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Live At The Greek
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2005.01.11.Tue. 11: 50 a.m. BGM : JIMMY PAGE & THE BLACK CROWES "LIVE AT THE GREEK"
![]() 不覚にも、原寮(本当はウ冠なし)の新作が出ていることを「10万部突破!」の新聞広告を見るまで知らなかった。というか、二度と新作は出ないと思っていたというのが正直なところである。もう書けなくなってしまったのだと思っていた。なにしろ9年ぶりだ。つまり、私がこのサイトに10MBのディスクが満タンになるほどのテキスト(および50〜60冊の単行本)を書いているあいだ、原寮は一冊も新刊を出していなかったのだった。無論それとこれとはぜんぜん関係ないが、ウ冠なしの寮の字がふつうに使える漢字だったらセガレの名前に使ったかもしれないぐらい私は原寮のファンなので、そう考えるとなんだか感慨深い。 で、過去の全著作と同様「7文字タイトル」にこだわっているのも嬉しい『愚か者死すべし』(早川書房)を、土曜日に買って読んだ。9年も待たされて一泊二日で読み終えてしまうのだからセミの生涯よりもあっけないが、とても満足した。ミステリ小説としては難点があるのかもしれないし、探偵の勘が良すぎたりプロットが複雑すぎてわかりにくかったりするのはいつものことだが、そんなこたぁどうだっていいんである。少なくとも私にとって原寮の小説は、探偵・沢崎のブログみたいなものだ。作者には叱られるかもしれないが、そんな感覚で読んでいるような気がする。それに、もしかするとハードボイルド小説とはそもそもそういうものなのかもしれない。行間に込められた自負や自慢や自虐や自嘲が織りなす探偵の危うい自意識を読む「私」小説といったところだろうか。 ただ今回の本には不満がないわけでもない。ページを開いた瞬間に強烈な違和感を抱き、いったい何だろうと思ったのだが、すぐに気がついた。二段組みになっていないのだ。これまでは短編集を除いてすべて二段組みで、見開き2ページが4つに分割されたあの些か息苦しい空間こそが沢崎の活躍する世界だという印象があったのに。新シリーズなので新味を出したいという編集上の(安直な)作戦かもしれないし、作品自体の尺が短いせいかもしれないが、これには苦言を呈したい。どうも間延びしちゃってダメだ。原寮の息の長い比喩やシャープな会話文は、一行の短い二段組みじゃないと心地よいリズムを叩き出さないのである。
![]() ジミー・ペイジ&ブラック・クロウズのライブ盤は、TSUTAYAで発見して速攻で借りてきた。こんなものがあるとは知らなかった。99年に録音された、ZEPナンバー中心の二枚組である。ブラック・クロウズが何なのかは知らないが、アメリカの若手サザン系ロックバンドであるらしい。「本物さん登場」なのだから当たり前といえば当たり前だが「カヴァー」というより「コピー」に近い演奏で、55歳ぐらいのジミー・ペイジが、年齢が半分ぐらいだった頃と変わらぬ勢いで変わらぬフレーズを弾きまくっているのが愉しい。あの人、ほんとうにツェッペリンが好きなんだろうなぁ。世界一のツェッペリン・ファンは、たぶんジミー・ペイジだ。ブラック・クロウズも相当うまい。レッド・ツェッペリンの演奏から得体の知れない妖気と狂気を取り除き、四隅をきちんと揃えてホチキスでパチンと留めるとこうなる、という感じだろうか。本家の球威は望むべくもないが、制球にすぐれたキレのある速球にはなっている。聴いていて、とても気持ちがいい。しかし何度もくり返して聴きたいかといったらそんなことはなく、ZEPの曲はZEPの演奏で聴いたほうがいいのは当たり前のこと。
![]() 日曜の晩は、フィオレンティーナ×ラツィオ(セリエ第18節)をライブ観戦。ここで負けたらダービーの勝利も台無しだし、フィオには調子のいいときにかぎってガツンとやられがちな印象があるので緊張していたのだが、私が緊張したからといって何がどうなるということはありませんね。それにしても不安な試合だった。もはや守備陣の柱になりつつあるタラモンティ君が欠場で、今回もジャンニケッダがCB、なぜか左SBには「いい」ほうのフィリッピーニが入るという急造DFライン。そのパフォーマンスときたら、はっきり言ってニューカッスル並みのオモシロ守備である。ゴール前でドタバタといろんなことをやってくれちゃって、私の心臓を幾度となく凍りつかせやがった。だが、今となってはそれも良き思い出である。サッカーは得点が失点を上回りさえすればそれでいいのだ。2-3の大逆転勝利であった。うほうほ。ディ・カーニオの同点ゴール、解説のセルジオ越後は何度も何度もしつこいぐらいにオフサイドだと言っていたが、あれは衛星回線の不調で映像が分断されていたがゆえの錯覚である。ラストパスの映像より一瞬だけ早く、ディ・カーニオが裏に飛び出す映像が日本に届いてしまったのだ。つまり、電波がオフサイド。テレビ解説者は、自分が観ているのが「現場」なのか「映像」なのかをしっかり区別しておかなければいけない。そんなことよりパンデフだ。終盤に投入されて、1ゴール1アシストの大貢献。愚妻は「これならバルサに来てくれてもいい」と勝手なことを言ってました。おまえが決めるなそんなこと。
![]() きのうはマジョルカ×デポルティボ(リーガ第18節)をビデオ観戦。いきなりスタメンというだけで十分に日本国民を驚かせた大久保だったが、まさかの衝撃デビューである。全得点にからむ大活躍。初ゴールは、自分がアシストしたのと同じ場所から同じ軌道のラストパスを受け、自分がアシストしたのと同じ場所で同じ軌道のヘディングシュートを決めたものだった。同じことを二度やられたデポル守備陣はどうかしているが、えらいえらい。ゴール後、祝福に駆け寄ってきたチームメイトが一人しかいなかった(それも軽く頭をポンと叩いただけ)のは寂しかったが、次はきっと揉みくちゃにしてもらえるに違いない。2-2のドロー。
![]() さらに、アトレチコ・マドリー×レアル・マドリー(リーガ第18節)をビデオ観戦。いつの間にか監督になっていたルシェンブルゴは、カラスの化身みたいだった。あの黒ずくめファッションでトランシーバー持ってると、「よけい目立つわ」と突っ込まれがちな昔の映画のスパイみたいですね。あと、相変わらずあの人はケーシー高峰に似ている。アメリカのパウエルさんにも似ているが。グラッチェグラッチェ。CLで、ルシェンブルゴ対モウリーニョの自意識過剰監督対決を見てみたい。試合のほうは0-3でレアルの勝ち。しゃにむに攻めまくりながら撃っても撃っても入らないアトレチコの姿には、小学生の玉入れを思い出させるものがあった。おまえら少し落ち着きなさい。
ところでロナウドが先制点を決めたシーン、直前にゴール前で右足を大きく振ったジダンのプレイは「スルー」じゃなくて「空振り」だよねぇ? バレーボールの時間差攻撃じゃないんだから、スルーするのにあんな動作は必要ないと思うのだが。どうなんでしょうか信藤サン。グティの胃腸炎も「ストレスでしょうね」って決めつけてたけど、問題あるだろそれ。ノロウイルスを侮ってはいけない。私はすっかり治ったが、あれもノロだったのかなぁ。怖いなぁ。
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Godzilla Final Wars |
2005.01.08.Sat. 18: 00 p.m. BGM : "GODZILLA FINAL WARS"
映画館に入る前に降り始めた雪が、二時間後に外に出たときにはすっかり積もっていてビックリしたわけだが、もっとビックリしたのはこの作品の音楽をキース・エマーソンが担当していたことである。EL&Pの「E」ですね。んで、どんな音楽だったかよく覚えていないし、セガレも聴きたがったし、ジャケットもなんだかカッコイイので、きょうサントラを買ってしまったのだった。しかし、これは悪くない。今風のロック・アルバムとして、そこそこ聴ける感じ。べつにEL&Pっぽいサウンドだったりするわけではないものの、「E」のそこはかとない野暮ったさが、ゴジラにはよく似合う。ボーナストラックで、伊福部昭の『怪獣大戦争マーチ』をキース・エマーソンが弾いていたりするのも微笑ましい。70年代に英国のロック・ミュージシャンを使って『ゴジラ対ヘドラ』あたりのサントラを作っていたら、もっと面白かっただろうと思うけど。
![]() きのう日誌を更新したあと、ページの下半分が表示されなくなって何事かと慌てたのだが、調べてみたら、リムネットから割り当てられているHP用のディスク容量が満タンになっていた。96年春にサイトを開設して以来、9年弱で10MBも書いてしまいました。まあ、最近はジャケ写とかの画像も増えたんでテキストだけじゃないわけだが、始めた当初は10MBなんて永遠に埋まらないだろうと思っていたので驚いた。ディスク増強の申し込みをしたものの、すぐには対応できないようなので、一部、古いテキストや重い画像を一時的に削除。いずれ復旧しますので、あしからずご了承ください。
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っていうか、カラオケで『カシミール』歌うかねふつう。
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Buffalo Springfield Again |
2005.01.07.Fri. 15: 00 p.m. BGM : "BUFFALO SPRINGFIELD AGAIN"
……厄除けの呪文じゃありません。ラツィオの新監督の名前です。みなさん覚えましたか? 覚えなさい。私もさっきようやく覚えた。書いてても舌を噛みそうなので「パパ」って呼ばせてもらうけどね。やったよパパ。1試合で名将の仲間入りだ。就任初戦のローマダービーで圧勝できる監督なんか、そうはいないよ。っていうか、「圧勝」って初めて観た。圧勝どころか、5年も勝ってなかったんだもん。名将っていうより魔法使いだな、むしろ。 とにかく、まあ、何だかいい正月になっちゃったよなぁ。今朝ビデオで観たラツィオ×ローマ(セリエ第17節)は、3−1である。オレたちが3で、あいつらがたったの1だ。5年前はネドベドとヴェロンのゴールで2−1だったからね。優勝チームを超えたよ。超えた超えた。実際、あの頃を思い出すほどナイスなチームになっていた。とくに前半は、パパがどんな呪文をかけたのか知らないが、目を疑うほど華麗で俊敏なサッカーだった。 ディ・カーニオの先制ゴールは、全てのサッカーファンが観ておかなければいけない。ローマGK(名前が覚えられない)のへなちょこゴールキックをかっさらったリベラーニがすかさずペナルティエリアに送り込んだ浮き球パスを、すばらしいタイミングで走り込んだディ・カーニオが右足でダイレクトボレー。数年前、ウエストハム時代のディ・カーニオがプレミア年間ベストゴールに選ばれたことがあったと記憶しているが、あれに勝るとも劣らないミラクルショットであった。この歴史的ゴールを観ずに死ぬサッカーファンは不幸である。ちょっとだけ大袈裟に言ってます。 カッサーノの同点ゴールは、ラツィオが勝ったから褒めてやってもいいや。上手なヘディングでした。ただし脱ぐな。おまえは脱ぐなって前から言ってるだろーが。でも、まあいいよ。その興奮も醒めやらぬうちに突き放すなんて最高だよ。オッドの意図不明確なクロスがディ・カーニオの意図不明確なポストプレイを経て逆サイドに流れたと思ったら、セーザルがどフリーで待ってるんだから正月はめでたい。どっこいしょと狙いすまして蹴ったお年玉シュートに、GK一歩も動けずだ。さらに3点目は、またしてもリベラーニの浮き球パスから。どうも彼はアレがやりたくてサッカーをやっているようなフシがあり、いつもは「悪いクセ」にしか見えないのだが、それが二発も決まるんだから正月は浮かれポンチな季節である。完全にウラを取ったロッキが頭突き一発でGKをかわし、無人のゴールへ控え目に押し込んで勝利を決定づけたのであった。いやっほう。 いきなりCBに起用されたジャンニケッダもよくがんばりました。やってることは中盤のときと同じだったような気もしたが、ペナルティ取られなかったんだから、それなりにプレイスタイルを変えていたに違いない。あと、狂犬役をフィリッピーニ兄弟に任せて自分はクールにプレイしたディ・カーニオの采配も勝因の一つである。たしか兄弟そろってイエロー食らっていたと思うが、主審が「2枚目」だと勘違いしなくてヨカッタ。区別できるよう髪の毛の長さを変えていたのが功を奏したと言えよう。ちなみに髪の長いほうが「いい(E)フィリッピーニ」で、短いほうが「ええ(A)フィリッピーニ」ですね。薄いのはディ・カーニオ。 ともあれ、ラツィオファンにとっては永久保存版の一戦である。完全に溜飲が下がりました。帰ったら、ダビングしながらもういちど観ようっと。後半戦のラツィオには、ミラクルの予感がする。行けるぜUEFAカップ!(←志が低い)
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そんなこんなで、きょうが仕事始め。本当は連休明けまで休もうと思っていたのだが、ゆうべ幻冬舎からゴースト仕事の新規発注があり、ちょっと売れセンなので断れず、それを無理やり2月に押し込むためには今日から全開バリバリで働かなければならないということに気づいたのである。それを含めて、これから3ヶ月で4冊。去年の仕事が納まった時点では1冊しか確定していなかったのに、ここへ来てバタバタと仕事が決まって有り難い話だ。テーマは、「文章術」「刑務所モノ」「教育問題」「憲法問題」と例によってめちゃくちゃ。その合間に『わしズム』の仕事も入る。いきなりアドレナリン噴き出してきました。ウイルスも吹っ飛んで、なんだか体もシャッキリしてきた感じ。多忙は何よりのカンフル剤、暇は万病の元なのである。ともあれ「家計再建」が今年最大の目標なので、弱音もゲロも吐かずにがんばります。為せば成る。
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Eat A Peach |
2005.01.06.Thu. 14: 50 p.m. BGM : ALLMAN BROTHERS BAND "EAT A PEACH"
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何を隠そう、正月からゲロ吐きまくりなのである。参りました。ウイルス性の胃腸炎というやつだ。ウイルス性の伊藤園とかウイルス性の二兆円というのがあったらそれはそれでイヤだが、ウイルス性の胃腸炎はかなり流行っているらしいので、みんなも気を付けたほうがいい。もう大変なのよ。ゲロゲロのゲリゲリなのよ。発症は2日の午後で、昼に銀座の三笠会館で豪勢な中華料理を親にご馳走してもらったのに、その帰り道、渋谷駅のトイレでぜーんぶ無に帰してしまいました。きのう医者で薬をもらって少し落ち着いたものの、まだ調子悪い。とりあえずやるべき仕事が何もなく、こんなにのんびりできる正月はめったにないというのに、まったくもって厄年というのは侮れない。……と思っていたら本厄は旧正月から始まるらしく、ということは、これは前厄の最終局面なのだった。お払いしてなかったもんなー。というか、今年が前厄だと勘違いしていたのだ私は。平成17年は、戦後生まれが還暦を迎える年であると同時に、東京オリンピックの年に生まれた者が本厄を迎える年でもある。これも、ひとつの時代の終わりであるよなぁ。そういうことじゃないですね。あー、きもちわるい。
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2005.01.01.Sat. 21: 40 p.m.
![]() というわけで、これが愚妻のデザインによる我が家の年賀状である。私からの賀状が元日に届くとは思えないので、実物よりこっちを先に見た人もいるかもしれないが、なんにせよ、今年も(愚妻の仕事のほうも含めて)よろしくお願い申し上げます。 |
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Riding With The KIng |
2004.12.27.Mon. 17: 20 p.m. BGM : ERIC CLAPTON & B.B.KING "RIDING WITH THE KING"
![]() 例年どおり、23日は愚妻の実家でクリスマス会、25日は我が家で私の両親を呼んでクリスマス会がやれたのも、皆が健康で暮らしているおかげである。セガレはすっかりオモチャに興味をなくし、サンタさんや祖父母から図鑑やら本やら図書カードばかり頂戴していた。絵的には地味なプレゼントだが、まあ、すいぶんオトナになったものだ。まだコドモだけど。 しかしオモチャが一個もなかったわけではなく、愚妻の妹が自ら選んで買ってきてくれたタカラの電脳迷路ゲーム「A〜!」は、ものすご〜く面白い。児童館などでも子供同士で奪い合いをするほど流行っているらしいので、知っている人も多いかもしれないが、これは一家で遊ぶのにオススメである。およそゲームと名のつくものに熱中することのない私だが、これにはハマった。ボールをレールから落とさないようにスタートからゴールまで転がすという単純なゲームで、べつに「電脳」ではないし、ルートは数字で示されているから「迷路」でもないのだが、「A〜!」という名前だけは実に正しい。これをやって「あ〜!」と言わない人は、たぶん世界にひとりもいない。我が家は夜な夜な「あ〜!」の絶叫大会だ。1から100までのコースはレベル1(1〜26)、レベル2(27〜61)、レベル3(62〜100)までの3段階に分かれており、私は各レベルを二日目でクリアしたものの、まだ1から100まで一気通貫でゴールはしていないので、コンプリートしたとは言えない。きのうは98から99へ行くところで落下して、「あ〜!」と叫んだ。あ〜、あと二つだったのにぃ。世界の中心で愛を叫ぶより、家族の輪のなかで「あ〜!」と叫んだほうが、人生は楽しいような気がする。
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早く家に帰って「A〜!」をやりたいので、今日はここまで。
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