|Home|投稿欄|バックナンバー|98-99総括|CL観戦記|W杯98|似てる人|リンク集|読書日誌|BIP|


にし・たかヲのサッカー日誌
1999-2000/vol.09



→ 続きはこちらのページへ!

投稿大募集!

 本誌『愛と幻想のフットボール(FLF)』では、読者の皆様からの投稿を募集しております。原則としてテーマは問いません。h_okada@kt.rim.or.jpまで、どしどしお送りください。このページに関するご意見やご感想など、投稿以外のメールもお待ちしています。なお投稿の際は、通常のメールと区別するため、文末にお名前かペンネームをカッコに入れて記入するよう、お願いします。いただいた投稿は、いったんこの日誌内で紹介し、その後、こちらの投稿欄にまとめて掲載いたします。

9月3日(金)11:20 a.m.
 開幕戦を欠場してまでミハイロ&スタンコ両ビッチが参加したにもかかわらず、ユーゴはアイルランドに2-1で負けたらしい。これでB組はユーゴ、クロアチアを差し置いて何とアイルランドが首位。ユーゴ戦ではロイ&ロビー両キーンのコンビで先制点を取ったとか。いいねー。ユーゴとクロアチアも見たいが、本大会でアイルランドが見られたらすごく嬉しいぞ。ロンドン出張の際に半日だけダブリンに立ち寄り、めちゃ旨いギネスとアイリッシュ・シチューを堪能して以来、俺はアイルランド贔屓なのである。ところでWOWOW、EURO2000の放送権は大丈夫なのか。ま、いまの俺は放送権騒動に一喜一憂する必要がまったくないわけだが。見られないのは、千葉テレビと埼玉テレビぐらいである。まさかこいつらがEUROの放送権をゲットすることはあるまい。

 各国リーグが開幕してからも、移籍にまつわる噂が絶えない。ジュニーニョはミドルズブラにレンタルが決まったらしい(ミランのバもミドルズブラ入りするようで楽しみだ)が、セードルフはどーすんだ。セリエAだろうがプレミアだろうがリーガだろうが移籍してくれりゃどこでも見られるのに、飼い殺しじゃどうしようもないじゃんか。リバウドはまだマンU入りがあり得るのか? んなことしたらCL獲れないぞファン・ハール。マンチェスターも何を考えてんだか。リバウドなんか入れたら別のチームになっちまって、「ツイン・テラーズ」のスピードが持ち腐れになるんじゃないの? リトマネンの加入&若手のガブリ台頭で出番が減りそうなルイス・エンリケは、ローマとミランが獲り合っているとか。バルサに残ってもらいたいが、どっちかっていうならローマに行ってくれんかね。好きな選手が嫌いなチームに入るのは困る。さらに、やっとチームとの契約がまとまったと思ったロイ・キーンは、こんどはレアルが触手を伸ばしていると聞いた。なんだかなぁ。どのチームも、自分たちを強化するというより、リーグ戦やCLのライバルを戦力ダウンさせるために選手を引き抜こうとしているんじゃないかと勘繰りたくもなる。ところでペルージャはFW獲得にことごとく失敗。ローマのファビオ・ジュニオールもダメだったらしい。ガウチって、要するに交渉事がヘタなんじゃねーのか。

 ゆうべはレッチェ×ミランピアチェンツァ×ローマ(いずれもセリエA第1節)を続けて観戦。とうとう第1節9試合ぜんぶ見てしまった。「北向き」の皆様のためにも詳細なリポートを……という気持ちも(ちょっぴり)手伝ってのことではあるが、ちゃんとゲーム内容を伝える言葉を持ち合わせていないため、かえって気持ちを逆撫でしているような気もする今日この頃。できることならビデオでも貸してあげたい気分である。もう消しちゃったけど。次節以降もWOWOWはダメなんだろうか。

 誇らしげにつけた胸のスクデットが憎々しいミランは、マルディーニを故障で欠いているせいか、締まりのない戦いぶり。0-0で終えた前半は完全にレッチェ・ペースだった。しかし後半、レオナルドに代わって入ったウェアがさすがの勝負強さを見せて先制ゴール。しかしレッチェも怯むことなく反撃を続け、左サイドから(たぶん)コロンネッロが上げたセンタリングを遙か後方から駆け上がってきたDFサビーノがボンバーヘッドで叩き込む。ざまーみろ。しかしシェフチェンコのセリエ初ゴールでミラン勝ち越し。ふつうならこれで勝負ありとなるところだが、ミラン守備陣はチェックが大甘で、レッチェにスペースを与えまくる。そして終了5分前、ルカレッリの同点ゴール。やった。ユーベと引き分けたレッジーナ同様、サポーターは優勝したかのような大騒ぎだった。レッチェで目立ったのは、10番のリマという選手。出来損ないのアモローゾのような風貌だが、切れ味鋭いドリブルと左足の強烈なシュートで何度もミランを脅かしていた。

 カペッロの監督就任で注目されるローマは、昨季は見られなかった組織プレイが浸透し、解説の粕谷茂樹が「やっぱり、カペッロ恐るべしなのかなぁ」とコメントするほどの変貌を遂げていた(俺にはようわからんがそうらしい)。粕谷さんも絶賛していたが、サントスから来たアスンソンというボランチの選手が効いている。でも前半はトッティのPKだけ(それもダイブ臭いカフーの転倒にコッリーナさんが珍しく騙された感じ)で、あんまり点が入りそうな気がしなかった。デルベッキオがサスペンションで出ずべっきおだったせいもあるけど、ゼーマン時代のほうが迫力あったんじゃないかなー。「イケイケ感」が明らかに減退していてつまらん。後半は慣れない組織プレイの反動(?)で疲れちゃったのか、なんともパッとしない出来映え。ストロッパの芸術的なFKをぶち込まれて1-1のドローであった。アウエーで弱いのは相変わらずか。

 というわけで、やたらドローの多い第1節だった。(ベローナを除く)昇格組の健闘が目立つのは、強豪と違って開幕にピークを持ってきているためなんだろうか。レッチェ、レッジーナ、バリ、カリアリといった南部のチームが元気の良さを見せており、このまま活躍すればリーグ全体が盛り上がりそうである。

  9月2日(木)11:20 a.m.
 レスター×ワトフォード(プレミア第6節)を見ていたら、懐かしい奴がいた。ジャマイカ代表のシンクレア(レスター)。あのころは「イングランドの3軍半」ぐらいにしか考えずにナメていたが、このリーグのレベルの高さを知った今では、プレミアリーガーを揃えたジャマイカはやはり手強い相手だったのだとしょぼくれてしまう。

 ユベントス×レッジーナ(セリエA第1節)は1-1のドロー。創立85年目で初の昇格を果たしたレッジーナは、ものすごく嬉しそうだった。そりゃそうだろうなー。たかが一つの引き分けで優勝したかのような大騒ぎを演じられるあたりが、欧州サッカーのダイナミズムなのである。ちなみにユベントスのメンバー(カッコ内は交代)、ファン・デルサール、モンテーロ、フェラーラ、ユリアーノ(ミルコビッチ)、ザンブロッタ(バキーニ)、オリセー、タッキナルディ(コバチェビッチ)、コンテ、ジダン、インザーギ、デル・ピエーロ。ダビッツは緑内障が思わしくないのかベンチ入りもしていなかった。前半は左サイドのザンブロッタが効いていて、ユーベが圧倒。DFの裏を突いたインザーギがジダンのスルーパスを受けて先制点を決める。ところが後半のアタマから、なぜかアンチェロッティは選手を2枚とっかえ。故障でもあったならともかく、好調のザンブロッタを引っ込めたのは解せない。と、首を傾げているあいだに、後半3分、CKからカロンがヘッドで決めて同点。入ったばかりのミルコビッチのマークが甘かったように見えた。選手が代わってまだ落ち着いていない状態でスキを突かれたかっこうである。その後、終盤にはレッジーナが10人になったにもかかわらず、ユーベは決定機さえあまり作れなかった。W杯のスペイン戦を思わせるオリセーの弾丸FKが二度もポストを叩く不運もあったとはいえ、ユーベ、なんか雰囲気悪い。インザーギがゴールを決めたときも、他の選手がなかなか抱きつきに来なかったし。どいつもこいつもイライラしてる感じだったし。アンチェロッティも終始ニガ虫を噛みつぶしたような顔をしていたし。なんかモチベーションを下げるモメ事でもあったのか? と勘繰ってしまうぞ。しかしジダン&デル・ピエーロは、まだ完調には程遠いものの、数週間たてばフル回転しそうな予感が漂っていた。ユーベがだらしないとリーグが盛り上がらないので、しっかりやってもらいたい。

9月1日(水)11:40 a.m.
 スーパーカップがあったため(?)に月曜開催になったラツィオ×カリアリ(セリエA第1節)をやっと録画観戦。ラツィオのジャージは、前のデザインのままだった。スーパーカップで着ていたアルゼンチンもどきはチャンピオンズリーグ専用デルモンテ・バージョンということか。メンバー(カッコ内は交代)は後列左から、マルケジャーニ=GK、ファバッリ、ネグロ、ネスタ、パンカロ=以上DF、ネドベド(シメオネ)、アルメイダ、ヴェーロン、コンセイソン(ロンバルド)=以上MF、シモーネ・インザーギ(アンデション)、サラス=以上FW。マンチーニがサスペンション、ミハイロ&スタンコの両ビッチがEURO2000予選のためユーゴ代表に合流で不在なのがとても寂しい。2トップはボクシッチ&サラスで来るんじゃないかと思っていたのだが。今後もシモーネ君はレギュラーなんだろうか。まだ少し早いような気がするぞ。

 前半5分、ゴール前の絶好の位置でラツィオがFKをもらう。「ああ、ミハイロ親分がいれば……」と思ったが、ヴェーロンが蹴ったボールは相手の足先をかすめてゴールイン。なんだか複雑な気分だった。でも、それ以降のFKは壁にぶち当たることが多くて、大いに不満。親分がいれば、もう2点ぐらい入っていたと思うね俺は。後半にサラスがもらったPKは、シモーネ君が蹴らせてもらっていた。ピアツェンツァでもPKには定評があったわけだが、ちょっと意外。それとも、俺が彼を過小評価しているのだろうか。

 結局、ラツィオの得点はセットプレイによる2点だけ。2-1で勝ったものの、カリアリの猛攻を受ける場面も多く、マルケジャーニの好セーブがなかったらどうなったかわからない。ファバッリを除く3人がアズーリとはいえ、ミハイロのいないDF陣はやはり不安である。カリアリはエムボマ、オニールが切れている感じ。ホンジュラスの新星(?)スアソはベンチに入っていたのかどうかもわからん。そんな選手、ほんとに実在するんだろうか。

 引き続き、フィオレンティーナ×バリ(セリエA第1節)を見る。フィオの胸からはNINTENDOの文字が消え、TOYOTAになっていた。そういえばプレミアのほうではアーセナルの胸からJVCが消えてSEGA(あるいはDream Cast)になっていたな。何にしろ、日本企業のロゴが入っているとそれだけでカッコ悪い。試合のほうは、ディ・リーヴィオ、ルイ・コスタと渡ったボールをキエーザが不細工に押し込んで1-0。故障のバティは不在だったが、それでもトラパットーニはミヤトビッチ、キエーザ、バルボの3トップを試みていた。似たようなタイプの3人が前にべたーっと張っていると、なんだかフラット3が前線にいるような感じで鬱陶しい。「両サイドが行き止まりになってる」という金田さんのコメントは言い得て妙である。あれではハインリッヒ、ディ・リーヴィオの攻撃力が生かされない。

 ところで、セリエA七不思議の一つとも言われている金田喜稔のバリ贔屓は今季も健在であった。というか、以前にも増してやたらチーム事情に詳しくなっている感じ。ふつう、開幕のこのカードならフィオレンティーナの話に終始するもんだと思うが、金田さん、聞かれてもいないのにバリの強さについて熱心に語っていた。いや、まあ、いいチームだとは思うけど、なんでそんなに好きなんだろう。しかしそんな高評価を裏付けるかのようなバリの戦いぶりではあった。終盤は、同点にならなかったのが不思議なくらいの猛攻。開幕戦を見るかぎり、ウディネとボローニャはパッとしないが、その代わり今季はバリとカリアリが上位チームにとって厄介な存在になりそうな予感。この2チームから勝ち点を取り損なったところが脱落するかも。んで、次節はラツィオ×バリである。ここをしのげば開幕ダッシュだ!

8月31日(火)10:50 a.m.
 これまで見たセリエAの試合がどれもかったるい感じだったこともあって、プレミアの面白さが際立つ。少なくとも、下位チーム同士の対戦なら明らかにプレミアのほうが見応えがあると思う。観客の反応がいい&主審があまりファウルを取らず流れが途切れないせいもあるが、とにかく激しいし、ドローでよしとするような消極性が微塵も感じられない。「決着つけちゃる」という気迫が漲っているのである。サンダーランド×コヴェントリー(プレミア第6節)も、結果は1-1のドローだったが、魅力的なゲームだった。アイルランドの新星ロビー・キーンのゴールでコヴェントリーが先制し、ホームのサンダーランドが後半に追いつく展開。ロビー・キーン、いいプレイヤーではあるのだが顔にやや難ありと見た。きのう、テュラムとラッシッシの区別がつかないと書いたが、コヴェントリーはムスタファ君とシッポ(共にモロッコ代表)の区別がつきにくい。どっちか髪形を変えて欲しい。

 サンタンデール×バルセロナ(リーガ第2節)を前半だけ観戦。どうもバルサは先週に引き続いてぴりっとしない。リバウド様が切れてないのがその主因だと思われる。……などと思っていたら、そのリバウド様が圧倒的な個人技を炸裂させて先制ゴールを決めていた。エリア内でディフェンダーを3人かわしてあっさり入れてみせるあたり、さすがである。コクーがヘッドで決めた2点目もリバウドのアシスト。サッカーの場合、本調子でなくとも1試合に2回か3回決定的な仕事をすれば、それで事足りるのであるなぁ。野球の投手だと、こうはいかない。後半は見なかったが、1-2でバルサが勝ったようである。

 なぜ後半を見なかったかというと、インテル×ベローナ(セリエA第1節)が始まったからなのであった。ちくしょー、ヴィエリめ。去年は前半お休みしてたくせに、インテルではのっけからハットかよ。裏切り者。おれは許さんぞ。昨シーズンはあんなに応援していたのに、顔見るだけで不愉快になってしまった。可愛さあまって憎さ百倍とはこのことか。ヴィエリ以外では、オリンピアコスから来た左サイドのゲオルガトスという選手が目立った。オリンピアコスに、こんな巧い選手いたっけかなー。あのメンバー(ロナウドとバッジョがベンチに座ってるチームって何なんだよ、おい)の中で開幕スタメンなんだから、そうとうな奴なんだろうけど。ロナウドは後半から出てきたがさっぱり。古豪ベローナは単なるスパーリング・パートナーと化しておった。俺の期待しているカンマラータ(カマラタ)も不発。思ったより頼りない雰囲気でちょっとがっかりした。

 イラン戦の代表メンバーが決定。ざっくり言って、なんだかとっても弱そう。日を追うごとに迫力がなくなっていくように感じるのは俺だけ? 相も変わらず城、柳沢かぁ。誰かほかにFWはおらんのか。なんちゅうかこう、もっと図太くてガツンとした(そして中山よりサッカーが上手な)奴。名波が呼ばれたのはスポンサーのご意向ですか。だからホームで親善試合すんのはやめろっていうんだ。イランのほうは、ダエイとかアジジとかバゲリとかアベドサデとか来るのかしら。ってゆーか、いったい彼ら何しに来るのかしら。お買い物? それともジョホールバルの旧交を温めるため? みんな岡野に会うのを楽しみにしてたりしたら申し訳ないっすね。

似てる人シリーズ#57
 インテルのコウエと岸田今日子。(妻)

8月30日(月)10:40 a.m.
 まさにサッカー漬けの週末。きのうも昼間の札幌×東京戦を含めて4試合見た。つまり8時間近くテレビを見ているわけで、そのせいか朝から目がしょぼしょぼする。サッカーは体に悪い。

 まずは、セビリア×レアル・ソシエダ(リーガ第1節)。セビリアは3年ぶりの1部復帰だという。地元の関心は、世界陸上よりサッカーだったに違いない。そういえば俺も、大会初日に友人宅でちらりと見ただけで、あとは1分たりとも世界陸上を見なかったな。だいたい、うちのテレビは地上波がほとんど映っていないのであるから当然なのだが。それはともかく、セビリアはぱきぱきとメリハリの効いたダイナミックで攻撃的なサッカーを志しているようで、なかなか好感が持てる。ソシエダは、ユーベ入りしたコバチェビッチの穴をどう埋めるかが課題か。新加入のコロンビア人FWボニージャは、まだサ・ピントと呼吸が合っていない感じ。一度は逆転を許したソシエダがPKで追いつき、2-2のドロー。

 続いて、ペルージャ×パルマ(セリエA第1節)を見る。同じ時間にベネチア戦とミラン戦も生中継していたので、何から見るかけっこう迷った。レナト・クーリは大雨で、ピッチのコンディションは最悪。それでも中田はさすがのボディバランスを見せ、しっかり攻撃の要となっていた。パルマのDFラインを見ると、テュラムとラッシッシが並んでおり、遠目からはどっちがどっちか判別がつかない。オルテガはサンプ時代より生き生きしていた。相変わらずダイブをして主審に咎められていたけど。試合のほうは、後半開始早々、前に出過ぎたブッフォンの頭上を優雅に越えるオリーベのループシュートが決まってペルージャ先制。パルマを下した昨年の試合が思い出される。あれはたしか、俺がげろ吐くまで酒飲んで帰ってきた夜のことだった。すげー気持ち悪かった。ともあれ、リードしたペルージャは、GK松つぁんの獅子奮迅・勇猛果敢・八面六臂・顔面直撃・満身創痍・パンツぴちぴちの大活躍もあって、必死の逃げ切りを図る。マッツァンティーニ、昨季よりぴちぴち感が増したような気がするが、あのまま勝てばガゼッタが8点つけても不思議ではないほどのファイン・セーブの連発だった。しかしまあ、GK頼みのディフェンスじゃ限界あるわな。CKから同点に追いつかれ、そのまま1-1のドロー。

 さらに、ベネチア×ウディネーゼ(セリエA第1節)観戦。名波は報じられていたとおりベンチでスタート。それもあって、試合展開はきわめて退屈。平板な実況&解説のせいもあって、やたら欠伸が出た。後半、ムッツィの先制ゴールが決まっても、まだ退屈。やっと目が覚めたのは、後半15分に名波が登場してからだった。心配で心配で、背番号7ばかり目で追ってしまう。愚妻は、「名波、頭がでかいからわかりやすい」とのたまった。たしかに。われわれの心配をよそに、名波は「らしい」プレイを随所に見せていた。マニエロの同点ゴールを生んだクロスは、一流の輝き。その後のセットプレイからのドリブルシュートも、ほんとうに惜しかった。代表でも見せたことのない、抑えの効いた強烈な一撃。マニエロが退場を喰らってチームがドロー狙いになってしまい、名波の見せ場はすぐに終わってしまったが、なんだか嬉しい試合だった。

 妻によれば、ウディネーゼのムッツィは、『スリーメン・アンド・ベイビー』と『ポリスアカデミー』と「老人ホームに宇宙人がやって来て年寄りが若返っていく映画(タイトル不明)」に出ていたアメリカ人俳優(氏名不詳)に似ているらしい。なんじゃそりゃ。似てる似てないの前に、そんな映画がほんとうにあるのか。

  8月29日(日)15:10 p.m.
 仕事しようと思ったら、なんとテレビ東京でコンサドーレ札幌×FC東京(J2第?節)をやってるじゃありませんか。前半に先制を許すも、名塚、アシス、河村、アシスのゴールで首位東京を撃沈だ。いいねー、いいねー。アシスのFKなんて、ほとんどワールドクラスだ。あんなに曲がったFKを見たのは、ディナモ・キエフ戦のエッフェンベルク以来かも。弟ロナウジーニョの活躍が刺激になったか。あと、コータは不発だったが、すごいじゃんか高卒ルーキー河村優。全盛期の前園を思わせるようなドリブル・シュートだったぞ。これで東京との勝ち点差は8。J1復帰へ向けて、メイク・ドラマの予感漂う一戦であった。こんど東京近辺でやるときは、スタンドに足を運んでみたいものである。

14:00 p.m.
 セリエA開幕。さすがに27時半からのライブ中継はパスして、今朝、ボローニャ×トリノ(セリエA第1節)を録画観戦。耳慣れたWOWOWのオープニング・テーマが聴けないのがちょっぴり寂しい。ああ、そういえばボローニャにはパリュウカがいたんですね。がんばってもらいたい。試合はスコアレスドロー。退屈なゲームで、無理してライブ観戦しなくてよかった。期待のベントラ君は、モチベーション過剰で肩に力が入ってる感じで、決定機を外しまくり。後半に退場で10人になったアウエーのトリノにとっては、勝ったも同然の好スタートといえよう。

 カズのJ復帰戦、京都サンガ×ヴィッセル神戸を見る。いきなりの「らしい」2ゴールに感動。べつに昔から応援してるわけでも何でもないが、注目されたゲームで結果を出してみせるあたり、さすがカズ、としか言いようがない。「加茂さんに捧げます」には、ちと鼻白んだけれど。死んじゃったみたいじゃん。

 リヴァプール×アーセナル(プレミア第6節)は、オーウェンの復帰なるかで注目されたゲームだったが、スタメンは外れてちょっとがっかり。しかし、そんなことを忘れさせてくれるぐらい、リヴァプールが素晴らしかった。前節、リーズを逆転した勢いのまま、序盤からアーセナルを圧倒。カマラは相変わらず存在感を示していたし、何よりそのカマラと左サイドで息のあったコンビネーションを見せるチェコ人ベルガーがいい。運動量豊富で、アルメイダやダビッツを思わせる神出鬼没ぶり。さらに危機感たっぷりのファウラーが絶好調である。アーセナルのほうは故障のプティ、カヌの不在がこれほど大きいかと驚かされるぐらい、情けなかった。何やってんだベルカンプ。ファウラーのスーパーなミドルシュート、ベルガーのFKで、リヴァプールの2-0。最後は5分だけオーウェンを見ることもでき、リヴァプール・ファンにはたまらない一戦だったことだろう。俺もその一員になりそうである。ちなみに、ロスタイムにPKを止められ、完敗を見事に締めくくってみせたのは、途中出場のスーケルであった。ハエが止まりそうな弱々しいシュートだった。スーケル、ダメかも。

 もっとダメなのがフリットである。とうとう、というか案の定というか、ニューカッスルを辞任したらしい。セクシーフットボールの神髄は、永遠に謎のまま終わってしまうのであろうか。どうせなら、オランダにでも帰って現役復帰してみないか。

(数日前に『砂の器』を見て思い出した)
似てる人シリーズ#56
 チェルシーのジャン・フランコ・ゾラと俳優の加藤健一。

8月28日(土)14:00 p.m.
 録画しておいたマンチェスターU×ラツィオ(UEFAスーパーカップ)を見てから仕事場に。やった。サラスの先制点を守りきったラツィオが今季の1冠めをゲットだ。選手たちが意外に嬉しそうにしていたんで俺も嬉しかった。ジャージのデザインが変わっていて、ちょっとびっくり。あれじゃ、まるでアルゼンチンじゃねーか。前の、やや野暮ったい感じも好きだったんだけどな。ま、そんなこはともかくマンチーニである。一時は引退も考えたようだが、まだまだやれるじゃん。どれだけ出場機会があるかわからんが、なるべくたくさん見たいぞ。ってゆーか、ラツィオが勝つためには欠かせない選手、という気がする。心配していたCK&Fkは、やはりミハイロ親分の担当だった。ボクシッチが完調じゃない? プレシーズンマッチを見る限り、そんなふうには思えなかったけどなぁ。開幕戦のスタメン、まったく予想がつかない。スタムに肘打ち喰らったシモーネ君は大丈夫なんだろうか。

 昨夜はリーガを2試合見た。まずはバレンシア×ラシン・サンタンデール(リーガ第1節)。1-2でサンタンデールの勝ち。マジョルカ躍進の立て役者クーペル監督を迎え、いよいよCLに挑戦するってときに、ホームの開幕戦で負けちゃまずいんじゃないのか。意志の疎通を欠いたしょぼいミスパスが散見された。シュートも枠に行かない(PKまで枠を逸れる)。クラウディオもいいとこなし。サンタンデールの気合いばかりが目立ったゲームであった。アマビスカ(元スペイン代表?)って、いい選手だな。

 さらに、ラージョ・バジェカーノ×アトレチコ・マドリー(リーガ第1節)を観戦。バジェカーノというのは2部からの昇格組で、前園が入りそうで入らなかったチームである。2部では5位で、本来なら昇格圏外なのだが、アトレチコのBチームが4位以内に入っていたため、繰り上がりで入れ替え戦に回ることができたらしい。つまり、アトレチコの2軍より弱いってこと。なのに、2-0でバジェカーノの勝ち。あらあらまあまあ。アトレチコ、「スペインのニューカッスル」にならなきゃいいけど。新加入のハッセルバインクは、前線に突っ立ってるだけで機能せず。なんでジュニーニョ使わないかなー。移籍先も決まらず飼い殺し状態だとか。キコをペルージャが狙っているらしいが、彼までいなくなったらまじで2部落ちもあるかも。ところでバジェカーノのGkは、なんとアメリカ人らしい。さすがGK不毛の地スペインってとこだが、だからってわざわざEU外のサッカー不毛の地から連れてこんでもいいんじゃないのか? まあ、うまいキーパーだったけど。

 引き続き、ランス×マルセイユ(フランスリーグ第4節)を見た。このあいだ見たルアーブル戦に続いて、またスコアレスドロー。つまらん。マルセイユ、CLでは比較的楽なグループに入ったものの、どうなんだろうか。そういえば、デ・ラ・ペーニャってマルセイユにいるんじゃなかったっけ? まだ姿を見ないけど、フランスでもポジション取れないんだろうか。

前のページはこちら!



Back to "BIG INNING PROJECT"