニサレス。このシュールとも言える素っ頓狂なイメージとの出会いこそ、お父さんの醍醐味である。お父さんになってヨカッタとシミジミ思う。そんなことはともかく、試合はスコアレスドローであった。グラウンドコンディションが良好だったら2-2ぐらいになってたような気がして残念。

 テレビ中継のないラツィオは、やはりコンディション不良のピッチに苦しみながらも、柳沢慎吾とスタンコ君のゴールでエンポリを下した模様。スタンコビッチ、いよいよシャドーストライカーとして本格化かも。順位はCL圏内の4位をキープ。冴えないローマなんかより、ラツィオ戦を優先中継してください。



11月4日(月)

 昨日のエレベーター修復作業は、役員として立ち会うまでもなく、私が日誌を書いているあいだに、気がついたら終わっていた。わざわざ来る必要なかったんじゃーん。アッタマ来るのである。しょうがないので、バケツ&雑巾を持って、4階廊下にできていた水たまりを掃除。いずれ清掃業者がやってくれるとはいえ、事故発生から20時間以上も経つのに誰も何もしていないというのは呆れる。玄関やエレベーターの前に水たまりがあったら、放っておくかフツー。歩きづらいじゃねーか。数年前に雪かきについても同じような印象を持ったが、東京人の公共心や自治意識というのはこの程度のものなのだなぁ。みんな自分の家に引きこもっちゃって、ドアの外のことは「誰かがやってくれる」とばかりに見て見ぬフリなのだ。民主主義なんか、これから成熟するどころか、どんどん空洞化していくに違いない。と、雑巾を絞りながらぶーたれていた日曜の午後であった。

 リバプール×ウエストハム(プレミア第10節)は、オーウェンの印象的な2ゴールで2-0。1点目は、エリア外からドリブルでひょいひょいと3人ぐらいのDFをかわした久々の牛若丸ゴールだった。2点目は、カウンターからGKジェームズとの一対一。これを右にかわして無人のゴールに放ったシュートは、届くかどうか心配になるような緩いグラウンダーである。ぽてぽてと転がるボールと、懸命の全力疾走で戻るウエストハムのディフェンダーの追いかけっこ。「アキレスはカメに追いつけない」という古代ギリシャの理論がウソであることを証明するかのように、ゴールラインへ先に到達したのはディフェンダーだった。だが勢い余った彼は、ボールと一緒にゴールインしてしまったのである。「自分がゴールに入ってどうすんだよ」と、うちのセガレに突っ込まれてどうすんだ。降格ゾーンに低迷するウエストハムは、なるほどそれも無理はないと思わせる無抵抗ぶりであった。

 フルハム×アーセナル(プレミア第10節)をライブ観戦。日本中を巻き込む復讐マッチ(大袈裟)だが、肝心の稲本はベンチスタートだった。前半、マルレの自滅点でアーセナルが先制。珍しく、同情できないOGだった。ニアポストで相手のCKをクリアしようとしたマルレが、後方に豪快なファウルチップを放ってゴールイン。ありゃ、どんな名捕手でもキャッチできないっす。そんな場面で、そんなボールに対して、そんなホームラン狙いのフルスイングかましてどうする。丁寧に一二塁間を抜け一二塁間を。クリアのやり方知らないなら、そんなとこで余計な守備してないで前線に残っててほしかった。そのまま0-1。後半途中から投入されて見事なボールハント能力を見せていた稲本には、どうせならビエラ(出場停止)と戦わせてやりたかったです。



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