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1. Daydream
2. The Dawn After The Storm
(a. Awakening, b. Walking Through The Fields, c. Beyond The Horyzon, d. Momeward)
3. Never
4. Tocando Voce
5. The Fortress
6. Preludio de Sevilla
7. The Sight
8. O Dom de Voar
9. Discover


2005.09.20.Tue. 11 : 15 a.m.
BGM : The Dawn After The Storm / Tempus Fugit


 土曜日は赤坂のグラフィティにて、友人がベースを弾いている凡美女☆Bon Vijo☆のデビューライブを鑑賞。言うまでもなく、ボン・ジョビのナンバーを演奏するバンドである。この名前でそうじゃなかったらどうかしている。すばらしく愉快痛快爽快なステージだった。演奏も演出もしっかり練り上げられていて、綻びというものがない。ふつうアマチュアバンドのライブというのは、内輪の客がみんな綻びに目をつぶり、終演後には「アレがよかった」「コレがよかった」と言い合うことでメデタシメデタシとなるわけだが、凡美女のステージには、そういうナァナァの評価を拒絶する厳しさというか、自らの音楽に対する批評性というか、単に「好きな音楽やれりゃそれでいいじゃん」とか「音を楽しむのが音楽だぜ!」的な薄っぺらい話では済まさない職人根性のようなものがあった。そうじゃなければ、与えられた40分という時間をあそこまで丁寧に仕上げられるものではないだろう。もちろん、それは「演出上の工夫」や「サービス精神」だけで成立するものではなく、基礎からみっちり鍛えられた演奏能力があって初めて可能になるものである。会場では、自分もバンドをやっているとおぼしき人が「演奏の上手さもさることながらエンターテインメント性が高いですよね」というような感想を口にしているのを小耳に挟んだが、ソレとコレとを別個のものと考えて下手なアマチュアが彼らの「エンターテインメント性」のところだけ猿真似すると痛い目にあうから気をつけたほうがいい。凡美女は単に「盛り上げ上手」なのではない。音楽が上手だから、盛り上がるのだ。

 それにしても腰を抜かすほど驚いたのは、凡美女の次に登場したバンドのドラマーである。あの晩に出てきた3人のドラマーの中では群を抜いた力量を発揮していたのだが、それがなんと10歳の小学5年生だ。ロックナンバーを演る一方でパフィとかユーミンとかも演るという意味のよくわからないバンドだったが、『クロスロード』とか『ルーム335』とかCHARの有名な曲(タイトル忘れた)とかビシバシに叩いていて、茫然とさせられた。ゲンタ君、すごすぎ。神童というものを間近で見たのは初めてのような気がする。「10年経ったらタダの人」にならないよう、できれば早いうちに英語を覚えてアメリカにでも渡ってほしいと思ったりしたが、まあ、よその家の子のことを言うのは余計なお世話である。どうやらギターはお父さんだったようで、とても羨ましかった。うちのセガレも、せめて3番目のバンド(ビートルズ初期のコピーバンド)のドラマーぐらい叩けるようになってくれりゃ楽しいんだけどなぁ。その前に私がちゃんと弾けるようにならなきゃ話にならないです。わかってます。

 ライブ終了後は赤坂で友人と軽く飲み、帰宅後にチャールトン×チェルシー(プレミア第5週)をビデオで追っかけ観戦。どことやっても安定はしているものの勝ち味が遅いのが今季のチェルシーで、前半は0-0。早い時間帯に得点するとダラダラな試合になって視聴率が下がるので、わざとやってるのかもしれない。ああ、またそんな傲慢なことを。赤坂の飲み屋でマンUファンの友人に「いまのチェルシーはおまえが応援するようなタイプのチームじゃねえだろう」と言われたが、それはたしかにそうなのであって、たぶん私はこういう強いチームを応援することに慣れていないから、つい傲慢なセリフを吐いてしまうのだと思います。ともあれ、後半10分にクレスポがエシアンのクロスを華麗にヘッドで叩き込んで先制、さらにその5分後、例によってボール持ちすぎでチームに迷惑ばかりかけていたロッベンが器用なミドルシュートをねじ込んで0-2である。開幕から無失点での6連勝はプレミア記録であるらしい。昨シーズンからのチェルシーは、ある意味、レコード・コレクターだな。レココレわんわん。意味わかりませんね。ロッベンがこのゴールで焦燥感を解消してくれればいいのだが、味をしめてますますボールを離さなくなるような気もする今日この頃。

 日曜日は深大寺の公園に行って、久しぶりにセガレとサッカー。雲ひとつない青空の下で思い切りボールを蹴るのはとても気持ちがいい。セガレはなぜかGKの練習をしたがった。最近、かつて私が仕事の資料として使った『キャプテン翼』を夢中で貪り読んでいるので、若林や若島津に触発されたのかもしれない。サッカー漫画はシュートシーンが多くてGKがやたら目立つからね。ボールを左右に散らして蹴ってやると、芝生の上を七転八倒してドロドロになっていた。雲ひとつない青空の下でドロドロになるセガレを見るのはとても気持ちがいい。愚妻はイヤな顔をしていたが。

 以前から聴きたがっていたブラジルのTempus Fugitは、「テンプス・フュージット」ではなく「テンパス・フュージット」と表記するのだった。目白のワールドディスクでようやくゲット。国内盤が存在するとは思っていなかった。さして根拠もなく過大な期待を寄せていたのだが、まあ、よくあるフツーの爽やかフュージョンという感じでちょっぴり落胆。1曲目なんかT−スクェアかと思った。ブラジル人だからって「ブラジルならでは」の音楽をやるとはかぎらないのは当然だが、それにしてもブラジルっぽさが一切ないのは、あえてそれに背を向けて排除しているのかもしれない。その意気や良しというところだが、それに代わる「らしさ」を獲得するのは容易じゃないよな。とはいえ、キャメルのアンディ・ラティマーを思わせる伸びやかなウットリ系ギターはわりと私好み。







1.Tebas
2.Prologo
3.Sacerdotes de Amon
4.Amarana
5.Lying on the sand
6.Amenofis IV (El hereje)
7.Himno al sol
8.La muerte
9.Close to god
10.Too young to be Pharaoh
11.Tebas


2005.09.16.Fri. 10 : 30 a.m.
BGM : Tutankhamon / Iceberg


 あやうく轢き殺されるところだった。いまの世の中で暮らしていれば「あぶねっ」と肝を冷やすことは決して珍しくないが、きのうは本当にヤバかった。仕事からの帰り道、自宅近くの人見街道を横断しようとしたときのことだ。歩行者用の信号が青になり、左右を確認。左からは車が来ず、右のほうは先頭の車が減速して停まった。私は青信号も疑ってかかる人間だが、さすがにこの状態で危険があるとは思わない。なので、横断歩道を渡り始めた。ところが、その私の目の前を、「ブオオオオオオオ〜ン」と派手なエンジン音を唸らせながら、一台の車が猛スピードで右から左へ駆け抜けていったのである。反対車線に飛び出して、停まっている先頭車両を抜いたのだ。これ以上に暴力的な信号無視があるだろうか。私が仕事でヘバっておらず、1秒でも早く家族の顔を見たいあまり小走りに横断していたら、即死していたに違いない。のろのろ歩いていて本当によかった。

 と、ホッと胸を撫で下ろしたのは家に辿り着いてからのことで、そのときはあまりに想定外の出来事だったために、何が起きたのか一瞬わからなかった。赤信号で停まっている車を追い抜くバカがいるとは思わないし、前の車が走っていたとしても、片側一車線の狭い狭い人見街道で追い抜きをかけるバカがいるとは思わない。しかし昨今は、想定外のバカが身近なところに棲息しているのである。

 チラリとしか見なかったが、運転席のバカは、クルマのパワーとスピードを自分のパワーとスピードだと錯覚しているタイプの若いバカだった。たぶん、その歩行者用信号機が押しボタン式である(つまり青なら必ず横断者がいる)ことを知らず、私の姿が見えなかったため、「誰も渡ってないのに停まってられっかよ」などとガムくちゃくちゃ噛みながら、若いバカならではの無駄な勇気を発揮しやがったのだろう。仕事でヘバっていなければ、自慢の快足を飛ばして追跡し、クルマの屋根に飛び乗るやいなや運転席側の窓を破壊して、バカのコメカミに銃口を突きつけて「死ね」と言ってやったところだ。いや、「あばよ」のほうがカッコイイかな。いやいや、こういう場合はクールにキメるより、「この腐れ外道がぁ〜」とかのほうがいいか。くっそー、仕事でヘバってさえいなければなぁ。あんなバカは、人殺しになる前に事故死でもしてくれたほうが世のため人のためである。ともあれ、バカに殺されるほどバカバカしいことはないので、みなさまもお気をつけください。先頭車両が停まっても、車列全体が停まっているとはかぎりません。字ヅラはよく似ているが、車列は列車と違うのである。

 おとといチェルシー×アンデルレヒト(CL第1節)を観たのに、きのうの日誌に書くのを忘れていた。いちいち晩飯に何を食ったか書かないのと同じで、チェルシーの勝利がごく当たり前の日常茶飯事になっているからだろうか。なんつってー。なんつってー。チェルシーの強さを自分の強さだと錯覚しないで、謙虚に生きなければいけません。しかしランパードのFKを見て、そのパワーとスピードを自分のパワーとスピードだと錯覚しちゃったりするのも、サッカー観戦者の快楽の一つではある。この錯覚で人を殺すことはないので、まあ、よかろう。GKの予測を裏切って右に変化し、慌てて出した両手を弾き飛ばしてゴールに突き刺さったキックは、そりゃあすげえもんだった。GKのグローブがプスプスと音を立てて燃えていたんじゃないかと心配だ。ゴールはそれだけでしたけど。しかしまあ、余裕の1-0。ただ、ロッベンがめちゃめちゃ使えない奴になっているのが気がかりである。味方の選手とイメージが共有できていない感じで、常に仲間が思っているよりも球離れが少し遅く、常に仲間が思っているよりもポジショニングが少し前に寄り過ぎているように見えた。いずれも、「結果を出したい」という焦りによるものか。昨シーズンの活躍が、自分のスピードとテクニックだけによるものだと錯覚してない?

 ゆうべは、まずブレーメン×バルセロナ(CL第1節)をビデオ観戦。バルセロナの黄色いユニフォームは、レイソルみたいで感心しなかった。そういえば、いま聴いているイセベルグ(バルセロナ出身のバンド)のファーストアルバムは、ジャケットが青と赤だ。ひょっとしたらバルサに因んだのかもしれない。試合は、デコのゴールでバルサが前半に先制。シュートを相手DFの体に当ててゴールインさせたら、デコの右に出る者はいない。しかし停まっている先頭車両の右に出て追い抜くバカはいるので、くどいようだが注意しましょう。ブレーメンはなかなか気の利いた好チームで、シャープな攻撃で幾たびもバルサゴールを脅かしていたものの、詰めのところでミスを連発。きのうの私と同様、すんでのところで命拾いをしたバルサであった。拾った命は大切に。後半にロナウジーニョがPKを決めて0-2。

 さらにゆうべは、ビジャレアル×マンチェスターU(CL第1節)をビデオ観戦。感情の抑制が利かないユナイテッドの若いバカが、感情の抑制が利かないバカでかい審判に退場させられたものの、リケルメを故障で欠いたビジャレアルはどうにも攻撃が単調で、スコアレスドロー。ユナイテッドファンを除く誰もが期待したであろうフォルランの復讐劇がならなくて残念である。というか、終盤のフォルランのプレイはひどいものだった。さしてプレッシャーのかかっていない状況で、むざむざ敵にパスを出した場面が最低3回はあったと思う。敵だろうが味方だろうが赤いシャツ見ると萎縮しちゃうタイプなのかしら。そんな「タイプ」は無ぇか。壮絶な運動量であらゆる役割をこなすソリンは、あいかわらず盛んにゴール前に顔を出していたものの、あいかわらず得点を決めることだけは苦手な様子だった。







1. NASCE UN GIORNO
2. RUOTE E SOGNI
3. L'AEREOPLANO D'ARGENTO
4. CATTEDRALI DI BAMBU
5. ANNIVERSARIO
6. IO CANTERO' PER TE
7. INTERMEZZO N.1
8. GIOVANNA G.
9. INTERMEZZO N.2
10. IL CANTO DELL AMORE
11. MUORE IL GIORNO MUORE


2005.09.15.Thu. 10 : 00 a.m.
BGM : Dedicato A Giovanna G. / Hunka Munka


 ゆうべセリエAダイジェストを観たら、ラツィオの試合はまた文字情報だけだった。1-1のドロー。はあ〜。スカパー、カリアリの主催試合も権利持ってないですか。動いているラツィオは、一体いつになったら観られるのだろうか。まだデリオ・ロッシ監督の顔も見たことがないというのに。……と思ったら、きのう届いた『CALCIO 2002』10月号に顔写真が載っていた。もっとシャープな感じの人物を想像していたのだが、えーと、なんというか、まあ、あんまりシャープな感じの人じゃなかった。しかし監督の顔はどうでもいいのであって、ラツィオ、ほんとうに動いているのだろうか。それ以前に実在そのものが怪しいと感じる今日この頃だ。あるのかラツィオ。

 しょうがないので、代わりにイタリアのプログレを聴いている。イタリアのどこ出身かは知らないが、あけっぴろげな愛嬌を感じさせるあたりがちょっとラツィオっぽい。バンド名は「フンカ・ムンカ」と読むのだろうか。意味は不明。べつに意味なんか無いのかもしれない。無いほうが面白いと思う。「ムンカ・フンカ」でも「ヘンカ・メンカ」でも「ツンカ・ヌンカ」でも「クンタ・キンテ」でもかまわないんじゃねえの? と思わせるような半笑い系の音楽ではある。あまり関係ないが思い出したので書いておくと、デビュー当時の井上陽水は「アンドレ・カンドレ」だったか「カンドレ・マンドレ」だったか「マンドレ・サンドレ」だったか、何度調べてもすぐに忘れてしまう。それはともかく、このフンカ・ムンカのアルバムでいちばん面白いのは、たぶんジャケット。左の写真をパッと見てトンデモない錯覚をした人がいるかもしれないが、これはナニかの先端部分を図案化したものではなく、上から見た便器だ。私も買うまで知らなかったのだが、オリジナルを復刻したと思われるこの紙ジャケは、蓋が開く仕掛けになっている。「ちゃんと流してあんだろーなー」とコワゴワ持ち上げてみたが、べつに開けて後悔するようなモノは描かれていない。便器の中は、メンバーとおぼしき3人の男の後ろ姿の写真だ。「おれたちゃクソみたいなもんさ」という意味だろうか。ということは、ラツィアーレではなくロマニスタなのかもしれない。あ、もしかして「糞かムンカ」? ではないと思うが、不思議なのは私の買ったCDは便器の向きが逆になっていることだ。

 なんで? 韓国盤だから? しかし韓国盤だからって逆になる理由はないよな。ヘンなの。それより、このあいだ買ったカーヴド・エアの『Air Cut』もそうだったのだが、プログレ系の輸入盤は韓国盤がかなり出回っているようだ。知らずに買ってハングルのライナーとか出てくると、けっこう驚く。韓国、意外にプログレ好きが多いんでしょうか。調べてみると、韓国にもプログレバンドは存在するらしい。まあ、そりゃ存在はするだろうけどなぁ。いずれ買ってしまうのかなぁ。おれ、一体ナニやってんのかなぁ。







1.The tea ceremony Kiev-Paris
2.Gabrielius
3.A letter to Jana
4.The Bamboo forest temple
5.Chanson d'Automne
6.Syringa


2005.09.14.Wed. 10 : 30 a.m.
BGM : Gabrielius / Er. J. Orchestra


 このあいだ「ウクライナにプログレは存在するだろうか」と書いたあと、探してみたら存在していたので買ったのが、98年に発表されたEr. J. Orchestraのファーストアルバム『Gabrielius』である。例によって、読み方が「イーアール・ジェー・オーケストラ」でいいのかどうかは知らない。救急病院でも鉄道会社でもないので勘違いしないように。しばしば「ウクライナのパット・メセニー・グループ」などと形容される総勢9名の音楽集団だ。「W杯初出場記念に」と冗談半分で買ってみたのだが、これは思わぬ拾い物。いずれ必ずこれ以降のアルバムも買い揃えるに違いない、と思うほど気に入った。なんというか、私にはジャンル分け不能な音楽。たしかに「ア〜〜〜〜〜ンヤンヤ〜〜〜〜」的なハイトーンの男声スキャットなどパット・メセニー・グループを想起させるものはあるし、何に似ているかと問われれば私の狭い知見の範囲ではパット・メセニー・グループぐらいしか思いつかないのだが、基本的にはヴァイオリンやピアノや生ギターやマリンバやフルートやサックスやブロック・フルーテやDombraBayanやコンガやボンゴなどが活躍するアコースティックな音楽で、世間的にはプログレ扱いされているが、程良い変態性はあるもののロック的な要素は皆無であり、まあどっちかというとジャズなんだろうが、インプロビゼーションよりもアンサンブルの美しさで聴かせる感じという意味ではまさに「オーケストラ」なのであって、要するによくわからないのだが、実に思慮深く穏やかでありながら刺激的な音楽なのだった。聴いていると、ときどき泣きそうになる。ワールドクラスのウクライナ人は、ブブカとシェフチェンコだけではない。

 と、呑気なことばかり書いているとヒマだと思われそうだが、巻末キーワード解説200字×200本ノックはまだ半分弱しか片づいておらず、かなりヘバってきた。このところ睡眠の質もあまり高くなく、疲労感が抜けない。目もしょぼしょぼ。こういう仕事は若い人に任せたほうがいいような気もする。しかし、きのう見た資料によると子供の出産から大学卒業までの22年間にかかる養育費および教育費は(幼稚園から大学まで全て公立でも)総額2985万円にもなるらしいから、若い奴なんかに仕事を分け与えている場合ではない。働くぞ〜。何だって書くんだぞ〜。などと言いつつ、ふと気づくと来月以降の仕事が決まっていないのはどういうことだ。むしろ私のほうが若い奴らに仕事を奪われているの? そうなの?







1.The Purple Speed Queen
2.Elfin Boy
3.Metamorphosis
4.World
5.Armin
6.U.H.F.
7.Two-Three-Two
8.Easy


2005.09.13.Tue. 10 : 25 a.m.
BGM : Air Cut / Curved Air


 まさか苗字のせいではなかろうが金子アナというのは相変わらずカネの話が好きだなぁと思いながら、チェルシー×サンダーランド(プレミア第4週)をビデオで観た。あの人は以前から、しばしば試合展開とは関係なく選手の移籍金や年俸に関する話題を持ち出しては、大して面白くもない皮肉やカネで勝利を買おうとしているかのようなサッカー界の現状に対する陳腐な憂いを口にしてみせるのだが、この試合でもショーンライトフィリップスの移籍金がどうとか年俸総額の安いサンダーランドが金持ちチェルシーに勝ったら面白いとかそんなことばかり言っていた。そんなことばかりというのは言い過ぎで、もちろん「すごい」と言ったり「ぬお」と言ったり何も大変なことが起きていないのに「大変なことが起きました」と言ってみたり選手が誰だか認識できず解説の加藤久さんに教わったりもしていたわけだが、とにかくカネの話が多いことはたしかだ。聞いていて、とても貧しい気持ちになる。どいつもこいつもカネの話しかしていなかった総選挙がやっと終わったんだから、サッカー中継でまでカネの話なんか聞きたくないよ。試合のほうは、敵失に乗じたジェレミの見事なミドルシュートとドログバの殺人的な強烈ヘッドで2-0。防御率0.00で開幕5連勝。こうなったら目標は無失点優勝だな。がはは。

 ところで、カネの話もいいけど、食い物の話もしたほうがいいのではないか。などと思ったのは、今やっている仕事の資料を眺めているときに、各国の食糧自給率というやつを知ったからだ。アメリカとフランスは約120%、ドイツは約70%、イギリスは約60%。対して、日本は40%である。借金が多いことより、こっちのほうがヤバイんじゃねえかなぁ。破産したって、食い物がありゃ何とかなるもんなぁ。







1.Deserted Cities of the Heart
2.White Room
3.Politician
4.Tales of Brave Ulysses
5.Sunshine of Your Love
6.Steppin' Out


2005.09.12.Mon. 16 : 00 p.m.
BGM : Live Cream Volume II / Cream


 週末のチェルシー戦をまだ見ていないのは、その生中継と同じ時間帯に、今年5月にロイヤル・アルバート・ホールで4夜に渡って行われたクリームの復活コンサートがCSのフジテレビ721で放送されており、そちらを優先したからである。解散から40年近く経っているのだからメンバーの容貌が変化するのは当たり前だが、私の場合、同じホールで行われたラストコンサートの映像をつい最近になって見たばかりなので、3人の生物学的なレイドバックぶりには少々ショックを受けた。まあ、クラプトンについてはエイジングの経緯をある程度は見知っているので別に何ともないけれど、ほかの2人の老化は予想をはるかに上回るもの。とりわけジンジャー・ベイカーのヨボヨボ感は圧巻だった。一瞬、枯木がドラム叩いてんかと思ったよ。1曲目が終わったばかりなのに、手首を痛そうに振っているのを見て、とても心配になった。聴き手に心配かけてどうする。3人とも、演奏そのものは実に安定したものでしたが。こういう人たちって、見た目は老けても歌声はちっとも老けないのが不思議だ。

 きのうの日曜日は、アウエーで行われたセガレの練習試合に同行。愚妻が引率係だったので、二十数人の2・3年生と一緒に電車とバスを乗り継いで移動した。さほど周囲に迷惑をかける子はいなかったものの、こういうのは疲れる。これまで、電車で遠足の一団と乗り合わせたりすると露骨にヤな顔をしてしまうことが多かったが、今後は少し大目に見てあげようと思った。引率者だって、それなりにピリピリしているのだ。会場の小学校は、先日の豪雨で氾濫した善福寺川のすぐ脇。道路から川面までは3〜5メートルぐらいあるように見え、それが水で溢れたというのがにわかには信じられない。

 選手数が多く、前後半で全取っ替えだったため、セガレの出場は前半の15分程度。あいかわらず、走るのがとても遅い。しかし役割意識はしっかりと持っているようで、センターバックとしてのポジショニングはそう悪いものではなかった。なのに、どうして敵のシュートを最後にブロックするのはいつも別の子なのかは不明。常に避けていた中盤の密集に一度だけ巻き込まれたが、そこから右サイドのスペースに出したパスは、偶然とはいえ見事なものだった。快足を飛ばしてボールに追いついてくれた子がいてよかった。味方のCKでは、後方から忍び足でそぉ〜っとゴール前まで上がっていく動きが、なかなかそれっぽい。ただし小学生のキックは、ふつう、おまえが立ってたところまで届かないから、もう少し考えようね。出場時間中は0-0でしのいだので、ディフェンダーとしては悪くない結果だった。

 試合の合間に、3年生が数人で作戦会議をしているのを盗み聞き。「セメマモは2人にする? 3人にする?」「2人でいいんじゃない?」「いや、全員がセメマモでいいんだ!」などと真剣な表情で話し合っているのが微笑ましかった。「セメマモ」とは、たぶん、「攻めと守りを両方やる人」のことであろう。先輩として、2年生のセガレにもセメマモ精神を注入してほしいと思った。







1. 至福の島
2. 扉を開けて/あずき色の髪の娘
3. 漁師の夢
4. ブレンダ・スタバーツ・セット
5. 美しのシェパード
6. マイ・ラガン・ラヴ/町のキツネ
7. マウス・ミュージック/スナッグ・イン・ア・ブランケット
8. トゥイード川の岸辺
9. 茶色い髪の乙女
10. ハギス(羊料理)
11. チグレの女の祈り
12. バリンドア〜シーネスのキャンベル嬢/バリンドア/アイリッシュ・ジグ
13. わが故郷に寄せる歌


2005.09.10.Sat. 13 : 10 p.m.
BGM : Voice Of Capercaillie / Capercaillie


 本日は大陸を離れて、スコットランドなのだった。1982年に結成されたカパーケリーは、アルタン、クラナド、ディアンタなどと肩を並べるアイリッシュ・トラッドの代表的なグループである。この『ヴォイス・オブ・カパーケリー』は、彼らが86年と89年に発表した2枚のアルバム『クロスウィンズ』と『サイドウォーク』から13曲をセレクトして編集したもの。言うまでもないが、ライナー丸写しだ。アルタンもクラナドもディアンタも知りません私は。まあ、丸写しとはいえそこは仕事柄ちょいとリライトかけて要約しているわけだが、近年アイリッシュ・トラッドを含むケルト文化の再評価が進み、その豊かな抒情性と強靱な精神が世界的にも注目されている現在、セルティックに所属しているからには中村俊輔もファミマのことはひとまず忘れて、こういう音楽を聴きながらFKの練習をすべきだろう。なんてことはライナーに書いてあるわけがないのだが、こういう文章ってホント信用ならないよな。何がダメって、「世界的にも注目されている」がダメだ。世界で、あるいは若者のあいだで、あるいは渋谷で、あるいはワンランク上のライフスタイルを求める女性たちのあいだで「注目」されていることを、その題材を取り上げる根拠にしている文章は世の中にものすごく多いが、誰も真偽のほどを検証できない「注目」という現象を根拠に「だからこの情報には価値がある」と言い張るのは安易である。「○○」を紹介する文章を、「最近、若者のあいだで○○が注目されています」で書き始めることに躊躇いを感じない者は、ライターなんかやめたほうがいい。最初に「最近」って書いた瞬間にダメ。失格。なんでそんな自分の首を絞めるようなことを書いてしまったのか心底から疑問だが、それはともかくカパーケリーは素敵だ。カレン・マシスンという女性ボーカリストの穏やかな美声がたまらない。両手を頭の後ろに置いて椅子の背もたれに体を預け、ぼへら〜っと口を半開きにして窓の外を眺めつつ、明るい空を流れていく白い雲を目で追いながら聴くと、とても心地よい気分になる一枚。なんちゃって。







1. Asa de vento
2. Roupa do marinheiro
3. A rua dos meus ciumes
4. Covilha, cidade neve
5. Passarinho da charneca
6. Recado a Lisboa
7. Cabeca de vento
8. Nao sei porque te forste embora
9. Estou aqui
10.Rema
11.Alfama


2005.09.09.Fri. 10 : 35 a.m.
BGM : Origens / Anabela


 6年間もの長きに渡って虚偽報道をくり返していたことを、謝罪しなければならない。1999年から2004年まで、私は9月9日が来るたびに「きょうは薬師丸ひろ子の誕生日」と書いてきた。さっき過去の日誌を調べたら、ほんとうに(10日に「きのうは」と書いたケースも含めて)毎年書いていたので呆れた。そう信じ込んでいたのだ。なぜ、いままで一度も確認しようとしなかったのだろう。自分で自分のことが信じられない。穴がなかったら自分で掘ってでも入りたいぐらい恥ずかしい。薬師丸ひろ子さんの生年月日は、1964年6月9日でした。うああ。ウェブ日記およびブログ全体の信頼と名誉を傷つける不祥事の責任を取って、マンション管理組合副理事長を辞任させてもらえないだろうか。ダメか。関係ないもんな。ほんとうに、申し訳ない。ごめんなさい。すみません。間違えた情報そのものがあまりにもどうでもよすぎて、謝れば謝るほど恥ずかしいです。毎年そんなこと思い出して書くだけで十分バカなのに、それが間違いだったなんて。しかも朝日新聞の悪口を書いた翌日にこんな失態が発覚するなんて。うう。あやまちをくり返さないよう自らを戒めるために、本日から1週間、私を30パーセントの減煙処分といたします。ああ、なんて自分に厳しい人間なんだろうか私って。

 ちなみに、きょう9月9日は、カーネル・サンダースさん、エルビン・ジョーンズさん、小室直樹大先生、福岡政行先生、弘兼憲史先生などのお誕生日です。

 関係ないが、おととい書いた「Iceberg」は、案の定「アイスバーグ」ではなく「イセベルグ」と読むらしい。翻訳サイトで調べたところ、意味は英語と同じ。

 ゆうべは、スペイン×セルビア・モンテネグロ(W杯欧州予選)を途中からビデオ観戦。セルビア・モンテネグロって、書いたり言ったりするのがとても面倒臭いのだが、世間ではどう略されているんだろう。「セルモン」かな。「ポケモン」みたいで、強いんだか可愛いんだかわかりづらいですね。かといって「セルモンテ」では美味しそうだ。どうでもいいか、そんなこと。チェコ・スロバキアだって、「チェロバキア」とか呼ばれてなかったもんな。それに、書く分にはコピペすりゃいいんだし。セルビア・モンテネグロセルビア・モンテネグロセルビア・モンテネグロセルビア・モンテネグロ。試合はラウールのヘッドでスペインが先制、いつの間にかチェルシーを追われてアトレチコ入りしていたケジュマンのゴールでセルビア・モンテネグロが同点に追いつき、そのまま1-1。あかんなぁスペイン。あかんなぁスペイン、と思われてこそのスペイン、ではあるが。

 南欧音楽旅行シリーズ、というわけではないのだが、きょうはポルトガルである。ただしプログレではなく、CDの帯によれば<ファドをベースに、よりポップなアプローチを展開し、新しいジャンルを生み出した>アナベラという女性シンガーによる98年発表のアルバム。ポルトガルの薬師丸ひろ子、とは誰も呼んでいないと思う。呼ぶ理由がひとつもない。そもそもトラディショナルなファドを聴いたことがないので比較のしようがないが、まあ、可憐にコロコロと回るコブシに程よい異国情緒を感じながら、心地よく聴ける親しみやすい音楽だ。もしかしたら、頑迷な批評家から「これはポップというよりむしろコマーシャルなアプローチというべきだ」なんて叩かれちゃて、アナベラちゃん、ちょっぴり落ち込んだりしてるかもなぁ、と、余計な心配をしたりもするけれど。がんばれアナベラちゃん。負けるなアナベラちゃん。




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