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江戸川駄筆のサッカー日誌
1999-2000/vol.28

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Readers' Mail No.092(2/22)

稲本、稲本、稲本

by Y・N

 お久しぶりでーす。
 いつの間にかネームが変わっていたので、ちょっとビックリ。

 さて、ヨーロッパ戦線、過熱&白熱?してきましたね。各国とも何か最近は戦国時代モードで進んでますが、やっぱりCLの関係でしょうか? 最近バルセロナの状態が解らず、ヤキモキしています。なんせ地上波放送が全く無いんで(ホー効果に期待してたのに)。何か凄いことになってるようですね。グアルディオラやルイス・エンリケ、リヴァウドなど移籍の話ばっかりですね。いったい来シーズンは誰が主役なのかな?

 ラツィオも相変わらず凄いメンバー&獲得リストですね。C・ロペスは内定したんですか? ともかく中田選手のローマ移籍を知ったとき、すぐに江戸川さんの顔(文章やっつうの)が浮かんできました。ご愁傷様です。さぞかしラツィオファンは肩身の狭い思いをしていると思います。

 とにかく、衛星放送を付ける事が出来ない私にはこのサイトが毎日の楽しみで仕方がないので、これからもヨーロッパ戦線痛快文書、お願いいたします。

PS 稲本は関係ない。

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3月2日(木)9:10 a.m.
 顔はネスタ。……というわけで、久々にイタリア人の名前をアナウンスする岩佐さんが元気そうだったイタリア×スウェーデン(国際親善試合)を観戦。最後の20分は気絶していてよく見ていなかったが(早朝から働いてるとあの時間帯まで起きていられない。したがってここ数日、観戦ペースが落ちている)、前半はスウェーデン、後半はイタリアのゲームといったところか。ゴールはデルピのPKのみで、1-0。やはりスウェーデンは侮れない。イタリアはいったい、最終的にはどんなメンバーになるんだろう。レギュラー確実なのはネスタとカンナバーロぐらいのように見える。ところで前から思っていたんだけど、アズーリの新ジャージは似合う奴と似合わない奴の差がはっきりしすぎやしないか。デザインは流石イタリアと思わせるカッコ良さだが、問題はカッコいい奴(ただしデルピを除く)にしか似合わないというところだと思う。ビエリとかフェラーラとかガットゥーゾとか、見ていて辛いものがあった。

3月1日(水)9:15 a.m.
 うわ。3月になっちゃった。しかし原稿のほうは書いても書いても終わらない。どうして2月は短いんだろうか。1月〜3月をぜんぶ30日までにして、閏年はどっか31日にすりゃいいじゃん。それじゃダメなの? 明日が2月31日だったら、ずいぶん気が楽になるんだけど。……あー、今まで使ってたキーボードのキーが重くて疲れるんで家から別のを持ってきたのだが、こりゃ小さくて俺の不必要にでかい手には合わんな。音もかちゃかちゃとウルサイス、いや、五月蠅いっす。うーむ。なかなか気に入ったキーボードに出会えない。弘法筆を選ばずというけれど、わしゃ空海でも最澄でもないから選ぶんである。

 レアル・マドリー×バルセロナ(リーガ第26節)をビデオ観戦。マドリーのほうは、ラウールにモリエンテス、さらにアネルカまで復帰していた。それでも前節の出来からいってバルサが圧倒するんじゃないかと思っていたのだが、どうも今季は好調が持続しないようで、なんと3-0の完敗。ドイツ戦の後だけに、オランダ勢に疲れがあったか。しかし、それより何よりGKの差が大きかった。アルナウ、ついに馬脚をあらわしたな。そりゃロベカルのFKは強烈だったけどさー、弾き出せないシュートじゃなかったろ。なんだか腰が引けちゃってて、カッコ悪すぎ。それ以降のプレイも正視に耐えないものであった。アネルカだか誰だかに詰められて外に蹴り出したプレイなんか、スペイン中が爆笑してたんじゃなかろうか。他にGKがいないならともかく、ヘスプという名手がいるんだから、ファンハールの罪は重い。かたやマドリーの19歳GK(カシージャス、だったっけ?)はすばらしかった。これでバルサはマドリーの後塵を拝することに。どうする、どうなる、ファンハール。

2月29日(火)11:05 a.m.
 え。……と、と、統合すんのかよ。うむむむむむ。たしかに俺、CSのプラットホームは1つでよい、と言ったさ。でもよー、2つとも入ってから1つになりますって言われてもなー。「現在のディレクTV加入者は、ディレクTVの受信機で追加負担なくスカイパーフェクTVに移行できることになるらしい」ということだが、スカパー2つも要らんぞ。余ったチューナー、どうしてくれんだよ、おい。どうも「両方使ってる奴」へのアフターケアが蔑ろにされるような気がしてならない。あー、もー、めんどくせーなー。ったく、銀行もCSも統合統合って。かんべんしてくれ。それにしても、まあ、なんとチグハグなことか。ディレクもさー、どうせ統合されるんなら、セリエAの放送権とられたときに白旗上げてくれりゃよかったんだ。やれやれ。ともあれ、EPGの表示が早いとか見やすいとかディレクにもいいところはあるんで、スカパーも偉そうに吸収するだけじゃなくて、お互いの長所を生かす謙虚さを持って取り組むよう希望する次第である。

 昨夜は、バジャドリー×オビエド(リーガ第26節)を観戦。おお。城くん、ついに大爆発である。残留争いの直接対決で2ゴールはえらい。そろそろ使ってもらえなくなる頃だと思っていたが、これでカド番脱出、というところか。あの1点目、切り返しでDFをかわしてゴールのほうをルックアップした一瞬のあいだに、すげーいろんなこと考えたに違いない。あれだけ余裕を与えてくれるのも相手がオビエドだったから、という面はあるものの、いいシュートだった。

 ユベントス×ローマ(セリエ第23節)をビデオ観戦。いやー、ええ試合じゃったねぇ。うんうん。サッカーはすばらしい。ありゃPKだろと思われたタッキナルディのタックルを主審が流した直後にユーベが猛攻を仕掛け、エドガー・ダビッツ(右上)久々のゴールで先制。忘れた頃に飛び出す山倉のホームランみたいなもんだな(すんません、たとえが失礼すぎました)。デルベッキオの同点ゴールは、これぞストライカーという感じ。短い脚を精一杯に伸ばす姿が健気だった。そして、やはり出ました10人ユーベ。相変わらずつおいねー。すごいすごい。後半早々にインザーギのゴールで勝ち越すと、じっとり寝技に持ち込んで守りきってしまった。10人になったユーベに勝つには、あえて自分たちも10人になってユーベの集中力と結束力を揺さぶるぐらいしか活路はないかも。ジダンかダビッツかファン・デル・サールが怪我でもしないかぎり、もうスクデットは決まったも同然なんじゃなかろうかね。それが正しい結末のような気がする。ローマのほうは、トッティに精彩がなさすぎた。これでユーベとの勝ち点差は8。そろそろUEFAカップ(中田も出場オーケー!)に集中……できないかもなぁ、こんな負け方した後じゃ。

2月28日(月)9:45 a.m.
 一昨夜の夜遊びがたたって、昨日は仕事にならず家でごろごろ。昼間から延々とサッカーを見続ける。もう2月も終わろうとしてるわけで、そんなことしてる場合ではないのだが。

 ラツィオ×ウディネーゼ(セリエ第23節)は、2-1でラツィオ。ゴールこそなかったものの、ラバネッリが珍しく良かった。やっと体が絞れてきたのかも。そのラバネッリがペナ内で粘って折り返したボールを、なぜか果敢に攻め上がっていたネグロが野暮ったくシュートして先制。後半にはベーロンのスルーパスに反応したサラスが鮮やかなステップを踏んでGKをかわし、2-0とした。終了間際にロカテッリのゴールを喰らったが、俺的にはぜんぜんオッケーである。飛び込んできたムッツィをタッチの差で押さえてゴールを自分のモノにしたロカテッリの図々しさに拍手。

 続いて、パルマ×フィオレンティーナ(セリエ第23節)を見る。負け越しの決まった関脇同士の対戦みたいなもんだな。んで、どっちがよりダメかというと、ホームのパルマのほうがぜんぜんダメだった。いくらカンナバーロやディノ・バッジョがいなかったとはいえ、バティを温存したフィオに4点も与えるとは。さらば、マレサーニ。フィオのほうは、3人で4ゴールを決めたルイ・コスタ(2ゴール)、バルボ、それに復活ミヤトビッチが抜群のコンビネーションを見せておった。今季最高のゲームだったかも。これならCLでもかなりのところまでやれるかもしれない。そういえばフィオ、バンペッタとフェリペの獲得って話はいつの間になくなってたんだろうか。

 さらに、ウィンブルドン×マンチェスターU(プレミア第26節)は2-2のドロー。ユナイテッドはキーンとスコールズが出場停止という、CL決勝状態。そのためベッカムが代表と同様、中央でプレイしたのだが、やはりキーンと比べると守備に難があったようである。それにしても、常に先手を奪ってユナイテッドを追い込んだウィンブルドンの健闘が光った。しかしユナイテッド相手に健闘したチームは、決まって終盤に体力が落ちて、かさにかかった猛攻を許してしまう。それだけあのチームを押さえるのは大変だということだが、悔しくてしょうがない。

 最後に、インテル×ベネチア(セリエ第23節)をライブ観戦。インテルはビエリ&レコバの2トップだったのだが、ボールは支配するものの序盤から攻めあぐねてゴールが奪えず、35分にユーゴビッチを下げてサモラーノを投入。スコアの動いていない状態で前半から戦術的な選手交代するのって、監督としてはけっこう恥ずかしいことなんじゃないだろうか。ともあれ、それが功を奏したのか41分にビエリのパワーが炸裂して1-0。でもビエリ、なんだか虫の居所が悪かったのか、ゴールを決めても憮然とした表情でのしのし歩いてるだけだった。おっかなくって、味方も駆け寄ったり抱きついたりできないような状態。後半に脚を痛めて交替していたから、単に体調がよくなかっただけかもしれないが。試合は後半にサモラーノとレコバのゴールを加えたインテルが3-0で圧勝。ベネチア、点取る気があるんだったら名波を使ったほうがいいと思うぞ。

2月27日(日)
 昨日は夕方から大学サークルの30周年記念OB会に出席。音楽サークルなので現役やOBによるバンド演奏もあったのだが、それを見てむらむらした後輩のWが「ぼくたちもやりましょうよ」と言い始め、飛び入り演奏なんかしてしまった。しかし1年以上も楽器に触っていない上に、へろへろに酔っ払った状態でステージになんか上がるもんじゃない。まさに生涯最悪のステージ。まったく音が出ず、4小節吹いた時点で帰りたくなった。穴があったら入りたい。OB会終了後は高田馬場の居酒屋で2次会、さらにカラオケで3次会。34歳〜37歳の男ばっかり8人で歌いまくるという実に気の利かない展開だったのだが、それはそれで楽しかったものの、こういうときに現役の若い女の子でも誘って遊ぶぐらいの甲斐性が持てないものか俺たちは、などと後になって思ったりもしたのであった。

2月26日(土)10:10 a.m.
 カヌもロンドンに戻ったとか。どうやら拉致とか監禁とかお仕置きとかそういう物騒な話ではなく、単にサボっていただけのようであるな。俺もサボりたい。1週間ぐらい行方不明になってみたい。行方不明になっても仕事がなくならないぐらいの人間になってみたい。やれやれ。

 バレンシア×レアル・マドリー(リーガ第25節)を観戦。アネルカはもちろん、ラウールもモリエンテスも不在のマドリーは、なんだか見たことも聞いたこともない選手がいっぱいいた。実況を聞いていても、ぜんぜんピンとこない。「ゾラーノに代わってメケが入りました」って言われてもよ。どこのチームの話だ。試合は終始バレンシアが押し気味で、前半は1-0。イリエの先制点をアシストしたクラウディオ・ロペスのプレイは、さすがの切れ味であった。ペナの右サイドを風のように突破し、飛び出してきたGKをかわして落ち着き払ったセンタリング。見事じゃ。しかし後半にグティのゴールが決まり、そのまま1-1のドローであった。メンバーが揃っていなくても(そしてイヴァン・カンポが出場していても)引き分けに持ち込んでしまうあたりが、マドリーのしぶといところである。

 ゴールドカップはコロンビアとカナダの決勝になったらしい。あらら。カナダって強かったんだー。そりゃ韓国に失礼なことを申し上げました。アフリカ選手権もそうだけど、こういう大会、決勝だけでもどっかで放送してくれんもんかね。ナイジェリアとカメルーンの決勝なんて、すごく見たいじゃんか。まぁ、「なぜ地上波でローマ戦を全部やらんのじゃ!」と憤慨しておられる方々も多いわけだから、贅沢な望みではあるけれど。さすがに今節のユーベ戦は地上波でもやるんでしょ? どうなの?

2月25日(金)10:50 a.m.
 あー。眠い。毎日毎日、朝もはよから原稿書きである。かれこれ一ヶ月も歴史資料と首っ引きの状態が続いていて、そろそろアタマ爆発しそう。すでに耳からは、しゅーしゅーと煙が出てるような気がするんですけど。明日の晩、大学のサークルのOB会があるのだが、こんな状態で酒飲んで大丈夫だろうか俺。なんだか、どかんと弾けてしまいそうな予感がする。

 ヴィレム×フェイエノールト(オランダリーグ第2?節)を観戦(ブラウジング環境によってはバケてるかもしれんが、「ヴィレム」の次の文字はローマ数字の2である。もしかして、<(監)>ってバケてませんか。関係ないが、丸囲みの数字1・2・3……が(月)(火)(水)……と曜日にバケているのを見かけることが多い。不思議だ。どうでもいいけどカッコが長すぎるぞ)。CL出場を果たしながら、(俺の記憶が確かならば)WOWOWで一度も試合を中継されなかったヴィレムであるが、「アヤックスよりアヤックスらしい」かどうかは知らないけれど、少なくとも今のアヤックスよりは数段おもしろいサッカーをしているように見えた。迫力はないが、軽妙で洒落た感じっつーのかな。フェイエノールトが先制したが、テクニカルなゴールを連発したヴィレムが逆転して2-1。いずれも遊び心のある、楽しそうな得点だった。勝ち越しゴールを決めたプロマヨンというDFは、なんとタイ人。へー、そんな奴いたのか。タイ代表はブラジルに0-7で負けたそうだが、彼も出てたのかな。しかしまあ、リバウドとかカフーとかロベカルとか、こんな時期にタイくんだりまで遠征するとは御苦労なことである。

 さて昨日は、EURO2000を占う上で重要なゲームを2試合、見たのである。まずは、オランダ×ドイツ(国際親善試合)。オランダのメンバーは後列左から、ファン・デル・サール、ボハルデ、スタム、コクー(ヌマン)、ライツィハー、ゼンデン、ダビッツ(C)、ロナルト・デ・ブール(マカーイ)、セードルフ、クライファート、ファン・ニステルローイ(ハッセルバインク)。ファン・ニステルローイ以外はすべて外国組、スタメンは6人がバルサ組である。ふだん各国のリーグ戦ばかり見ていると、何故かこちらのほうが「多国籍軍」に見えるから不思議だ。かたやドイツのメンバーは、カーン、マテウス、ツィーゲ、イェレミース、ショル、ビアホフ……その他もろもろ。ヘルタ・ベルリンのダイスラーも後半から出場していた。マテウスはこの試合で144キャップの世界記録を達成したんだとか。はいはい。
 試合のほうは、バルサの好調をそのまま持ち込んだかのように、オランダが序盤から圧力をかけまくり。格下相手のハーフコートサッカーになりそうな気配さえあった。さすがにならなかったけど。15分、ダビッツが左のスペースに出したボールをゼンデンがダイレクトで折り返し、これをニアサイドに走り込んだクライファートがやはりダイレクトで流し込んで、オランダ先制。22分、負傷のボハルデがアウトしている隙にツィーゲの同点ゴールを喰らったときは、「なんや、またこれかいな」と溜め息が出たが、この日のオランダは違った。28分、ロナルト・デ・ブールのアーリークロスを、ゼンデンがこれもダイレクト・ボレーで強烈に叩き込んで勝ち越しである。その後も再三にわたって決定機を作り、実にオランダらしい、めくるめく官能の世界を見せてくれた。後半はややダレ気味で得点が入らず、2-1でオランダが1年半ぶりの勝利。何はともあれ、ドイツに勝ったのはライカールトにとって大きい。
 しかし課題はFW陣である。相変わらずクライファートは簡単なシュートが枠に行かないし、ファン・ニステルローイは代表に入ると気後れするのか、ぜんぜんダメ。唯一オランダ国内でプレイしてるくせにオランダのスピードについていけないという、不思議なんだか当たり前なんだか判らない状態に陥っている。やはり、まだまだベルカンプに頼らないといけないようだ。ちなみにドイツのほうは、キャプテンマークをつけたビアホフがへらへら笑ってたりして、あんまり気合いが入ってなかった。

 さらに、イングランド×アルゼンチン(国際親善試合)を観戦。フランスW杯のときは圧倒的にイングランドに肩入れしていた俺だが、ユナイテッド嫌いのラツィオ好きが高じてきたが故に、なんだか宙ぶらりんな気分である。イングランドのほうは、ダイアーを右で試すためにベッカムを中央に配置。かたやアルゼンチンのほうは、なぜかバティストゥータ(後半途中からはクレスポ)の1トップである。あんだけFWがだぶついてて、なんで1トップなんだ? そんな感じで「お試しムード」が支配的だったせいか、ゲーム自体は、ひとことで言って低調。おまけに実況担当のIアナが例によって湿っぽいトーンだったので、どうにもこうにも盛り上がらない。Iアナのペースに引きずられた粕谷さんと反町さんのダブル解説も、「イングランドの人材不足」というネガティブな話題に終始していたし。まぁ、たしかにイングランドはかなり深刻な状態であるな。救いは、来季からリバプール入りするらしいヘスキーに使える目処が立ったことぐらいか。期待のダイアーは、まったくいいところがなかった。結局、さして見所のないまま0-0のドロー。見て損した。EURO2000、グループAの1位はイングランドでもドイツでもなく、ポルトガルかも。

似てる人シリーズ

 #86 フェイエノールトのベーンハッカー監督とヘルベルト・フォン・カラヤン。

 #87 マンチェスターUのベッカムとブラック・ジャック。

2月24日(木)8:40 a.m.
 自分で自分のことが信じられなくなる瞬間、というのがある。たとえば何日か前に、また妻にこんな寝言を指摘された。すやすやと寝息を立てていた俺は、いきなり何の脈絡もなく(寝言ってそういうもんだけど)大声で、

「デカプリオだってばぁ!」

 と、叫んだんだそうだ。
 自分で自分のことが信じられない。
 妻もさぞかし驚いたことだろう。
 驚きというより恐怖、に近かったかもしれない。
 だってばぁ、って言われてもな。

 昨日は昨日で、こんなことがあった。隣のスーパーで昼飯を買った後、商品を袋に詰めるのを忘れ、店内用の黄色いカゴに入れたまま持ち帰ろうとしてしまったのだ。
 自分で自分のことが信じられない。
 しかもこれ、二度目である。
 一度目はそのまま店外に出てしまい、黄色いカゴを右手にぶら下げたまま井の頭通りを15メートルほど歩いてしまった。あなたはスーパーのカゴを持って屋外を歩いたことがありますか。ぼくはあります。自分で自分のことが信じられなかった。気がついて慌てて引き返したけど、あんときゃ笑ったよなー。いや、ごまかしの照れ笑いじゃなくて、腹の底から笑えた。羞恥心を駆逐するぐらいの衝撃があった。自分で自分のことが信じられなくなる瞬間って、妙に愉快だ。

 しかし勝負事の場合は、笑ってる場合でもなけりゃ愉快でもない。いまのアトレチコがそうである。自分たちで自分たちのことが信じられなくなっているに違いない。ゆうべ放送していたサンタンデール×A・マドリー(リーガ第24節)も、そんなゲーム。垂れ流しているだけでろくに見ていなかったのであるが、それでもアトレチコのふがいなさはよーくわかった。テレビつけたときは0-1でリードしていたのだが、晩飯を食い終わる頃に画面表示を見たら1-1の同点。さらにセガレと一緒に風呂に入って出てきたときには2-1で負けていた。アトレチコ、どっかの国の野球チームみたいだ(阪神とはいってない)。

 アフリカ選手権終了後に行方不明(!)になっていたババヤロが、無事にロンドンで発見されたらしい。発見ってこたないか。いったい、どこで何してたんだろう。そして、一緒に姿を消していたはずのカヌの行方は。心配だ。

2月23日(水)9:00 a.m.
 うちで使っているスカパーのチューナーは、よく見たらパナソニックでもソニーでもなく、シャープの製品だった。どうりでうちのテレビではマンチェスターがよく勝つわけだ。バカいってんじゃありません。それにしても、なんという意識の低さ。なんも考えないでモノ買ってる証拠だな。選択肢の多さを生かす「賢い消費者」には、やっぱりなれそうもない。

 マルセイユ×パリ・サンジェルマン(フランスリーグ第26節)を観戦。ライバル同士の対戦だけあって、順位には差がある(マルセイユ11位、パリSG2位)ものの、はじめから喧嘩腰の痛そうな試合であった。経営難(?)からラバネッリとデュガリーを放出したマルセイユだが、かえってチームの一体感が生まれつつある印象。モーリス、プジェの2トップはなかなかイキがいいし、ピレスも悪くない。後半の途中から登場したデ・ラ・ペーニャも時折冴えたパスを出してたし。クリスチャンというブラジル人ストライカーのヘッドでパリSGが先制したときは「やはり順位どおりの力関係なのか」とも思ったが、ペレスのヘッドで同点にしてからはマルセイユのペース。前半20分に両軍のルロア(同姓同士で殴り合い)が退場して10対10になってからは、解説の柱谷兄も指摘していたとおり、スペースが生まれて面白い攻め合いになった。将来、もしサッカーのルールに大きな変化があるとすれば、このへんか。1チーム10人で40分ハーフ、とかね。俺はそういうルール変更、あんまり好きじゃないけど。ともあれ試合のほうは、後半に3点を奪ったマルセイユが4-1で圧勝。パリSGは、GKラマの雑で緩慢なプレイが痛かった。EURO96では何故か妙に印象に残る選手だった(プレイは覚えてないが、顔と名前が覚えやすかった)んだけど、もともとこんなもんだったのか、それとも衰えたのか。

2月22日(火)9:50 a.m.
 公共料金の引き落としやギャラの受け取りに使っているC信託銀行(元HT銀行)のO支店が、4月1日からまた合併で名前を変えるのである。数日前に通知が来たのだが、こんどは同じ地域に双方の支店があるようで、支店名まで「O南口支店」と変わるらしい。めんどくせーなー。記帳をサボっていたせいで、ほんの一ヶ月ほど前にようやくHT銀行の通帳からC信託の通帳に改めたばっかりなのによー。俺、HT銀行(97年秋に破綻)の通帳を握りしめていた最後の人間かも。そこに勤めてた父親さえ、とっくに口座解消してるってのに。まぁ通帳はどうでもいいとしても、あちこちから入金のあるフリーランスにとって、銀行名や支店名がころころ変わるのはめちゃめちゃ厄介な話である。ざっと思い起こしてみても、10社以上に連絡せにゃならんぞな。メールアドレスもわかんない(いまだに持っていない編集者も少なくない)から、Bccで一発伝達ってわけにもいかないし。もう何年も仕事してないけど、いまだに雀の涙ほどの重版でたまに入金してくれる出版社なんか、誰に連絡すりゃいいのかわからんよ。某T書店や某B社なんか、知り合いが全員退社しちまったもんね。そのへんはもう重版なんかしそうにないけど、可能性がある限り、やっぱり連絡しとかんとなぁ。しかし面識のない経理担当者に電話やファックスで伝えるってのも、なんだか気詰まりだ。あー、やだやだ。従来どおりの行名・支店名で自動的に処理してくれんもんかね。これで終わりならまだいいけど、どうせまた合併だ統合だ何やかやで二転三転するんだろうなー。ほかの銀行に乗り換えたところで、同じことだろうし。乗り換え前後の銀行同士がくっつくなんてことになったら、あっちょんぶりっけである。鬱陶しい時代だ。どうせなら、ぜーんぶまとめて日銀に吸収合併するわけにはいかんのか。銀行も一つ、電話会社も一つ、放送局も一つになったら、どんなに清々するだろう。あ、そーゆーのを社会主義っていうのか?

 バカまるだしの暴論はともかく。新聞で話題になっていた『モーツァルト・ホルンボーン協奏曲全集(?)』なるCDを聴いてみた。念のため言っておくと、(?)もタイトルの一部である。クリスティアン・リンドベルイというトロンボーン奏者がホルン協奏曲をトロンボーンで演奏したという企画モノ。いちおう俺もボントロ吹きであるので気になったわけだが、これは凄い。細かいパッセージを完璧に吹きこなしているのはもちろん、ホルンの広い音域をトロンボーンで違和感なく再現する技術はまさに超絶。どうやって吹いているのか、映像で見てみたい。でも、自分自身の大きさを変えないと音程が変えられないという不器用な楽器であるがゆえに、速くて細かいフレーズを演奏しただけで最高級の賛辞を受けてしまうところが、トロンボーンという楽器の限界だったりもするんである。じゃあリンドベルイが表現者として優れているかというと、それはまた別の話。ジャズの世界にもJ・J・ジョンソンからビル・ワトラスにいたるまで「名人」とか「超絶技巧」とか言われるボントロ吹きは少なくないけれど、その演奏が音楽として面白いかというと、全然そんなことなかったりするのであった。だからこそ、あの楽器で誰にも真似できない「歌心」を表現する向井滋春は世界最高のトロンボーン奏者だと俺は勝手に決めつけているのである。最近、彼は何をしてるんだろうか。

 さて、Y・Nさんから久々のお便り(投稿No.092)をいただきました。ども。情報の客観性にまるで自信のない筆者としては、あんまりアテにされると困ってしまうのですが、ま、話半分に読んでくださってることと思います。
 クラウディオ・ロペスのラツィオ入りについては、クラニョッティ会長に訊いたわけじゃないので断言はできませんが、いろんな報道を見聞きするかぎり、ほぼ確実視されているような雰囲気ですね。実際にユニフォームを着た姿を見るまでは何が起きても不思議じゃないですけど。

 さてさて、Y・Nさんもご心配のバルサである。
 ロンドンではリバウドとベッカムの交換トレードなんてこともまことしやかに囁かれている(ベッカムはアーセナル入りの噂もある)ようだが、そのリバウド、憑き物が落ちたかのような大爆発であった(その表情の不自然な明るさを見て、愚妻は「自己啓発セミナーでも行ったのかしら」とのたまっていた)。バルセロナ×バジャドリ(リーガ第25節)は、4-0でバルサの圧勝。リバウドは2ゴールである。圧巻は、なんといっても4点目(だったかな)のバイシクルだったが、ありゃ、やらせるDFに問題があるよなー。ゴール正面で、のんびり2回もリフティングする余裕を与えてどうする。蹴鞠やってんじゃないんだから。トーク番組か何かに出演して、「一つ頼みますよ、リバウドさん」と懇願されてやってみせたような感じであった。それはともかく、バルサは久々にスペクタクルなサッカーを見せてくれたっすね。前節までの不調がウソのよう。オランダ勢も、珍しく先発したロナルト・デブールが凄まじいシュートを披露し、左SBに入ったボハルデもふだんは見せない攻撃力を大いにアピールするなど好調で、今週ドイツ戦を控えているライカールトも少しは安心したんじゃなかろうか。あまり守備的にならず、果敢に戦う姿勢を見せたが故に、バジャドリが絶好のスパーリング・パートナーになったようにも見えた。城くんは、惜しかったね。深い切り返しでプジョールを置き去りにしてから放ったシュートは、なかなかカッコよかった。あれをゴール天井に突き刺せるようなシュート力を身につけてくれるといいんだけど。

 ベローナ×パルマ(セリエA第22節)を後半から見た。前半は1-3で、パルマ久しぶりの白星かと思われたが、後半開始早々にモルフェオのFKが決まって2-3。さらにその5分後、またまた(ユーベ戦に続いて)ディノ・バッジョがラフプレイ(肘打ち)で一発レッドを喰らい、そのセットプレイで同点にされてしまった。ディノ・バッジョ、最近どうかしている。そして78分、信じられないプレイが飛び出した。自陣左サイドのコーナーフラッグ付近でボールを奪ったラッシッシが、どこにパスしようか迷った挙げ句、ゴール前のテュラムに「ウソだろ」の横パス(というか、センタリング)。エリア内にはベローナの選手がうじゃうじゃいただけに、そんなパス(というか、センタリング)が来ると思っていないテュラムは大慌てである。しかも難しいバウンドの強いパス(というか、センタリング)だったんでトラップしきれず、相手にボールを奪われて簡単に勝ち越しゴールを決められてしまったのであった。なんと4-3でベローナの大逆転勝ち。ラッシッシ、試合後はテュラムにぶん殴られてたんじゃないだろうか。さらば、パルマ。

似てる人シリーズ

 #84 ベローナのモルフェオとニコラス・ケイジ。(妻)

 #85 バルセロナのリトマネンと映画『ザ・フライ』やi-MacのCMでお馴染みのあの人。

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