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1.Iko Iko
2.Blow Wind Blow
3.Big Chief
4.Somebody Changed the Lock
5.Mess Around
6.Let the Good Times Roll
7.Junko Partner
8.Stack-a-Lee
9.Tipitina
10.Those Lonely Lonely Nights
11.Huey Smith Medley: High Blood Pressure/Don't You Just Know It/Well I'
12.Little Liza Jane


2005.08.16.Tue. 13 : 20 p.m.
BGM : Gumbo / Dr. John


 例によって、何の予備知識もないままTSUTAYAで借りてきたアルバムである。この場合、ジョン君がドラムを叩いているわけではなく、「Dr. John」は「ドクター・ジョン」と読むのだと思う。どういう種類の「ドクター」なのかは知らない。それはさておきタイトルの「ガンボ」とは、オクラもしくはオクラを使ったスープのことであるらしい。代表的なケイジャン料理だそうで、そういえばカーペンターズで有名な『ジャンバラヤ』の歌詞にも出てきますね。ニューオーリンズあたりでは、日本でいえばカレーライスのごとく、家庭ごとにそれぞれ「こだわりの味」があるんだという。オクラはやや苦手な食材のひとつだが、あれこれ調べて写真を見てみると、なんか、やけに旨そう。こんどの週末にでもチャレンジしてみっか。しかし、問題はザリガニだ。どうやら必須というわけではなさそうだが、ガンボスープにはザリガニが入っていることが多いような雰囲気である。なんでも、米国におけるザリガニの生産量および消費量の90%はルイジアナ州に集中しているらしい。ふーん。私たちはルイジアナのことを知らなすぎる。旨いのかな、ザリガニ。養殖してんのかな、ザリガニ。エビなのかカニなのか微妙だな、ザリガニ。

 ゆうべは、「なんかサッカーやってねえかなー」とスカパー!のチャンネルをいじっているうちに、気がつくと日本映画専門チャンネルに引っかかっていた。ふだんから、わりと引っかかりやすいチャンネルだ。終戦記念日であることが潜在意識に働きかけたせいかどうかよくわからないが、なんとなく黒澤明監督の『野良犬』を途中から鑑賞。1949年の作品である。何度か見ているし、LDも持っているのに、どんな話かすっかり忘れていて呆れた。拳銃を悪者に盗まれた刑事の三船敏郎が、犯人を追ったり落ち込んだり泣いたり怒ったり謝ったり自分と同じ復員兵である犯人に同情して先輩の志村喬に「被害者がいることを忘れるな」とたしなめられたりする物語である。悪者てキミ。以下、見ていて気づいたこと。

その1 終戦直後の日本女性はオッパイが小さかった。
その2 終戦直後の東京にはジャングルのような大自然が残っていた。
その3 終戦直後も、東京の夏はものすごく暑かった。ひたすら汗。
その4 終戦直後の日本では男たちがふつうに帽子をかぶっていた。
その5 終戦直後の後楽園球場では川上が一塁を守っていた。
その6 終戦直後は、年輩の人間よりも若輩者のほうが、ある意味で人生経験が豊富だった面がある。復員兵の三船が、戦争に行っていない志村に戦場での体験を語って聞かせるシーンに、どこか転倒したものを感じた。将来、「戦場のことも知らないオヤジにそんなこと言われたくねえよ!」などとセガレに言われたくない、と、ちょっとサヨク市民派のようなことを思ってしまったりした。
その7 終戦直後の三船は、ちょっと中畑に似ていた。でも中畑が後楽園球場で一塁を守るのは、それよりずいぶん後のこと。
 引き続き、松田優作主演の『野獣死すべし』を鑑賞。『野良犬』は「黒澤明監督の」で、『野獣死すべし』は「松田優作主演の」となるのは不思議といえば不思議だが、自然といえば自然なこと。ちなみに監督は村川透。あと、冒頭で出演者のクレジットが出た時点で、山西道広や安岡力也はすでに伊達邦彦(松田優作)に撃ち殺されている。ちょっと可哀想。ともあれ、これはまあほんとうに好きな映画で、たぶん過去に10回ぐらい見ている。映画としては荒っぽいところもあるし、演出過剰で鼻白む場面もないわけではないけれど、この松田優作は何度見てもシビレるのだった。撮影期間中はほんとうに狂っていたのではないかと疑いたくなるほどの狂気。カメラの前で成立し得る最大級のテンション。ちょっと蹴られたりぶたれたり犯されたりしたぐらいで「体当たりの演技」なんぞとぬかしている半端な役者どもには、これを見てから言ってみやがれ!と言ってやりたい。そういえば、野良犬の三船は復員兵で、野獣の松田優作は元戦場カメラマンだ。だから何だというわけではないが、まあ、「戦場帰りつながり」の2本ではあったわけですね。三船は刑事として拳銃を盗まれ、優作は刑事から強奪した拳銃で山西や安岡を撃ち殺すわけだが、そうなると、『野良犬』の犯人(遊佐)が伊達邦彦だったらどんなことになるのか見てみたいよな。三船敏郎対松田優作。ゴジラ対ガメラを上回る夢の対決である。

 それにしても、雷やら地震やらひどく不穏な夏。
 せめて火事とオヤジに遭わないように気をつけよう。あ、オヤジはおれか。








2005.08.15.Mon. 14 : 40 p.m.
BGM : ザ・ケルン・コンサート/ Keith Jarrett


 先週は火曜から木曜まで、図々しくも友人夫妻の帰省に同行して那須塩原まで行き、一家三人、奥さんのご実家で寝泊まりさせていただいた。去年は大分で知人の別荘に泊めてもらったが、今回はそれに続く居候リゾート第2弾である。事前に「すげえ田舎だよ」と聞かされていたが、実際に行ってみると、ほんとうにも〜んのすげえ田舎だったので感動した。なにしろ裏の山が丸ごと一つ自分のもの、というレベルの広大な敷地を持つ農家だ。広々とした平屋の邸宅、(当たり前だが)売るほどある野菜やお米、そしてモーモーと鳴く数十頭の乳牛たち。餌やら罠やらを仕掛けたわけでもないのに、そのへんの玄関先に、なにげなく天然のカブトムシが這っていたりするのだから驚く。初めてカブトムシに触ったセガレはとても満足そうだった。

 バーベキューをたらふく食い、近くの温泉で露天風呂に浸かり、いろいろな匂いと臭いを含んだ濃厚な空気をいっぱい吸って、野趣を満喫。さらには、あろうことかセガレとセッションまでやることができた。友人の奥さんの弟さんがベーシストで、物置をスタジオに改造して山のように機材を積んでいるのである。ギターも10本ぐらいあった。私はオベーションを借り、セガレはヤマハのサイレントドラムを叩かせてもらって、ドンチャカドンチャカと一緒にプレイ。楽しい楽しい。セガレは初めて叩いたにしては筋がよく、「ドラムおもしろい」などと言っていたので、将来の親子バンド結成に向けて夢が膨らんだ。ともあれ、今年も夏休みらしい夏休みを(お金をかけずに)過ごすことができたのはありがたい。来年は、どこに居候しようかな。

 ゆうべは、ウィガン×チェルシー(プレミア第1週)をライブ観戦。まだバカンス気分だったのであまり心の準備ができておらず、「なんだよもうおっぱじまるのかよ」という落ち着かない精神状態だったものの、私の準備なんぞはどうでもいいのであって、重要なのはチェルシーの準備が整っているかどうかなのだが、まあ、まだまだこれからという出来映えだった。ウィガンというクラブはどうやら初のトップリーグ昇格であるらしく、そういうチームのホームで開幕戦をやるのはちょっとイヤだなぁと思っていたのだが、案の定、味方のプレイには何でもかんでも拍手しやがる過剰に好意的な観客どもの後押しもあって、やばいシーンの連続である。こっちはこっちで、強引なシュートが目立ってなかなかゴールが割れない。だが、しかし。その強引なシュートが、1試合に1回ぐらい決まってしまうのがチェルシーのいいところである。後半ロスタイム、イタリアからイヤイヤ戻ってきたクレスポの左足ミドルシュートが完璧なコースに飛んで0-1。うっほほーい。これ以上はないゴキゲンな結末であった。今季はクレスポのモチベーションが一番の懸案だと思っていたが、考えてみれば、復帰すると決まった以上は「ここで結果を出す」と気持ちを切り替えているのがプロとして当然である。ゴール後はドログバとも仲良さげに抱き合っていて安心安心。苦しいゲームではあったが、のっけからチェルシーが確実に戦力アップしていることを周囲に思い知らせる一戦であった。

 久しぶりに引っ張り出してケルン・コンサートを聴いている。演奏中のキース・ジャレットが、頭の中で音楽以外のことを考えていたかどうか、何かを祈っていたかどうかは、知らない。たぶん、祈ったりはしていないだろうと思う。音楽のことだけを考え、ひたすらピアノと対峙していたに違いない。しかしそれでも、ここには、人間の抱くあらゆる祈りを拾い上げて、天まで届けてくれる仕掛けが施されているように感じられる。でも、あらゆる人間の祈りが届くと、天はかなり混乱するかもしれないよな。どの程度の祈り処理能力を備えているのか知らないが、がんばれ、天。なんとなく、今日はそんなことをお願いしたい気分。なんとなく。

 休暇を終えて久しぶりに友人のブログを覗いたら、精神衛生によくないという理由で更新が中断されており、その後、近いうちにコメント欄を閉じた形で再開すると告知されていた。何があったのかはぜんぜん知らないけれど、まあ、たしかに、この行為はときどき精神衛生に悪かったりするよなぁ、と、なんとなく共感。なんとなく。







1.Set Me Up
2.Noise Club
3.Red and Gold
4.Beggar's Song
5.Battle
6.Dark Eyed Molly
7.Rose Hip
8.London River
9.Summer Before the War
10.Open the Door Richard
11.Close to the Wind [Live]


2005.08.08.Mon. 18 : 45 p.m.
BGM : Red & Gold / Fairport Convention


 きのうゲストブックの仕掛けをいじろうとしたら、ちょっとした手違いでレイアウトが盛大にぶっ壊れ、以前に一生懸命カスタマイズした部分もすっかり台無しになってしまい、しばし放心した。上級者モードでカスタマイズしたものを初心者モードでいじってはいけなかったのだ。と言っても何のことだかわからん人のほうが多いと思うが、ともかく修復する気力が起きず、そもそも以前から使い勝手の点で若干の不満があり、途中から土足でズカズカと入り込んできたライブドアにも別れを告げたかったこともあって、新しいGUESTBOOKを用意しました。これまでのGUESTBOOKは書き込みができない設定になっていますが、読むことはできます。半年に一度ぐらい何か書き込んでおけば削除されないようなので、忘れないかぎり残しておくつもり。新しいGUESTBOOKのほうは、親記事が200件を越えると古い順に消えていくらしいので、あしからずご了承ください。

 ゆうべは、韓国×日本(東アジア選手権)をライブ観戦。何の期待もせずにのほほんと眺めていると、大してチャンスもないのに負けそうな気がしなくなってくるから不思議だ。「韓国がこんな感じなら何とかなんじゃねえかぁ?」などと呑気なことを言いながら見ていたら、中澤のウソのようなホントの股抜きゴールが決まって0-1の勝利。えらいえらい、中澤えらい。しゃにむにCKゲットした巻もえらい。矢野真紀とは結婚しないほうがいいけどね。お互いに見たことも聴いたこともないと思うので心配はしていないが。ところで、終盤の2トップを見て、思わず「……はっ。大黒マキ!」と呟いたのは私だけではないはずだ。

 明日からクルマで遠出するので、愚妻がガソリンスタンドで点検してもらったところ、タイヤがやばいことになっていたそうだ。「このまま高速なんか走ったらバーストしますよ」と言われたらしい。うげげ。あのう、私たち、ちょっと前にアクアラインを140キロで突っ走ってたんですけどぉ。どうやら、あれは死と隣り合わせのドライブだったようだ。怖いよう。怖いよう。事故らなかったのは奇跡なのかもしれない。一家三人、儲けモノの人生だと思って余生を面白おかしく暮らしていくことにしよう。ともあれ、当然ながらタイヤを新品に交換。先日はバッテリーも新品に替えた。なにかと物いりな夏である。そしてドアはボコボコのまま。

 というわけで、しばし休暇を取るので次回の更新はたぶん来週。携帯から書き込めるので、新GUESTBOOKのほうには顔を出すかもしれないし、出さないかもしれない。







1.Poor Man's Shangri-La
2.Onda Callejera
3.Don't Call Me Red
4.Corrido de Box Eo
5.Muy Fifi
6.Los Chucos Suaves
7.Chinito Chinito
8.3 Cool Cats
9.El U.F.O. Cayo
10.It's Just Work For Me
11.In My Town
12.Ejercito Militar
13.Barrio Viejo
14.3rd Base, Doger Stadium
15.Soy Luz Y Sombra


2005.08.07.Sun. 12 : 55 p.m.
BGM : Chavez Ravine / Ry Cooder


 火曜日から夏休み第2弾に突入する予定なので、その前に原稿を片づけるべく、土日とも仕事。もっとも、セガレが学校に行っていないと曜日の感覚がなくなるので、きょうが日曜日だという気がしない。じゃあ何曜日のような気がするのかというと、ま、いわば毎日が夏曜日って感じかな。毎日が夏曜日。嗚呼。ビールの宣伝文句にもならないような、ものすごく中途半端なことを書いてしまった。洒落てるつもりなのかボケてるつもりなのか、よくわからない。無理して書くと、ろくなことがない。書くことがない日は、日誌なんか書かないほうがいい。

 聴いているのは、ライ・クーダーの新作。明るいのか暗いのかよくわからない、摩訶不思議な音楽である。ノスタルジックなほのぼの気分と不安と楽観と失望をごった煮にしたような、フクザツかつ濃厚な味わい。前作の『Mambo Sinuendo』もそうだったが、近年のライ・クーダーを聴いていると、どういうわけか「昭和」という言葉が連想される。それも、自分が生まれる前(もしくは物心つく前)の「古い昭和」だ。具体的な作品名が思いつかないのだが、50年代か60年代あたりの東京を舞台にした青春映画にありがちな猥雑さ、みたいなものがここにもあるのかもしれない。「場末のキャバレーな感じ」だろうか。うーむ。中途半端なことばかり書いている。なんにせよ、寝苦しい夜を豊かな時間に感じさせるような、逆説的な魅力を孕んだ一枚である。







Katebegiak / Embor




Bizi Bizian / Errobi




Izukaitz / Izukaitz


2005.08.06.Sat. 13 : 15 p.m.
BGM : Katebegiak / Embor , Bizi Bizian / Errobi , Izukaitz / Izukaitz


 ビールとジンジャエールを5:5で割ると、「シャンディガフ」という名のカクテルになる。これを沖縄のプールサイドで飲むと「まるで魔法をかけられたように、身も心も隅々まで清涼感で満たされていく」といったようなタワケたタイアップ記事を書いたことがあるのを思い出して、家で作ってみた。なにしろビールとジンジャエールを同じ分量だけグラスに注げばいいので、どんなバカでも作れるのが「シャンディガフ」のいいところだ。いや、まあ、ジンジャエールとジンジャーベイカーの区別がつかないほどバカだと無理だけどね。ジンジャーベイカーはビールで割れません。で、晩飯の前に飲んでみた。ほんのり甘くて口当たりがいいので、ついガブガブ飲んでしまう。2時間後、まるで魔法をかけられたように腹を壊した。「シャンディガフ」との因果関係は不明だし、単なる食い過ぎだったのかもしれないが、やはり沖縄で飲まないとダメなのかもしれない。

 しかしそう簡単に沖縄には行けないので、きのうは一家三人で国営昭和記念公園のレインボープールへ。べつに戦後60年にちなんでみたというわけではないし、暑くて仕事なんかしてられっか!とヤケを起こしたわけでもないのであって、空いている平日にいちど行こうと家族と約束していたのである。ものすごく広くて場所取りのストレスがあまりないし、売店関係も充実している(食い物のバリエーションがかなり豊富だ)し、料金も割安なので、可処分所得の少ない家族連れにはありがたいスポットだ。

 しかし、官製レジャー施設ならではの鬱陶しさは、やはり隠せない。きっちり1時間おきに10分間の休憩&検査タイムがあり、すべてのプールからすべての客を追い出しやがるのだ。「お客さまの健康管理のために」とかアナウンスしていたが、大きなお世話である。休憩が必要だと思ったら勝手に休むからほっといてほしい。休日の過ごし方までおまえらに管理されてたまるか。監視員どもの指示やら注意やらもやたらうるさく、物言いもひどく偉そうで腹立たしかった。「浮き輪には座らず、きちんと体を通して」とか「ボートの上に立つと危険です」とか、ここは学校か? 浮き輪の使い方なんか規制してんじゃねえよ。怪我人を出したくないのではなく、怪我人が出たときに責任を取らされるのがイヤ、というのが見え見えである。全般的に、「遊んでいただく」ではなく「遊ばせてやっている」という態度。刑務所でレクリエーションタイムを与えられた囚人みたいな気分、というのは、やや言い過ぎだが。

 一昨日「すべて完璧に支払われていた」と書いたが、その後、8冊の通帳をあらためてチェックしてみたら、なんと昨年の2月頃に某B社から支払われているはずの重版印税が振り込まれていないことが判明した。1ヶ月分の家賃に相当する金額だ。わーお。担当者に電話して確かめてもらったところ編集部のミスだとわかり、すぐに払ってもらえることになったが、責められるべきは編集部だとはいえ、私のほうも呑気すぎる。これからは毎月ちゃんと記帳して確認することにしよう。だが、入金状況のチェックには、その仕事の報酬が「いつ振り込まれるのか」という情報が不可欠だ。忘れられていた重版印税も、「そのうち振り込まれるんだろう」と思っているうちに1年半も経ってしまったというのが実状である。振込日を事前に教えてくれる出版社は、滅多にない。こっちからいちいち訊くのはけっこう面倒だし、現場の編集者は経理関係に疎いことが多く、たまに訊いても「えーと三ヶ月以内には」とか曖昧な答えしか返ってこないことがしばしばある。しかも、「三ヶ月以内」の起点が作業完了時点なのか書店に並んだ日なのか奥付の刊行日なのか「月号」なのかといったことが判然としない。会社によって流儀も違う。年間10社前後の取引先と仕事してる人間は、そういうの、いちいち把握しきれないのよ。それ以前に、どこで何の仕事したのかも把握しきれていないのが最大の問題だよな。この15年間に、どれだけ損してるかわかったもんじゃない。

 たまに「得体の知れない音楽を聴きたい」という衝動に駆られることがあり、わけがわからないままPIPER RECORDSで購入したのが、左に掲げた三枚のアルバムだ。三つのバンドには、ある共通点がある。いずれも、バスク地方出身なのである。そして、「バスク出身」ということ以外は何も知らない。バンド名やタイトルの意味が不明なのはもちろん、その読み方も怪しい。上から順に「エンボルのカテベジャク」「エロビのビジ・ビジアン」「イスカイツのイスカイツ」でいいのだろうか。最後のは「イズカイツ」か? よくわからないが、「エンボル」「エロビ」「イスカイツ」の順で上手いような気がする。あくまでも相対的な順位だけど。エンボルはたまにPFMっぽいが、むろんPFMほどの演奏能力はない。「下手クソなネイティブサン」みたいな曲もある。ネイティブサンてキミ。エロビは、やけに陽気でどこかコミカル。たまに北島三郎に歌わせたくなるようなメロディがあるのが不思議だ。『おかあさんといっしょ』で歌われそうな曲もある。エンボルがアスレチック・ビルバオなら、エロビはレアル・ソシエダといったところか。イスカイツは、なんちゅうか、こう、街頭でライブやってる奴らが手売りしてるCDを輸入してないか?といったような素朴な味わい。いずれにしろ、あまり世間で知られていないバンドは、あまり世間で知られていないバンドなりの音楽を聴かせるということだろうと思う。しかし、買って損をしたとは思わない。どれも、妙に愛おしい音楽。次はカタルーニャとガリシアのプログレを聴いてみたい。







1.Mescalero
2.Two Ways to Play
3.Alley-Gator
4.Buck Nekkid
5.Goin' So Good
6.Me So Stupid
7.Piece
8.Punk Ass Boyfriend
9.Stackin' Paper
10.What Would You Do
11.What It Is Kid
12.Que Lastima
13.Tramp
14.Crunchy
15.Dusted
16.Liquor


2005.08.04.Thu. 13 : 25 p.m.
BGM : Mescalero / ZZ Top


 あのさ、おれ、よく知らないんだけどさ、茂庭ってのはあれか? インサイドキックでゴロしか蹴れないってことなのか? それがサッカーだと思ってるのか? だったら、だれかインステップキックの蹴り方を教えてあげてくれよ〜。そうじゃないとゴール前までボールが行かないよ〜。それとも、彼、視野が半径7メートルぐらいしかないの? まじで? ほんとかよ〜。パンカロだってもっと遠くまで見えるよ〜。頼むよ〜。って、おい、また三都主に預けんのかよ。そこは行き止まりだってばよ。ほかの選択肢は思いつかないのかよ〜。だれかサイドチェンジの概念を教えてあげてくれよ〜。……などとブツクサブツクサブツクサ言いながら観戦した日本×中国(東アジア選手権)は、2-2のドロー。このクソ暑いときに、よけいストレス溜まるような試合してんじゃないっつうの。お父さんたちはな、みんな、昼間の仕事でグッタリしてんだ。だからな、夜はビール飲みながらスカッとしてえんだよ。スタメン全取っ替えみたいな浪花節采配したんなら、ちゃんと熱闘甲子園らしく汗と涙の逆転劇をやってのけろっつうの。くっそー。こうなったら奥の手だ。韓国戦は男子と女子を取っ替えてみやがれ。それなら勝ち点3は稼げるだろ。こんなところで「悲願の一勝」とか言ってる場合じゃないが、背に腹は替えられん。

 ず〜っと銀行の記帳をサボっていて、さっき久しぶりにやったら、通帳8冊分にもなってしまった。ズボラにも程がある。おおいに反省した。でも、カウンターで通帳の束を受け取りながら、受付のお姉さん(わりと美人)に「いや〜、すみません。なんか、朝青龍の懸賞金みたいになっちゃいましたね」と言ったら「ぷっ」と吹きだしてくれたので嬉しかった。どうせなら手刀も切るべきだっただろうか。どすこいどすこい。しかしその反面、わが目を疑うほど残高が少ないので、どこかの出版社が原稿料の振込を忘れてるんだったらいいなぁと思っていたのに、チェックしたらすべて完璧に支払われていたので悲しかった。嬉しいことと悲しいことは、いつだって半々だ。







1.Overture
2.I Love You More Than You'll Ever Know
3.Morning Glory
4.My Days Are Numbered
5.Without Her
6.Just One Smile
7.I Can't Quit Her
8.Meagan's Gypsy Eyes
9.Somethin' Goin' On
10.House In The Country
11.The Modern Adventures Of Plato, Diogenes And Freud
12.So Much Love/Underture
13.Refugee From Yuhupitz *
14.I Love You More Than You'll Ever Know *
15.The Modern Adventures Of Plato, Diogenes And Freud *


2005.08.03.Wed. 12 : 20 p.m.
BGM : Child Is Father To The Man(子供は人類の父である) / Blood Sweat & Tears


 こんどは停電で羽田空港の管制システムがダウン。これだけ各方面でプロにあるまじきミスが続くと、逆にテロのターゲットになりにくくて安全なのではないかと思ったりする。テロリストが爆発や脱線や停電を起こしても、日本人は「あ、おれたち、またミスっちゃった」と思い込んで、それがテロであることに気づいてくれない可能性が高いもんな。気づいてもらえないテロには意味がないじゃないか。やり甲斐ってもんがないじゃないか。「あいつら、ほっといても自滅するし」と、テロリストにさえ相手にされない底抜け脱線国家。それがニッポンの生きる道?

 例によって例のごとく世間へのキャッチアップが異常に遅いのは恥じ入るばかりだが、先日WOWOWで放映された『ALICE』という舞台を観て以来、わが家では時ならぬラーメンズ・ブームが巻き起こっているのだった。おもしろいなぁラーメンズ。あれはつまり、コント55号の最終進化形、というところなのでしょうか。ちょっと違うような気もするが、とにかくものすごい才能だ。バニー部サイコー。プロフィールを調べてみたら、小林賢太郎は誕生日が私と同じだったので、なんだか嬉しい。フィオーレより、そっちのほうが嬉しい。さっそく、TSUTAYAで『零の箱式』と『ATOM』のビデオも借りて観た。とくにセガレのハマりっぷりは大変なもので、どこまで意味がわかってるのかは不明だが、今朝も起きるなり「こんにちは鈴木さーん」とか「文明開化! 文明開化!」とか「バッキンガム宮殿でバティストゥータが残高照会」とか「桶屋がボーカル」とか「ここで働かせてください」とか「も〜ん、門構えに心」とか「住民の半分が修学旅行生。あと半分は猿軍団」とか「牛たんたたん、たんたたんた〜ん」とか、覚えたてのネタを次々と真似してうるさいのである。そのうち、ライブを丸ごと完コピしてしまうのではないかと思うと怖いです。子供は人類の父だと思いたくない。というわけで、わからない人には全然わからない話で申し訳なかったが、どうやら2種類出ているらしいDVDボックスが欲しい。アイリッシュ・バグパイプより、そっちのほうが欲しい。







1. There Is A Bed
2. Hearts
3. Magdalen Laundry
4. Francis Of Assisi
5. Love In A Shadow
6. Aint No Cure For Love
7. Handbags & Gladrags
8. Just A Friend Of Mine
9. Ballad Of A Sad Young Man
10. Not Up To Scratch
11. Sentimental Killer


2005.08.02.Tue. 17 : 05 p.m.
BGM : Sentimental Killer / Mary Coughlan


 ね〜っとりとした空気のなか、急ぎの仕事を頼まれて江戸川橋方面まで打ち合わせに行って帰ってきたところなのだが、なんだか意識がもうろうとしている。からだも、おつゆを吸ってのびきったビエリのように重い。外出すると、それだけで一日の仕事が終わってしまう季節。プールサイドが恋しい。

 ときどきフラフラと立ち寄ってきまぐれに買い物をするオンラインCDショップPIPER RECORDSで、「アイルランドの女性シンガー」という説明書きとタイトルとジャケットだけを頼りに(420円というセール価格にも惹かれて)、何の予備知識もなく(coughlanの読み方さえわからないまま)当てずっぽうで購入してみたのが、メアリー・コクランのこのアルバムである。ほんとうに「コクラン」でいいのかどうかはちょっと怪しいところ。想像していたような「アイリッシュな感じ」ではなく、むしろブルースやゴスペルなどを基調とした音楽だ(と思う)が、大当たりだった。すごくいい。とてもいい。めっちゃいい。うー。語彙の貧困さを死ぬまでに何とかしたい。私の乏しい音楽体験のなかから似たものを探せば、「女トム・ウェイツ」といったところでしょうか。声が嗄れているわけではないが、ドスの効いた低音ボイスにグッときました。

 とはいえ「アイリッシュな感じ」と無縁であるわけではなく、5曲目の『Love In A Shadow』では「Uileann Pipes(Irish bagpipes)」という楽器が使われていて、これがえもいわれぬ美しい音色を奏でている。最初はヴァイオリンかと思った。欲しいな、アイリッシュ・バグパイプ。いくらぐらいするんだろう。……と思って調べてみたところ、このお店では「Practice Set」なるものがケース付きで750ドルだ。うーむ。どう考えてもクルマのドアを直すほうが先だな。まだ直してないのかよ。ええ、まあ。ほかに「Half Set」(2100ドル)とか「Full Set」(3200ドル)とかもあって、アイリッシュ・バグパイプの世界はなんだかゴルフクラブみたいなことになっているのだった。えーっと、そうそう、飛びますよね、アイリッシュ・バグパイプ。いや飛ばんだろう、アイリッシュ・バグパイプは。飛ばんよなぁ。飛ばんでしょう。「Made in Pakistan」と書いてあるのも不思議だ。イギリス植民地時代の名残なのかな。それともパキスタンには意外に楽器職人が多かったりするんだろうか。私たちはパキスタンのことを知らなすぎる。えーっと、そうそう、飛びますよね、パキスタン。いや飛ばんだろう。飛ばんよなぁ。

 ゆうべライブ観戦した日本女子×北朝鮮女子(東アジア選手権)は0-1。8月15日を控えた暑い季節にこういう大会をやることだけでも何だかウンザリするのに、男女とも同じスコアで連敗しちゃったりすると、ますます気が滅入って食欲がなくなる。必要なのか、東アジア選手権。6ヶ国協議が「サッカーで決着つけろ」という話になっていなかったのが不幸中の幸いである。ああ、もう、きょうはいつも以上に何を言っているのかわからないが、どうせならアメリカとロシアも入れて「6ヶ国競技」にしてみたらどうか。いや飛ばんだろう6ヶ国は。飛ばんでしょうな。ああもう。







1.My Hands Are Tied
2.Am I Wrong
3.How My Ever Gonna Get Over You
4.Going, Going, Gone
5.Keep It To Yourself
6.Get Ready
7.Imaginary Lover
8.Green Onions(Live)
9.Another Man's Prize
10.Childish Love
11.Got My Ion Hue
12.Just For A Thrill
13.Comin' BackIn A Cadillac (Live)
14.(I Want You To) Tell Me The Truth










 26日の台風7号。


 27日の城崎海岸。


 28日のエビマヨ3号。


2005.08.01.Mon. 15 : 00 p.m.
BGM : Black Coffee / Al Kooper


 先週、そこからあまり遠くない城崎海岸付近(左の写真参照)で遊んでいたので、千葉の海水浴場で落雷被害というニュースにはゾッとした。なにしろ私は静電気人間なので、もし私がいたら私に落雷したに違いない。こんどから海に行くときはサンダルではなく静電スリッパを持参したほうがいいだろうか。静電スリッパの威力は絶大だからね。あれを買ってからひと冬が過ぎたわけだが、使用中は一度もビリビリきていない。セーブ率100パーセントである。ゆうべの北朝鮮戦で、ヨシカツに履かせておけばよかった。

 ともあれ、落雷もなく、台風7号もさっさと通り過ぎてくれたので、火曜日以外は好天に恵まれた幸運な夏休みであった。もっとも月曜と水曜も海は遊泳禁止だったので、大半の時間をホテルのプールで過ごす。私はひたすらエビマヨ3号につかまってプカプカ浮いていたが、バタ足をマスターした(しかし息継ぎはできない)セガレは何度も何度も飽きることなく練習。蹴伸びとバタ足でできるだけ遠くまで泳ぎたいらしく、まるでバタ足マンになったかのような、じつにストイックな泳ぎっぷりだった。いまだに水泳があまり好きではない私ではなく、学生時代はダイビング部に所属していたほど水遊びが好きな愚妻に似たようだ。そんなにバタ足が楽しいか?とも思うが、たぶんセガレはセガレで、ふだん家で何度も何度も同じフレーズを反復練習している父親を見て同じことを思っているに違いない。無心になれて楽しいよね、反復練習って。

 波打ち際の岩場ではカニやらヤドカリやらを捕まえたり逃がしたりして遊んだし、台風で外に出られなかった日にはホテルで卓球もやった。セガレは初めてラケットを握ったのだが、意外と器用にこなす。サッカーよりもセンスあるかも。やはりデスクワーク向きの人間なんだろうと思う。いや、あれは「デスク」じゃなくて「テーブル」か。そういえば卓球に興じて汗を流している最中に携帯が鳴り、某出版社から重版のお知らせをいただいた。休暇中でも、こういう業務連絡はうれしい。というようなことはともかくとして、久しぶりに、セガレと思いきり体を使って遊んだような気がする。セガレは楽しそうだったし、私も楽しかった。そういえば最近、週末はほとんどサッカーの練習でセガレが出かけていることもあって、あんまり一緒に遊んでなかったことに気づく。そのうち、頼んでも親父とは遊んでくれなくなるに決まっているので、いまのうちに遊んでおこう。

 次号からは小学館に移籍するため、幻冬舎版の『わしズム』は今回が最終号である。3年前の創刊号から15冊すべてにライターとして関わらせてもらってきたので、とても寂しい。いつも良い緊張感と刺激的な空気のなかで気持ちよく仕事をさせてくれる編集部のことが、私は本当に好きだった。とりわけ辛いのは、当然のなりゆきとして裏わしズムも終わってしまうことだ。過酷な日程のなかで奮闘しているスタッフたちの日誌には、どれだけ励まされたかわからない。あれを読むと自分も編集部の片隅で仕事をしているような気分になれて、孤独感も癒された。自分以上に「裏わし」を必要としていた人間はいないという自信がある。ほんとうに、お世話になりました。そして、お疲れさま。

 いま聴いている『ブラック・コーヒー』というアルバムは、アル・クーパーが(ソロ作品としては)なんと30年ぶりに発表した新作である。30年ものあいだ何をしていたのかよくわからないが、去年の晩秋に初めて彼の音楽に触れた私の場合、そのようなブランクは知ったこっちゃないのだった。じっさい、新作を聴いても、別段ブランクのようなものは感じない。若い頃の稚気みたいなものは薄まっているような気もするが、色気のある歌声は健在。とくに3曲目の『How My Ever Gonna Get Over You』というスローバラードはたまりません。10月の来日公演が楽しみである。




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