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にし・たかヲのサッカー日誌
1999-2000/vol.01



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6月29日(火)10:30 a.m.
 日本×マレーシアは4-0で、日本が五輪最終予選進出を決めた。コータの連続ゴールが途絶えたのは残念だったけど、出場時間10分じゃしょうがない。
 一方の柳沢は、リサちゃんだかリカちゃんだかリナちゃんだか何だか忘れたが、土曜日の夜にデートしてたせいで登録抹消。へぇ。意外にやることやってんじゃん。エクアドルのタネ馬・カビエデスにはかなわんだろうけど。

 昨日の朝は心のどこかで「ニッカンの誤報じゃないの?」との疑念を26%ぐらい抱いていたのだが、どうやらコータ、ほんとにパラグアイへ行くようである。もしかして柳沢のお間抜けな規律違反のおかげで吉原にお鉢が回ってきたのか? タイミング的にはそんな気がしなくもないが、ま、んなこたどーだっていいんだもんね。どーせ他人の怪我を踏み台にしてここまで来たんだし。コータ、ばかづき。とにかく俺は嬉しい。札幌はエース不在で引き分けてしまったが、そんなことも気にならないぐらい嬉しい。いつもは「センチメンタルでくだらん」と読み飛ばすこんな記事さえ、今回ばかりは嬉しくてたまらないのだった。

 試合後のロッカールームで大拍手が起こった。「吉原がパラグアイに行きます」。大仁技術委員長からイレブンに、吉原の南米選手権日本代表入りが伝えられた。あいさつを促された吉原がひと言「頑張ってきます」と話すと「それだけかよ」との声が飛び、ドッと笑いが起こった。全員が吉原を祝福した。(日刊スポーツ6/29)
  うー。なんか涙出そう。よくわからんが、戦地へ出征する息子を送り出す父親のような心境だ。行ってこい。行って、お国のために死んでこい。遙か遠い地球の裏側で、おまえは栄光のコンキスタドールとなるのだぁぁぁっ。……えーと、コンキスタドールってのは、16世紀にインカやアステカをくちゃくちゃに滅ぼしちゃったスペインの征服者のことです。征服しちゃいけませんやね。
 とにかく、俺、成田まで行って万歳三唱でもしてやりたい気分だよ。ところで吉原の背番号はもう決まっているのかしら。もしかして中山の遺志(死んじゃいねーか)を引き継いで9番背負っちゃったりするのか? わーお。グッときちゃうねぇ。もう、こうなったら例の応援歌も許しちゃうぞ俺は。あの、"We will rock you"で「コーター、コーター、ゴール!」って奴。でも代表サポーターには浸透してないか。五輪予選でも聴いたことないしな。聴きたいなー。すっかりミーハー気分を堪能している俺であった。

 だけど、ふと冷静になってしまったのだが、もし俺が道産子でなく、コンサドーレにも愛着を感じていなかったら、今回の吉原の大ブレイクをどう見ていたのだろうか。ってゆーか、「大ブレイク」に見えたんだろうか。まったく無関心だったような気もするし、やっぱり「救世主現る!」と期待感を募らせたような気もする。おらぁ、べつにジャーナリストでも評論家でもないからどーだっていいんだけど、客観的に見てコータのFWとしての資質はどうなんですか。うーむ。

 一転して海外に目を向けると、ミヤトビッチは正式にフィオレンティーナ入りが決まったらしい。キエーザも獲得して、フィオはエヂムンドの抜けた穴を埋めて余りある補強ぶり。あともう少し選手層を厚くできれば、CLでの戦いぶりにも期待が持てそうな感じである。一方、こちらもCLに挑むパルマのほうは、キエーザ、ヴェーロンを放出してアモローゾ、オルテガを獲得したわけだが、差し引きするとどうなんだろう。ややマイナスの印象を受けるのは俺だけでしょうかしら。テュラムの去就も微妙なところみたいだし。

6月28日(月)10:30 a.m.
 あわわわわ。俺、ニッカンしか読んでないんだけど、ほんと? まじ? うっそー。コータ、とうとう呼ばれちゃったよ。どこにってパラグアイに決まってんじゃねーか。えー、やだー、チョーしんじらんなーい。ちょべりぐー(古い)。
 いや、そりゃ、たしかに呼べとは言ったけどさー。まさかなー。吉原、パスポート持ってんのかなー。あ、香港に行けたんだから持ってるかー。予防注射は間に合うのかな。え? パラグアイはアフリカじゃないんですか。そっかー。なんか知らんが舞い上がっちゃうなー。
 しかしまあ、なんというシンデレラ・ストーリー。高原の怪我で五輪代表に滑り込んだと思ったら5戦連発の9ゴールでエースにのし上がり、こんどは中山の怪我でフル代表へ。磐田に足向けて寝られないね、こりゃ。思えばアメリカW杯予選のときスーパーサブとして活躍したのは当時2部(JFL)のヤマハに所属していた中山だった。そして今回、その中山のアクシデントで「新・2部の星」がジャンプアップ。こういうのを巡り合わせと言うのであろうか。ああ。心配だー。何がって、あーた、コパ・アメリカで活躍なんかしちゃった日にゃ、どっか欧州のクラブからオファーなんか来ちゃったりするんだぜ。……んなこたないですね。そうじゃなくて、ちゃんとやれるのか心配なのである。ここで馬脚を現しちゃうと、せっかく身につけた自信がパッパラパーのパーになっちまうかもしれないしさ。大丈夫かなー。まあ、そんなに出番があるとも思えないし、とりあえずビッグイベントの雰囲気を味わって帰ってくればいっか。いや。ダメだダメだそんなんじゃ。吉原だってプロなんである。行ったからには結果を出してこい。城だ岡野だ呂比須だを蹴散らして、輝くニッポンの星となるのだぁぁぁぁぁ! コータぁぁぁぁぁ、がんばれよぉぉぉぉぉぉぉぉ。……ところでシンデレラって最後はしあわせになれるんだっけ?

6月27日(日)13:30 p.m.
 五輪アジア1次予選日本ラウンド開幕。日本×ネパールは9-0で楽勝したが、相変わらず俺の視線は吉原宏太に釘付けである。もう、いちいち太字にはしないけど、柳沢が90分で2ゴールなのに、コータはおよそ65分で2ゴールだ。中村のセンタリングをアウトサイドで蹴り込んだ2ゴール目、すごかったなぁ。シュートもさることながら、その前のポジショニングが絶品である。気が付けばチームの「顔」になってしまったようで、ベンチに下がってからもカメラに追われていたし、タイムアップ後も最初にカメラが抜いたのは吉原だった。最近のサッカー選手でこんな扱われ方をしたのは、俺の見た範囲ではCL決勝におけるマテウスだけだ。コータ、すでにマテウス待遇。フル代表で中山が顔面骨折したらしいが、だったら吉原を呼べ吉原を。

 ミスター・タボンから「似てる人シリーズ」が届いたのですが、俺、結局NBAファイナルを1試合も見ないうちに終わってしまいました。だから似てるんだか似てないんだかわかりません。ごめんなさい。でもリバウド似の奴はいかにもいそうな気がするな。クライフの「愛情」に関する本格的な論考もお待ちしてます。

6月26日(土)10:30 a.m.
 オルテガはパルマへ。そんなにサンプで活躍したという印象がないんだけど、意外と順調な出世魚ぶりである。リバプールのマクマナマン(「マ」含有率5割!)はレアルへ。なんかニュアンス違うような気がしなくもない。ロベカルと両立するんだろか。ヤルニと同様、お互いに持ち味消し合っちゃうような気がするぞ。

 昨夜はR・マドリード×D・ラ・コルーニャ(リーガ最終節)を観戦。ラ・コルーニャがCL出場の夢を断たれたゲーム(3-1でレアルの勝ち)である。前半26分にエリア手前でミヤトビッチを倒したディフェンダー(名前忘れた)が一発レッドを喰らっていた。あれがレッドかよー。ちぇっ。退場者がなけりゃ、どうなったかわかんないのに。ところで、マジョルカのロア(宗教上の理由で引退)が入っている宗教には、ラ・コルーニャのドナトも入っているらしい。どうやら日本にもあるようなのだが、いったい、なんという教団なんだろうか。

 レアル戦の後、ウィンブルドンをだらだらと見る。そうかー。ティム・ヘンマン(地元の人気選手)の熱狂的ファンって、「ヘンマニア」と呼ばれてるのかー。ヘンマニア。めちゃめちゃ怪しい感じである。

 今日から五輪1次予選日本ラウンド。おまけにBS-1では南米選手権を全試合中継するらしい。参るよな、忙しいのに。月末の締め切りまで今日を入れて5日しかないのに、まだ半分も終わってないでやんの。絶対ムリだ。間に合わん。だったらこんな日誌ぐずぐず書いてんじゃねーよ。

6月25日(金)11:10 a.m.
 おお。インザーギ弟がラツィオに来るのか。知らなかった。ヴィエリの迫力とは比較にならないけれど、イタリア人ストライカーが加わるのは嬉しいかも。ユーベ戦の兄弟対決が楽しみである。でもラツィオではPK蹴らせてもらえないかもしれないから、がんばってね。それ以前に、ボクシッチを押しのけてポジション取れんのかな。サラスとの相性は、そう悪くはなさそうに思うけど。

『Number』の増刊「サッカー百年の記憶」を買う。まだぜんぶ読んだわけじゃないけど、知らないことがいっぱい書いてあって面白い。いちばん驚いたのは、アディダスの創始者の名前が「アディ・ダスラー」であるという事実だった。おいおいホントかよ。なんか笑える。いわばマツモトキヨシがマツキヨになったようなもんか。あ、マツキヨは俗称ですね。

 それにしても、クライフはほんとに心の底からファン・ハールを敵対視してるようだ。「アヤックスがダメになったのは、ぜんぶあいつのせいだ」……とは言ってないけど、ほとんどそういうニュアンスである。でも、そういう聞きようによっては感じ悪くなりかねないコメントさえ、クライフが口にすると何か知らんがカッコいい。フィジカルよりもテクニックとポジショニングかぁ。話を聞いただけで魅力的。どっかで監督やればいいのにねぇ。組織論的には、世間で高く評価されているらしい天下の「アヤックス・システム」(どんなもんか知らないが)も、結局はミケルスとかクライフとか、そういう傑出した個人の手腕があって初めて正常に機能する、というのが面白い。システムを構築して事足れりとするのは危険だということか。いま、ちょうど某大学ラグビー部監督による組織論(それほど立派なもんじゃないが)を執筆中ということもあって、なかなか興味深いのであった。

 朝刊のニュースの中では、カビエデスの訴訟問題が目を引いた。3人の女性から子供の認知を求められてるとか。すげー。やるじゃん、カビエデス。シュートはともかく、そっちの精度は高そうだ。んま、お下劣ですこと。ところで、いよいよトルシエはまずいんじゃないだろうか。「南米選手権で1次リーグ突破できたら奇跡」なんて監督が言っちゃいかんだろう、やっぱり。不安だー。心配だー。いろいろ読んでると、評論家やジャーナリストのあいだにも、そこはかとなく不安感が広がっているように見える。ほんとは思い切り「トルシエじゃダメだ!」と言いたいのに、世界ユースで結果を出したせいで批判のトーンが鈍ってる感じ。でもユースや五輪世代の選手には評判いいのかもしれんしなぁ。難しい。いいのかよー。ほんとにトルシエでいいのかよー。あと3年しかないんだぞー。……とりあえず、クライフにご機嫌伺いだけでもしておけば?

6月24日(木)10:50 a.m.
 ディレクTVの番組ガイド7月号が届く。CS-WOWOWが6月いっぱいで消滅してしまうのが寂しい。来月は、各国リーグ戦が終わったせいもあって、パパン引退記念フランス代表×FIFAドリームチーム(カズが出たやつ)、同マルセイユ1990×マルセイユ1999、オーストラリア代表×世界選抜などなど企画モノ系の試合中継が多いようだ。おもしろいのか?
 中でも「なんじゃこりゃ」なのは、OPEL車生産100周年記念試合バイエルン×ミラン。はあ。OPELって100周年なのかぁ。でも「車生産100周年」ってどういう意味だ? 創業から100年前までは他のモノを作っていたのかしら。いや、実はうちの車も貧相なOPELなんだけど、バイエルンとかミランとか、ついでにヒンギスとか、なんか知らんが気に入らない奴にばっかりカネ出してるんで、ちょっぴり溜め息が出るのである。一家そろって眉毛をOPELマーク型に剃ってるCMもいただけない。というか、キモチ悪い。
 あと来月は、6月に開催された「ユース・サッカー・フェスティバル」なる大会もJ-SPORTSでオンエア。そういえば去年もこの時期、W杯の合間にユースの中国×ドイツ戦とか見てた記憶がある。いったい、どういう大会なんだ。U-21とはいえ、ブラジル、アルゼンチン、フランス、オランダ、コロンビア、ポルトガル、南アフリカ、メキシコと、顔ぶれはなかなか豪華である。どうやって出場国を決めるのか知らんが、日本もこういう大会に出られればいいのにね。とりあえず、オランダの若者を見るのが楽しみだ。以上、ディレクの宣伝終わり。

 数日前、愚妻がサッカー雑誌をぱらぱらとめくりながら、「やっぱりプレミアリーグも見たいなー」と呟いていた。ふむ。来季もプレミアリーグはスカパ独占なんだろうか。ラグビーのW杯も、ほんとうにスカパでないと見られないのか。どうしよっかなー。

6月23日(水)9:00 a.m.
 とうとうスペインリーグも終わってしまい、やや寂寥感が漂う今日この頃である。ま、まだコパ・アメリカだ五輪予選だ何だかんだと続くわけだが、ここはとりあえず心機一転、本サイトでは今日から勝手に<1999-2000シーズン>に突入!ってことにさせていただきます。単にタイトル上の問題ですが。

 昨夜は、ウィンブルドン女子シングルス1回戦マルチナ・ヒンギス×ヘレナ・ドーキックを観戦。なんとなんと、ヒンギスが2-6、0-6とたった2ゲームしか取れずにストレート負け。明らかに、全仏ショックから立ち直れてない感じだった。あのグラフとの決勝で味わった絶望的な孤立無援の後遺症で、テニスそのものに興味を持てなくなっているようにさえ見えたな。しかし、それにしても恐るべきは16歳の豪州人ドーキックである。角度のあるストロークをびしびし深いところに入れて、ヒンギスを翻弄しておったわい。あのヒンギスがストローク合戦で優位に立てず、ドロップ・ショットに頼らざるを得なくなっちゃったんだもんなー。ヒンギスは最初のサービス・ゲームをデュースに持ち込まれ、苦し紛れのドロップ・ショットで何とかキープしたのだが、その時点で相当に追い込まれていたに違いない。

 常連投稿者Z・J氏が気にしていたデシャンの移籍先は、どうやらチェルシーに決まったようである。チェルシー、相変わらず強欲でんな。一方、CL予選出場を決めたマジョルカは、FWダニ(→バルセロナ)とCBマルセリーノ(→ニューキャッスル)という代表クラスのセンターラインを放出。いいのか、そんなことして。好成績を上げて主力を引き抜かれるあたり、去年のランスみたいだな。おまけにGKのロアは宗教上の理由で引退しちゃうし。「2000年に世界が滅びる」と信じている宗教らしいが、土曜日が安息日じゃサッカーできないよなー。ともかく、今後どういう補強をするのか知らんが、マジョルカはもうあかんのとちゃいまっか。

 話は変わって、ウェブ・デザインにまつわる独り言。
 勉強不足のローテク作業とはいえ、このサイトでは稚拙ながらも自分なりにデザイン的な面を考えながらこちょこちょと手を入れているのであるが、このウェブ・デザインというのはなかなか難しい。まず、読者が見ている「誌面」のサイズが一定でない、というのが厄介だ。同じ2次元媒体とはいえ、そこは雑誌や新聞のレイアウトと決定的に異なる部分である。ちなみに俺はネットスケープのウィンドウ幅を、17インチ・モニターの85%程度(タテは全面)にしているのだが、この状態でいい塩梅に見えるからといって、誰にとってもバランスのいいレイアウトになっているとは限らない。事実、自宅で使っている13インチ・モニターで見ると、ひどく読みづらい誌面になっていて頭を抱えることもある。

 フォントや文字サイズなども同様で、俺は日本語フォントをOSAKA(12ポ)にしているが、明朝系に設定している人も多いらしい。このあいだ、兄貴の家に遊びに行ったときにパソコンをいじらせてもらったら、ネットスケープのフォントが明朝系になっていて、このページはめちゃめちゃ読みにくかった。見慣れてないからかもしれんが、自分が作るときに見ているのと違うフォントで読まれるってのは、かなりキモチ悪い。でもブラウザーというのはそういうものだから、どんなフォントでも読みやすく作るのが、作り手の責任なのである。
 さらに兄貴のネットスケープは、リンク部分にアンダーラインが引かれる設定になっていて、これはツライ。あのアンダーラインというのは、たぶん本文中のリンク部分をわかりやすくするために考えられたものだと思う。だからインデックスのページなんかに入っていると、デザイン的には台無しだ。

 でも、やはりウェブ・ページというのはそういうものなのである。ブラウザー自体の選択を含めて、最終的には読み手がデザインを決定する権利を持っているのだから、いまどきモザイクやマックウェッブを使って見てる人がいたって文句は言えない。そういう意味では、「推奨するブラウザー」を作り手が指定するのも、考えてみればヘンな話だ。だから本サイトでは、「これを使って表示確認をしています」という表現にとどめているわけだが、それだって要は「推奨」しているわけで、読み手にとっては大きなお世話なのである(そういえば昔、まだ我が家が白黒テレビだった頃、画面の隅に<カラー>という表示が出ると悲しい気持ちになったものだが、推奨ブラウザーはそれと似てるかも)。だからといって、大昔のブラウザーに合わせて作っていたのではウェブ上の表現は豊かにならない。実に厄介だ。

 そもそもHTMLのタグ(書式を指定する記号)というのは、テキストの論理的構造を定義するためのもので、デザインのために用意されたものではないらしい。少なくとも俺が3年前に買ったマニュアル本には、そんなことが書いてあった。おそらくWWWという仕組みを構築した理科系の人々にとっては、「意味さえ伝わればいい」のであって、デザインなんか問題ではなかったに違いない。「意味さえ伝わればいい」なら、たとえばこのページ左上のタイトルも画像になんかせずにテキストで書けばいいし、本サイトのHPで意味もなくカニの絵をぴょこぴょこ動かしたりする必要もないのだ。そんなことするから、重くなって表示にも時間がかかる。
 しかしふつうの人は、できれば味も素っ気もないものは見たくないし、こういう媒体を作れば何らかのデザイン処理を施したくなるわけで、だからみんな、書式定義のために用意されたタグをデザインのために転用するようになったわけだ。たとえばこのページの左右には適度なマージンが取られているが、これは「引用部分」を定義(その部分の幅を狭くする=タテ組でいえば「段下げ」だな)するためのタグを転用しているのである。HTMLの原始的コンセプトからすれば、これも「けしからん使い方」ということになるのだろう。

 今は最初からデザインのために作られたタグも多いようだが(よく知らないけど)、いずれにしてもデザインに凝るあまり読み手の快適さを無視するような作り方にならないよう、気をつけなければいけないと思う。実際、デザイナーの美意識を満たすために文章の横幅を固定したり(つまりウィンドウ幅に応じて行が折り返されない)、「この幅にして読んでね」みたいな指定のあるページもあるが、その気持ちはわからなくはないものの、やはりルール違反ではないだろうか。13インチのモニターだと、そういうページはウィンドウに入りきらないことが多いし、いちいち左右にスクロールしながら読むのはとても面倒である。

 せめて自分は読者にそういう面倒をかけないようにしたいと思っているのだが、それでもデザインを優先して読みやすさを犠牲にしてしまうこともなくはない。どこで折り合いをつければいいのか、よくわからないのだ。いずれにしても、あらゆるブラウジング・スタイルを想定してレイアウトするのは難しく、いたらないところもあると思うので、読みにくいところなどがありましたら是非ご忠告くださいませ。

 あと、きのうもZ・J氏と投稿原稿の「文字バケ」(なぜか句点の「。」が時折バケる)についてメールをやりとりしていたのだが、よそのウェブページを見ていると、たまにカタカナの「ハ」みたいな文字バケが散見される。あれは何ですか。きっと、そのページを作っている人のパソコンではバケないんだろうけど、そういうことがこのサイトにもあるのだろうか。あったらイヤだなぁ。変な文字バケがあったらご一報を。それから、ウィンドウズからマックに送ったときに「。」がバケる理由をご存じの方も、ご一報ください。別にいいんだけど、なんか気になるので。

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