|Home|投稿欄|バックナンバー|98-99総括|CL観戦記|W杯98|似てる人|リンク集|読書日誌(11/16更新)|BIP|


にし・たかヲのサッカー日誌
1999-2000/vol.18



→ 続きはこちらのページへ!

宣伝!

『BLACK OUT』(渡辺浩弐・幻冬舎文庫・本体686円)……というタイトルの本を店頭で見かけたら、迷わず1冊手にとり、そそくさとレジへ持ってゆき、黙って言われたとおりの代金を払ってください。べつに2冊でもいいです。それがどうしてもイヤだというのなら、平積みの棚から本書を1冊抜き出して、隣の本の上に置いてから立ち去りましょう。ひとつ、よろしく。
Readers' Mail No.086(11/16)

南米選手権

by 阿部

 南米選手権時のバックナンバーを読ませていただきましたので、僕もひとつ。

 サッカーは奥が深いんだ。これは私の師の口癖です。アルゼンチンのパレルモとギジェルモそしてリケルメは、アルゼンチンリーグ最強トリオとして数々のタイトルを牛耳ってきたにもかかわらず、しかもビエルサは国民の批判を無視し、まるまるこの三人を起用したのにあれだけのパフォーマンスしか出来なかったことは、国際舞台がいかに特別かということを感じさせた。相手が弱小エクアドルであってもだ。

 日本が次回もコパアメリカに参加することは良いが、きっと同じ結果だろう。例え一点差で勝ったり、ドローであっても内容がともなわなければならない。日本はイタリアの伝統のように守りきる戦術をとってるわけじゃない。ペルーとの練習試合もコパのボリビア戦も意図とは違った時間を過ごしていた。もし3ー5ー2のシステムがうまく機能しても、ドイツは何十年のそのシステムを使っている。キットサキハナガイ。だからといって、失望してもしょうがない。よくサッカーを知る指導者は「どうしようもない」というが、そんなことない。ただもっともっと外国の人間や若い者をフロントやスタッフや協会に入れるべきだ。意味のない人間が多すぎる。


 失礼、もうひとつ。
 長島巨人の青田買いに批判が多いようだが、サッカーからすれば羨ましい限りだ。イタリアのインテル、スペインのバルサ、アルゼンチンのボカ、そんな金使いの荒いチームがある意味選手の流れをつくり、リーグを活性化させたのも事実。日本にも外国にいい選手をたくさん売って、金もうけをするクラブ(正確に言えば会長)が出現する日はいつになるやら。
投稿大募集!

 本誌『愛と幻想のフットボール(FLF)』では、読者の皆様からの投稿を募集しております。原則としてテーマは問いません。h_okada@kt.rim.or.jpまで、どしどしお送りください。このページに関するご意見やご感想など、投稿以外のメールもお待ちしています。なお投稿の際は、通常のメールと区別するため、文末にお名前かペンネームをカッコに入れて記入するよう、お願いします。いただいた投稿は、いったんこの日誌内で紹介し、その後、こちらの投稿欄にまとめて掲載いたします。

11月22日(月)14:00 p.m.
 きのうは愚妻の友人であるPさん、Rさん夫妻が来訪。ズッキーニの唐辛子炒め、椎茸のグラタン、赤チコリとベーコンのフジッリ、豚ロースの煮込みでもてなす。パーフェクトの出来映え。5人(うち女性3人)で6本の葡萄酒を飲み干した。みんなべろべろで、初めて正真正銘の酔っ払いと対峙したセガレはすっかり酒気に圧倒されてしまい、やけに素直に(逃げるように)ねんねしていた。たまには、こういう試練を味わったほうがいい。全員が相撲ファン(しかもアンチ二子山)で、宴会の口実も千秋楽観戦である。結びで武蔵丸が貴乃花を豪快にぶん投げて優勝。大いに盛り上がる。しかし貴乃花、ひどい負け方だったなー。ちなみにPさんは一級建築士である。前に書いた豪州在住の同級生も、このあいだ遊びに来てくれた友人のOも、やはり一級建築士。この二ヶ月のあいだに、3人もの一級建築士とメシを食ったわけだ。あらゆる資格の中で、「一級建築士」よりもかっこいい肩書があるだろうか。ベリー・クール。

 酔っ払いが帰った後、世界三大ダービーマッチの一つである(うそ)ローマ×ラツィオ(セリエA第10節)を観戦。アルゼンチン対ブラジルの代理戦争的なニュアンスもあり、両軍合わせて4〜5ゴールは入るだろうと思っていたが、その予想が的中し、前半だけで4ゴールの乱戦である。でも、それがぜんぶローマの得点だった。ぎゃふん。試合展開なんか、思い出したくもない。デルベッキオ、モンテッラ、デルベッキオ、モンテッラ。ラツィオは後半にミハイロのPKで1点を返しただけ。4-1でローマの圧勝である。今季初黒星がダービーとは。ラツィオとやるときのローマって、世界一強いかも。体もひと回り大きく、人数も多く見えるぞ。それにしても、ひどい前半だった。なんで、あんなに簡単に縦パス1本で裏を取られるんだ? どーしてネグロが先発(右SB)だったの? ファバッリを左に入れてパンカロを右にした後半のほうが、ずっと良かったじゃんか。あーあ。なんだか昨季後半戦のパターンを踏襲してるような気がしてならない。ミランをホームで叩けず、ローマ・ダービーで惨敗を喫し、続くユーベ戦で……嗚呼。録画だけして未見なんだけど、ユーベ×ミランはどーだったんだろう。引き分けててくれんかなー。

11月21日(日)
 きのうはN鉄板という会社のチームから誘いを受けて、昼から戸田のほうにあるグラウンドで草野球。こっちは幹事役が必死で9人集めたのに、N鉄板のほうはあろうことかたった4人しか来なかった。声かけておいて4人って。グラウンドは雀荘じゃねーぞ、こら。だったら前日にキャンセルせんか。当然、試合なんかできるわけもなく、ゲーム形式のシート打撃をやる。ま、ちゃぶ台ひっくり返して帰るのも大人げないし(ちゃぶ台もないし)、天気も良かったので最後までつきあってやった。打撃のほうは3打席無安打(中直、二飛、二ゴロ=ただし投手を強襲した打球がセカンドに転がったもの。言い訳してどうする)、守備のほうもデタラメで、三邪飛と左飛を落球してとても情けなかった。試合じゃなくてよかった。最後に平凡な左飛をキャッチしたときは、ずいぶん嬉しかった。

 夕方から小金井の実家を訪問。環八が大渋滞でくたくた。寄せ鍋をご馳走になった後、平塚×浦和(J1)を見る。なんか知らんが浦和は憑き物が落ちたかのようにかっこいいサッカーをしていた。2点目の福田のゴールなんて、けっこうスペクタクルだったぞ。0-2になったところまでは見ていたのだが、早起き・野球・運転・ビールの4点セットが堪えてうたた寝。目が覚めると、おやじがチャンネルをバレーボール(日本×アルゼンチン)にかえていた。どうやら毎晩のように見ているらしい。すごく真剣に観戦している姿を見て、そういうものかと思った。俺が思っていた以上に、日本人は今でもバレーが好きなのだ。きっと。「リベロ」のことも、おやじはちゃんと知っていた。ほほー。ローテーションしないレシーブのスペシャリストなんですね。GKみたいなもんだな。どうせなら足も使えることにしたらどうか。3-1で日本が勝っていた。

 帰宅後、フィオレンティーナ×ペルージャ(セリエA第10節)を観戦。1-0でフィオが勝ったが、ペルージャの強さばかり目立った印象がある。昨季のアウエー戦とは雲泥の差。そりゃあ、アモルーゾ、ラパイッチ、バ、中田と前線にタレントが揃ってりゃ、そこそこ戦えるよなー。中田は相手を倒してファウルを取られる場面が多くなったような気がする。ひょっとして、サッカー観がちょっと変わった、のかもしれない。

 エバートン×チェルシー(プレミア第15節)を後半から見る。前半は1-0。ゾラ温存でフロ&サットンの2トップだったチェルシーは、ピリッとしない戦いぶりだったらしい。後半早々にゾラを投入するも、ルブーフが退場で絶望的な雰囲気。俺は睡魔に抗いきれず途中で寝たのだが、愚妻は「なんとなくチェルシーに点が入るような気がして」最後まで見ていたらしい。その予感が的中して、ロスタイムにフロの同点弾が決まったとか。ふーん。たまにはそういう粘りも発揮できるのか。再放送でしっかり見届けることにしよう。

11月20日(土)
 昨夜はパルメイラス×リーベル・プレート(リベルタドーレス杯準決勝第2戦)を観戦。第1戦はリーベルの1-0。どうも南米の場合、欧州よりもホームとアウエーのギャップが激しいようで、第1戦をホームで戦う場合は2点差つけても満足できないような感じである。点数の目標が明確な分、第2戦をホームでやったほうが有利なんじゃないだろうか。このゲームも、パルメイラスがあっさり逆転。アレックスというストライカーが面白かった。

11月19日(金)13:30 p.m.
 インスって、なんでいつもピッチに出る直前までユニフォームを着ない(通路では必ず上半身ハダカ)んだろう。……などと思いつつ、イングランド×スコットランド(EURO2000予選プレーオフ第2戦)をビデオ観戦。アウエーのイングランドが0-2で勝った第1戦もそうだったようだが、注目の2トップはシアラー&オーウェン。絶好調のコールは第1戦で68分からの途中出場だったらしい。リヴァプール好きのユナイテッド嫌い(それほどでもないけど)の俺から見ても、ちょっと納得がいかない。こういう後がない試合では、調子のいい奴から使うのが鉄則なんじゃないのか? オーウェンは故障明けの故障明け(復帰した途端にまた怪我した)で、どう考えてもトップ・コンディションには程遠い。しかも早く結果が欲しくて焦っている感じで、気持ちに余裕がない状態。周囲の選手ともまるで噛み合っていないように見えた。なんで使うのか(っていうか、そもそも召集すること自体が)わかんないぞキーガン。それって、「神頼み」に近い感覚なんじゃないのかね。神さま仏さまオーウェンさま。
 というわけで、試合はスコットランドが先制して面白い展開に。1点でも取れば盤石のイングランドは当然コール投入だと思ったら、なんとヘスキーが出てきやがった。期待のストライカーではあるらしいけど、明らかに荷が重そうで、気の毒なくらい緊張してたじゃん(黒人なのに顔が青ざめてるように見えた)。シアラーはシアラーで例によってゴール前でのファウルが多すぎ。何だかんだでイングランドは点が入りそうな気がしない。最後の最後でもう一波乱ありそうな雰囲気だなー、とドキドキしながら見ていたら、やはり悲劇は起きた。いや、試合じゃなくて俺に。ロスタイムも2分ほど経過し、スコットランドが最後の反撃を試みようとしたその瞬間、ビデオがぷつりと切れたのである。な、な、なぜだぁぁぁぁっ、どーしてだぁぁぁぁぁっと呻きつつ慌てて取り出してみたら、180分テープを入れたつもりだったのに、120分テープを標準モードで使っていた。嗚呼、時間切れ。妻が憮然とした表情で立ち上がり、それまで見ないように努めていた夕刊を持ってくる。0-1のまま終わっていた。よかった。延長になんか入ってたら、妻にお仕置きされるところだった。でも「イングランド出場決定!」の歓喜の瞬間を見られなかった。すっげー中途半端な気分。ちぇっ。キックオフが10分も遅れなければ、テープも足りたはずなのに。
 ともあれ、アイルランドもウクライナも出場を逃してしまったようなので、せめてイングランドが通過してくれて何より何より。しかしまあ、最後の最後まで薄氷踏みまくりだったよな。これでEURO2000出場国は、

●オランダ(開催国)
●ベルギー(開催国)
●イタリア
●フランス
●ドイツ
●スペイン
●イングランド
●ポルトガル
●ユーゴスラビア
●スウェーデン
●ノルウェー
●ルーマニア
●チェコ
●デンマーク
●トルコ
●スロベニア

 ……という顔ぶれ。予選が終わってみれば、かなりヤバかったフランスも、キプロスに負けたスペインも、一度くらい地獄を見てみりゃよかったのにドイツも出てくるわけで、主要国の「まさかの敗退」がない無難な結果になった感じ。ロシア、ウクライナあたりも見たかったけどな。フランスW杯からこっち、旧ソ連勢は国際大会でツキがない。ああ、あとはクロアチア(FIFAランキング6位)もいないか。アウトサイダーの中では、トルコが台風の目候補かも。それより何より、大会が盛り上がるかどうかはオランダの復調がカギを握っているのである。頼むぜクライフ。クライフに頼んでもしょうがないですか。関係ないがクライフはマドリーからのオファーを蹴ったらしい。当たり前である。オファー出すなよ。いずれにしても、来年の6月が楽しみだー。全試合中継してくれー。

11月18日(木)12:30 p.m.
 エレベーターのボタン、ドアノブ、AV機器のスイッチ、クルマのドア、等々に触れるのが恐ろしい季節になった。怯えながらそーっと触るときは出てこないくせに、静電気は忘れた頃に現れる。この怪奇現象のせいで冬場は相当なストレスを抱える俺なのであった。最近は、ウーロン茶の缶を持つときさえビクついている。缶は大丈夫ですね、缶は。静電気が起こりやすいのって、どういう人なんですか。体重と何か関係があるのだろうか。髭を剃ったほうがいいのだろうか。日頃の行いに何か問題があるのだろうか。シャクティパットで治ったりしないんだろうか。

 浦和×市原(J1生き残りデスマッチ)は1-0でレッズの勝ち。優勝争いより残留争いのほうが注目されるのもいかがなものかと思っていたが、やっぱ、これは力が入る。しかも後半40分すぎに決勝ゴールを決めたのがベテラン福田とあっては、ドラマチックなものを感じざるを得ませんな、とりあえず。これで両者は勝ち点で並んだとか。どっちが降格するにしても、札幌にとっちゃ強敵だよなー。FC東京も昇格を逃すかもしれんし。コータはセレッソに行くのかしら。嗚呼。ところで浦和が落ちたら小野はどうすんだ。海外に出るしかないか。

 オビエド×ラ・コルーニャ(リーガ第11節)は0-1でラ・コルーニャの辛勝。決勝点はジャウミーニャのPKだったのだが、これが実に不可解な判定だった。ゴールに背を向けたポスト役のFWにボールが入る。GKが背後からからんで脚がもつれあう。FWの選手はややよろめいただけで倒れることはなく、ボールを右サイドにはたいたのであるが、ここでホイッスル。誰も倒れてないのにPKを与えるなんて、(ハンド以外では)初めて見た。しかもオビエドのホームゲームなのに。ラ・コルーニャにとっては、めっちゃラッキーな勝ち点3であった。

11月17日(水)12:40 p.m.
 トッテナム入りの噂があったラバネッリはイタリアに復帰しそうだとか、ラツィオに来るはずだったパレルモにベティスがオファーを出してるとか、移籍の話はまったくもってよう判らん。まあ、パレルモはいずれにしても靱帯断裂でしばらくサッカーできないみたいだから、どっちでもいいけど。なんで俺はパレルモのことがこんなに気になるんだ?

 最近我が家では「いろがみ歌合戦」が流行っている。セガレが「これ歌って」と色紙を持ってきて俺に歌わせるのである。俺しか歌ってないんだから「合戦」じゃないか。緑のときは「プレイバック・パート2」(緑の中を走り抜けてく……)、銀紙のときは「七夕」(金銀すなご)、白のときは「花びらの白い色は恋人の色」(古すぎる)といった具合なのだが、セガレは紫のときに歌ってやる「パープル・タウン」がいたくお気に入りのご様子で、真似して歌おうとする。でも何故か「七夕」と混じってしまい、「パープル・タウン、パープル・タウン、のーきーばーにーゆーれーるー」となってしまうのであった。「プレイバック・パート2」も好きなようだが、2歳児に教えるには歌詞に問題があるかしら。バカにしないでよ。

 コリンチャンス×パルメイラス(リベルタドーレス杯準々決勝第2戦)のブラジル勢対決は、きのう見たアルゼンチン対決とはうってかわってお互いに遅攻の多いまったりしたペース。第1戦を2-0でパルメイラスがモノにした後のセカンドマッチである。久しぶりに見る(1年ぶりぐらいか?)マルセリーニョ・カリオカは相変わらずファンキーな選手だった。右サイドに張っていたかと思うと次は左サイドを駆け上がり、ふと気づくとゴール前で勝負しているという神出鬼没ぶり。決まらなかったもののFKの威力も抜群だ。時折、何を企んだのかさっぱり判らないデタラメなミスキックも飛び出すが、これはご愛敬。ツボにはまったときのクロスは、ベッカムより華麗で危険な匂いを放っていた。コリンチャンスの2点は、いずれもDFとGKの隙間を狙った彼の絶妙なクロスが生んだもの。先制点は右からのボールをエジウソンが、2点目は左からのボールをリカルジーニョが、ともに足を投げ出すようにジャンプし、ボレーで決めていた。エジウソンとジュニオールがつかみ合いの喧嘩を演じて共に退場するという乱戦は、90分を終わって2-0。トータル2-2で延長なしのPK戦に突入し、2-4でパルメイラスがこれを制した。コパ・アメリカもそうだったけど、南米っていつも延長なしでPK戦をやるんだろうか。欧州よりもPK戦を厭う感覚が少ないのかもしれない。それにしてもコリンチャンスは惜しかった。エジウソンが退場してなけりゃ、もう1点ぐらい取れただろうに。マルセリーニョ・カリオカ、トヨタカップでベッカムと比べてみたかったなー。パルメイラスはサポーターが観戦ツアーをキャンセルするぐらい不調のようだし。

 城が移籍するとかしないとかいってるチームはどんなもんかと思いつつ、レアル・ソシエダ×バリャドリッド(リーガ第11節)を見る。実況は元TBSの大御所・渡辺健太郎。もともと「ラドラ」が「ダドダ」になるというカツゼツの悪さで知られたアナウンサーであるだけに、「バリャドリッド」はめちゃめちゃ発音しにくそう(バダドディッド)だった。でも物凄く楽しそうに喋ってるから許しちゃう。試合はサ・ピントが1ゴール2アシストの大活躍(そんな活躍、初めて見たかも)でクレメンテに初勝利(3-0)をプレゼント。ホームでは猛烈に頑張る印象のあるバリャドリッドは、アウエーになるとからっきし意気地がない。ろくに攻撃できず、城に何が求められているかなんてことは皆目わからなかった。今季フラメンゴから来たロドリゴというブラジル人FWがたまに冴えたドリブルを見せていたが、彼が城のライバルだかパートナーだかになるんだろうか。しかし城がスペインねぇ……。ところで、「MALLORKA」が「マジョルカ」なら「VALLADOLID」は「バリャドリッド」じゃなくて「バジャドリッド」になるんじゃないか? どうでもいいようなことだけど、こうして毎日サッカーのこと書いていると細かいことがとっても気になるのである。

11月16日(火)13:20 p.m.
 上司に指示されて身内の覚醒剤使用を隠蔽しようとした(と思われる)神奈川県警の下っ端職員たちのことが、なんだか気の毒だと思うのは俺だけだろうか。本人はともかく、あんなふうに夫や父親の名前と顔写真を大々的に公開されて社会的生命を抹殺されたんじゃ、妻や子はたまらんよなー。家族の将来を考えると、ちっとは報道する側も手加減してやれんもんかと思うのである。……こういう発想が「身内に甘い体質」を生むのかもしれんが。ごめんなさい。俺も身内に厳しくなんかできません。でもさー、ちょっと話は違うかもしれんが、女子大生の拉致監禁事件が狂言だと判明したとき、その父親が自分のところの社員だということを伏せてなかったか朝日新聞。まだ真相が明らかになる前、その父親が週刊誌でジャーナリストと対談したときは、思いっきり朝日の看板を背負わせてたくせに。

 セルタ×ローザンヌ(UEFAカップ1回戦第2戦)を見る。ローザンヌでの第1戦もちらっと見たのだが、そちらは3-2でセルタが負けていた。たしか3-0から1点差まで詰め寄ったんだと思う。そしてこの第2戦。やはりセルタは強かった。ベニ・マッカーシーのハットトリック&モストヴォイのゴールで4-0。モストヴォイのはとってもヘンなゴールだった。カウンターから相手DFの裏に抜け、ペナルティ・エリア内でいったんストップしたモストヴォイは、その場で1回ボールを軽くリフティングしてから足の裏でボールをプレイスし直し、ゆっくりゴール方向をルックアップしてから右足でシュート。「おいおい、何もたもたしてんだよ」と見てるほうが慌てるぐらいの悠長さだったが、ボールはGKとその背後でカバーしていたディフェンダーをあざ笑うようにゴールインしたのであった。なんなんだ、あの「間」は。エリア内にいたモストヴォイ以外の全員がエアポケットに入ってしまったような感じ。うーむ。彼も魔法の使い手であったか。

 アルゼンチン勢同士の対戦となったリーベル・プレート×ベレス(リベルタドーレス杯準々決勝第1戦)は2-0でリーベル。5月に行われた試合なんで、今は欧州にいるガジャルド(モナコ)やブルゴス(マジョルカ)がまだリーベルにいてヘンな感じだった。ただしブルゴスは控え。彼、この後のコパ・アメリカでは代表の正GKじゃなかったか? マジョルカもどういう補強をしたんだか。最近マジョルカのゲームを見ていないけど、ブルゴスはまだゴールマウスに立っているんだろうか。リーベルの先制点は疑惑のゴール。さすがの反射神経を見せたチラベルトがライン寸前で掻き出したように見えたが判定はゴールインだった。もちろん、チラベルトは怒濤の猛抗議。それにしても序盤から飛ばしまくったリーベルのプレッシャーは凄まじかった。尋常じゃない。2点目を決めたサヴィオラという17歳(!)のストライカーは将来性十分。小柄でコマネズミのように走り回るあたり、オーウェンを彷彿とさせる。すくすくと成長してもらいたいものだ。

 ところで今日はジョホールバル記念日じゃなかったっけか。あれから2年かー。ぜんぜん関係ないけど、たくぎんが破綻したのは、あの翌日のことだった。たくぎん職員の中にもサッカー・ファンはいただろうに。まさに天国から地獄である。いまごろ同情してどうすんだ。

似てる人シリーズ#68

 元リーベルのガジャルドと
 ばんばひろふみ。(妻)

 ……でもキンキとバンバンは似ていない。

11月15日(月)15:50 p.m.
 朝っぱらから鬱陶しいマンションの電話セールスを受けてご機嫌ななめである。こっちに喋る(断る)隙を与えずにべらべらべらべら喋りまくり。うるさいんで受話器を耳から離して脇に置いたのだが、それでもまだ喋っていた。言いたいことをチラシに書いて配布したほうが効率がいいと思うぞ。さんざん喋らせておいて、「切りますよー」と言って切ったら、またかけてきて「バカ」とか何とか捨て台詞を吐きやがった。文句を言おうと思っても、こっちから電話できないのですっげー頭に来る。今度から、相手の名前と連絡先を問い質してから話を聞くことにしよう。不届きなメールといい、食事時の訪問調査といい、電話セールスといい、どうも最近こういう不愉快なアクセスが多いな。俺はふだん人間関係上の摩擦がきわめて少ない平穏な日常を送っているせいか、ちょっとしたことで猛烈に腹が立つのである。妻にも、「アブない人が多いから、あんまり相手を刺激しないほうがいいわよ」と窘められることが多い。たしかにそうなんだけどさ。以前、読売新聞の勧誘員と怒鳴り合いになったときは、キレた若造が報復にやって来るんじゃないかと、ちょっとおっかなかったりしたものだ。もう少しオトナにならんとイカンな。反省。でも、ピンク・チラシをばらまくような感覚で生身の個人に電話やメールで接触するのはやめてほしい。郵便受けはただの箱だけど、こっちには感情ってもんがあるんだから。それとも、こっちも郵便受けになったつもりで対応すればいのだろうか。いやな世の中である。

 きのうは朝から、ライカールト監督の正念場ともいえるオランダ×チェコ(国際親善試合)を観戦。オランダはフランク・デ・ブールも復帰し、クライファート、ベルカンプ、ダビッツ、スタム、コクー、ロナルド・デ・ブールなどなど、ほぼベストの布陣である。一方、EURO予選を10戦全勝(勝ち点30!)で勝ち抜いたチェコのほうは、ポボルスキーやネドベドはいるものの、たぶん主力級だと思われるベルガー、スミチェル(いずれもリヴァプール)が故障で欠場。ホームのオランダとしては、今年最後のAマッチをきっちり勝って締めくくりたいところだった。なのに、また引き分け。スコアは1-1。オランダの先制点は、フランクのFKをスタムが右足のボレーで叩き込んだものであった。唯一のゴールがDF2人のお手柄というんじゃ、あまりにも寂しい。フランスで輝きを放った、あの強いオランダはどこへ行ってしまったんだ? これで今年は一つも勝ち星なし。やっぱ、クラブチームの監督経験もない人間に、代表監督は重荷だったのかなー。でも、それをあえて試みるオランダという国の発想が好きだったりするんだが。安楽死もドラッグも売春宿も合法にしちゃうオランダって、国そのものが「実験くん」みたいな感じじゃあないですか。

 セルタ×ベティス(リーガ第11節)は、なんと5-1でセルタの圧勝。今季ほとんど見る機会がなかったが、セルタはつおい。開始3分でベティスが先制したんだけど、そんなもの、蚊に刺された程度にも感じてなかったんじゃないだろうかしら。こりゃあ、CLに出てもらいたかった。このセルタとバルサが中日と千秋楽(19節と38節)で対戦するというのは、なかなか味な日程である。「勝ったほうが優勝」で最終節を迎えたりしたら、めちゃめちゃ楽しいぞ。

 ベジャビスタ×デポルティボ・カリ(リベルタドーレス杯準々決勝第2戦)なるゲームを見る。ベジャビスタはウルグアイ、D・カリはコロンビアのクラブだ。第1戦はホームのカリが2-1で勝ったらしい。そしてこの第2戦は、追いかけるベジャビスタが先制。しかしボニージャ(現ソシエダ)の同点ゴールでカリが準決勝進出を決めた。どうでもいいが、南米のスタジアムは照明が暗い。そして芝生が深い。散乱したトイレットペーパーが汚い(もちろん使用前だけど)。でも見ていて楽しい。半分以上は倉敷アナのお陰だと思うが、退屈するということがなかった。ところで「デポルティボ」ってどういう意味ですか。英語の「deport(追放する、流刑に処する)」と何か関係あるのだろうか。

 ハンザ・ロストック×ハンブルガーSV(ブンデスリーガ第11節)を後半から観戦。読書しながらなんでよく見てなかったが、ハンブルガーのグラモーツィスというギリシャ人MFのゴールは物凄かった。エリア外から右足で蹴ったボールが低い弾道を描いてGKの左手を弾き飛ばしたのであるが、右足の振り幅とボールの速度&威力が、科学的な法則性(どんな法則だか知らんが)をまるっきり無視しているように見えた。あの小さい振り幅で、あんなボールが飛んでいくかね。試合は点の奪い合いで3-3のドロー。ブンデスリーガも、なかなか迫力がある。捨てたもんじゃない。

11月14日(日)
 今週末は欧州リーグ戦がお休みのため、ふだんあまり見ない種類のサッカーを見る。まず昨日の昼間は、帝京×都立国分寺(全国高校選手権予選・東京A決勝)を観戦。おお。国分寺。サッカー強かったのかー。中学の同級生が何人か行っていることもあって応援していたが、健闘空しく3-1で帝京の勝ち。でも、「胸を借りる」というムードは微塵もなく、自信満々に戦っていたのが頼もしかった。甲子園に出た城東といい、最近の都立高校は強いなぁ。学業のほうはさっぱりのようだけど。B決勝のほうは地元の國學院久我山がこちらも都立の久留米を下したらしい。しかし久我山商店街はとくに盛り上がっている様子もなかった。ま、地元といっても登下校のラッシュで邪魔くさいだけなんだけど。

 タイ×日本(五輪アジア最終予選)は0-6という1次予選のようなスコアで有終の美を飾る。アメリカW杯予選で初めて代表のゲームを見た(そういえば1次のUAE戦は国立で観戦したな)俺のような人間でさえ、「最終予選」と名の付く舞台で突破を決めた上に消化試合があるというのは実に驚くべきことなんだから、昔からのファンは感激もひとしおだろうなぁ。聞いた話では、十数年前のW杯予選のとき、香港のスタジアムではジャーナリストの後藤健夫さんが一人で日の丸を振り回していたらしい。そういう人たちの苦渋があって、いまがあるわけだ。

 ベンフィカ×ディナモ・ブカレスト(UEFAカップ1回戦第1戦)を観戦。昨季CLでは俺を含めた本誌読者の圧倒的(?)支持を受けながら、あのカイザース退屈ラウテルンの前に苦杯を舐めたベンフィカが、今季はUEFAカップに登場である。ジョアン・ピントがいる。ヌーノ・ゴメスがいる。ポボルスキーがいる。しかしベンフィカは弱かった。前半、強烈なFKをGKが押さえきれずに先制を許し、そのまま0-1で負け。9月の試合で、ブカレストでの第2戦の結果は知らないが、これじゃアカンわ。ポルトガル代表と同様、スルーパスやクロスで相手ゴールに迫るところまでは見事なのに、それを決めるストライカーがおらん。どんな素人が見たって補強ポイントはそこなのに、なんで放置しておくんだろう。ソサとかパレルモとかアンデションみたいなでっかいFWが一人いるだけでずいぶん得点力が上がると思うんだけど。まあ、それをやっちゃあおしめぇよ、という部分もあるんだとは思う。ああいうサッカーだから応援したくなるわけだし。ブカレストのほうは、地味ながら守備が堅い。ところで、どうして旧共産圏には「ディナモ(ダイナモ?)」が多いんですか。

 セロ・ポルテーニョ×エストゥデアンテス・メリダ(リベルタドーレス杯準々決勝第2戦)を見る。セロはパラグアイ、メリダはベネズエラのクラブである。コパ・アメリカで(いろんな意味で)鮮烈な印象を残して去っていったベネズエラは、かつては北中米協会所属だったのだが、何年か前から南米協会に所属するようになり、それからサッカーも強化が進んでいるらしい。この大会のベスト8に残るのがどれぐらい凄いことなのかよく判らないけれど、まさかベネズエラのクラブが見られるとは思わなかったな。しかも第1戦はホームのメリダが3-0で勝ったという。凄いじゃないかエストゥデアンテス・メリダ。ところが。圧倒的に有利だったはずのメリダは、第2戦を0-4で落としてしまったのであった。まるで予定調和のような大逆転。でも見たかぎり、どうやって第1戦を3-0で勝ったのか、それ以前にどうやって準々決勝まで勝ち進んだのか、まったく判らん。フィールド・プレイヤーはそこそこ上手いけど、何よりもGKがヘタクソ。ハイボールへの対応が、草野球の外野手(しかもライパチ君)レベルだった。必ず目測を誤って、ボールに触れない(つまり「バンザイ」をしている)のである。驚いた。Jリーグはもちろん、高校選手権にだって、あんなにヘタクソなGKはいないと思うね。ともあれ、アスンシオンのスタジアムは狂喜乱舞。コパのとき友人に指摘されて気づいたのだが、どうしてパラグアイの観客はゴールが決まるとスタンドの上のほうに向かって走り始めるのだろうか。セロのサポーターも、みんな駆け上がっていた。アルゼンチンみたいに観客が前のほうに雪崩を打って押し寄せるのは理解できるが、グラウンドに背を向けて上に行くのはわからんなー。やっぱ、いったん帰宅してテレビのリプレイを見てるんだろうか。謎だ。

11月13日(土)
 ラージョ・バジェカーノ×レアル・マドリー(リーガ第11節)を見る。これって、BS-1でやってたんだっけ? なぜか首位を走る昇格組の星バジェカーノが、さっさと2点を先制。しかし終わってみれば2-3でマドリーが逆転勝ちを収めた。開幕戦もそうだったけど、ぜんぜん調子がよくないのに、時折こうして驚くほどの粘り強さを発揮するのがマドリーの不思議なところである。

 モナコ×マルセイユ(フランスリーグ第14節)は1-1のドロー。お互いに攻め合う、けっこう面白いゲームだった。マルセイユの先制点は、リュクサン(だかルクサンだかルーチンだか)という二十歳の選手のFKによるもの。これが凄いキックだった。思わず壁の選手が避けてたもんなー。欧州は五輪期間中リーグ戦を中断するという話になりそうな雲行きだが、こんなトップ・カテゴリーのレギュラークラスが出てくるとしたら、楽しみなような怖いような。もっとも欧州の出場枠はたったの4つだけど。アジアが3で欧州が4、ついでに言えば南米が2って、何か間違っているとしか思えない。モナコのほうではガジャルドが元気そうだった。来季はイタリアかスペインあたりでプレイしてるかもしれん。

 アトレチコ・マドリー×ヌマンシア(リーガ第11節)は、前後半に1点ずつ取ったアトレチコが余裕の試合運びで、やっとどん底状態を抜け出したかと思いきや、1点返されて2-1となってからはドタバタ。ヌマンシアがバルサ戦を彷彿とさせるロスタイムの同点ゴールを決めて2-2のドローである。アウエーでも頑張ったヌマンシアはえらい。アトレチコは……年明けにシメオネを獲得するという噂は本当ですか。

似てる人シリーズ#66

 マルセイユのラバネッリと
 南伸坊(頭と輪郭だけで、顔の「具」は除く)。

似てる人シリーズ#67

 モナコのガジャルドと
 キンキキッズの髪の毛が短いほう。

前のページはこちら!



Back to "BIG INNING PROJECT"