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江戸川駄筆のサッカー日誌
1999-2000/vol.26



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Readers' Mail No.091(2/8)

久しぶりに中田を見ました

by ジタン観戦不能ユベンテーノ

 昨年のW引越し(自宅+事務所の意味)以来、ご無沙汰しております。それに加えて、パソコンを新調したところブックマークを全て消去してしまい..ここのアドレス(サッカー日誌)にたどり着くのが大変億劫になってしまいました。タボンのFAXよりアドレスを入力したところ、なんと「fb40」まで進んでおりビックリしました。取り急ぎ2/1分以降は読破(?)しましたので、暇を見て1月分くらいまではバックナンバー(読み)します。と言い訳はここまで本題に...

 最近、なんでサッカー日誌を見ないか? 投稿しないのか? このメールを書きながら自問自答したところ、スト魔(※編集部注=「ストライカー魔王」の略で、本誌編集人も参加しているゴール数コンテストのこと)には参加しているものの「ゲームが見れない」の一点に集約される気がします。今にして思うと、CLからセリエAにユーロが一遍に見れるチャンネルというのは夢のような存在だったという気さえします。(WOWOWはユーロに幾ら使ったんだ?)W杯が地上波で見れないというのは広告やメディアに携わっている人間としては「マジでありえるな」と思っております。

 しかし、新聞のテレビ欄でローマとベネチアの試合がないかと毎土日に目で追う作業は面倒で悲しい作業で、ズボラらな私とスト魔事務局員は3回に2回は見逃しております。テレパルとかのガイドブック生活になれきった人間には新聞ラテ面をチェックし録画予約という作業は非常に困難を伴います。

 というわけで、テレ朝の「ローマ-ベネチア」戦により久しぶりに中田を1時間以上拝見(?)しました。カフーからもパスは来ないけど、中田からトッテイへのパスはあってもトッティからのパスはあの試合中にあったでしょうか?私は確認できませんでした。サッカーはチーム内でも弱肉強食のスポーツですから、新参者がこのような扱いを受けることは珍しくはありませんが、想像以上に困難な状況であると認識いたしました。特にカフーとかザーゴ柏なんかのブラジル勢はそういうことに敏感そうでチームのプリンシペたるトッティの顔色を伺いながら出来たらこのまま中田に活躍してほしくないような意思まで感じ取ってしまったのは深読みしすぎ? でも彼らみたいなタイプは中田がちょっと活躍してチーム内でのポジションを確立すれば手のひらを返したようにパスを出してくるから、もうちょっとの辛抱だぞヒデ! どちらかというと一匹狼的なモンテーラとかいい人そうなデルベッキオとかに彼らがありがたいと思うスルーパスを出しつづけるしかないのでしょうね?(ボランチで守備の及第点をクリアーしながら)でも賢いカッペッロのことだから、ユーベやミランと戦うときはトップ下は中田の方がベストと感じていると思いますけど(別にトッティは嫌いじゃないですよ)。中田の移籍前からラツィオよりは断然ローマ派ですし(年寄りとしてはファルカン・セレーゾ時代から見ているので)早くもローマのCL進出を願ってます。でも優勝は当然トリノの青春ですよ! ほとんど見れないけど...。

追伸、真剣に会社へのスカパー設置を考え始めました(たった今)。チューナーはどこのメーカーがいいんでしょうかね? にしさん?

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2月15日(火)9:50 a.m.
 目・肩・腰が辛い。とりわけ腰は一触即発の状態である。うー、痛てぇよー。嗚呼、また「ほら、いっそのこと休んじゃえよ」という悪魔の囁きが聞こえる。この悪魔、必ず「体調悪いときに仕事したって、ろくな原稿書けないぞ」と付け加えるところがイヤらしい。そうかなぁ、そうだよねぇ、休んじゃおっか。いやいや、いかんいかん。体調が良くたって、ろくな原稿なんか書けないんである。単行本の原稿は、質より量が大事。そうでも思わないとガッツが出ない。

 ラツィオ×パルマ(セリエA第21節)をビデオ観戦。ホームのラツィオが負けられないのはもちろん、しばらく白星から見放されているパルマも必死である。勝ち点差を考えても、ドローでよしとするわけにはいかない。よって、お互いにぎりぎりのリスクを背負いながら攻め合う、最高に緊迫したゲームとなった。息が止まるような決定機の連続。両GKの好守。果敢に攻め上がる俊敏なCBたち。なにしろ0-0の後半40分にアウエーチームのCB(カンナバーロ)がドリブルで敵ゴール前まで突進するんだから、この試合に懸ける意気込みがわかる。スコアレスドローだったが、やっぱりサッカーはゴールシーンだけじゃないんである。どちらにとっても痛い引き分けかもしれないけれど、これがカルチョだぜっていう達成感は選手にあったんじゃなかろうか。良いゲームでした。ただ欲を言えば、あそこは決めてほしかったなー。ネスタが猛然とドリブルで駆け上がり、ペナルティ・エリア手前から上げたクロスが、ミサイルのごとく空を飛んできたサラスの頭にどんぴしゃり。このプレイは正しく「完成」させてやりたかった。あと、クサビを受けたボクシッチが倒されたプレイはPKだぞ。ま、PKで決着させるのは酷い試合ではあったが。

 ベティス×バルセロナ(リーガ第24節)を見る。あー、そうそう、ヒディンクがベティスの監督になったんだったよね。オランダ人監督対決である。前節ホームで惨敗したファンハールにとってはあらゆる意味で負けられないゲームである。しかし、負けた。また負けた。終わり間際にクライファートが一矢報いただけの2-1。10人になったベティスに追加点を奪われるというていたらくである。リーガではラ・コルーニャに肩入れしてるから俺はかまわないけど、こりゃまずいだろファンハール。しかも今夜のバジャドリ戦でマドリーが勝てば、勝ち点で抜かれるんだという。これは許されない。去年の不調時はマドリーが低迷してたから良かったようなものの、今回はCL再開を待たずに監督交代、なんてこともあり得るんじゃなかろうか。

似てる人シリーズ

 #79 ラツィオのネドベドとヤナ・ノボトナ。
 #80 パルマのマレサーニ監督とモニカ・セレス。

2月14日(月)10:15 a.m.
 きのうは、まず夕刻よりボローニャ×ミラン(セリエA第21節)を観戦。前半にガットゥーゾ、後半早々にもシェフチェンコ、ビアホフのゴールで0-3としたミランの楽勝かと思われたが、大差から生じる油断は怖い。ビアホフのゴールから1分後にインゲソン、さらにその1分後にもエリベルトがバタバタとゴールを決め、あっという間に2-3の大接戦になってしまった。それゆけボローニャ。しかし、結局そのまま2-3で終わってしまうあたりがイタリアらしさか。惜しかったなー、ボローニャ。ゴールライン上でアッビアーティが押さえたボールを、3人がかりで押し込もうとしたシーンは執念を感じさせた。だけどラグビーじゃないんだから、モールは組まないように。

 バジャドリ×バレンシア(リーガ第24節)を後半から観戦。なんでか知らんがバレンシアはメンディエータが前半で退場になっていた。和製マタドール君はまだ点の取り方を覚えていないようで、スコアレスドロー。つまらん。

 日本×シンガポール(アジア杯予選)を観戦。鍋をつつきながら横目で見ていたんだけど、それでも得点シーンを見逃さないってのはどういうわけかというと、セットプレイでしか点が入らないからである。中沢がポイントゲッターになってどうする。ほっといても5点以上は入るんだろうと思っていたのに、たったの3-0。まあ、あんだけ守られればそんなもんなんだろうけどさ。切ない。こうなったら、コータを呼べコータを。こういう格下相手のゲームでは頼りになるぞ、あいつは。

 先週のゲームだが、ラ・コルーニャ×レアル・マドリー(リーガ第23節)を観戦。かっぱぎサッカーが復活したデポルティボが5-2で圧勝である。よしよし。それにしてもスペインのカメラが凄いと思うのは、ラ・コルーニャの4点目(5点目だったかな)の前後にラウールの表情をアップで抜いて見せたところ。CKの前と後にもっともそのプレイに関係ない選手をアップにし、しかもそれが試合の状況を雄弁に物語っているあたりが面白い。選手にとっては、油断も隙もないって感じだろうな。

 23時からは、どれをライブで見るか迷った末に、ユベントス×レッチェ(セリエA第21節)を観戦。ふつうはローマやベネチアを見るんだろうが、やはりユーベには吸引力がある。しかし結果的に、いちばん退屈な試合を見てしまったようだ。前半にジダンのFKで先制したユーベが、そのまま逃げ切り。前半ロスタイムにタッキナルディがレッドを喰らい、10人でしのぎ切ったあたりはさすがである。ああ青春のイチゼロ。同じ時間に生中継していたローマ戦とベネチア戦のハイライトを見たら、2試合で計7ゴールも入っていた。ゴールシーンだけがサッカーじゃないとはいえ、大いに後悔。しかしガンツの2ゴールは嬉しい。

2月13日(日)
 昨夜は、1週間つんどくになっていたサンダーランド×ニューカッスル(プレミア第24節)をビデオ観戦。苦境のサンダーランドは、頼みのクインが故障から復帰。0-2から2-2に追いつくガッツを見せた。プレミアらしい好ゲームである。聞けば、ノースイースト・ダービーと呼ばれる試合だったらしい。北東ダービー? どうもイングランドの地理はよくわからない。

 引き続き、ニューカッスル×マンチェスターU(プレミア第25節)をライブで見る。さっきの試合(実際は1週間前だけど)では2点差を追いつかれたとはいえ、力強いサッカーをしていたニューカッスルの発奮に期待。しかし序盤は華麗なパスワークを見せるユナイテッドに対して、ニューカッスルのほうはアバウトなロングボールを放り込むばかりで、こりゃラベルが違うかと思わせた。ところが。巨漢FWダンカン・ファーガソンが、シアラーからのパスを振り向きざまにダイレクト・シュート。ただ高いだけのタワー系ストライカーだと思っていたが、図体がでかいわりに身のこなしがビエリ並みに(ホメ過ぎ)素早い。この先制点で勇気づけられたニューカッスルが、後半にもシアラーの2ゴールを加えて3-0の圧勝である。よーし。後半途中にキーンが退場になっていたとはいえ、あのユナイテッドを腕力でねじ伏せたニューカッスルの気合いに拍手。えらい気持ちよかった。

2月12日(土)10:50 a.m.
 すんごく唐突なのであるが、別に誰も困らないだろうし、ゆうべ寝しなにふと思いついた筆名がいたく気に入ってしまったんで、本日より改名するのである。今日からおいらは、江戸川駄筆。うーん、新鮮だ。ほんとはDABITSUと読ませたいところだが、ちと無理があるんで、ここは一つDAPITSUと読むことにしよう。抑揚は「大工」と同じではなくて、「第九」と同じのほうがいいな。イントネーションが問題になる状況ってのも考えにくいけど。いや、なんかね、今までの名前は最初からあんまり気に入ってなかったんだよね。どうでもいいですか。そうですか。んじゃ、気分を新たにがんばっていこー。

 昨夜は、ボルシア・ドルトムント×カイザースラウテルン(ブンデスリーガ第18節)を観戦。バイエルンからカイザースに追い出されたバスラーが見たかったのだが、出場停止を喰らってスタンドで観戦しておった。しかしジョルカエフは健在。いいねー、一人で中盤を切り盛りしてる感じ。3人に囲まれてもちゃんとキープして味方につなぐあたりはさすがである。そのジョルカエフがゴールラインぎりぎりからヘッドで折り返したボールをコッホという選手が押し込んで、これが決勝点。0-1でカイザースの勝ちであった。ドルトムントのほうは、メラーのメの字も出てこない。どうしちゃったんだろうか。

 アトレチコ・マドリー×サラゴサ(リーガ第23節)は、またまたアトレチコのダメさ加減が炸裂したゲームであった。ハッセルバインクのPKとFKで2-0としたにもかかわらず、80分にCKから1点差に詰め寄られると、その2分後には交替で入ったばかりのガリターノに「代打ホームラン」みたいなFKをあっさり放り込まれて同点である。気持ちを切り替えて攻めようにも、2-1の時点でキコを下げて守りに入っていたもんで、どうにもならない。そのまま2-2のドロー。こんなゲームばっかりやってるのに、いまだにラニエリ監督が指揮を取っているのが不思議である。

 ラツィオ×ベネチア(コッパイタリア準決勝第1戦)は、今季のベストゲームではないかと思えるような胸のすく一戦であった。中盤のアルゼンチン人はアルメイダだけで、左にネドベド、右にコンセイソン、中央にマンチーニを置く布陣。2トップはボクシッチとラバネッリで、要するにラバネッリ以外は去年のメンバーである。W杯南米予選でアルゼンチン勢が引っこ抜かれたときを想定した予行演習のようにも見えたが、これがなかなかどうして悪くないんだな。アルメイダが生き生きとプレイしてるように見えるし、マンチーニも「ピッチの監督」として仕切り甲斐がありそう。前半はそのマンチーニが立て続けに2ゴールを決め、ミハイロのPKもあって3-0。マンチーニのゴールが、やっと拝めて嬉しい。コッパではユーベとの第1戦でも入れているらしいが。試合のほうは、後半早々にもミハイロがPKを入れて4-0。その時点で「今日はこのくらいにしといたろ」という雰囲気になったラツィオだったが、その中で一人だけしゃかりきになってゴールを目指していたのがラバネッリである。前半にミハイロから譲ってもらったPKを止められて以降、こんなに余裕のある試合なのに、彼だけは憔悴しきった表情でボールを追っていたのであった。GKとの1対1は外すわ、オフサイドは取られまくるわで顔色が悪くなる一方だったのだが、終了間際にマンチーニから「しょうがねーな、決めさせてやるよ」と言わんばかりの絶妙なスルーパスを受けて、ついにゴールをゲット。よかったねぇ。また泣くんじゃないかと思ったよ。ともあれ5-0で勝ったラツィオが、決勝進出をほぼ確実にしたのであった。名波不在のベネチアはローマ戦に続く大敗で、今週はオリンピコで10失点。スパレッティ(ふつう1シーズンに2度もクビになるかね)の後任オッド監督が、押し黙ったまま沈痛な表情でピッチを眺めている姿が印象的だった。

2月11日(金)12:20 p.m.
 誰も覚えちゃいないと思うけど、以前、「オペルは車を生産し始めるまで何を作っていたのか」というようなことを書いたことがある。その疑問が氷解。セガレが欲しがるので絵本がわりに買い与えた『絶版車カタログ(外車編)』によれば、当初オペル社はミシンメーカーだったらしい。はぁ。ミシンねぇ。ま、ミシンもクルマも「足で踏むと動くキカイ」という点では同じだが。そう言われてみりゃ、ミランやバイエルンやパリSGでお馴染みのあのマークも、ボタンを糸でテキトーに縫いつけたような図柄に見えなくもない。ボタン付けにミシンは使わないか。それで思い出したが、セレッソ大阪がバイエルンと業務提携だか何だかをして、いずれは胸にオペルのロゴが入る可能性もあるんだとか。ほほー。かっこええやん。……ちなみに、さっき書いた「見えなくもない」にもATOKのツッコミが入った。ほっとけ。

 昨夜は、カリアリ×インテル(コッパイタリア準決勝第1戦)を観戦。このところの早起きがたたって、カリアリが1-1に追いついたところまで見て睡魔に負けてしまった。ゲームが退屈だったせいもあるんだけど。どうやら、その後ビエリの2ゴールもあってインテルが1-3で勝ったらしい。カリアリの怪進撃も、もはやこれまでか。でもラツィオとインテルが来季CLに出場すれば、カリアリかベネチアがUEFAカップに回れる可能性があるってことだよねぇ。すごいすごい。でも、2部落ちしても出場資格あんのか?

 きのう書いたATOKをめぐる「微妙な話」については、なにぶん不勉強であるがゆえ何かおかしなことを書いているかもしれないので、賢明なる読者諸氏の御意見を伺ってみたいところ。俺の考え方が間違っていたら、遠慮なく叱っていただきたい。念のため言っておくと、俺の主張はただ一点、変換システムの漢字辞書も「辞書」である以上、製本された辞書と同じようにニュートラルな姿勢で編纂されるべきだ、ということである。もちろん製本された辞書が完全にニュートラルなものだとは思わないし、実際「新解さん」のように思い切った解釈を試みている国語辞典もあるわけだが、少なくとも掲載する語彙の選別に関して「使用頻度」以外の政治的な基準を設けてはいないんじゃないかと思う。しかしATOKの場合、あれからまたいろいろ調べてみたんだけど、やっぱり何らかのバイアスがかかっているとしか思えない。ATOK以外の変換システムがどうなっているかも、知りたいところである。

2月10日(木)8:55 a.m.
 こういう微妙な話をここでするのもどんなものかと、いささか躊躇いながら書くのであるが、俺の使っているATOK11は、ユーザーが自分で単語登録をしない限り、かつて石原都知事が口にして物議をかもした中国の呼称や、ドストエフスキーの小説や黒沢映画のタイトルにもなっている言葉、しばしば「○○の不自由な人」と言い換えられるいくつかの言葉などを、漢字に変換しない。これって、もしかしてジャストシステム側の自主規制なのか? 他の日本語変換システムがどうなっているかは知らないけれど、少なくとも、むかし俺が使っていたワープロ専用機(OASYS)では、こんなことなかったような気がする。

 勘違いされると困るのだが、ここで論じたいのは、そういった言葉の使用についての是非ではない。そもそも俺自身、ライターにとってきわめて日常的なこの難題について確固たる意見を持ち合わせているわけではないし、情けないことかもしれんが、正直、これについては事なかれ主義に徹しているのが実情だ。しかし、何が是で何が非だとしても、それをキカイが勝手に決めていいってことはないよなー、と思うのである。なんだかソフト制作者の価値観を押しつけられてるようで実に不愉快なのだ。辞書にだってふつうに載ってる日本語なんだから、ちゃんと変換してほしい。まさかそれが漢字に変換されるってだけで、メーカーを吊し上げて糾弾する輩もいないだろうしさ。……い、いるのか? いや、まあ、いたとしても格別驚くほどのことはないのであるが、でも、それが糾弾されたんじゃ、国語辞典は作れない。極端な話、鉛筆や万年筆だって作れないという理屈になるではないか。これがジャストシステムの自主規制だとすれば、それぐらいナンセンスな話ではないのか、と言いたいのである。どんな言葉も、その存在自体をこの世から抹殺することはできない。どこでどうその言葉を使うかが問題なんであって、そういう日本語が歴史的に存在するという事実を、たかがソフトメーカーごときが否定してどうする。

 そういえばグラフィック系のソフトなんかを使っていても、キカイが人間の思考や想像力に一定の枠組みをはめてしまっているような印象を受けることがある。俺みたいな素人が下手の横好きでデザインに手を出したりすると、余計にそういう傾向が強くなるものだ。ソフトが用意してくれるパターンを使えば、とりあえずキレイなものが出来上がるからである。むろん、制作者の嗜好やクセみたいなものがソフトに反映されるのは不可避なんだろうし、そもそも道具ってのはそういうもんかもしれない。道具が人間の作業を方向付けるという点では、コンピュータも紙や定規や色鉛筆も同じである。ソフトにクセがあるなら、ユーザー側もそれを見極めて選べばいいわけだし。でも、だからといって偏った価値観を当然のように押しつけていいというものでもあるまい。せめて言葉を扱う道具は、極力ニュートラルな姿勢で作ってもらいたいもんである。

 ついでに思い出したんだけど、ATOK11には言い回しをチェックしてくれちゃうという傲慢な機能(文体チェック機能っていうのか?)もあって、頼みもしないのに「否定の連続」とか「『の』の連続」とか余計なツッコミを入れてくる。大きなお世話である。たとえば「そう思わないでもない」というような、微妙なニュアンスを伝える豊かな日本語表現を、おまえに否定する資格があんのかATOK。「思う」と「思わないでもない」は、断じてイコールではない。それをイコールだというのは、単純理系バカの言い草である。言葉は数式ではない。……あ、理系の人がみんなバカだと言ってるわけじゃないので、勘違いしないように。

 もっとも、ATOKは「否定の連続」を否定しているのではなく「念のため指摘しておきますが、これでいいんですね?」と確認しているだけだ、と好意的に受け止めることもできよう。しかし、そうだとしても、どちらかといえばその「文体」をネガティブに評価していることに変わりはない。実際、あれを真に受けて文章の書き方に足枷をはめられてる人も、世の中には少なくないんじゃないだろうか。ま、新聞記者なんかには真に受けたほうがいい人もいるけどね。

 いずれにせよ、そういう画一的なシバリを設けることで文章力が向上すると思ったら大間違いのこんこんちきである。同じ「否定の連続」や「『の』の連続」でも、美しく感じられるものもあれば、そうでないものもある。それを一括りに排除しようとするのは、ただの暴力だと言えないこともないと思えなくもない。ほら出た。否定の連続。うるせーなー、わかってるってば。冗談と本気の区別もつかんのか、おまえは。つかんか。つかんよな。おまえ人間じゃないもんな。だったら黙っとれっちゅうねん。たぶん設定をいじれば即座に黙るんだろうけど、やり方がわからんので、ツッコミが入るたびにいちいち「こう見えても、わしゃこれで10年もメシ食っとるんじゃ、おのれにゴチャゴチャ言われるほど落ちぶれてはおらんわい。わかってやっとるんだから引っ込んでろ、このボケ!」と内心で舌打ちしているのであった。なんか、怒ってばっかりである。

*

 今朝の日刊スポーツに、ちょっと笑えるニュースを発見。R・マドリーのホームページにハッカーが侵入したらしいのだが、そのバルサ・ファンと思しきハッカー氏、こんな科白を残していったそうな。「このHPはおまえらのDFラインと同じだな。楽に突破できたぜ」。おもしろい。俺は好きだな、こういうの。こんなところにもスペイン・サッカーの成熟を感じるのであった。

 昨夜は、マンチェスターU×コベントリー(プレミア第?節)を観戦。ユナイテッドに一泡吹かせるぐらいの力は充分にあるコベントリーだが、ハジ&シッポの両翼をモロッコ代表に引っこ抜かれているのが辛いところ。アフリカ選手権って、なんでこんな時期に開催するんだろう。それでも健闘してルセルが2ゴールを決めたが、試合は3-2でユナイテッド。コールが2点、スコールズが1点である。スコアほど接戦には見えなかった。しかしルセルというベルギー人FWのシュート力はなかなかのもの。とくに狭いニアサイドをぶち抜いた1点目は、バティストゥータのように正確でパワフルだった。ユナイテッドのほうは、ベッカムが中央寄りのエリアでプレイするシーンが目立った。そりゃ、いくら強力な武器だとはいえ、いい加減、右からクロス上げ続けるのも飽きてきたんだろうなぁ。昨シーズンほどの精度が見られないのは、そのせいじゃないかと思う。何であれ、飽きがくれば集中力が鈍るもんである。

似てる人シリーズ#78

 マンチェスターUのシルベストルと
 ひょうたんつぎ(手塚治虫作品の名脇役)

2月9日(水)10:30 a.m.
 広辞苑によれば、「木で鼻を括る」は「無愛想にもてなすことのたとえ」なんだそうだ。どうやら使い方は昨日ので概ね間違っていなかったようだが、どうしてそういう意味になるのか、そして誰の鼻が括られるのかは、依然として不明である。だいたい、よほど細くてしなやかな木じゃないと鼻なんか括れないぞ。何か故事来歴があるんだとしても、いったい誰が、どういう経緯で、鼻を木で括るなんていう思い切った行動に出たんだろう。突飛にも程がある。そんなこと、ふつう思いつかないよねぇ。すごくシュール。もしかして昔の中国では、それが「私はあなたと話したくありません」というサインだったのか。ナイフとフォークの置き方に類するような、一種のテーブルマナーだったとでも言うのか。だとしたら、なぜ耳でなく鼻だったのか。あるいは、ものすごく無愛想な奴を懲らしめるために、相手の鼻を木で括ったんだろうか。しかし、だとしたら「木で鼻を括ったような」ではなく、「木で鼻を括りたくなるような」になるはずである。そもそも、そんな懲らしめ方ってあるだろうか。うーむ。謎だ。どうしても由来を知りたくなってきた。そういえば「ことわざ・慣用句辞典」みたいなものを持っていない。明日にでも買いに行こう。

 そんなことはともかく、Z"観戦不能"J氏、久々のご登場(投稿No.91)です。どもども。すでに本日から「fb42」になっておりますが、このところ本誌の文章量が多いのは、仕事が忙しいほど「現実逃避の法則」が作用するためです。サッカーと関係ない話ばかりですいません。テキトーに読み飛ばしてくださいませ。

 さてスカパー導入決断寸前のご様子ですが、チューナーの件、俺もいろいろ比較してみたわけではないんで、よくわかりません。ウチのは、たしかパナソニックだったと思います。いや、ソニーだったかな。ま、その程度の認識しかないってことです。
 前述したとおり、いまのスカパーはサッカーに関するかぎりスカイTVは不要で、「スカパー」になる以前に出回っていたパーフェクTV専用のチューナー&アンテナ(どこで入手できるかは知りませんが)でとりあえずはオーケーなはず。ただし、また将来的にチャンネルが変更にならないという保証もありませんし(スカパーは何しでかすかわからん)、古いチューナーはそれだけ機能面も劣る可能性があるんで、単純に当面のコストだけで考えないほうがいいかもしれませんね。
 たとえば、いまのチューナーには予約録画機能(予約した番組が始まると付属のリモコンでビデオを起動してくれる。つまりビデオのほうでいちいち時間設定をする手間が省ける)というのがあって、Gコードと無縁なCS録画にはたいへん便利なのですが、これが古いチューナーにあるかどうか定かではありません。ちなみに一昨年買ったディレクTVのチューナーには無いですね。会社でお使いになるのであれば、この機能は不可欠なんじゃないでしょうか。
 あと、ウチのチューナーはEPG(画面上の番組表)に選んだチャンネルの画面が出るんですが、はっきり言って、これは不要。そのぶん取り込む情報量が多くなり、そもそも時間のかかる表示速度が余計に遅くなります。これは実際に使ってみると、かなりのストレス。もっとも、この手のキカイは日進月歩ですから、最新機種ではいくらか改善されているかもしれませんが。
 てなわけで、あくまでも俺の個人的な印象なんでお役に立つかどうかわかりませんが、少しでも参考になれば幸いでございます。でもスクデットはラツィオです。……と言いたいところですが、正直、終わってみればユーベ、という気がしちゃうんですよねぇ。もしサッカーが採点競技だったら、技術点・芸術点ともにダントツでしょう。その素晴らしさを堪能するためにも、スカパー導入、おすすめいたします。

*

 さて、香港リーグ選抜×日本(カールスバーグ杯ビリ決定戦)である。6-5で日本の勝ち。うそです。試合は0-0でPKが6-5です。やった。ゴールシーンが6回も拝めた。10人で守りきった姿は、スペイン戦のパラグアイのようだった。えらいえらい。……ふう。勝因は延長戦がなかったこと、か。ま、メキシコ戦よりは戦う姿勢が見えたとはいえ、点取れんなぁ。10試合で5点かぁ。それも全部セットプレイがらみ。平瀬ぇぇぇ。それは入れておこうよぉぉぉ。ま、いっか。点の取り方は、和製マタドール君がスペインで覚えてきてくれるに違いない。きっと。たぶん。運がよければ。

 パルマ×インテル(セリエA第20節)を観戦。あれ? インテルって、いつから4バックになってたんだろう。前の試合はどうだったっけ。俺も何を見てるんだかなぁ。とにかく、インテルは左からコルドバ、ブラン、シミッチ、パヌッチのDFラインであった。後半、ビエリのゴールでインテルが先制。浮き球を胸で落として振り向きざまにシュート、というビエリならではのプレイである。さすが。どうだ、そろそろラツィオに戻ってみんか。試合はそのまま0-1でロスタイムへ。優勝争いから脱落寸前のパルマを救ったのは、コッリーナ主審の笛であった。スタニッチのダイブにも見えたが、判定はPK。その前にクレスポが倒されたプレイとの合わせ技かもしれないが、コッリーナさんはたまにこういう「?」な笛の吹き方をする。これをクレスポが決め、すんでのところでパルマが勝ち点を拾ったのであった。年明けから好調のインテルだが、これで勢いがやや削がれたか。この日、疲労でスタメン落ちしたバッジョの体調次第かもしれない。それはええんやけど、サモラーノはんは、なんでベンチにも入っとらへんねや。たまには使うてやってや。

 ところで、ラウールがラツィオ入りするという強烈な噂があるらしい。わーお。どうせまた知らないうちに立ち消えになるんだろうけど、そう思いつつも、ちょっとワクワクしちゃってる俺であった。来季はラウール&クラウディオの2トップ? すごいなー。どっちも左足しか使えないけど。おまけにリバウドなんか来た日にゃ、リーガ育ちの左足3本が揃い踏みだ。どういうチームだ。

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