edogawa's diary 03-04 #16. |
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2003.12.26.Fri. 12 : 30 p.m. レッド・ツェッペリンについて書かれたものをいろいろ読んでみると、「III」のアコースティック・サウンドが物議をかもしたことが盛んに言われており、それはまあそうかなぁとも思うが、「HOUSES OF THE HOLY」の裏切り方はそれ以上だったのではないだろうか。常軌を逸している、と言ったっていい。私はこの時代遅れの追体験を始める前に大半の曲を別の順番で耳にしていたわけだが、それでも「」の後に「HOUSES OF THE HOLY」を聴いてみると、これは実に大変な衝撃だ。あの「天国」や「ROCK AND ROLL」などを含む名盤の2年後に、「THE SONG REMAINS THE SAME」のイントロでジミー・ペイジの鮮烈なギターを聴かされた当時のファンたちは、全身に電気が走るようなショックを味わったに違いない。うおお、コイツら、まだこんな音を隠し持ってやがったのかよベイビー。そんな感じだったんじゃないかなぁ。で、その余韻も醒めやらぬうちに「THE CRUNGE」だもんな。たまらんよな。もう、どうにでもしてちょうだい。
ゆうべは、バルセロナ×セルタ(リーガ第17節)をビデオ観戦。こんなところに、セレーニを下回るGKがいるとは思わなかった。ルスチュである。鳴り物入りでバルサ入りしたわりには若いモンからレギュラーの座を奪えず、ようやく出番が回ってきたと思ったら、草サッカーレベルの大失敗である。プジョールのバックパスをトラップしようとしたらどうしたことかボールが3メートルぐらい転がってしまい、慌てて拾いに行ったものの敵に奪われ、主が留守中のゴールマウスに楽勝で放り込まれたのだった。えーと、いま、軽く駄洒落をかましてみたんですがご理解いただけましたでしょうか。その後ファインセーブもあったものの、あれほど大規模なミスになると、インテル戦におけるセレーニがそうだったように、チームが逆転勝ちしないかぎり救われない。だが試合は1-1のドロー。コクーのゴールで追いついた後、ボールを持つたびにロスタイムのような勢いで迅速なフィードを試みるルスチュの姿が痛々しかった。
えー、2003年の更新はおそらく本日が最後になると思われます。来週も仕事はしますが、もう、みんな机に向かってないだろうし。日誌にウツツを抜かさず、ちょっと本気で原稿を進めておかないと、年明けがまたえらいことになるし。新年の更新は1月3日ぐらいかな。わかんないけど。 というわけで、今年も私の戯れ言におつきあいいただき、ありがとうございました。5月に開設したゲストブックにいろいろな方々からたくさんの楽しい書き込みを頂戴したおかげで、新鮮な気持ちで自分と向かい合うことができたように思います。ちょうど「わしズム」のコラムがスタートしたあたりからアクセス数が倍増、とまではいかないものの明らかに急増しておりまして、まだ読み始めて日の浅い方も多いかと思いますが、こんな感じでダラダラやっておりますので、ダラダラ読んでください。 それにしても今年はよく働いたのである。しかし、よく働けば働くほど反省点も多くなるのが仕事というもので、各方面にスケジュールの面で多大なご迷惑をおかけしたことはもちろん、原稿のクオリティの面でもちょっとまずいことになっているような気がする。すべてを年齢のせいにするつもりはないけれど、30代半ばぐらいまでは仕事の量と質が比例するというか、書けば書くほど頭が冴えてくるようなところがあったが、そろそろ、そんな好循環が期待できない年代になっているのかもしれない。忙しければ忙しいほど、昔は思いついたはずのことが思いつかないし、昔は加速したはずの作業が失速するのである。来年の4月には40歳だ。仕事の取捨選択を含めて、ライターとしての働き方を見直す節目の年にしたいと思っている。セガレも春から小学生だしねぇ。「ぼくのお父さん」というタイトルの作文を何年生で書くのか知らないけれど、彼がそれを誇らしい気持ちで書けるような父親になりたいものだ。 あと、来年は何つったってギターだよギター。四十の手習いでどこまで上達できるかわからないが、ギターなんか中学生だって弾いてるんだから私にだってできるだろう。まずは買わないと弾けないけどね。やるぞ。
それでは皆さん、良いお年をお迎えくださいませ。
2003.12.25.Thu. 16 : 55 p.m.(一部加筆) というセガレの一言で明けたクリスマスの朝であった。注文していない「オマケ」(色鉛筆と水彩ペン)をサンタさんが付けてくれたのは、セガレによれば「ぼくが良い子にしてた証拠」であるらしい。サンタクロースが実在する証拠が薄弱である以上、「良い子」と「オマケ」の因果関係も怪しいものであるが、まあ、信じる者は救われるということであろうか。そういえば幼稚園の聖誕劇の際、園長先生が(園児がホールにいないときに)保護者に語った話によると、子供の心には「サンタさんの場所」というものがあり、いずれサンタの不在を知ってしまった後も、そのスペースは「神様の場所」として新たな役割を担うんだそうだ。いい話だった。つまりサンタクロースは、DFを引き連れてザウリにスペースを与えたコラーディのような仕事をしているということである。私はそう理解したが間違っているだろうか。オフ・ザ・ボールの動きを心得ているサンタはえらい。
「LED ZEPPELIN」から「」までの4作を聴き終えたところで、その時期(1969-71)に録音された「BBCライブ」を買って聴いている。この「IMMIGRANT SONG」はどうなんだロバート・プラント。歌い出しはそれでいいのか。山ほどライブをこなしていた彼らがこの本番でアガっていたとは思いたくないが、自分がステージで一発目のハイトーンを盛大に外したときのことを思い出して胸が苦しくなりました。プレッシャーに弱い私は、「本番」のある仕事を選ばなくて本当によかったと思う。 そんなわけで、初期のライブを聴きながら、クリスマス・スペシャルとして、4枚目までの曲たちの中からレッド・ツェッペリンの「U-71」代表チームを選出してみようと思い立ったのだった。候補として招集したのは以下の22名。 GOOD TIMES BAD TIMES若いチームには、ひたむきさが大切である。とくにこれだけのタレント軍団になると、ついエゴイスティックなスタンドプレイに走ってチームワークを忘れがちだ。そこで私は、このチームの精神的支柱として「CELEBRATION DAY」をキャプテンに指名し、中盤の汚れ役を任せてみたい。イントロの消去というスタジオの致命的なミスに動ずることなく、いささかぎこちないプレイスタイル(ただし柱谷弟よりは百倍スムース)ではあるものの見事にボールをキープして前線に供給した強かさは、ボランチに適任であろう。地味だが軽快さを併せ持っているあたり、いずれマケレレさんのような選手に成長するに違いない。 しかしワンボランチでは荷が重そうなので、フィジカルが強く睨みも効くタイプの「HEART BREAKER」を「祭典」の横に並べてみる。ふむふむ、なかなか頼もしいじゃないか。シメオネだなシメオネ。その背後には、スタムの落ち着きと激しさを持つ「DAZED AND CONFUSED」と、ネスタのスピードとスタイリッシュな闘争心(なんじゃそりゃ)を持つ「RAMBLE ON」をCBとして並べれば鉄壁だ。いいぞいいぞ。 で、左SBには「狂気」が不可欠なので、ちょっと冒険だが「IMMIGRANT SONG」を抜擢。行ったまま帰ってこない可能性が高いので、バランスを取る意味で、右SBには移民心理を熟知しており、献身に喜びを見出すタイプの「FRIENDS」を起用してみようか。これなら左肩上がりの変則3バックにも対応できるだろう。 すると難しいのは移民と縦のコンビを組む左MFだが、ここはデニウソンのごとき華麗なステップで敵を引きつけて時間と空間を作り、移民の闇雲なオーバーラップを生かすことのできる「BRON-Y-AUR STOMP」で決まり。逆サイドは「FRIENDS」があまり攻撃参加しない以上、右MFには一人で突破してクロスを上げられるだけのスピードと運動量と破壊力が求められるので、「ROCK AND ROLL」を自由に走らせるのが良いかと思われる。 問題は2トップだ。ここには豊富なタレントが揃っているが、両ウイングの攻撃力を考えると、FWにスピードは不要だろう。求められるのは、いかにもセンターフォワードらしいお山の大将的尊大さとパワーだ。そこで私はあえて、ビエリとバティストゥータと釜本を足して3倍にしたような存在感を持つ「WHEN THE LEVEE BREAKS」を軸に据えたい。長い手足をブンブン振り回しながらゴールネットをブチ破るシュートを撃ちまくる姿が目に浮かぶようだ。パートナーは、もちろん「天国」。この年代にしてすでにワールドクラスの評価を受けており、本人は「いまさらU-71なんて」と合流を渋るかもしれないが、やや下がり目の位置でレヴィーやロックンロールを自在に操れるとなれば、国内リーグを休んででも参加する気になるに違いない。 ……あ。「MISTY MOUNTAIN HOP」忘れてた。えーと、そんじゃ、GKってことで。ちと軽いが、足元はそこらのフィールドプレイヤーよりもはるかに達者なので、ガンガン前に出てイギータやカンポスのような「魅せるGK」を目指してもらいたい。というわけで、フォーメーションはこんな感じ。
10 天国 11 小屋 14 HEART BREAKER 6 祭典(C) 7 ROCK AND ROLL 97 移民 13 RAMBLE ON 4 幻惑 3 FRIENDS 12 MISTY MOUNTAIN HOP(GK)
2003.12.24.Wed. 19 : 55 p.m.
月曜の夜に副音声(ロマニスタをラツィオ戦の現地実況に起用するスカパー!の見識を疑う)のビデオで観たラツィオ×インテル(セリエ第14節)は、2-1でラツィオのだだだ大逆転勝利。うほほーい。最高のクリスマス・プレゼントであった。いや、まあ、昔からインテルには負ける気しないんだけどね。またぞろGKセレーニの利敵ポストプレイ(弾いたボールがビエリの足元へ)で先制されたときは、目の前がドス黒くなるほど不機嫌になったものだ。彼がどうしてGKというポジションを選んだのかがまったく理解できない。だってボール捕れないんだもん。サッカーにおいてもっとも不向きなポジションを選択してしまったのではないか……と思って見ていたら、それ以上にキックが下手糞だった。なんでサッカー選手になったかなぁ。というか、あれじゃどんな球技もダメだろう。まだ間に合うから、K−1か何かに転向したほうがいいと思う。 しかし、この際セレーニのことなんかどうでもよいのであって、スタンコビッチとコラーディがいずれも右足のアウトサイドでアシスト&ゴールをモノにした1点目はきわめて洒脱だったし、何者だかよく知らないが2点目をアシストしたデルガドという若者もえらいもんじゃった。インテルのカウンターがビエリのトラップミスで失敗に終わるやいなや、ボールを拾ったスタムからファバッリ、ファバッリからデルガドへと反転速攻。迷わず入れたグラウンダーのクロスはDFを引き連れて潰れたコラーディを通過して、逆サイドでどフリーになっていたザウリへ。右足インサイドで丁寧なシュート。ファバッリに押し倒されるデルガドとスタンコビッチに逆さ肩車されるザウリを交互に抜いたイタリアの中継スタッフに敬意を表したい。きわめて立体的な感動シーンであった。あれだけ前線に人数が残ってたってことは、インテルの速攻を誰も追いかけてなかったということかなぁと思わないでもないが、まあ、結果オーライである。ボールを置いていってくれたビエリと、その前にコラーディと喧嘩して退場してくれたアルメイダという2名のOBにも感謝。アルメイダさん、何があったのか知らないが、審判からレッドカードふんだくっちゃいかんよな。ともあれ、ラツィオというチームは意外なときに弱いが意外なときに強い。だから応援のしがいがあるんである。ところでデルガドってナニ人?
きのうは私の両親を自宅に招いてクリスマス昼食会。久しぶりに台所に立って、ミネストローネと魚介&キノコ&トマト&生クリームのリングイネを作った。どちらも好評。ミネストローネを作ったのは初めてで、スープというよりは野菜のゴッタ煮みたいな感じになってしまったが、キャベツとヒヨコ豆が効いていた。ヒヨコ豆うまい。
きょうは午後から銀座で口述取材。終了後はサンタクロースに(気持ちの上で)変身し、松屋デパートに寄ってセガレのクリスマス・プレゼントを買う。セガレがこの日誌を読む心配はないので書いてしまうと、サンタさんへの注文は「遊戯王カードデッキのカイバ編」とかいう代物。当初は「ベイブレードの何とかカントカ」を欲していたのだが、数日前に気が変わったらしく、紙に「サンタクロースさん ヤっぱり ゆうぎょう(※原文ママ)カードの カいばへんにします」などと書いていたのが可笑しかった。その注文票をサンタさんがいつどこで見ると思っているのだろうか。思いがけず安い注文だったので、オマケとして色鉛筆や水彩ペンのセットを伊東屋で購入。サンタのおじさんは、あした数ヶ月ぶりにまとまった入金があるので太っ腹なのだった。 イブの銀座なんて何年ぶりで歩いたかわからないが、そわそわした様子の若い女がいっぱい歩いてましたね。「今夜のために奮発して買ったとしか思えない赤や白のロングコートを暖かいのに無理やり着込んで汗ばんでいる女」を3人ほど見た。クリスマスは来年も再来年もあるのにねぇ。しかし、そういう大局観を失うのがクリスマスだったりするのであろう。がんばれ、若い女たち。負けるな、若い女たち。
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