edogawa's diary 03-04 #18.
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2004.01.21.Wed. 11 : 10 a.m.
BGM : CAMEL "BREATHLESS"

 どうやらCDプレーヤーの不調は不可逆的なものではなかったようで、ひょっとして数日間電源プラグを抜いていた(代わりにCラジを使っていた)のがよかったのか、きのう試しに稼働させたら音飛びがほとんどなくなっていた。やはりKay'n師匠の言うとおりレンズ結露だったのだろうか。でも師匠は「プラグを抜け」とは言ってなかったしなぁ。わからんなぁ。もっとも音飛びが「ほとんどなくなった」というのが微妙なところで、つまり完治したわけではなく、どういうわけかジミヘンの『featuring Little Richard』とジェフ・ベックの『truth & beck-ola』だけ音が飛ぶことが今のところ確認されている。けしからんキカイだ。しかしこうなると買い換えるのもアレだよな。春になって暖かくなったら完治するかもしれないので、しばらく様子を見ることにしよう。

 カンタベリー音楽という言葉があるのを知ったのは、キャメルのことをちょっと調べてみたからだった。キャメルのほか、ソフト・マシーン、キャラバン、ハットフィールド&ザ・ノースなど、イギリスのカンタベリーを中心に生まれたものであるらしい。カンタベリーってサッカーでは耳にしたことのない地名だが、そんなことはどうでもいいのであって、カンタベリー音楽はバンド間のメンバーの入れ替わりが激しいのである。どこかにそう書いてあった。いま聴いている『ブレスレス』(右上。これからなるべくジャケットを掲載することにした。クリックするとアマゾン行き)には元ハットフィールド&ザ・ノースのリチャード・シンクレアという人(歌とベース)が加わっており、へえ、そうなんだぁと思いつつ、そういやそんな話があったような気がしてGBの過去ログを見てみたら、とっくの昔に話題になってました。あはは。

 で、この『ブレスレス』は聴きやすくて快適なアルバムではあるのだが、こういう快適さはべつにキャメルじゃなくても味わえるのではないかと言いたいし、そもそも「聴きやすい」というのはプログレにとってどうなんだという思いもあり、先日LPで聴いた『ムーンマッドネス』のほうが粗っぽくて未完成な感じはあるものの、そのプログレッシヴな初期衝動を剥き出しにしたようなザラついた手触りがスリリングで面白かったよ。そうかよ。そうだよ。

 ゆうべは三軒茶屋で月例新書の会。主宰者・渡邊さんによる「2003年の新書ベストテン+α」など拝聴する。私がゴーストした本も、ランクインは(当然)しなかったものの「おすすめできる佳作」のリストに加えてもらっており、いろいろ気を遣わせて申し訳ない話だ。私は自分の読んだ本や聴いたCDを人にすすめることが苦手なのだが、人からすすめられると猛烈に読み&聴きたくなるタチで、きのう紹介された数十冊の中にも十冊以上はそそられるものがあった。でも、そんなに読んでる時間がない。忙しいというより、時間の作り方が下手糞なのだ。たくさん本の読める人が羨ましい。


2004.01.20.Tue. 11 : 00 a.m.
BGM : AEROSMITH "ROCKS"

 うおお。エアロスミスかっこええ。どうして今まで誰もエアロスミスがかっこいいことを私に教えてくれなかったんだ。もう少しで知らずに死ぬところだったじゃないか。たまたま私が中古店で気紛れにこの『ROCKS』を手に取ったからいいようなものの、気をつけてくれないと困るよ。ロックのアルバムに『ROCKS』というタイトルをつけても許されるエアロスミスはえらい。レッド・ツェッペリンが芥川賞なら、エアロスミスには直木賞をあげよう。レッド・ツェッペリンがカー・オブ・ジ・イヤーなら、エアロスミスはグッドデザイン大賞だ。意味わからんが、とにかくエアロスミスはいいぞ。騙されたと思ってキミも聴いてみたまえ。ところで、このギターはなんて人なんだ? ジョー・ペリー? ふーん。こっちも「JP」なんですね。んで、ペリー君はどういう楽器を弾いているのかと気になってこのあたりを調べてみたら……なーんだ、やっぱりこっちのJPもレス・ポールじゃないか。自分の好みを再確認しました。

 自宅でイエス『リレイヤー』を聴きながら交わした父子の会話。

子「父さん、ロックばっかり聴いてるよね」
父「うん」
子「これ(イエスのこと)もロックなんでしょ?」
父「うん」
子「でも、ロックって何?」
父「……ん?」
子「ロックって何よ」
父「……母さーん、R太郎がロックって何だって訊いてるぞ」
母「(台所から)知らないわよ、そんなこと」
子「でも、ロックって(痛そうな顔で)『ロ〜ック!』っていう感じだよね」
父「そ、そうだよ。おまえ、今、いいこと言った。ロ〜ックっていう感じの音楽がロックだよ。そうに決まってるじゃないか。たとえば、そうだなぁ……(CDをハンコックの『処女航海』にかけかえて)……これはロ〜ックって感じじゃないだろ?」
子「うん」
父「これはロックではなくジャズといいます」
子「うん。ジャズ〜って感じがするね」
父「だろ? では、ここで問題です。(CDをはっぴいえんどの『HAPPY END』にかけかえて)……これは何でしょうか」
子「ロック!」
父「そうかー。これもロックって感じかー。父さんは、あんまりロックって感じがしないんだけどね。でも、まあ、ジャズじゃないよな。だから正解!」
 いい加減なことを言ってちょっと後悔しているが、まあ、しょうがない。「電気はどうして光るの?」よりも難しい質問だ。だいたい、私は「ロックとは何か」を知るためにギターを習い始めたばかりなのである。そう簡単にわかってたまるかってんだ。まあ、そのうち「これがロックだ!」って音を父さんがギターで聴かせてやるから待ってろ。

 ゆうべは10時ごろからチェルシー×バーミンガム(プレミア)をビデオ観戦。ジョンソン(右SB)のことを「若パンカロ」と呼びたくなってきた。やっぱりダメだな、あの人。解説の高木さんも「クロスが課題。ちょっと精度が低い」と言っていたが、これは遠慮がちな過大評価なのであって、奴のクロスは精度の高さを云々する以前の問題である。蹴った瞬間にDFに引っかかるクロスの精度は判断できないし、そもそもそれは「クロス」ですらないのだった。もうね、おまえさんはクロス上げなくていいから、グロちゃん(グロンキアのこと)を効果的に走らせる方法を勉強しなさい。

 そんなこともあって前半はスコアレス。後半が気になるところだったが、ハーフタイムを迎えたところでモデナ×ラツィオ(セリエ第17節)の録画中継が始まり、チェルシー戦を観終えてからラツィオ戦を観ると寝るのが遅くなって朝が辛いので、後半は翌日に先送りしてラツィオを観た。観なきゃよかった。復活クラウディオ・ロペスが、ムッツィとのカウンター二人旅から今季初ゴール(念のため言っておくが「今年初ゴール」ではない)を決めて先制したものの、後半に頼みのペルッツィが風邪だが何だかで引っ込み、ゴールマウスにセレーニが立ちはだかるやいなや同点ゴールだ。直接的にはセレーニの責任ではないとはいえ、「ああセレーニ来ちゃったよ。どうすんだよ。参ったよ」という守備陣の動揺があの失点に関与していないといったらウソになるだろう。私自身、ものすごく動揺していたのだから。反対側のゴールマウスにバロッタさん(ラツィオ優勝時のセカンドGK)がいただけに、なおさら控えGKの重要性を痛感せざるを得なかった。終盤は睡魔に負けて気を失っていたが、それが悔やまれるようなことは何ひとつ起こらなかったようで、1-1のドロー。どこまで続くぬかるみぞ。




2004.01.19.Mon. 13 : 10 p.m.
BGM : PFM "JET JAG"

 きのう、吉祥寺の伊勢丹でランドセルを買ってもらった。誤解されると困るのだが、私が背負うわけではない。買ってもらったのはセガレで、買ってくれたのはセガレの祖父母である。なぜかセガレは店で現物を見る前から「紺色がいい」と主張していたのだが、あんまりブルーっぽいのもアレだよなぁと思ったので、黒と並べなければ黒に見えるぐらい濃い紺を選ばせた。この「アレだよなぁ」に実は同調圧力に弱い親の微妙な心理が見え隠れしているのがアレだが、まあ、ソレはそういうものであって、べつに「みんなと同じ」でいてほしいわけではないものの、あんまり目立ったモノを持つのもアレだからね。まあ、たかがランドセルの色ごときで「個性」とやらを主張したところで、大した価値はないんである。だいたいランドセルなんてモノは、使っているうちに色ツヤやら形やらが変わっていって、遠くから見ても明らかに自分のモノだと判別できるようになるものだ。個性は買うものではなく、自分で作るものなのである。うん。父さん今いいこと言った。

 セガレはゴキゲンで、早くも教科書の代わりに図鑑など詰め込み、ランドセル背負って「いってきま〜す」を言う練習をしている。新しいモノを買うとモチベーションが上がるのは、パソコンもランドセルも同じだ。しかしランドセルかー。私は5年生ぐらいでランドセルを卒業したので、自分の家にランドセルがある状況というのは28年ぶりぐらいだろうか。これから、どんどん家庭の風景が変わっていくのであろうなぁ。壁に時間割なんか張られたりなんかして。でも水着ギャルのポスターは禁止だぜ。

 金曜日に、右手を骨折した副編シギーから電話。仕事がままならないのも気の毒だが、楽器マニアの彼にとっては1ヶ月半も演奏不能なのが何より辛かろう。ギターを始めた以上、私も手は大事にしなければいけない。パソコンのキーボードは片手でも叩けないことはないが、ギターは無理だからね。

 電話の用件は、次回「わしズム」の〆切通知と、ゴースト仕事の依頼。コラムのほうは、人気投票の結果次第では「1回で打ち切り」もあり得ないわけではないとビクビクしていたので、2回目を書かせて貰えるのは何よりだ。投票してくださった方、どうもありがとうございました。ゴースト仕事のほうは、4月か5月あたりに執筆予定。よって江戸川は現在6月以降のスケジュールが空白になっておりますので、各社編集者のみなさまはお含み置きを。

 ラツィオ戦が今夜の録画中継まで観られないので、ゆうべは仕方なくボローニャ×キエーボ(セリエ第17節)をライブ観戦。立ち上がり、中田がボールを捌き始めたとたんに敵陣まで押し込んだボローニャが、シニョーリの左足と何者かの何かで2点を先取。シニョーリの故障による(?)戦線離脱、ザウリ(だったかな)の退場などあって予断を許さない展開だったが、芝生ジャブジャブの雨中戦をボローニャが3-1で制した。ふだん、セリエのこのクラスのゲームはほとんど見ないが、わりと面白かったです。いい意味で踏んだり蹴ったりっていう感じ。数年前、この日誌で「ペルージャの次はボローニャあたり?」みたいなことを書いた記憶があるが、やはり、これぐらいのクラブで全開バリバリに自己実現を図る中田を見るのは愉しい。




2004.01.16.Fri. 11 : 15 a.m.
BGM : CAMEL "MOONMADNESS(月夜の幻想曲)"

 きのうは夜にも逃避(更新)したので未読の方は下から。

 日誌への反響は悩みの量と比例するようで、静電気やギターやCDプレーヤーに関する参考意見が電話やメールやGBへの書き込みで続々と寄せられる今日この頃である。どういうわけか原稿の書き方だけは誰も教えてくれないのが不思議だが、それはともかく、いろいろありがとうございます。典型的な末っ子体質によって常に依存力が全身に漲っている私は、そういうことがないと生きていけません。実際、私の友達って「面倒見の良い長男長女タイプ」がものすごく多いような気がする。妻も長女だし。世の中そういうふうにできている。そして私は誰の面倒もみない。甘えてばかりでごめんね。

 しかしCDプレーヤーはダメだった。Kay'n師匠がGBで教えてくれた方法のうち、レンズクリーナーは持っているのですでに試して効果のないことがわかっていたのだが、藁をもすがる思いでトライした「電源を入れてトレイをオープンした状態で30分ほど待ってからプレイしてみる」もダメですな。飛びます飛びます。なので、とりあえずの解決策として、自宅でほとんど使用していないCDラジカセをあとで仕事場に持ってくることにしよう。いや、カセットテープは聴けないから「ラジカセ」じゃないなアレは。「CDラジ」っていうの? それとも「Cラジ」? Cラジらしい?

 というわけでCDが聴けないこともあり、いまは愚妻LPコレクションの1枚を聴いている。キャメルというイギリスのバンドを私は見たことも聞いたこともなかったが、愚妻は2枚もアルバムを持っていた。「ムーン・マッドネス」という、誰もがピンク・フロイドの「狂気(Dark Side Of The Moon)」を連想するであろうアルバムタイトルが示しているとおり、これはプログレである。たぶんプログレだと思う。プログレなんじゃないかな。……心配なので例の「KEPY」のディスク・レビューを見たら載っていたので、やっぱりプログレだ。プログレの定義を「KEPY」に委ねていいのかという問題はあるし、「キャメルのムーン・マッドネス」がプログレだからって「月の沙漠」がプログレだとは私も思わないが、まあ、ジャンルなんかどうでもいいのであって、キャメルはとてもよろしい。聴かせる。イエス好きな愚妻がこれに手を出したのはよく理解できる感じだ。イエスよりもはるかにシンプルで、手数の少ない音楽だけど、言いたいことには近いものがあるんじゃないかという気がする。愛聴盤になりそう。




2004.01.15.Thu. 22 : 10 p.m.
BGM : SmoothJazz.com

 憂鬱なのはCDの音飛びである。しばらく前から不調で、しかし必ず音が飛ぶわけではなく、飛んでもすぐ収まったりするので騙し騙し使っていたのだが、いよいよダメだ。どのCDをかけても音が飛ぶ。そして飛び続ける。くっそー。CCCDめ。いや、それが原因とは限らないが、CDプレーヤーを投げたり叩いたり俎板や将棋盤の代わりに使ったりした記憶はないので、自然に壊れたかCCCDに壊されたかいずれかであろう。私が持っている唯一のCCCDは矢野真紀の『あいいろ』なので、できればそのせいにはしたくないのだが、時期的には一致しているのだった。うー。

 しかし原因がわかったところで治療に役立たないのは大半の病気や怪我と同じ(骨折やモノモライの治療法は原因が何であれたぶん同じだろう)なので、修理を依頼すべくDENONのサービスセンターに電話して症状を話したところ、思いのほか深刻な状況であるらしく、修理には1万5千円ばかりかかるんだとか。「買ったほうが安い」とは言えないがさりとて即座に受け入れることもできない、微妙な金額である。3万円ぐらいで買ったモノを1万5千円かけて直すというのはどうなのか。それは「半分買い換える」と同じではないのか。次に同じ規模の故障が発生したら、ますます悩むじゃないか。しかも、そのときにはもう「部品がない」かもしれないじゃないか。ならば、いま買い換えるのが得策というものじゃないか。どっちみち永遠に使えるキカイなんかねぇんだぞ、という悪魔の囁きも聞こえるが、これは空耳?

 それに、このCDプレーヤーにはそもそも難点がある。リモコンが付属していないので静電気の恐怖にさらされるのもその一つだが、それだけではない。このキカイにはリピート機能もなければシャッフル機能もないのだ。そのシンプルな設計と志の高さ(なのか?)が気に入って買ったのだが、仕事中に使う場合、シャッフル機能はともかくリピート機能はやはりあったほうが良い。前に岩本編集長に連れて行ってもらった明大前のバーにあった301枚のCDを収納して連続再生してくれる豪快なキカイなら、なお良い。101枚のやつでも良い。なので、私が心のどこかで「致命的な故障→買い換え」を期待していなかったと言ったらウソになるだろう。しかしなぁ。「致命的」とまでは言えないしなぁ。なるべくモノは大事にしないといけないしなぁ。どうしよっかなぁ。

 とりあえず「検討してから、修理する場合は改めてお願いします」と言って電話を切ったが、こうして悩んでいるあいだにも、私が私の人生の中でCD鑑賞に割くことのできる有限の時間が奪われているのだった。その時間的ロスを最小限に食い止める最良の方法は、明日の朝イチで吉祥寺のラオックスに行って「コレください」と店員に告げることである。どうしよっかなぁ。

 などと自分を買い換えモードに追い込みつつ、少しばかりネットで調べてみたのだが、私の知らないあいだにCDプレーヤー業界もフクザツなことになっとるんだなぁ。また物知らず&世間知らずを露呈するようでアレだが、なんだよ、ハードディスクオーディオレコーダーなんていうのもあるんじゃないか。またハードディスクかー。いいなーいいなー。500枚分だもんなー。301枚収納!とか言ってる場合じゃないよなー。これがあればCD自体は自宅に置いておけるもんなー。でもソニーのCDプレーヤーってすぐ壊れる印象があるしなー。……あ、iPodを買ってステレオにつなげばいいのか。つなげるんだろ? でもそれだと音質とか落ちるのか? どうなのよ。オレはどうすればいいのよ。あー。世の中よくわからないことだらけだ。選択肢の多い社会は、情報に鈍感な勉強嫌いの怠け者には暮らしにくいのである。この先、デジタル化でテレビをどうしたらいいのかとか、考えるとウンザリするのは私だけ? しかし、そんなことよりCDプレーヤーだ。とりあえず1万5千円でこの苦悩から解放されるなら、そのほうがいいような気がしてきた。




2004.01.15.Thu. 10 : 45 a.m.
BGM : THE ROLLING STONES "SOME GIRLS"

 憂鬱なのは静電気である。防止ブレスを身につけていたのに、バチッと来やがった。それもギターだ。また6弦だ。6弦め。いや悪いのは6弦ではなく静電気防止ブレスである。もちろん、正確に言うとこれは静電気「緩和」グッズなのであり、完璧に「防止」できるものではないとわかっているし、説明書にもそう書いてあるが、たった一度の失敗でも許せなくなるのはGKと同じだ。ファインセーブが目に見えないぶん、GKよりもタチが悪い。えーい、こんなモノこんなモノ。しかし本当にイケナイのは、ちょっと油断して「ビー・ベビー」で除電せずにギターに触れた私なのだった。とはいえ、いちいち6本の弦で除電してからギターを手にするのも面倒だ。だいたい、その様子といったら、愛する楽器をまるで信じていないみたいじゃないか。恋人とイイ雰囲気になるたびに、じっと目を見つめながら「ところで歯ぁ磨いた?」と訊くようなものである。いい音で鳴ってくれるわけがない。

 セルジオ・コンセイソンがラツィオを退団するらしい。状況がよく呑み込めていないが、EUROで代表入りするために本人が出場機会を求めて決めたこと、という理解でいいのだろうか。だけどブレシア戦には途中から出場してたじゃーん。ちょっと球離れが悪かったけど、やっとヘアスタイルも従来のオールバックに戻って、そろそろスパークしそうな感じだったのになぁ。残念だ。しかしまあ、男女のことは本人同士にしかわからないように、クラブと選手のことも当事者にしかわからんことがあるだろうからな。どちらもお互いを必要としているのに何故か別れてしまうカップルって、いるよね。……どうして今日はそっち系の譬え話になるんだ?

 きのうは夕刻に講談社で来月ゴーストする本の打ち合わせ。相変わらず講談社のエレベーターはなかなか1階に来やがらない。10分ほど遅刻したのを全てエレベーターのせいにするつもりはないが、遅すぎるよアレは。6基のうち3基ぐらいはダミーなんじゃないかと疑いたくなりました。それにしてもわからないのは、さんざん待ってようやくエレベーターに乗ったと思ったら、4階で降りた女性だ。私は20階に用があったのでやむを得ずエレベーターを利用したが、4階だったら階段で行く。それぐらいなら、間違いなく待ってるあいだに着くもん。ああいう悠長な性格の人は、もし編集者だったらひどく仕事の段取りとかが悪いに違いない。と、私は決めつけた。ただし、4階ぐらいなら階段を使うライターが必ずしも段取りよく原稿を書くとは限らないというのもまた事実なのだった。さっき「来月ゴーストする」と書いたのはちょっとウソなのであって、本来は今月中に着手する予定だったのだ。嗚呼。途中の章をスキップして最終章まで直行するエレベーターがほしい。

 ゆうべは、レスター×チェルシー(プレミア)を副音声でビデオ観戦。たまには「すごい!」「惜しい!」「スワーブがかかった!」も聞きたいような気がしなくもないが、やっぱりねぇ。しかし英語実況がお経のようにしか聞こえない私の場合、副音声だとサッカーと全然関係ない物思いに耽ったりなんかして、試合を観ているようで観ていない状態になることがたまにある。昨日がそうだった。ハッと気づくとチェルシーのゴールが決まっているのである。ハッセルバインク、ハッセルバインク、ムトゥ、ババヤロで0-4の圧勝。序盤だけはちゃんと観ていたのだが、ハッセルバインクがのっけから張り切っていたのが嬉しかった。2ゴールなんて久しぶりじゃないだろうか。控えの連中が腐らず、出場したときに頑張ってみせるあたり、いまのチェルシーにはスクデットを獲ったときのラツィオみたいな雰囲気の良さを感じる。

 ハッセルバインクだけでなく、この試合はスタメンのうち9人が紀元前(=アブラ以前)からチームにいた選手だった。それでも結果を出すラニエリはなかなか大したものだ。さらに頭が下がるのは、そういうメンバーでもフル出場させられてしまうマケレレさんである。最後にオマケみたいな感じで合流した人なのに、「彼がいなかったらどうするつもりだったワケ?」と言いたくなるような存在感。でも明らかに疲れている感じで、たまにデタラメなミスキックがあったりして心配だ。こういうときは怪我をしやすいように思われるので、気をつけてもらいたいです。




2004.01.14.Wed. 11 : 00 a.m.
BGM : THE ROLLING STONES "STICKY FINGERS"

 ああ、なるほど。どうやらコレ(STICKY FINGERS)がタボンくんがゲストブックに書いていたミック・テイラー&キースのストーンズであるようだ。カッコええやん。どれがキースでどれがテイラーだかわかんないけど。たとえば4曲目「Can't You Hear Me Knocking」のイントロや後半のソロはそれぞれどっちが弾いてるんだ?

 この「のほほん・医務室」というページの記述を信用するならば、「静電気は体質・体形には全く関係」がなく、いわゆる「静電気体質」は「迷信みたいなもの」であるらしい。その舌の根も乾かぬうちに「汗をかきやすい人は、静電気が起こりにくい、と言えるかもしれません」と言うのだから困ったものだ。だったら「汗をかきにくい人」は相対的に静電気体質じゃんか。しかも私は煙草の煙よりも先に手の汗が楽器を傷めるのではないかと心配になるぐらい汗かきなのに静電気が起こりやすいのだから、何が何だかわからない。

 また、ゲストブックでお馴染みのharvestさんが教えてくれた発掘!あるある大事典 第210回『静電気』の記述も意味不明瞭で、「静電気は全ての人に起こる現象」と言いながら「そうは言っても、静電気が起こる人の方が圧倒的に多い」などと威張っている。べつに威張ってはいないか。しかし、おまえ自分が何を言ってるのかわかってるのか? 「起こる人の方が圧倒的に多い」ってことは、起こらない人も少数だがいるわけだろ? 言いたいことを整理してから書けよ。

 よくわからないが、たぶん、静電気の「帯電」と「放電」が同じ「静電気現象」としてごっちゃに論じられているのが混乱の原因なのではないだろうか。「帯電」は「全ての人に起こる現象」であり「体質・体形には全く関係」がないが、それが穏やかに自然放電されるかバチバチッと放電されるかは個人差がある……ということだと資料を熟読せずに私は理解したのだがどうだろうか。資料を熟読せずに物事を理解できるかどうかがゴーストライターの資質が問われるところなので、間違っていたらしょんぼりするしかありませんが。

 それにしてもイヤな話だと思うのは、あるある大事典のこのページに書かれていることだ。「自然放電しにくかった作田さんと神谷さんの血液は、赤血球が折り重なるように結合しているドロドロ血の状態だった!」と言うのである。「一方、自然放電していた白石さんと石川さんの血液は、どちらもきれいなサラサラ血」だったらしい。ドロドロ血とサラサラ血だ。いかにも地上波民放的なわかりやす〜い二項対立であるなぁ。この手の健康番組は「針小棒大」「牽強付会」「一面的」「バカにも理解できることしか伝えない」「何かを売ろうとしている」等の特徴があるのが常なので鵜呑みにするつもりはないが、うわあオレって血がドロドロなんだぁ! 大変だぁ!

 しかし、それ以降のイオンがどうしたこうしたという話は読むのが面倒臭いので、きのう吉祥寺ロフトに行って静電気防止グッズを購入したのだった。ドロドロ血については別途じっくり考えることにして、当面は静電気の自然放電を促すことが重要だ。

 ロフトの店内に「特集コーナー」が用意されていたぐらいだから、やはり静電気の「当たり年」なのであろう。いや毎年特集してんのかな。私が購入したのは、きのうの日誌でリンクを張った商品と似た感じの腕輪タイプ(¥1500)だ。ソレ自体は腕にはめてもバチバチッと来なかったのでヨカッタ。

 今のところ、はめた状態で何に触ってもバチバチッは発生していないが、使用前も来ないときは来なかったわけで(静電気が「来る」という表現もどうかと思うが)、本当に効いているのかどうかわからない。風邪薬みたいなもので、「効いていない」ことが証明されることはあっても、「効いている」かどうかは永遠に実証されないのが、こういう商品のミソだ。ゲストブックに書いたとおり、バケツと濡れタオルで部屋の加湿を図っているので、そのお陰かもしれんし。まあ、お守りみたいなもんだと思うことにしよう。風邪薬と違って、プラシーボ効果は期待できないと思うけど。

 そんなことより心配なのは、これによって体内の静電気が「空気中に放電される」ということだ。その放たれた電気は一体どうなるのだ。そんな空気を呼吸して大丈夫なのか。肺のなかでバチバチッと来たりしないのか。電気のことが、よくわからない。よくわからないものは、怖い。

 ロフトでは、「ビー・ベビー」というフザケた名前の商品も買った。「ドアノブや車のボディなど金属に触れる直前に(中略)先端の導電ゴムを金属に接触させて静電気を逃がします」という素晴らしい発明だ。冷蔵庫のノイズもそうだったが、やはりゴムはいろいろなものを防いでくれるのだった。ただし説明書には、間違って先端の導電ゴムのほうを握ると指先と金属の間で放電し、ショックを感じることがあるというオソロシイことも書いてあったので気をつけなければいけない。

 ちなみに私が「よりファッショナブルに5つの個性で新登場」した「ビー・ベビー」の中から選んだのは、「キュートな花柄でトロピカルな気分」というキャッチコピーがウフフな感じのオレンジ色のやつだ。こういうコピーって、サッカー中継のアオリ文句と同じくらい無駄だよな。だいたい「メタルでビシッと決めようぜ」(グレー)って、静電気防止グッズでそれはまずいでしょう。われわれ静電気人間は「メタルでビシッ」がイヤなんだからさ。

 それはともかく、なぜ名前が「ビー・ベビー」かというと、除電されると液晶画面に「ベビー・フェイス」が表示されてニッコリ微笑むからだった。試しに「ビィ〜〜〜〜(クレシェンド)、ベビィ〜!」と呪文を唱えながらCDプレイヤーのスイッチにくっつけてみたら、たしかにベビーが微笑んだ。おお。これは安心。しかし、その瞬間に私は「ビー・ベビー」でスイッチをグイッと押しており、これじゃ鉛筆で押してるのと同じじゃーん、っていう話だ。まあいいや。結果的にバチバチッと来ないなら何だっていいのである。

 仕事の原稿は滞っているクセに買い物ばかりしているが、きのうは吉祥寺に出たついでに山野楽器に寄って「ボーナムくん」を買った。と言っても、これは師匠の指示で私がそう呼んでいるだけで、本当の商品名は「クオーツメトロノーム SQ70」という。「メトロノームを使わない練習は、ジョン・ボーナムのいないレッド・ツェッペリンと同じ」というのが、師匠の教えなのだった。つまり、「そういうのは練習って言わねぇんだよ」ということである。ウチの師匠がこの台詞を口にしたときは弟子が破門される前兆であるらしいので、気をつけなければいけない。このメトロノームは「ピッ、ピッ」ではなく「コッ、コッ」という硬い音色だし、音量も他の商品よりデカいので、なかなかボーナムくんらしくてよろしい。長いつきあいになるけど、よろしくね、ボーナムくん。漏電とか起こして途中で壊れちゃダメだよ。

 さらに無目的に中古レコード店へも足を向け、そこで目に止まったLP用の静電気防止スプレーとブラシタイプのレコードクリーナーとレコード針クリーナー(ブルーの小瓶に入った例の液体)も購入。ナガオカ3点セットだ。ナガオカの製品を買ったのは、たぶん20年ぶりぐらいだと思う。使ってみると、スプレーの匂いがじつに懐かしいのう。ええ香りじゃ。昔、音楽への期待感は常にこの匂いと共にあったのだった。そういえば、あの頃は静電気なんてあんまり気にしてなかったよなぁ。血がサラサラだったのかも。




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