深川峻太郎の江戸川春太郎日誌 05-06 season #12 |
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2005.12.06.Tue. 10 : 20 a.m. BGM : Shine / Mary Black
![]() ゆうべは、まずビジャレアル×バルセロナ(リーガ第14節)をビデオ観戦。混戦状態からのオウンゴールと必殺デコシュートの炸裂で0-2。敵の体に当ててGKの逆を突くデコのアレは、もはや職人芸の域に達しているような気がする。体操の「ツカハラ」「モリスエ」などのように、開発者の名をとって「デコ」と呼びたい。開発したわけじゃないだろうけど。
![]() 引き続き、チェルシー×ミドルズブラ(プレミア第14週)をビデオ観戦。ハッセルバインクの無助走FKを久しぶりに見ることができて嬉しかった。前半は0-0。ロッベンの攻撃はどうしてああもワンパターンなのか。(1)センターラインから20メートルぐらいのところで足下にボールもらう、(2)タッチライン際をドリブルする、(3)2人のDFが止めに来る、(4)2人の間を抜こうとする、(5)抜けない。そのくり返しである。おまえは三都主か。一度だけ華麗に抜いてみせたものの、どフリーのグジョンセンをシカトして使えないほうの右足でろくでもないシュートを撃ったおかげで台無し。ロッベンがいつまでもこねこねこねこねこねこねこねこねドリブルしたり切り返したりしているのを見ていると、スーパーのレジで合計料金を請求されてから、まるでそのとき初めて金を払わなければいけないことに気づいたかのようにバッグの財布を取り出し、期限切れのスタンプカードを出して「なんだ使えないの? どうしても? アラやあねえ」などと言ってからようやく金を払おうとしたものの持ち合わせが足りず、「やあねえ、一万円札があったはずなのに。なんなのよ。えーと、どうしようかしら、じゃあ、そうだなぁ、このビールとリンゴお返しするわ。それで足りるでしょ?」とどういうわけか偉そうな態度でほざいている50代なかばと思しき主婦の後ろで、愚妻に頼まれた桃屋の花らっきょうと500円玉を握りしめて並んでいるときのような気分になる。やあねえ。 後半も点が取れるような気がしなかったのだが、もっとも危機感が募ったのはエッシェンの顔を見たときだった。前半に転倒した際にべったりついたオデコの石灰が、そのまま白く残っている。ふつう、ああいうのはハーフタイムに落としてくるものだろう。しかしそれが残っていたということは、本人は鏡を見る余裕がなく、チームメイトも彼に「おまえ、顔汚れてるぞ」と教えてあげる余裕がなかったということではないのか。そう思ったから、なんかチームがまずいことになっているんじゃないかと感じたのである。実際はどうだか知らないが、テリー主将がチームにカツを入れるかのような強引な攻め上がりをしていたのを見ると、まあ、なんか緩んでるのかなぁと感じなくもない。なんにしろ、極東のテレビまで映るんだから、ハーフタイムには顔ぐらい洗ってこようよね。結果的には、そのテリーがCKからヘッドで今季初ゴールを決めてくれたおかげで1-0。
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それにしてもこの試合で頭に来たのは解説者の発言だ。 |
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2005.12.05.Mon. 12 : 00 p.m. BGM : Phenomenon / UFO
スタジオでトロンボーンは吹いたことがあるがギターを弾くのは(遊びで鳴らした経験を除けば)初めてだったし、スタジオで演奏すること自体がものすごく久しぶりだったので、とても新鮮な気分。デカいアンプでデカい音を出すと失敗もデカく聞こえるのでビビるのではないかと思っていたが意外にそうでもなく、それなりに落ち着いて思い切りよく弾くことはできたものの、やはり一人で練習しているときはできることがそこではできなかったりする(むろん一人で練習しているときにできないことはもっとできない)わけで、これは習うより慣れろというようなものであろうから、その意味でもこのおさらい会というのは初心者にとって必要なプロセスだということを実感した。
今回手伝ってくれるタボン君、ヤマちゃん、モルちゃんとは学生時代に例えば『It's All Right With Me』というジャズのスタンダードなんかを一緒に演奏したことがあり、そういうメンバーとまさか20年後にツェッペリンを演るとは思わなかったというか、世間的なイメージとしては各年代でやる音楽の順番が逆ではないかと思ったりもするわけだが、それはともかく、一緒にやり慣れているはずのタボン君のベース&ヤマちゃんのドラムが、トロンボーンとギターではまったく違った感触で受け止められるのが面白い。トロンボーンのときは彼らの作るリズムに乗っかって演奏するような感覚で、それはそれで心地よかったけれど、ギターを持ってそのリズムを彼らと一緒に織り上げる作業(勿論まだちゃんとできていないので「織り上げる努力」ということだが)には、それとまるで違う種類の愉しさがあった。なるほどリズムセクションの人たちはこんなにキモチいいことをしておったのかということを、まだほんの一端ではあるが垣間見たような気がする。ギター弾けるようになりたいという気持ちが、ますます昂揚した夜だった。しかし眠い。
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2005.12.02.Fri. 9 : 30 a.m. BGM : On My Way, Don't Know Where I'm Goin' /The Paul Simon Collection
などとボヤいていたら、12年も前にゴーストした健康関係の実用書が文庫化されるとの連絡があって小躍り。12年前って、おれ、20代じゃん。20代の自分がどんな原稿を書いていたのかと思ってパラパラ眺めていたら、まあ、文章はふつう以上でも以下でもないのだが、「いま流行のJリーグでも試合で脚光を浴びるのはゴールを決めた選手になりがちです」なんて書いてあるのが古くて笑った。なんで健康関係の実用書でそんなことを書いているのかというと、べつに内容的には必要ないが行数稼ぎには必要な譬え話である。そういや、実用書の譬え話というと野球を持ち出すのが常道だったのが、93年以降の数年間はサッカーをしばしば使ってったっけね。といった感慨はともかく「いま流行のJリーグでも」はまずい。当然、編集部のほうで修正してくれていると思うが、最初から「サッカーでも」と書けばよかった。これからは10年後でも通用する原稿を書くよう努めよう。いまどき、そんなことを前提に企画される本は滅多にないけれど。
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2005.11.29.Tue. 12 : 15 p.m. BGM : Moving Waves / Focus
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フォーカスはオランダのプログレバンドである。どうせ「知る人ぞ知る」のマイナーな存在なんだろうと思っていたら、けっこうヒット曲のある有名な人たちなんですね。このアルバム1曲目の『ホーカス・ポーカス』はその筆頭であるらしい。ロックの曲をゲラゲラ笑いながら聴いたのは初めてだったので、「ヨーデルなんだぜ〜」と面白がって愚妻に聴かせたら「これ知ってる」と言うのでビックリ&ちょっとガッカリだ。ロイオロロイオロ、ロッパッパ〜。オフェルマルスやクライファートが代表からいなくなって以来、やや気持ちが離れていたオランダのことが、また少し好きになってきた。
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2005.11.28.Mon. 15 : 20 p.m. BGM : Debut / 土岐麻子
![]() きのうの日曜日は、夕刻に代々木のカラオケ店へ。それなのに一曲も歌わなかったのは、それがカラオケ大会ではなくリコーダー同好会の練習だったからだ。カラオケボックスのテーブルに譜面を広げ、笛を手にしたオトナたちがバッハのフーガを吹いている様子は、かなり奇怪。トイレから戻ってドアを開けると、わかっているのにギョッとする。ギターで手一杯なのでろくに練習しておらず、一夜漬けでサラッとさらっていただけなのでひどいものだったが、やはり合奏はエキサイティングだ。練習後に飯を食った店を、おさらい会の打ち上げ会場として予約。そちらの練習や本番も代々木でやるのである。ある意味「代々木系」な今日この頃。
![]() 帰宅後、ポーツマス×チェルシー(プレミア第12週)をビデオ観戦。パウロ・フェレイラの強烈なロングシュートを、GKの鼻先に矢のように飛び出して右足のアウトに当て、コースを変えてゴールインさせたクレスポの瞬間芸にはたまげた。あれがやれただけで、「移籍してヨカッタ」と思えるに違いない。自ら連続出場記録更新を祝うランパードのPKも決まって、0-2でチェルシーの勝ち。
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吉祥寺パルコのヴィレッジヴァンガードで流れているのを聴いてうっかり衝動買いしたのが、いま聴いている土岐麻子という人のCDである。「元シンバルズのボーカル」といわれてもシンバルズを知らない私にはピンと来ないわけだが、「土岐英史の娘」といわれればピンと来る。買ってから知ってびっくりした。土岐英史(ジャズ方面のサックス奏者です)の娘が29歳なのかよー。そうかよー。彼も参加していた松岡直也&ウィシングのモントルー・ライブが25年前だということを考えれば不思議でも何でもないのだが、グッと来る話だよなぁ。で、土岐英史の娘がどんな音楽をやっているかというと、まあ、おしゃれ雑貨のような音楽である。おしゃれ雑貨のような音楽は、おしゃれ雑貨に囲まれた店内で聴くのが一番、とだけ言っておこう。それにしても、矢野真紀の『このまま・・・』といい、このアルバムといい、近頃は証明写真みたいな素っ気ないジャケットが流行ってるのか? せめて風でも浴びせたい、と思わなくもない。
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2005.11.25.Fri. 9 : 15 a.m. BGM : Carney / Leon Russell
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2005.11.22.Tue. 12 : 25 p.m. BGM : There's More Where That Came From / Lee Ann Womack
![]() 日曜日は一家三人で渋谷の東急ハンズへ。ラーメンズのセリフにしばしば出てくる「ハンズ」にはセガレも興味津々だったし(工作好きなセガレにとって、造形作家でもある片桐仁は憧れの存在なのだ)、クリスマスツリーやカレンダーも探したかったので、いちど連れて行ってみることにしたのである。セガレは、誰が何の目的で買うのか私には皆目わからない木材のコーナーが気に入った模様。何に使うのか皆目わからない小さな木片のようなものをいくつかお小遣いで買っていた。母親に加えてラーメンズも美大出身なので、そっち方面への志向がますます強まっているような印象。もっとも、学習発表会で展示されていた図工作品には、さほど気合いが入っていなかった。たぶん、人に言われて「作らされる」のはあまり好きじゃないんだと思う。青色LEDを使った小ぶりのツリーと、3人分のカレンダーを買って帰宅。暮れである。
![]() きのうの月曜日は学習発表会の代休だったので、昼から一家三人で浅草までドライブ。以前から、いちど行こうと言っていたのである。せっかく平日に出かけたのに、ロシアのえらい人が来ていたせいなのか、それとも普段からあんなもんなのかわからないが、行きも帰りも首都高大渋滞で参った。前日のハンズで買い物グセのついたセガレは、仲見世でもキーホルダーやお守りなどを次々とゲット。こまごまとした買い物が好きなのは、親に似たのかもしれない。私も、それまで使っていたやつの使い勝手が悪かったので、金色の招き猫がついたキーホルダーを買った。右利きの猫が招くのは「金運」、左利きの猫が招くのは「人」だというので、迷わず右利きのほうを選択。無論、お金は「人」が持ってきてくれるものと知ってはいるが、このさい単刀直入なほうがよろしい。 おみくじで「凶」を引いたセガレを慰めつつ仲見世を出て、水上バスで浜離宮へ。初めて乗ったが、1階の客席は対面式になっており、喫煙席も十分に用意されているので、なかなか居心地がよかった。煙草の吸える乗り物がどんどん減っていく昨今だけに、きわめて貴重な存在である。浜離宮から見渡す東京は、ときどき美しく、おおむね醜くかった。CK時のゴール前におけるポジション争いみたいにひしめき合った巨大なビル群を眺めていると、遠近感が狂って目眩がする。それに引き替え、仲見世の消失点に建つ浅草寺のたたずまいは実に端正だ。ちなみに、トップページ左上に使った写真も浜離宮で撮影したもの。以前から、デジカメを買ったら東京の「空」を撮りたいと思っていた。自分では、結構うまく「ニッポン」を撮れたような気がしている。その後、再び浅草に戻り、天麩羅屋で晩飯を食って帰宅。
![]() 週末(とはいえ月曜も含むが)に観たサッカーは3試合。まずは日曜の晩に、レアル・マドリー×バルセロナ(リーガ第12節)をビデオ観戦。名前的にはどちらもほぼベストメンバーだったものの、故障明けの選手が多いマドリーはコンディションに問題があったのか、終始バルサが圧倒する展開。敵地のクラシコであんなにやりたい放題のバルサは初めて観た。エトー、ロナウジーニョ、ロナウジーニョで0-3。名前だけで選手を起用せざるを得ないルシェンブルゴのことが、ちょっと気の毒になる。それも含めて指導者の「器」ではあるけれど。
![]() 引き続きビデオ観戦したチェルシー×ニューカッスル(プレミア第12週)も贔屓チームが3-0の圧勝で御機嫌である。またぞろ内輪モメが伝えられていたクレスポが得点を決め、みんなと抱き合っていたので安心安心。真っ先に駆け寄ったランパードに「もっと強く抱きしめてやってくれ!」と茶の間からお願いしていた私だった。ニューカッスルのオーウェンをまだ見ていないので、故障で不在だったのは残念。アップで映し出されたリカルド・カルバーリョの顔を見て「デル・オルノ!」と口走ってしまう人が実況を担当していたのは、もっと残念。あの人、もしかして、「白人か黒人か」だけで選手を識別してないか? 名前だけでアナウンサーを起用せざるを得ないスカパー!のプロデューサーのことがちょっと気の毒に……なりませんね。なりませんなりません。
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ゆうべは、なぜか放送してもらえたサンプドリア×ラツィオ(セリエ第12節)をビデオ観戦。渋滞の中を運転してひどくくたびれていたし、試合もたいへんツマラナイものだったので、途中から気絶するように熟睡してしまった。どうやら2-0で負けた模様。やはりアウェイではからっきし意気地がない感じ。
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