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THIS FIRE ![]()
P.F.M. STORY ![]()
OURO DO MANAUS ![]()
10月15日に買った灰皿。
10月15日の空。
家族の肖像
BOSTON
DON'T LOOK BACK
MOVING PICTURES |
2004.10.18.Mon.
11: 45 a.m. BGM : PAULA COLE "THIS FIRE"
しかし機嫌が悪いのはサッカー観戦だけのせいではないのであって、それというのも、今朝クルマに傷をつけてしまったのだった。右足首を捻挫したセガレを学校まで送り届けたのち、自宅近くの細い路地を左折した瞬間、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリッというとても歯応えのある音がしたのである。ふだんから注意している場所なのだが、目の前に歩行者がいたためにハンドルを切りすぎてしまった。駐車場に停めてから該当箇所を見ると、ゴリゴリゴリゴリゴリゴリッという音の長さに比例した長さの筋の終点に、切手大のハゲ。嗚呼。「クルマは消耗品」と割り切っているつもりだったが、落ち込んだ。このことは、まだ愚妻に打ち明けていない。この日誌を読んだとたん、玄関を飛び出して駐車場へ向かう妻の姿が目に浮かぶ。どうもごめんなさい。
![]() で、傾いた機嫌を立て直すためには良い音楽だ。ポーラ・コールというシンプルな名前の女性シンガーのことは見たことも聴いたこともなかったが、にもかかわらずこの『This Fire』というアルバムを買ったのは、矢野真紀がオフィシャルサイトの「今月の耳ツボ グッ!」というコーナーで紹介していたのが目にとまったからだった。ジャケットが気に入ったので数ある「ツボ」の中からこれを選んだわけだったが、大アタリ。声がいい。曲がいい。アレンジがいい。暗めの色彩を帯びた独自の世界を作り上げることに成功している。矢野真紀がこれを気に入るのはよくわかる感じ。矢野真紀お奨めの『Mississippi』の切なさは一体どうしたことかと思うほどだし、ピーター・ガブリエルがゲスト・ヴォーカルとして参加している『hush,hush,hush』は子守唄のような心地よさだ。クルマの傷なんかどうでもよくなる。このアルバムはポーラ・コール自身のプロデュースによるもののようだが、矢野真紀にも、こういう芯の通ったトータルなイメージを纏わせてくれるプロデューサーがつくといいんだけどねぇ。ところでラスト曲の『I Don't Want to Wait』は、メグ・ライアン主演『シティ・オブ・エンジェル』のCMに使われていたらしいが、記憶がない。映画はニコラス・ケイジの気持ち悪さだけがやけに印象に残っているが。CMといえば、TBCのCMをまだ見ていない。ホントにオンエアされてんのか?
![]() クルマは傷ついたが、セガレの怪我はいちおう快方に向かっている模様。今朝、近所のクリニックで診察を受けたところ、骨折はしていなかった。念願のレントゲン写真を撮ってもらって、本人はやけに嬉しそう。写真を見て、「指の骨は指より長い」ということに気づいたようだ。いわゆる「水かき」の部分が骨にはないからね。いいところに気がつきました。まさに怪我の功名。しかし、ということは私の場合、左手を白骨化させてしまえば、ギターを弾くときに「指が開かない」というモンダイが解決するのではないか。とりあえず中指と薬指だけでいいんだけどな。白骨化。
![]() やっぱりPFMはいいなぁと思う今日この頃である。同じイタリアのRDMやバンコも面白いが、美しさ、メリハリ、完成度など多くの点でPFMにはかなわない。こんなに丁寧に作り上げられた音楽が他にあるだろうか。あるんでしょうけども。いま聴いているのはベスト盤。ゆうべも自宅でこれを聴いていたのだが、そのとき私の脳内に天啓のごとく稀有壮大な野望が閃いたのだった。5年以内に短期集中型ロックバンド「深川峻太郎プロジェクト」(Project For Fukagawa Shuntaro=略称:PFS)を結成して、PFMの名曲『E FESTA』(英題は「CELEBRATION」)を演る、というものだ。とーっても難しそうな曲だけど、演りたい。ものすごーく演りたくなってきたぞ。人生の目標リストの最上位にランクインだ。なので、私とツインギターを弾きたいと言っていたキミ、フルートを練習中で歌も歌えるキミ、ベースを何年も触っていないというキミ、これ読んでるかどうか知らないがキーボードの得意なフリーサラリーマンのキミ、およびヤマちゃんは、いまから心の準備をしておくように。という具合にメンバーは集められそうだが、問題は最後に2小節だけ登場するティンパニーをどうするかだ。たしか高校吹奏楽部の後輩がN響でパーカッションを叩いているはずなのだが、楽器ごと来てくれないだろうか。
しかしまあ、そのお陰で毎年記念日続きのこの時期は家庭が何となく浮かれた雰囲気になる。どういうわけか毎年この時期は金欠になるので、それはそれでありがたい。せめて気持ちぐらいは豊かでありたいですものね。人生に必要なのは、愛と勇気と少しのお金だ。きのうは昼に愚妻と吉祥寺のまめ蔵でカレーを食ったのち、パルコ6階のVILLAGE/VANGUARDへ。おかしな灰皿があったので、錫製品を探すのはやめてそれを記念に買う。吸い殻の置き場所に1本目から10本目まで数字が書いてあるので、まあ、いちおう10周年らしいというわけだ。実用面と思想面(DON'T SMOKE OVER TEN CIGARETTESとか書いてある)にモンダイのある灰皿だが、カタチはおもしろい。 で、きょうは私が晩飯をこしらえることになっている。愚妻のリクエストでリゾットを作ることは決まっているが、もう一品は何にしよう。と思って「イタリア料理 かんたんレシピ」というワガママなキーワードで検索すると、すぐに私でも作れそうな料理が見つかるんだからインターネットってありがたい。この鶏肉のカチャトーラ(狩人風)なんか、秋らしくていいかも。
![]() きのう、時事キーワード解説のお手伝いをした編集部から、略歴を書くように求められた。どうして原稿作成マシンの略歴を載せる必要があるのかよくわからないが、まあ、メジャーな版元のメジャーな本に名前が載るのは営業ツールとして有効なのでありがたい。しかし、いざ書こうとすると、本名の場合はほとんど何も列挙することがないのだった。著書や連載コラムは別名義だし、「ゴーストライターとして約100冊」なんて書くと、「編集協力」とかで本名がクレジットされている本の正体がバレてしまうので差し障りがあるんである。なので、生年、出身大学、元編集者で今はフリーという職歴だけ書いて送ったら、「お手数ですが、得意分野などについても、ちょっと書き加えていただけないでしょうか」とおっしゃる。えーと、その得意分野が皆無だから困っているわけですね私の場合。深川名義ならともかく、「本名の私」の得意分野は「原稿書き」「リライト」としか言いようがないのである。だが、短すぎて体裁が悪いという編集的事情もわからなくはないので、本当のことは書いてないがウソもついていないというギリギリの表現で誤魔化しておいた。いつもこんなことを言っているような気がするが、略歴を誤魔化さなければいけない仕事って、どうかと思う。
![]() 今シーズン初の静電気発生。相手はCDラック。阿川泰子を取り出そうとしたらバチッだ。CDを載せる横板が金属なのである。やはり木製にしておくべきだった。昨シーズン終了間際にゴタ先輩から伝授されていた本格的な静電気対策を、そろそろ実行に移さないといけない。一つは「静電スリッパ」なるもので、半導体部品を扱っている工場や研究室や手術室ではこれを履き、静電防止フロアに電気を逃がすらしい。静電防止フロアなんてものはふつう用意できないので、ゴタ先輩は床に導電性シートというものを貼ってアースをつないでいるとか。導電性シートは高価なので、理屈からいえば薄いトタン板やアルミ ホイルでもOKなはずということだけど、どっちにしろ物凄く大掛かりである。アルミホイルの上で仕事って、食材になったような気分にならないだろうか。シメジやエノキやバターを頭にのせると旨そうだ。旨そうになってどうする。もう一つは「リストバンド」で、これは私が去年ロフトで買ったようなちゃちなものではなく、コードをコンセントのアース端子につなぐもの。歩き回らないときしか使えないが、たとえばアース端子から遠いところでギターを弾くときは、コードを足首に巻いておけばいいという。なんかSFの登場人物みたいなことになりそうですね。ちょっと強そう。とりあえず、椅子から立ち上がるときに生じる静電気が最大の敵だから、ふつうのフローリングでも多少は効果があるという静電スリッパでも買ってみるか。
![]() まだ掲載誌を見ていないのだが、『プレミアシップマガジン』11月号がすでに発売中。チェルシーのことを書かせてもらったので、よろしかったら御一読を。いわゆる「3強」の特集記事で、アーセナルは西岡さんの担当、ユナイテッドは高木さんの担当、そんでもってチェルシーの担当が私だ。いいのかそういうことで。光栄といえば光栄な話ではあるものの些か荷が重い仕事で、世のチェルシーファンから「ウチだけナメてんのか」とクレームがつきそうで怖い。たぶん見た目はジャーナリスティックな誌面になっていると思われるが、中身は「長いお茶ズボ」だもんなぁ。ふだん書いているコラム等を知らない読者に向けて書くのは難しかった。以上、言い訳おわり。
![]() ゆうべはW杯予選を2試合。スロベニア×イタリア(W杯欧州予選)は、終盤にセットプレイからコツンとやられてイタリアの負け。フィオーレが投入された直後の失点だった。フィオーレのせいではないかもしれないが、フィオーレがいなければ入らなかったかもしれないと思わせるのがフィオーレのフィオーレらしいところだ。なんだかんだいって、イタリアはビエリがいないとつまらない。負けるなら、せめて面白キャラの一人や二人は用意してくれないと困る。ジラルディーノでは役者不足。ビエリが使えないならピッポを出せピッポを。デルベッキオでもいいけど。
![]() オランダ×フィンランド(W杯欧州予選)は3-1。早い時間帯にGKからのロングフィード一発でフィンランドに先制されてアジャパ〜な展開だったものの、オランダが前半のうちに電撃的2ゴールで逆転。久しぶりに傲岸で快活で弾力的なオランダの攻撃を見たような気がする。スナイデルいいねー。しかし試合の終盤まで、クライファートがベンチにさえいないことに気づかなかったのが寂しい。早めにグループ1位が決まれば、消化試合の最終戦とかで招集されるのかもしれないなどと想像すると泣けてくる。よかったらハッセルバインクも呼んでね。ところでファン・バステン監督はちょっとシメオネに似てるのが意外だった。
![]() ボストンがすごいと思うのは、1作目と2作目を通じてずーっと同じ曲を演奏しているように聞こえる(おまけにジャケットも見分けがつかない)にもかかわらず、聴いていて飽きないところだ。ジャーニーは1枚を聴き終わらないうちに飽きたが、ボストンは2枚を何度か聴いても飽きない。飽きる音楽と飽きない音楽はどこが違うのだろうか。そして、飽きない音楽と飽きない映画には何か共通点があるのだろうか。
![]() ゆうべのオマーン×日本(W杯アジア1次予選)は0-1で日本の最終予選進出が決定。前半はどうなることかと思ったが、俊輔のクロスも鈴木(選手のほう)のランニング&ポジショニングも(あのときだけは)すばらしかった。ダメだったのは、通訳のほうの鈴木さんである。通訳は通訳に徹しないといけません。まあ、私もゴーストで他人の本を書く際、ときどきドサクサ紛れに自分の言いたいことを書くことがないわけではないので、ジーコの指示だけ喋っていたのではつまらないという気持ちはわからなくもないが。それとも、ジーコの暴言を通訳して退席になったんだろうか。しかしそれでは、ライターがうっかりして、著者が口にした差別語をそのまま使って本が回収されるのと同じようなもんですわな。どっちにしてもモンダイである。最終予選では、予備通訳としてラモスか呂比須かセルジオ越後をベンチ入りさせておいたほうがいいかもしれない。監督の指示をそのまま伝えるかどうかは保証できないけれど。
![]() 10時間の爆睡後(愚妻によれば私は眠ったまま歌を歌ったりしていたらしい)、自宅でマッキー事務所のレギュラーワーク。ブルガリのフレグランスやらヤマハのホームシアターシステムやらTDKの音楽用CD-RやらPFUの両面スキャナやらといった新製品のニュースリリースを広げて原稿を書いていたら、今日も体育学習発表会の代休で家にいるセガレがまとわりついてくるので「父さんはいま仕事中なのだ」と言ったら、「なんだ、チラシ見てるだけかと思った」と言われて少しショックだった。仕事しててもただの観戦だと勘違いされがちなエリクソンの気持ちがわかるというものだ。「資料を見ながら原稿を書く」という作業の意味を子供に理解させるのは、なかなか難しい。大学でネタ本のリライトによるレポートをでっち上げるようになったら、「ああオヤジはこれを仕事にしていたのか」とわかってくれるかもしれない。そういう理解でいいのか。いいと思う。少なくとも私のスキルは、当時からほとんど変わっていないという自覚がある。
原稿を送ったのち、会員証の更新もしなければならないので、家族と一緒に浜田山のTSUTAYAへ。セガレはゴジラ対メガギラス、私はラッシュとカエターノ・ヴェローゾを借りた。オリンピックで買い物をしてから家族と別れて仕事場に出勤し、『ムービング・ピクチャーズ』を聴きながら日誌を書いている。資料がないので、こっちのほうがセガレの目には仕事らしく見えるかも。ラッシュは前に聴いた『パーマネント・ウェーヴス』のほうがグッとくるものがあったが、これも悪くない。ラッシュの何に自分が惹かれているのかよくわからない。稚気、かなぁ。 |
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