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にし・たかヲのサッカー日誌
1999-2000/vol.10



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CL放送日程(WOWOW)

●9月14日(火)深3:00〜
フィオレンティーナ VS アーセナル

●9月17日(金)後4:00〜
バイエルン VS PSV

●9月17日(金)深1:30〜
チェルシー VS ミラン

●9月19日(日)後10:37〜
レバークーゼン VS ラツィオ

●9月20日(月)後4:00〜
フィオレンティーナ VS アーセナル(再)

●9月21日(火)深3:30〜
ミラン VS ガラタサライ

●9月23日(木)後5:00〜
バルセロナ VS フィオレンティーナ

●9月24日(金)後4:00〜
S・グラーツ VS マンチェンスターU

●9月26日(日)後11:07〜
グラスゴー・レンジャーズ VS バイエルン

●9月27日(月)後4:00〜
ミラン VS ガラタサライ(再)

●9月28日(火)深3:30〜
R・マドリー VS ポルト

●9月30日(木)後8:00〜
マンチェスターU VS マルセイユ

投稿大募集!

 本誌『愛と幻想のフットボール(FLF)』では、読者の皆様からの投稿を募集しております。原則としてテーマは問いません。h_okada@kt.rim.or.jpまで、どしどしお送りください。このページに関するご意見やご感想など、投稿以外のメールもお待ちしています。なお投稿の際は、通常のメールと区別するため、文末にお名前かペンネームをカッコに入れて記入するよう、お願いします。いただいた投稿は、いったんこの日誌内で紹介し、その後、こちらの投稿欄にまとめて掲載いたします。

9月13日(月)9:40 a.m.
 ゆうべもだらだらと3試合を観戦。くたびれる。

バリ×ラツィオ(セリエA第2節)
 ブラジル戦の後遺症(疲労? 故障?)だか何だか知らないが、怪僧ヴェーロンのいないラツィオ攻撃陣は見るからに迫力不足。ぼろぼろのピッチ(そこらの空き地でサッカーやってるみたいだった)のせいでボールが落ち着かないこともあり、なんだかダルなゲームであった。一応、ラツィオが圧倒はしたものの、終わってみればゼロゼロドロー。あらまあ。ミハイロのパスをヒールで流し込もうとしたマンチーニ(途中出場)のシュートは惜しかったけど。シモーネ君はどうしても役者不足の感が否めない。途中から出てきたボクシッチのほうが期待できたぞ。それにしてもバリ、難儀なチームである。解説は別の人だったが、金田さんのほくそ笑む顔が目に浮かぶ。ほんと、このチームに勝つのは簡単ではない。

カリアリ×ユベントス(同上)
 例の妙なメガネをかけたダビッツがフル出場。やっぱ、この人がいないとね。デル・ピエーロのCKにニアで合わせたコンテのゴール(お見事!)を守ったユーベが0-1(前半0-0)で逃げ切り。しかし幻に終わったオリベイラの同点ゴールはオフサイドじゃなかったと思う。あと、ジダン、デル・ピエーロに代えてザンブロッタ、オリセーを逐次投入して守りに入ったアンチェロッティの采配にまたしても疑問が残った。監督が動きすぎ。なんちゅーか、もっと馬なりで戦ってもいいんじゃないだろうか。肩に力の入った采配、のような気がする。

ミラン×ペルージャ(同上)
 前半は1-1。エリア内右サイドでDF3人を振り切って同点ゴールを演出した中田のプレイは、なんだかリバウドを見ているようだった。独自のスタイルを確立したような感じで、もうどんなビッグクラブへ行っても主役を張れる(ような気がする)。だが、後半はその中田にぜんぜんボールが集まらなくなり、シェフチェンコ、レオナルド(FK)に決められて3-1。ミランは、セルジーニョという左サイドの選手が脅威である。凄まじいスピード。あれを止められるDFはそういまい。こんな奴が次々と出てくるとは、空恐ろしきブラジルの奥深さよ。

 というわけで、相変わらず盛り上がりに欠けるセリエAではある。しかしまあ、まだ始まったばかりだから、こんなもんか。いわゆる「ビッグ7」同士の試合になれば、もっと白熱するに違いない。ゆうべ録画したローマ×インテルを見るのが楽しみである。ラツィオの仇敵とはいえ、がんばれローマ(もう試合は終わってるけど)。前節で勝ち点3を取った他の2チームが引き分けているだけに、ここでインテルに走られるのは、ちょっと困る。

9月12日(日)10:50 a.m.
 久々に、見終わったあと心地よい虚脱感に襲われるゲームであった。リヴァプール×マンチェスターU(プレミア第7節)である。ともに絶好調のチーム同士。まるで一発勝負の「決勝戦」を見ているような気分だった。あれだけ激しいゲームなのに、選手が倒れて担架が出てくるシーンが一度もなかったなんて信じられない。もともとプレミアは滅多なことでは担架が出てこないらしいが、それにしてもタフ。ずううううううっと走り続けてるんだぜ、あいつら。2-3でマンチェスターが辛くも逃げ切ったが、3点のうち2点はオウンゴール。まともな得点は、ベッカムのFKにコールがヘッドで華麗に合わせたものだけである。急遽ベネチアから移籍のGKタイービが立て続けに見せたスーパーセーブがなかったら、そしてエリア内でバットが故意に犯したハンドを主審が見逃さなければ、リヴァプールが圧勝していたに違いない。とりわけ後半、1点差に迫ってからの猛攻はド迫力。コールの退場でマンチェスターが10人になったときは、同点間違いなし、と思ったんだけど。しかし負けたとはいえ、俺は心底、リヴァプールが好きになったね。移籍していきなり先発フル出場のシルベストルとタイービは、「おいおい、えらいとこ来ちゃったな」と面食らってるんじゃなかろうか。

 引き続き、レッジーナ×フィオレンティーナ(セリエA第2節)を見る。カロンのPKでレッジーナが先制するも、フィオがあっさり逆転。1-2の前半を見届けて、アーセナル×アストン・ヴィラ(プレミア第7節)にチャンネルを替える。忙しいのである。しかし、やはりカヌ&プティのいないアーセナルはぴりっとせず、ヴィラもプレミアでは珍しく消極的な戦いぶりで、どっちも点が入りそうな気がしない。……んで、とうとうやってしまった。禁断のザッピングを。「どうなったかなー」とイタリアのほうをちょっと見てみたら、なんとレッジーナが同点に追いついている。時間はすでに後半43分。とりあえずレッジーナの健闘を見届けよう、などと思ったのが間違いだった。そのままこの試合は2-2のドローに終わったのだが、プレミアにチャンネルを戻してみると、あろうことか1-1になっていたのだ。たった5分、目を離しただけで、2ゴールも見逃すとは。それもアーセナルのほうは、スーケルのプレミア初ゴール。愚妻の「ゴールシーン=流れ星説(どちらも一点を見つめ続けていないと見逃す)」がまた裏付けられてしまった。やれやれ。さらに困ったことに、プレミアの生中継はハーフタイムにハイライトシーンを流してくれない。スーケル、どうやって入れたんだろうか。後半、エリア内の間接FKを叩き込んで2ゴール目を決めたシーンは見たけれど。その後、途中出場のカヌのゴールもあって3-1でアーセナルが勝ったが、なんだかえらい中途半端な気分。もう、ザッピングはしません。

9月11日(土)11:50 a.m.
 大きなお世話だけれど、厚底サンダルをはいている女の子たちって、通り魔とか強姦魔とか睡魔とかに襲われたときに全速力で逃げることができるんだろうか。他人事ながら心配である。池袋東急ハンズ前はどうだったんだろう。被害にはあわなかったけど転んで膝を擦り剥いた奴とかいなかったのかね。われわれの危機管理意識の低さが、彼女たちの足元にまで沁み出しているような気がしてならない。……睡魔は関係ないですね睡魔は。どーも、すいません。うわ、べたべた。

 きのうのニッカンに名波とレコバのツーショット写真があったので、「あれ、もうベネチアに移籍したのか?」と訝しく思ってよく見たら、レコバではなくてベネチア映画祭に出席した宮崎美子だった。紛らわしいことをしないでほしい。

 札幌は川崎Fに敗れ、昇格はほぼ絶望だとか。嗚呼。来季はどこがライバルになるんだ? まかり間違って浦和と鹿島なんか落ちてきた日にゃ、目も当てられんな。ところで札幌といえば、サニーサイドアップ(中田&前園の後ろ盾)と吉本興業がコータのマネジメントを申し出ているらしい。おお。サニーサイドアップがやると、吉原のHPなんか作ってくれちゃったりするんだろうか。でも、あのやたら気取った感じのテイストは、コータには似合わんなぁ。吉本だと……ガンバかセレッソに強制移籍? コータ、こてこて。

 エスパニョール×バレンシア(リーガ第2節)を見る。3-2でエスパニョールの勝ち。バレンシア、開幕2連敗である。1シーズン38試合だから、135試合のプロ野球に換算すれば開幕7連敗ぐらいに相当することになる。そう考えると、結構きつい。まあ、逆にいうと2連勝すれば7連勝に匹敵するわけだから挽回も可能なわけだが。スコアだけ見ると接戦だけど、内容はエスパニョールの圧勝だ。バレンシアの得点は、2-0から1点差に追いつくPKと、3-1で負けが決まってからロスタイムに入れたゴール(直後にタイムアップ)だけ。クラウディオも大した見せ場を作れなかった。エスパニョールはキビキビしていて、なかなかいいぞ。アルゼンチン人のポセというFWがうまかった。

似てる人シリーズ#58
 エスパニョールのデ・ルーカスとブラッド・ピット。(妻)
 ……マニアックすぎて誰もわからんだろうけど。

9月10日(金)17:55 p.m.
『Number』増刊のサッカー編とプロ野球編には、それぞれ新旧の(いずれも三文字の奇妙な筆名を持つ)作家による巻頭エッセイが掲げられている。これがある意味、実に対照的。2つのスポーツのこの国への定着の仕方を反映しているように感じられて面白い。手元にないので引用は不正確だが、前者では馳星周が「フットボールを(サッカーではなく)フットボールと呼ぶ国に生まれたかった」と熱っぽく語り、後者では阿久悠が「ベースボールではない野球」への愛着を淡々と綴っている。どちらの気分もわかるし、取り上げているのが別のスポーツだから比較するのはナンセンスかもしれないが、どちらにより作家としての「深み」を感じるかと問われれば、俺は阿久悠に軍配を上げるな。さすがの「年輪」とでも言うべきか。こういうレトリックは一歩間違えるとひどく浅薄な印象を与えることがあるから気をつけたほうがいいぞ馳星周(俺も気をつけよっと)。もっとも、後者が前者を読んだ上で書かれた可能性もあるから「後出しジャンケン」かもしれないけれど。

 阿久悠が提示した「ベースボールではない野球」への思いを、俺は「単なるノスタルジー」といった言葉で片付けたくはない。偏屈者の俺は、一方で「ベースボール」への憧れを抱きつつも、その一方で、(「JUDO」が「柔道」を駆逐したように!?)「野球」が「ベースボール」を凌駕する日が訪れることを夢想したりもするんである。さらに、「野球とサッカー」という言葉を口にしたときになぜか立ち上がる、ある種のいかがわしさと下世話な空気(スポーツ新聞を開いたときに手が汚れるのと似た感じ?)が、俺は決して嫌いではない。将来、もし「ベースボールとフットボール」などという物言いが一般的な呼称として定着したとしたら(まずないとは思うけど)、そのとき、この国はとてもつまらない社会になっているような気がする。……あれ、このサイトのタイトルも「フットボール」か。ま、それはそれとして。

9月9日(木)10:20 a.m.
 待望の欧州各国リーグ選手名鑑(ワールドサッカーグラフィック別冊『ヨーロピアン・フットボール1999-2000』税込980円)を入手。自宅用(テレビ観戦時のガイド)と仕事場用(日誌執筆時のアンチョコ)の2冊を買う。レジで店員に「同じもの2冊でよろしいですか?」と念を押された。よろしいのである。さっそく、ラツィオの「EU内扱い」をチェック。なーんだ。アルゼンチンの4人もミハイロも「EU内選手」じゃんか。「EU外」はボクシッチ、サラス、ネドベド、スタンコビッチの4人だけ。このうち3人まで出られるんだから、ノープロブレムである。だけど、アルゼンチン人はともかく、なんでミハイロは「EU内」なんだろうか。それにしてもWSGは人名表記で独自路線を歩んでいるのが、ちと困るな。「クルイファート」なんて、他に誰も言って(書いて)ないと思うぞ。

 日本×イラン(国際意味不明Aマッチ)は、枠にも行ってないシュートを相手が入れてくれたお陰で1-1のドロー。つまらん。シュートは打たなきゃ入らないが、枠をとらえないシュートが入ることは滅多にない。そもそも枠を外したキックを「シュート」としてカウントするのはもうやめたほうがいいと思う。それとも、あれは「パス」のつもりだったのか奥大介。ところで川口のハンドはDF陣の責任なのか、それとも彼がフラット3に過剰適応したために起きた喜劇なのだろうか。どっちにしても、あんなにカッコ悪いハンドは初めて見た。ボールを抱えてエリア外に茫然と立ちつくす川口。なぜか「お呼びでない?」という台詞が頭に浮かんだ。せめて着地する寸前にボールを手離してほしかった。はらほろひれはれ。

 どうでもいいことだが、今日は薬師丸ひろ子の誕生日だったような気がする。彼女が35歳になるなんて、なんだか信じられない。あと、「アストロ球団」の選手たちも全員9月9日生まれじゃなかったかなー。ほんとにどうでもいい。

9月8日(水)8:30 a.m.
 信じていいのだろうか。彼らの闘争心と勝利への執着心が発揮される前に、技術と戦術で圧倒できる時代が来たのだと。彼我の「格」はこの世代でようやく逆転したのだと。うーむ。
 日本U-22代表×韓国U-22代表(五輪アジア最終予選壮行試合)は、4-1で圧勝。嬉しい。とても嬉しい。前半に2点目が入った時点で、すでに俺は夢見心地であった。だがしかし。前半20分までにあった2つの決定機のうち一つでも韓国がモノにしていたら、どうなったんだろう。それでも日本は4点取れたのか? タラレバはないとはいえ、いや、タラレバはないからこそ、韓国が先制した上での戦いぶりを見てみたかった。劣勢を挽回するだけの復元力があるのかどうか知りたかった。技術と戦術というよりは、単にタレントで圧倒しただけのような気もするし。それはそれで凄いことだが。中田、さすがだなぁ。小笠原、うめーなー。酒井と遠藤も俺は好きだ。明神の顔も好きだったけど、空振りはいかん空振りは。
 あと、テレビカメラが観客席に陣取った釜本・岡野・長沼・韓国の偉い人の一群を抜いたとき、「うげ」とか「うへぇ」とか「むぐ」とか呻いてしまったのは俺だけではあるまい。あの映像は、ある意味、ヘビーなメッセージ性を感じさせて圧巻であった。胸が悪くなった。「老害」という言葉を絵にしたような感じ、と言ったら怒られるか。
 だけどまあ、それはともかく、GKとの1対1をちゃんと決められただけでも満足感を味わえる今日この頃ではある。もはや恒例となった感のある「パニック・イン・ロスタイム」は、今回はご愛敬で済ませてあげてもいい。それより俺にとって問題なのは、コータ不在のときに韓国から4点も取ってしまったことである。しかし、焦るなコータ。パラグアイの痩せ犬にハングリー精神を学んできたおまえの魂が必要になるときが、きっと来る。必ず来る。

 R・ソシエダ×A・マドリー(リーガ第2節)を観戦。アトレチコ、いよいよニューカッスル化しつつある。前半に先制したものの、同点に追いつかれた途端にバタバタし始めて、間接FKを直接ゴールインさせてしまうというお間抜けぶりを見せた挙げ句、ボニージャに勝ち越しゴールを決められるともはやこれまで。さらにチャモが相手をぶん殴って一発レッドを喰らった後はほとんどパンチドランカー状態で、終わってみれば4-1の完敗である。南米の壁・ガマラが加入したというのに、2試合で6失点。嗚呼。ソシエダのほうは、ボニージャが大爆発。コロンビア人らしい柔らかさで、2ゴール1アシストだ。こいつは今季、注目かも。

 見てはいなかったが、上原が13連勝で堀内の記録に並んだとか。いいねー。早くも17勝。防御率もいまだ1点台。それでも4点取られて「負けたも同然」とコメントするあたり、古風な奴である。いい投手というより、いい野球をする男、という感じ。それにつけても、こんなビッグスターの名前をまだ覚えられない監督って、いったい何。

9月7日(火)11:00 a.m.
 先月も今月も、単行本執筆の合間に既刊本の文庫化に伴う加筆作業が入っていて、仕事のペース配分が難しい。文庫化はめちゃくちゃありがたい話ではあるのだが、元来2つ以上のことを同時にこなせないタチなもんで、アタマが切り替わらないのである。しかも先月はビジネス書の合間に数学の本、今月は警察関係本の合間にドラマのノベライズと、ジャンルぐちゃぐちゃ。あ、担当編集者が読んでるかもしんないから一応いっとくけど、べつに文句があるわけじゃないです。自分の不器用さに呆れているだけで。仕事をくれて、どうもありがとう。

 以前から、プロの物書き以外でまともな(定期的にチェックするに値する)サッカー日記やスポーツ論の類を書いているウェブライターはいないものかと折に触れて探していたのだが、とうとう発見。『スポーツ観戦者の有意義な日々』と題したページを作っている横田典明氏なる人物である。どーゆー方なのか知らないが、彼の文章はなかなか秀逸。サッカー、野球、ラグビーなどあらゆるスポーツについて論じており、どれも見識の高さを感じさせて刺激的である。「棚から哲学」の土屋某を思わせる諧謔味もあるし、何より読み手本位のデザインに好感が持てた。デザイン過剰で、どこから読めばいいのかわからんHPが多いからね。ともあれ、だらだらと「見たまんま」の日誌を書いている自分が恥ずかしくなった。とくに劣悪ツアーの内実を描ききったW杯体験記は実に読ませる。あとで、ファンレター(メール)でも出しておこう。

9月6日(月)9:20 a.m.
 早朝(8時)の井の頭線で出勤。乗車駅では國學院久我山の通学ラッシュに飲み込まれ、降車駅では立教女学院の群れに立ち往生する。むせ返るような若さに圧倒され、おのれの「オヤジ」を実感。彼らの年代の頃、自分は何を考えていたのだろうか。あんまり今と変わってないような気もするが、たぶん気のせいだ。朝っぱらから、なんで過去なんか振り返ってんだ俺は。

 土曜日開催のオランダ×ベルギー(国際親善試合)をビデオ観戦。緑内障の手術をしたダビッツが患部を保護するため妙なメガネをかけていて笑えた。SMの女王様がかけるような奴なんだもん。ぜんぜん医療器具に見えないデザインだった。試合のほうは、なんちゅうかデタラメとしか言いようのない展開。5-5のドローである。書き間違えたわけじゃないよ。ホントに両軍合わせて10ゴール入ったのだ。なんだそりゃ。前半30分までにベルギーが2点先取し、その後オランダが3連続ゴール(ダビッツ、ダビッツ、クライファート)で逆転。前半は3-2。ところが後半、わずか7〜8分のあいだにベルギーが2ゴール決めて再逆転。さらにオランダがクライファートのハットトリックで5-4と再々逆転を果たしたが、77分にムペンサのゴールが決まって5-5である。ザルで酌んだ水をザルに入れているようなゲームだな。それにしても、これが日本と0-0で引き分けたチームなのかベルギー。間違いなく、オランダが相手になると実力以上のパワーが引き出されるチームである。スタムもフランクも、まさにズタズタ。4-4-2というよりは2-6-2みたいなフォーメーション(時間帯によっては0-8-2にさえ見えた)で、ここまで攻撃的にやると、一歩間違えたときに酷い目に合うということか。珍しく気色ばんで怒鳴りまくっていたライカールトだが、ベルギーの5点目が決まったときはヘラヘラと薄ら笑いを浮かべていた。ライカールト、ちょっと壊れちゃったかも。監督就任以来まだ1勝で、宿敵ベルギーに5点も取られたんじゃ、無理もないか。2000年の本番までもつんだろうかね。

 ちなみにオランダのメンバーは、ファン・デル・サル、ライツィハー、スタム(コンテルマン)、F・デ・ブール、ブロンクホルスト、コクー、R・デ・ブール、ダビッツ、ゼンデン 、クライファート(ファン・ホーイドンク)、ベルカンプ(ファン・ニステルローイ)。スタメンの半分以上(6名)がバルサ組である。ライカールトはもちろん、ファン・ハールも頭抱えてんじゃないだろうか。5点取ったとはいえ、ダビッツの1点目はFKのこぼれ球をとりあえずシュートしたら何故かころころとゴールインしたラッキーパンチだったし、クライファートの3点のうち2点は相手のミスによるごっつぁんゴール。オランダらしい得点は皆無だった。唯一にして最大の見所は、ダビッツの2点目。これは感動モンだった。センターライン付近から左サイドでドリブルを始めたダビッツは、なんと4人をクイクイ抜き去ってそのままシュートを決めてしまったのである。最後に体を寄せてきたDFを入れれば5人抜きだ。マラドーナ並み、と言ったら怒られるかもしれんが、その気になりゃ、こんな芸当もできるんだねぇ。ダビッツえらい。ダビッツだけがえらい。

9月5日(日)18:00 p.m.
「こんなのどうだっていいじゃねーか、ちくしょう」に続く、捨て鉢な寝言シリーズ第2弾。愚妻によれば、数日前、俺は例によって実に明瞭な口調で、「わかんねーよ……ぜんぶ」という寝言を吐いたそうである。そうか。ぜーんぶ、わからんか。可哀想になぁ。よしよし、いい子だから泣くんじゃない。泣いてないってば。それにしても。いったい、俺はいつもいつもどんな夢を見ておるのだ。聞きようによっちゃ、深遠かつ高邁な哲学的思惟もしくは文学的苦悩の果てに導き出された言葉のようにも思えるが、単に高校時代に苦しんだ物理のテスト(あれは本当に、笑っちゃうくらい全部わからなかった)の夢でも見ていたのかもしれない。わかんねーなー。

 きのうは久しぶりにキッチンに立ち、名古屋×C大阪(J1第2ステージ)など横目で眺めながら料理に精を出した。カルボナーラ(ラツィオ州由来の料理らしい)とCIRIOのカットトマトをふんだんに使った煮込みでラツィオの優勝を祈念。名古屋は派手なゲームで、GKが怪我しまくる不穏な展開だったが、3-2でグランパスが何とか勝っていた。EURO2000予選のため欧州各国リーグはお休みで、この週末は夜中がヒマである。

9月4日(土)
 かなり古い試合(6月5日開催)だが、フランス×ロシア(EURO2000予選・グループ4)を見た。舞台は懐かしのサンドニ、スタット・ドゥ・フランス。ジダンは不在だったが、代わりに10番を背負ったボルドーのビルトールという黒人選手はなかなかいい。バルテズ、デサイー、テュラム、ブラン、プティ、デシャン、ジョルカエフ、デュガリー、アネルカと「知ってる選手」だらけ(あと一人ローマ所属の選手がいたが名前を忘れた)のフランスに対して、ロシアで俺が知っているのは共にセルタ所属のカルピン、モストヴォイだけ。しかしサッカーは名前だけでは勝てないのである(とはいえ、そのローマの奴が足を引っ張っていたのだが)。終始フランスが圧倒しているように見えたが、やはり問題は決定力。少ないチャンスをモノにしたロシアが、カルピンの決勝ゴールで2-3と逆転勝ちしてしまった。かなり面白い試合だった。

 ディレクで見たレアル・マドリー×ヌマンシア(リーガ第2節)は、せっかく月曜日のBS-1を見ないで我慢していたのに、倉敷アナの担当ではなくてちょっとがっかり。昇格組のヌマンシアは総予算がたった4億円という、宝くじに当たれば経営できそうなチームだが、楽しそうにサッカーをする良いチームである。GKヌニェスの奮闘もあって前半を0-0でしのいだんだから大したもの。結局4-1で負けたとはいえ、後半早々のオウンゴールがなければ、もっと善戦できたはず。マドリーのほうは、懸念されていた右サイドのサルガドとマクマナマンが意外にも素晴らしいコンビネーションを見せていた。俺、マクマナマンって左サイドの選手だと勘違いしてたんだけど、右なんですね。でも去年リヴァプールの試合を見たときは、たしか左サイドを走りまくってたんだけどな。ともあれ、ロベカルもすっかり復調した様子だし、レアルのサイド攻撃は脅威である。

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