edogawa's diary 03-04 #09.
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2003.10.17.Fri. 11 : 00 a.m.
BGM : THE EROICA QUARTET "MENDELSSOHN : STRING QUARTETS VOL.2"

 なにやら「食ったもの日記」になりつつある昨今だが、きのうはきのうで愚妻の誕生日だったこともあり、夜は家族三人で仕事場近くの中華料理店へ。わが家にはライターとデザイナーがいるものの編集者はいないので、支払いは私がした。早くセガレが大きくなって、編集者になってくれないものかなぁと思わないでもない。家族で編プロやってどうするという話もありますが。食後、ケーキを買って帰宅。母親の誕生日祝いに貢献したいセガレは、家に着くと自分の貯金箱を開けて、ケーキ代を20円だけ負担してくれた。500円玉も何個かあったが、それは大切な宝物であるらしい。しかしまあ、バリ島から持ち帰ったインドネシアのコインではなく、日本円でくれただけマシである。気前がいいところは、編集者に向いているかもしれない。領収書を発行してやったほうがよかっただろうか。

 だいぶ前にWOWOWで放送された、メグ・ライアン主演『星に想いを』をビデオ鑑賞。放送されるまでその存在自体を知らなかったのだが、94年の作品であるらしい。原題は『I.Q.』だ。あえてメグ風味たっぷりのどうでもいい邦題をつけた映画会社に拍手を送りたい。邦題は大事だ。中身は読んでいないが、村上春樹の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』も、ほかにやりようがなかったのだろうと察するものの、原題そのままにした時点で、『ライ麦畑でつかまえて』に負けているように思う。

 映画の内容自体は、アインシュタインの姪であるメグ・ライアンに自動車整備工のティム・ロビンスが恋をして云々という、これまた素晴らしくどうでもいい具合によく出来たラブコメで、おもしろかった。ただしメグ・ライアンにとって不幸だったのは、アインシュタイン役に起用されたのがウォルター・マッソーだったこと。なぜなら、ウォルター・マッソーのほうがメグよりもはるかにチャーミングかつラブリーに見えてしまうからである。女優のライバルは女優とはかぎらないのだった。




2003.10.16.Thu. 10 : 30 a.m.
BGM : Joao Gilberto "ジョアン 声とギター"

 自分の方向音痴がほとんど絶望的だということをあらためて認識したのは、きのうの夕刻、渋谷のブックファーストに一発でたどり着けなかったからである。かなり珍しい人だと自分でも強く思う。ひょっとすると、私は方向音痴なのではなく、バカなのかもしれない。青春時代はもう終わったのに、いまだに道に迷っているばかりだ。

 さてブックファーストに何の用があったかというと、本を買いに行ったわけではなく、そこがサッカーズの岩本編集長と担当すずき君との待ち合わせ場所なのだった。何のために待ち合わせたかというと、私がご馳走になるためだ。連載開始1年にして初めてお会いする岩本編集長は、スカパー!の解説で拝見した印象よりもはるかに若かった。担当編集者の上司が自分より年下というのは、たぶん初めての経験である。この場合、もしかしたら私がご馳走しなければいけないのではないかという思いがまったく脳裏を過ぎらなかったわけではないが、きのうの日誌を見た編集長が「ゴンザレスに負けてなるものか」と気合いを入れ、行く店をすでに決めておられたので、かくなる上は黙ってご馳走になるのが礼儀であろうと考え、あえて「ここは私が」とは言わなかった私だった。そんなつもりできのうの日誌を書いたわけではないので申し訳なかったものの、ここでモンダイなのはそんなことではなく、編集長がこの日誌をお読みになっているという事実であり、これにはちょっとうろたえましたです。〆切のたびに「なんも思いつかん」などと弱音を吐いている場合ではないのだった。連載打ち切りを回避するためには、「すでに3年分のネタがあるからどれを書くか迷っちゃう」ぐらい書いておくべきだったと後悔しても、もう遅いのである。飲みかつ食いながら面白い話をいろいろうかがったが、どれもこれもオフレコ系なのでここにはとても書けない。ともあれ、店の名は失念してしまいましたが、素材の味を生かした和の創作料理(?)もベルギービールもムール貝も、たいそう美味しゅうございました。ご馳走様でした。岩本編集長が連れて行ってくれる店は、かならず旨い。




2003.10.15.Wed. 13 : 00 p.m.
BGM : STEELY DAN "THE ROYAL SCAM(幻想の摩天楼)"

 あれは3年ほど前だったか、スコットランドの堅守を崩せず、オランダがホームでスコアレスドローの失態を演じた親善試合を観たことがある。心配だ。

 きのうは夕刻6時より、G舎にてゴンザレスと打ち合わせ。その後、新宿の焼き肉屋で食事をしているうちに、ふと気づいたら11時半になっていた。男ふたりで何をそんなにくっちゃべっていたのか、よくわからない。最近アルトサックスを購入して練習中であるらしい楽器マニアのゴンザレスに、「こんどカラオケ屋でトロンボーンと合奏しよう」と誘われたような気がする。男ふたりで何を合奏するのか、よくわからない。それはともかく、ゴンザレスに「騙されたと思って」と勧められて、レバ刺を食わされた。驚くべきことに、旨かった。ゴンザレスが連れて行ってくれる食い物屋は、かならず旨い。ほんとうに新鮮なレバ刺なら食えるということがわかったから、10月14日はレバ刺記念日。ものすごく字余り。ちなみに今日は私たちの結婚記念日である。「私たち」って、私とゴンザレスのことじゃありませんので念のため。引き出物を2個ずつ配ってから、9年経ちました。いまのところ、とくにモンダイはありません。と思います。




2003.10.14.Tue. 12 : 20 p.m.
BGM : オレンジペコー "MODERN LIGHTS"

 セガレを背負っての騎馬戦(11日)は攻撃的に行ったために背後の守備が甘くなり帽子を取られて負けてしまったが、腰は無事。昼休み後すぐの競技だったので、弁当をたらふく食ったセガレはますます重くなっていたものの、なんとか最後まで立って戦うことができた。保護者だけで戦う玉入れでは紅組に加わり、ダブルスコアで白組に圧勝。スポーツで勝ったのは久しぶりのような気がする。なんであれ、勝つのは気分がいい。玉入れがスポーツかどうかは議論の分かれるところかもしれないけれど。あれがスポーツならパチンコもスポーツだよな。セガレは去年よりもはるかに真面目に運動会をやっていた。が、走る姿が重い。あれじゃセルジオ・コンセイソンだ。ほんとうはドナトを想起したのだが、それじゃあんまりなのでコンセイソンということにしておこう。いずれにしろ、ちょっとまずいっすね。もっと一緒に外で遊んで運動させてやらねば、と反省した運動会だった。

 運動会後、イングランド帰りのヤマちゃん夫妻が来訪。というか、運動会にも来てなぜか一緒に後片づけを手伝ってくれたりしていたのだが、それはともかく、ユナイテッド嫌いの私に数々のユナイテッド・グッズをお土産に買ってきてくれて、とても嬉しかった。ユナイテッド・バスタオル、ユナイテッド・ボディシャンプー、ユナイテッド髭剃り、ユナイテッド・シェービングクリーム、そしてユナイテッド歯磨き。あとはバスローブとシーツと建物があれば、ユナイテッド・ホテルが作れそうだ。なかでも驚いたのはユナイテッド歯磨きである。商品名が「BIG RED」なのでイヤな予感はしたのだが、フタを開けてみると、ほんとに半透明の赤い歯磨きだった。しかも甘ったる〜い香り。これはお菓子ではないのか。チェルシーファンが使うと歯が溶けたりしないのか。そう思いつつ、せっかく貰ったのだからと勇気を振り絞って、今朝、使ってみた。ファーガソンが噛んでいるガムと同じ味なのではないかと思うような味だった。もう一度、歯を磨きたくなった。

 ルーマニア×日本(国際親善試合)は、久しぶりに自ら料理したタコのバジリコソースやら野菜ごった煮パスタやらカルド・ガジェゴモドキやらをヤマちゃん夫妻といっしょに食いつつライブ観戦。この試合を観戦した以上、私としてはヨシカツのことを語らなければいけないわけだが、言葉が出てこない。やっちゃったよなぁ。角度のないところから放たれたムトゥのシュートを後逸だ。GKは後逸しちゃダメなのになぁ。生まれて初めてサッカーを見た者でも失敗だとわかるような失敗だった。2006年、彼がベンチではなく放送席に座っていないことを祈りたい。試合は1-1のドロー。どうしちゃったんだ柳沢。もしかしてストライカーになったのか。

 イタリア×アゼルバイジャン(EURO予選最終節)は、ピッポの2発などあって4-0。パンカロの出場機会がなくて、うれしいような淋しいような。オッドのクロスって、ピッポとものすごく相性がいいような気がする。「ピッポの恋人」とか言ってしまうと、ちょっとシャレにならない雰囲気がありますが。来季あたり、兄弟でトレードしてみてはどうか。ところでトラパットーニは、この相手に3点リードしていても最後にガットゥーゾを投入するのだった。「お守り」みたいなもんですね、こうなると。

 トルコ×イングランド(EURO予選最終節)は、ベッカムのPK大失敗ぐらいしか見所のないスコアレスドロー。トルコのおみこしわっしょいサッカーを期待していたのだが、「勝てばストレートイン」という状況であるにもかかわらず、ハートも勢いも感じさせない戦いぶりでがっかりした。コバチェビッチがいれば、ニハトのクロスが2つぐらい実を結んでいたような気もするけれど。イングランドの連中がオトナに見える、不思議な試合だった。

 ゆうべは、日本×スコットランド(ラグビーW杯)をビデオ観戦。結果を知っていても熱くなれる好ゲームだった。自国の代表なんだから当たり前かもしれないけれど、トルコなんかよりジャパンのほうがよほど画面を通して伝わってくるものがある。ラグビーの代表チームを見るのは前回のW杯以来のような気がするが、なんか上手くなったような感じがしました。まあ、その印象は「ノックオンが前よりも少ない」というきわめて単純な知見から発するものだったりするのだが。タックルもすごかったっすね。4点差に詰め寄ったトライ後のコンバージョンが決まっていれば、もっとスコットランドを慌てさせることができたのではないだろうか。惜しかった。それにしてもラグビー観戦は、サッカー観戦の5倍ぐらい疲れますね。息を止めたり、ヘンなところに力を入れてしまう時間が長いのである。原稿を書いているときの状態に似ているのが、ちょっとヤだ。




2003.10.10.Fri. 13 : 40 p.m.
BGM : RC SUCCESSION "RHAPSODY"

 きょうは体育の日ではないので、勝手に会社や学校を休んだりしないよう気をつけましょう。体育といえば、明日は幼稚園の運動会だ。セガレの運動会であるにもかかわらず親の私がやけに緊張しているのは、親子競技があるからである。たかが幼稚園の運動会とはいえ、ナメてはいけない。なにしろ私は明日、27キロもあるセガレを背負って騎馬戦を戦わなければいけないのだ。27キロだぞ。誰に似たのか知らないが、すごく重いんだぞ。試しに先日、久しぶりにセガレを持ち上げてみたら、腰が砕けそうだった。もし、この連休明けに日誌の更新が何日も滞るようなことがあったら、私の一日も早い全快を皆で祈ってもらいたい。

 ゲストブックのほうで、「訪れた先の家の本棚に自分のと同じ本を発見したときのような気持ち」になってくださった發カン!さんには些か申し訳ない感じなのだが、このところBGMにしているCDたちは、大半がG舎ゴンザレスから借りたものである。持っているCDに飽き、新たに購入する資金も尽きてしまった私に、会社に置いてあったCDを20枚ばかり貸してくれたのだ。彼は彼で、その20枚に飽きたため、自宅にある別の20枚と入れ替えようとしていたところだったらしい。ターフェルムジークぐらいならともかく、編集部でRCサクセションなんか聴いてて周囲の迷惑にならないのだろうかと心配だ。迷惑がらないで、みんなノリノリで聴いてたらもっと心配だけど。

 ゆうべは、チュニジア×日本(国際親善試合)をビデオで前半だけ観た。結果を知っていたせいもあって、柳沢のゴールがどんなふうだったのか確認した時点で、続きを観るのが面倒臭くなった。どうして私は今の代表の親善試合をあまり観たくならないんだろう。よくわからない。もしかしたら、代表を観たくないのではなく、地上波民放を観るのがイヤなのかもしれんなぁ。この試合も、画面左下にずーっと表示されている「ジーコJAPAN 欧州組がアフリカを席巻!」(だったかな)という小見出し(とは言わないのかテレビの場合は)が気になって気になってイライラしっぱなしだった。あれ、どうしても必要なんでしょうか。スペインのサッカー中継みたいに、スコア表示からチーム名を外してまで画面を広く使えとは言いませんが。あれじゃ、キックオフからタイムアップまでワイドショーの1コーナーみたいだ。いや、いまの地上波民放は放送開始から放送終了までワイドショーなのか。ならば、文句を言っても始まらない。

 で、代表戦を途中で止めたあとは、バルセロナ×バレンシア(リーガ第6節)をビデオ観戦。前半14分に、やけにあっさりした感じで決まったオリベイラのゴールのみで0-1である。なんだろう、あのゴールは。うちのセガレなんか、1年以上かけてベソかきながらようやく1点決めたっていうのに、サッカーって簡単なときはホントに簡単だよな。バルサも、もっと簡単にサッカーやればいいのにと思わないでもない。どうも例によってクライファートが話をややこしくしているように思えてならないのだった。




2003.10.09.Thu. 12 : 40 p.m.
BGM :ブリュッヘン "テレマン:ターフェルムジーク【食卓の音楽】選集"

 ふと気づけば、ここを登録している「はてなアンテナ」が8本に増えていた。どもども。まあ、私も登録だけしてぜんぜん読んでないページが多々あるので、みんながみんな読んではいないでしょうけども。モノを書いている以上、こうして読者が増えるのは単純に嬉しいことではあるのだが、増えれば増えるほど必ずしも好意的ではない読み方をする人も多くなるんだろうなぁという気もしたりして、それはそれで怖かったりもする。たとえば、これはアンテナとは関係ない話だが、wonder goalというサイトで9/24に張られたリンクをたどってここにいらっしゃった方なんかは、最初から「どれどれ、その怪しからんライターのダメっぷりを見てやろうじゃないか」という姿勢であるに違いない。不幸な出会い方であるなぁ。

 しかし、そうやって公の場で、しかもリンク付きでご批判を受けていることを知ってしまったからには、それを踏まえて読んでいるかもしれない人々に対して回答めいたことを書いておきたいと思うあたりが、私という人間の誠実なところなのだった。とはいえ、どう回答すべきかはよくわからず、いまだに迷いつつこれを書いているのだが、wonder goalで指摘されていることは至極ごもっとも。私もそれを以前から公言していたような面があるわけだが、たしかに私の書くものは宮沢章夫さんの書くある種のエッセイと言葉遣いが似ている。いや、似せている。なぜ似せているかといえば、これもご指摘のとおり「好きだから」というアクビが出るほど単純な理由だ。

 もっとも、これは些か言い訳めくけれども、私は宮沢章夫さんのある種のエッセイを読んで初めて「ああ、こういう書き方もあるのか。いいなぁ」と感じたわけではなく、「そうそう、こういうの好きなんだよね」と、すでにこの世に存在すると承知していたスタイルの一つとしてそれを受け止め、選び取っていたように思う。つまりアレは一種の「ジャンル」として存在しているというのが私の見解で、たぶん宮沢さんご自身にもそういう意識があるはずだと私は想像するのである。おそらく宮沢さんは、いわゆるデタラメ系エッセイを書くときに、どこかで面白がりながらあのスタイルを選んでいるのだろうと思われ、私は私で、その是非は別にしてそれを面白がって選んでいるのだった。さらに言うなら、これも胸を張るような話ではまったくないけれど、私の書くものは宮沢章夫さんだけに似ているわけではない。いろんな人に似ている。何か書くたびに、「ここをこう処理したらアノ人になってしまう」「これをこう受けるとコノ人になってしまう」などと煩悶しつつ、「でも、まあいいや」で済ましてしまうという苦悩の日々なのでR。

 だからといって、「この世に何にも似ていない文章など存在しなーい!」などと強弁して自己弁護するつもりはないのであって、「プロのライターがこんなんでいーんでしょうか」と問われれば、「プロだからこそ模倣するのだ!」と逆説的詭弁を弄することもせず、いやはや何ともお恥ずかしいことでエッヘッヘ〜と苦笑いして誤魔化すしかないのであるが、それはべつに私淑する書き手を模倣していることを恥じているわけでは決してなく、シロートさんにバレるようなレベルでしかそれを消化できていない、おのれの力量の低さを恥じているのです。まあ、ちょっとやり過ぎちゃったっていう感じでしょうかしらね。以前、ある作家が「物書きには、自分の書きたいことを書くタイプと、自分の読みたいものを書くタイプの二種類がある」というようなことを言っていたが、私は明らかに後者であり、そのためにコラージュの度が過ぎてしまうことがあるのかもしれない。ここは一つ、謙虚かつ素直に反省いたしませう。

 ただし一つ反論しておくなら、私の書く「文章」が総体として宮沢章夫さんに似ているなどと言うのは畏れ多いのであって、ご本人が知ったら「こんなもんと一緒にするな」と怒ると思う。似ているのはあくまでも部分的な「言葉遣い」であって、「文章」ではない。文章が丸ごと似ていたら、さすがに私の原稿にお金を払う人はいないだろう。そこから先は自分で語るべきことではないので、ここでやめておく。

 ゆうべは、えーと、何を観たんだったかな。ああ、そうだそうだ、たまたまスカパー!をつけたらやっていた、パナシナイコス×レインジャーズ(CL第2節)というレア・アイテムを観たのである。ほとんど誰も観ていないだろうが、実況は中村義昭さんというアナウンサーで、この方は先日のチェルシー戦でも実況なさっており、そのとき愚妻が「声が近石真介に似てる」とポツリと漏らした途端、私にはマスオさんが実況しているようにしか聞こえなくなってしまったため、たいへん愉快だった。そんなこと言ったってカツオく〜ん。すみません。典型的なマスオさんの台詞が思いつきませんでした。ちなみに、さっき調べたら近石真介さんって早稲田の露文中退なんですね。知らなかった。ふつう知らないか。五木寛之と同じだ。それで思い出したので話はちょっと戻るが、私は中学生の頃になぜか五木寛之のエッセイを貪り読んだことがあり、今は原典が手元にないのでわからないが、きっと何らかの影響を受けているに違いない。

 さて、女子供の見当たらない剣呑なギリシャのスタジアムで行われた試合は、見たことも聞いたこともない選手ばっかりだった。レインジャーズって、ちょっと前までもっと派手なメンバーだったと思うのだが、いまはカプーショぐらいしか私の知っている人がいない。アルフェラーゼというFWも、昔どこかで見たことがあるような気がするが、どこにいたんだっけね。アヤックス? パナシナイコスのほうは、クロアチアのブラオビッチが懐かしかった。あれはフランスW杯のドイツ戦だったか、ゴールを決めた彼が大威張りでふんぞり返って歩いていたやんちゃな姿を思い出す。でも、なんだか顔が大人になりましたね。

 試合のほうは、前半にアウエーのレインジャーズが先制。有名ではないほうのエメルソンのゴールだった。有名ではないほうのエメルソンが世の中に何人いるかよく知りませんが。有名なエメルソン、ちょっと知られたエメルソン、無名のエメルソンが、それぞれ3人以上はヨーロッパでプレイしていそうだ。きっと、エメルソンだけで1チーム作ることも可能だと思う。懸命の反撃を試みるパナシナイコスは、後半に何者かが退場になって万事休すかと思われたが、それ以降のほうが攻撃がテキパキし始めた。残り5分を切ったあたりで、コンスタンティノウのポストプレイから何者かがクロスを入れ、猛然と突っ込んだコンスタンティニディスが同点ゴールだ! コンスタンティノウとコンスタンティニディスは別人だ! マスオさんも大忙しだ! というわけで、1-1のドロー。あんがい面白かった。




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