深川峻太郎の江戸川春太郎日誌 05-06 season #14
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1. Immigrant Song
2. Livin' Lovin' Maid
3. Brush With The Blues
4. China Globe


2005.12.28.Wed. 13 : 55 p.m.
BGM : 第1回おさらい会収録音源 / タボン君(bass & key=3)、ヤマちゃん(ds)、モルちゃん(vo & bass=3)、Kay'n師匠(g = 3,4)、私(g = 1,2,4)


 まったく気のユルみとは恐ろしいもので、ギターおさらい会(23日)の翌日には台所で長ネギと一緒に左手親指を刻んで出血し(※一部関係者に「右手」とお伝えしましたが右手には包丁を持っているので負傷したのは当然左手)、さらにその翌日には発熱して親族の集まるパーティを欠席するという散々なクリスマスを過ごしておったとです。昨日まで寝たり起きたりの生活をしていたので、ネット上での報告および御礼がすっかり遅くなってしまいました。メールも何通か頂戴しましたが、返事を出していなくてスミマセン。暮れの慌ただしい折り、しかもクリスマス含みの三連休の初日というトンデモナイ日程だったにもかかわらず、快くもしくはやむを得ず代々木まで足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。師匠の模範演奏による『Brush With The Blues』の名演と、ある意味でロバート・プラントそっくりだったモルちゃんの肉体美と、幻冬舎の皆さんが紹介してくれた打ち上げ会場での美味しいカレーに免じて、どうかお許しくださいませ。いったん巻き込まれたら最後、今後もそこから逃げるのは容易ではないと存じますが、それも前世からの因縁か何かによる運命だと思って諦めてください。

 演奏のほうは、師匠の良き指導と、サポートメンバーの手厚い介護と、ご来賓のみなさまの温かい視線&もったいないほど盛大な拍手およびご声援のおかげで、二つの課題曲を最後まで思い切りよく楽しんで弾き通すことができました。後日、録音したものを聴いてみると、自分で「これぐらいはできるだろう」とイメージしていた出来には程遠いもので、「あれだけ練習してもこれだけ初心者っぽい音なのかぁ」というのが正直なところであり、「初心者っぽい音」とはべつの言い方をすると「ぜんぜん歌えてない」(バンドが歌ってくれているのに私だけ歌えてない)ということだったりするのですが、それも人前でバンド演奏をして初めてわかることなので、とても有意義な経験になったと思います。

 具体的な反省点や課題は多々ありますが、それを一つ一つ整理してここに書くだけの体力がまだ戻っていないので、とりあえず大ざっぱな感想だけ記しておくと、楽器でまともな音を出すのは簡単ではないし、それさえ自分にはまだできていないけれど、そのまともな音をまともな音楽にまとめ上げるのはほんとうに難しいことだなぁ、といったところでしょうか。課題曲の『Immigrant Song』と『Livin' Lovin' Maid』はいずれも2分半程度の短い曲でしたが、その短い時間全体を見渡しながら細部をコントロールして一つの流れを完結させるという作業は、たぶん短いコラムを書く作業に似ているのでありまして、文章でやれることがギターでは全然できないことがヤケにもどかしく、悔しいです。まあ、ギターの場合はまだ「てにをは」もちゃんと使いこなせていないレベルなので、文体のコントロールなんてことはまだまだ先の話ではありますが、そんなことを漠然と感じた2曲5分間ではありました。音楽は難しい。難しいから面白い。それは日頃から感じていたことではありますが、今回あらためてそれを痛感し、「上」を見る良い機会になりました。今回の発表会で私が燃え尽きてしまうのではないかと心配される向きもあるようですが、そんなことは全然なくて、チクショー次はもっと音楽をぶちかましてやるぜベイベ!とロックな闘志をメラメラと燃えたぎらせた結果がここ数日の発熱ですので、ヨロシクぅ。







1.Immigrant song


2005.12.21.Wed. 12 : 40 p.m.
BGM : Led Zeppelin III


 おさらい会本番まで、あと数十時間。楽器に触っていないと心が安まらない今日この頃である。ところが困ったことに楽器に触れば触ったで新たな不安が生じるわけで、たとえば昨日も、『移民の歌』で右手のピッキングが乱れるのは右手だけの問題ではなく左手の抑え方が不安定だからだというとても基本的なことに気づいて慌てて修正したりしたのだが、まあ、そんなこんなで珍しく文章を書く気にならないので、次回の更新は連休明けかも。みなさま、良いクリスマスをお迎えください。







1.The Circus
2.In A Dream
3.The Moon & St. Christopher
4.Wonder Child
5.All That Hammering
6.Donegal Breeze
7.A Stone's Throw From The Soul
8.Free As Stone
9.Roisin
10.Into The Blue
11.Gabriel
12.Raven In The Storm
13.Only A Woman's Heart


2005.12.19.Mon. 15 : 20 p.m.
BGM : Circus / Mary Black


 きのうから今朝にかけて、いずれも「紙一重」のスリリングな試合を四つ観戦。まず日曜の夕刻に見たのは、えーと、何だっけ、チーム名がいまだに覚えられないが、とにかくトヨタカップの地球3位決定戦である。いや、さすがの日テレも「地球3位」とは言ってなかったと思うけど、「地球一」ってなぁ。火星や金星でもサッカーやってるみたいじゃん。「世界一」といえば、それはもう「この世の一番」なんだから絶対値としての「頂点」という感じがするが、「地球一」ではその「世界」が宇宙全体にまで広がって価値が相対化されてしまうので、むしろ有り難みが損なわれるのだった。いや、私はべつにトヨタカップが世界の頂点を決めるのにふさわしい大会だとは思っていないが、そうだと言い張りたいなら「地球一」じゃなくて「世界一」のほうがいいんじゃないの、ということである。というような話は別にしても、どんなにふだんサッカーを見ない視聴者だって「地球一」なんて子供じみた物言いには鼻白むと思うのだが、なんで番組を作っている人たちだけそれがわからないのかが、わからない。

 でも、試合は終盤の逆転劇もあって見応えがあった。積極的な攻め合いの結果、3-2でどっちかの勝ち。当初は大会自体にあんまり興味がなかったものの、セガレが妙にトヨタカップには関心を寄せていて熱心に見るので(その意味では日テレのお子様向け盛り上げ作戦も一定の効果はあったのかもしれんが、そのセガレも「地球一」には違和感を抱いていた模様でした)、カロンとかヨークとかカズとか懐かしがりながら1回戦から一緒に何となく見ていたのだが、欧州と南米以外のクラブが、晴れの舞台を与えられたことを意気に感じて「ええとこ見せたろやないか」と張り切っている様子はとても良かった。テレビ局の演出ではなく、フィールド上の熱気がセガレのハートを掴んだのかもしれない。

 引き続き観たサンパウロ×リバプール(トヨタカップ決勝)は、リバプール憎しのわれわれ夫婦はもちろん、セガレも短期間のうちにGKセーニをヒーロー視するようになっていたので、テレビの前で一致団結してサンパウロを応援。セガレはふだん親に媚びて応援するチームを決めることがない(なにしろ部屋にはベッカムのポスターが貼ってある)ので、こういうケースは珍しい。もしかしたらW杯の日本戦以来のことかもしれない。試合はそのセーニがファインセーブを連発し、「同点は時間の問題」と思われたリバプールの猛攻をどういわけかしのぎきったサンパウロが1-0で勝ったので、のたうち回ってギャーギャー言いながら家族でとても愉快な90分を過ごすことができた。新トヨタカップ、わが家的にはナイスな暮れの風物詩になりそうな予感。

 セガレにオヤスミを言ったあと、ラツィオ×ユベントス(セリエ第16節)をビデオ観戦。今季はじめて観るラツィオのホームゲームである。アウエー扱いのローマ戦も含めてオリンピコでは無敗とやけに強いわけだが、やっと放送してくれたと思ったらユーベ戦なので、「こんなことなら見せてくれないほうが良かったのに」という結果になることを私が恐れていたのは言うまでもない。

 だがしかし、ラツィオはそんな予想を裏切ってくれたのだった。なるほどホームでは本当に強いんだなと思わせてくれる、勇敢な戦いぶり。守備時に危なっかしいシーンが多いのは、まだ発展途上のチームなのだと思って目をつぶろう。それより、ズルズル下がることなく高いラインを保ってボールを奪いに行く姿勢に志の高さを感じられたことが嬉しい。攻撃も、ユーベの早い出足に潰されるシーンが多かったが、弱い相手ならきっと華麗なゴールを決めてるんだろうなと思えるだけのアイデアとスピードと連携があった。久しぶりに、ペルッツィのネ申セーブも拝むことができた。ダメだったのは相変わらずマッシモ君で、なんでそれだけの時間と空間を与えられながら山なりのクロスがボヨヨ〜ンとゴールラインをはるかに超えていくのかがどうしても理解できないが、放物線を描いてターレの頭に上から落ちてくる「タテの線で合わせるクロス」(はたして「クロス」なのかそれは)もそれなりに珍しくて面白かったから、まあ、いいや。

 試合は1-1の引き分け。決定機の数もそんなに違わなかったように思うので、フェアな結果である。ユーベから勝ち点を奪ったのは、インテルをアシストするという意味でもすばらしいこと。ローマ戦に続いてユーベ戦でも先制ゴールを決めてくれたロッキの特大ポスターを付録につけてくれる雑誌があったら、買って仕事場に貼りたい。

 今朝は、セガレを学校に送り出したあと、アーセナル×チェルシー(プレミア第16週)をビデオ観戦。べつに、セガレがアーセナル・ファンになってしまうことを恐れて陰で観ているわけではありません。序盤の15分間はチェルシーが押し込みまくり、やっぱマケレレさんがいると2列目の迫力が倍増するよなぁと思っていたものの得点には結びつかず、あんまり調子こいてるとカウンター食らってアンリーにガツンとやられるぞおまえら、とビクビクしていたら、アンリーのシュートがガツンとポストを叩いてくれてヨカッタ。さらに、こんどはポストとポストのあいだにちゃんと収まったファン・ペルシーのゴールが、リプレイを見れば完全無欠のオンサイドだったものの判定はオフサイドでラッキーの上塗り。ラッキーってすばらしい。これだけ隙を見せていたにもかかわらず、試合の終盤に「チェルシーの守備にはまったく隙がない」とか「カウンターをいっさい許さない」とか言ってた実況および解説は、チェルシー・ファンが聞いていてもどうかしていると思うので、アーセナル・ファンは安心したまえ。

 前半40分頃に決まったロッベンの先制ゴールは、ファン・ペルシーのそれよりもオフサイド臭い飛び出しだったし、本人の表情や仕種も「なんでダメなの?」と言っているように見えたので一瞬ノーゴールかと落胆したのだったが、それはどうやら「これぐらい当然だろオレなんだから」という余裕の表情だったようだ。2人の副審の配置が左右逆だったら、スコアも逆になったことだろう。ラッキーってほんとうにすばらしい。さらに後半、モタついたローレンからボールをかっさらったジョー君が、キャンベルが懸命に伸ばした右足とレーマンが懸命に伸ばした左腕のあいだに生じたほんのわずかなコースにシュートを流し込んで0-2。うめえ。うめえよジョー。

 というわけで、ホームとアウエーいずれもバカヅキに恵まれたチェルシーがアーセナルに連勝である。そんなことが可能だなんて、3年前には思いもしなかった。どうせなら、誤審なしに1-0からチェルシーが逆転するところを見たかったような気もするので、やや残念な試合ではあったけど。と、日誌には書いておこう。ぐふふ。いずれにしろ、私にとってこの試合における最大の収穫は、ロッベンの顔がブッシュ大統領に似ていると判明したことだ。ああ、だから昔からいまひとつ好感度が高まらなかったのかぁ。




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