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江戸川駄筆のサッカー日誌
2000-2001/第8節

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9月18日(月)14:40 p.m.
BGM/only noise from Inokasira Dori Avenue

 ヌーノ・ゴメス(フィオレンティーナ)、コッパイタリアのサレニターナ戦でハットトリック! ……なんて、あえて五輪から目を逸らそうとしても、やっぱり溜め息が出てしまうブラジル敗戦ではあった。ばかばか。何をやっておるのだルシェンブルゴ。どうせなら、大会期間中に更迭→日本戦はチームがバラバラで惨敗、というシナリオにならないものか。あーあ。キツイなぁ。救いはスロバキアにも決トナ進出の望みがある(=一生懸命やる)ことぐらいか。南アも「ベスト8はもらった」的な油断が生じるかもしれんし。ぐわんばれ、スロバキア。



9月14日(木)14:40 p.m.
BGM/J.S.Bach "Matthaus Passion" Seiji Ozawa conducts Saito Kinen Orchestra

 うがー。脱稿したっ。終わったっ。
 いやー、苦しかったなー。この10年、「どんな仕事もいつかは終わる」をモットーにやってきたが、今回ばかりは終わらないんじゃないかと思う瞬間が何度もあった。ま、「終わらない」という事態は、俺がその仕事を投げ出す、ということ以外にあり得ないわけだが。投げ出さなかった俺はえらい。

 さてと、おうち帰って南ア戦でも見ようっと。
 しばらく更新が途絶えるかもしれませんが、あしからず。
 じゃ、お先に失礼しま〜す。



9月12日(月)11:00 a.m.
BGM/Hidefumi Toki "1:00 A.M."

 こんな試合、イタリア人だって見てないんじゃないかと思いながら、ラツィオ×ガイス(たぶんただの練習試合)を見る。ラツィオ対ガイス。うしろに「南海の大決闘」とか「宇宙大戦争」とか「そのほか人気怪獣も大集合!」とかつけたくなるな。しかしガイスというのはもちろん怪獣ではなく、スウェーデンのクラブである。エリクソンのツテで、胸を貸してやることになったのかもしれない。前半はシモーネ君とネドベドのゴールで2-0。後半もベッレットーニ(おまえ誰やねん)とラバネッリ(なんやまだおったんかいな)のゴールを加えて4-0でラツィオが勝った。だから何なんだ。バルサに戻ったはずのデ・ラ・ペーニャが出場していた。いったい、いつの試合だ。

*

 バルセロナ×マラガ(リーガ第1節)を観戦。故障者の多いバルサは、ちょっと地味めにダニ&アルフォンソの2トップ。トップ下にリバウド(10番!)、左にオフェルマルス、右にシモン、ボランチにコクー、ジェラール(元バレンシア)という布陣であった。ベンチにはプティとデ・ラ・ペーニャの顔も。加えてグアルディオラ(故障中)とシャビ(五輪代表)も控えているわけで、そんなに(広義の)ボランチばっか揃えてどうすんだ、という感じである。と思ったら、プティはCBで使う可能性もあるらしい。実際、後半途中から投入されたプティは、ときおりCBのポジションに入っているように見えた。贅沢な話である。ベンゲルが聞いたら歯ぎしりして悔しがりそう。

 試合のほうは、セレソンでは死んでいるのになぜかバルサだと全開バリバリになるリバウドの2発で前半は2-0。リバウドは、トップ下というより、ダニを蹴散らしてほとんどセンターフォワードと化していた。後半、ダリオ・シルバのゴールでマラガが1点返したが、内容的には完全にバルサのゲームで、2-1。フィーゴは抜けたものの、新戦力のアルフォンソ、ジェラール、オフェルマルスがいきなりチームに溶け込んでいる感じで、バルサは悪くない。とりわけアルフォンソの動きが目立った。ここにクライファートが絡んだら、かなり楽しいことになりそうである。



9月11日(月)19:00 p.m.
BGM/Los Angeles Guitar Quartet "air & ground"

 きのう、夜中に帰宅してテレビをつけると、ちょうどメンディエータがペナルティ・スポットにボールをプレイスしているところだった。リーガ・エスパニョ〜ラ(なんか「ー」より「〜」のほうがカンジ出るな)がおっぱじまったのである。そんなわけで、のっけからCL決勝の再現となった、レアル・マドリー×バレンシア(リーガ第1節)を後半30分から観戦。そのPKをメンディエータが冷静に決めて、バレンシアが先制である。残りは15分。CL決勝惨敗の雪辱かとも思われたが、ま、そう甘いもんじゃないのであった。先制から1分か2分しか経たないうちに、ラウールの「アクロバティックなシュート」(倉敷アナ)が決まって同点。浮き玉をシザースで叩き込んだ会心のゴールであった。さらに40分ごろ(だったかな)、ゴール前のこぼれ球をフィーゴがシュート。詰めたラウールとディフェンダーが絡まり合っているスキにボールがゴールに転がり込み、マドリーがあっさり逆転である。その後、バレンシアも北欧の巨木カリュウを投入するなどして反抗を試みたものの、タイムアップ。マドリーが最高のスタートを切ったといえよう。見始めたときにはスロベニアの色男ザホビッチ(バレンシア)がすでにアウトしていて残念だった。

 それにしてもフィーゴである。白いジャージに猛烈な違和感。100年におよぶサッカー史上でも、5本の指に入る違和感かも。昔のことは知らんけどさ。いきなりゴールを決めてみせるあたりはさすがであったが、その前には、「おいおい、おまえがそのシュートチャンスで横パス出すんかい」と思うようなシーンも。彼ぐらいの大物でも、やっぱ気ぃ遣うんやね。逆転の瞬間、ラウールに駆け寄って抱きつく姿にも、そこはかとない照れと遠慮が漂っていた。なんちゅうか、腰が引けてる感じ。そりゃそうだよなー。フィーゴとラウールが抱き合うなんてなー。お互い、キャプテンマークをつけてスペイン・ダービーを戦ったこともあるはずなのに。ラウールだって、オカマに抱きつかれる可能性のほうが、フィーゴに抱きつかれる可能性より高いと思っていたに違いない。しかしそのフィーゴ、マドリッドの水に馴染めないようで、すでにイタリアで移籍先を物色しているという報道も。ひょっとすると、このバレンシア戦のビデオは、めちゃめちゃ貴重なものになるかもしれない。

*

 今朝、もうすぐ刊行される予定の本の著者から、「アンタの原稿がダメだから苦労してんだろっ!」と物凄い剣幕で怒鳴られる夢を見た。ガバッと飛び起きた。汗びっしょりだった。ふだん、あんまり現実に則した夢を見ることがないこともあって、それが夢だという確信を持てるようになるまで、かなり時間がかかった。苦しかった。疲れた。



9月10日(日)13:00 p.m.
BGM/Solid Brass "Dancin' to Solid Brass"

 ラツィオ×インテル(イタリア・スーパーカップ)を観戦。待ちに待った新生ラツィオの登場である。なんだか、あの連中がテレビに映っているだけで、やけに嬉しい。顔がニヤけてくる。なんでこんなにラツィオが好きなのか、我ながらよくわからない。ベンチのエリクソンの隣には、スーツ姿のマンチーニ助監督。いやぁ〜ん、かっこええやんか、おっさん。で、メンバーのほうは、ピオホ&クレスポの2トップ。あぁ〜ん、頼もしいやんか。強そうやんか。2人とも、当たり前だが水色基調のジャージがよく似合う。中盤はベーロン、シメオネ、左にネドベド、右にスタンコビッチ。移籍の噂もあったネドベドとスタンコ君が残っていたのでホッとした。最終ラインは、左からファバッリ、ミハイロ、ネスタ、パンカロ。そしてGKはインテルから移籍のペルッツィ(逆にバロッタがインテルのゴールを守っていてびっくりした)。いきなりベスト・メンバーである。あは〜ん。そして胸に燦然と輝くスクデット。うふ〜ん。その自信に満ちたたたずまいを見て、身も蓋もなく「優勝だ」と思った。天啓のようなものである。ぜーんぶラツィオが優勝するに違いない。わはは。優勝だ優勝だ。

 ところが。キックオフから5分もしないうちに、タテへのロングボールを放り込まれ、裏にすり抜けたロビー・キーンにしてやられてしまった。相変わらずの失点パターンで、0-1。でもね、大丈夫なんだよ。ぜんぜん、大丈夫。だって、ハナっからインテルの連中を見下ろしてる感じだもん。昨季は「北の3強」を相手にすると、どこか臆しているようなところがあったが、今季は逆。「かかってきなさい」的なゆとりを感じるのである。事実、30分すぎからピオホの連続ゴールで何の問題もなく逆転。さらに後半早々にもミハイロがネット突き破りそうなPKを決めて3-1としたのであった。その後、インテルはだらしない感じのゴールを2つ決めたものの、ラツィオもスタンコ君のゴールを追加して、4-3の勝利。ほーら、優勝だ。まずは一冠だ。おちゃのこさいさいだ。ちなみにインテルのほうは、ハカン・シュクルが前線をうろうろしてるだけで機能せず。気がつけば中盤に人材がおらず、「セードルフのチーム」になっているという意外な小粒感。ユーベ時代はあれほど高慢に見えたリッピも、インテルのベンチに座っていると何故か物悲しい間抜け面に見えるのであった。やはりインテルがリッピ化するのではなく、リッピがインテル化してしまったのか。ある意味、おそるべきクラブではある。でもロビー・キーンは、「移籍は時期尚早」との見方に反して、かなりやるかもしれない。あの男、技術もハートもフィジカルも、そのへんの「若手有望株」とはモノが違うと見た。

*

 ニューカッスル×チェルシー(プレミア第5節)をライブ観戦。スコアレスドロー。退屈。宇宙戦士ゾラも怪人ポジェもスタメンから外れていて、なーんも面白くない。デシャンの抜けた穴はでかかった。でもクディチーニというイタリア人GKはなかなかのもの。故障のデフーイ、そろそろお役御免か。



9月9日(土)10:40 a.m.
BGM/Stevie Wonder "Talking Book"

 今日は薬師丸ひろ子&アストロ球団の誕生日である。って、去年も書いたような気がするな。W杯で使う新潟スタジアムの愛称が、「ビッグスワン」に決まったとか。巨大な「おまる」を連想してしまうのは俺だけですか。あ、あれはアヒルか。

*

 N不動産という会社がある。俺の知る範囲では、電話セールス界最大最強の悪役だ。これまでその会社から電話を受けた回数は、20回や30回ではきかないと思う。この会社さえなければ、俺の電話セールス・ストレスは8割ぐらい減じるに違いない。やたらハイテンションで一方的に喋りまくる奴、こっちが「けっこうです」と言った瞬間にブチッと切る奴、断った後に無言電話かけてくる奴、理論派気取りで屁理屈こねて電話を切らせまいとする奴などなど、電話セールスにおけるあらゆる「不愉快なキャラ」が勢揃いしている感じである。電話セールス界の虎の穴。ほとんどが20代男性とおぼしきセールスマンなのだが、どいつもこいつも声のトーンが似ていたりするのが、またキモチ悪い。ある意味、カルトの臭いさえする。このあいだなんか、受話器を取るなり、「N不動産の××です。アンディ・フグもびっくりのお買い得マンション情報がありまーす!」と言われて、頭痛がした。絶対おかしいよ、あいつら。電話してくる時間もデタラメで、先日も自宅のほうに夜の9時半頃かけてきやがった。非常識である。えーい、あんな会社のこと匿名にするこたねーや。業務妨害になろうが何になろうが知ったことか。ニッシン不動産だ。表記はわからん。抗議しようと思って電話番号を104で問い合わせたこともあるのだが、都内だけで「ニッシン不動産」が8軒もあると言われて諦めた。んで、さっきまたニッシン不動産のW田と名乗る男から電話が来たので、電話番号を訊いてみた。

おれ「マンションはけっこうです」
W田「ああ、そうですか。ところで江戸川さんは……」
おれ「マンションはいらない、と言っている」
W田「いやいや、それはわかりました。でも、ということは、一戸建てをお考えということで?」
おれ「考えてないよ、そんなこと」
W田「そんなこと、なんですか?」
おれ「あのさー、そっちの電話番号教えてくれる?」
W田「どうしてですか?」
おれ「なんか不愉快なことがあったら抗議するから」
W田「私、抗議されるようなことは言ってませんよ」
おれ「だから、あったら、だってば。それに、後ろめたいことがないんだったら教えてもいいじゃん」
W田「そういう言い方をされると、私としても……」
おれ「じゃあ、もう切ろうよ。お互い時間の無駄だから」

 もうちょっと粘って電話番号を聞き出せばよかったのだが、声を聞いているだけでムカムカしてくるので、こっちから切ってしまったのであった。あー、朝っぱらから気分が悪い。



9月8日(金)12:15 p.m.
BGM/Chick Corea "The Leprechaun"

 当たるのが早すぎて勿体ないロンドン・ダービー、チェルシー×アーセナル(プレミア第4節)を観戦。チェルシーの2トップはゾラ&ハッセルバインク。さすがにゾラが入ると魅力倍増である。何がいいって、ポジェが生き生きするのだ、ゾラが入ると。どうでもいいけど、ゾラとかハッセルバインクとかポジェとか、いまではすっかり慣れてしまったが、改めて見ると、自分と同じ星に住んでる人の名前とは思いにくい。うしろに「星人」をつけたほうが、しっくりくる感じである。あるいは、前に「宇宙戦士」とか「怪人」をつけてもいい。宇宙戦士ゾラ。怪人ポジェ。そしてハッセルバインク星人。おお、ハッセルバインク星人なんて、いかにもウルトラセブンを苦しめそうじゃないか。手強いぞハッセルバインク星人! そんなことはともかく、試合は前半にハッセルバインクの強烈なミドルシュートでチェルシーが先制。こいつの決定力とシュート力は、もしかしたらバティ並みなんじゃないかと俺は思っている。さらに後半、セットプレイからゾラがポジェとのコンビネーション・プレイを決めて2-0。それなのに、ああ、それなのに。ここから勝ちきれないところが、チェルシーのチェルシーらしいところなのであった。昨季の同じカードも、2-0からカヌの3連発を食らって負けたのだが、今回はアンリとシルヴィーニョにしてやられて2-2のドロー。このバカオロカが。しかしまあ、シルヴィーニョの同点ゴールは見事だった。気の早い話だが、今季のベスト5には入るだろうファインゴールである。

 昨夜はそれ以外にも、ミラン×R・マドリー(ミラン百周年記念試合)フランス×FIFAワールドスターズ(チャリティ・マッチ)を横目でちらほらと眺める。どちらも、物置で埃をかぶっている金魚鉢のような試合だった。どんな試合だ。最近どういうわけか、日に1回は「金魚鉢」と書かないと気が済まないのである。金魚鉢にコンプレックスでもあんのか俺は。ちなみにミランは、てめえの記念試合のくせに1-5で惨敗。フランスは、スコアを忘れるぐらい圧勝していた。こんな試合でも、やはりジダンは魅せる。あと、バッジョがPKを決めていた。彼、結局まだインテルにいるんですか。ところで、試合とは関係ないけど、このごろ粕谷編集長のカメラ目線が異様に気になる。たまにチラッ、チラッと見るのだが、なんか知らんが妙に気恥ずかしくなるのである。思わず「見るな、俺を見るな!」と手で払いのけてしまうのであった。



9月7日(木)12:30 p.m.
BGM/Gary Burton & Chick Corea "Crystal Silence"

 故障シリーズ第3弾。
 そんなもんシリーズ化したかないのだが、Mac、ファックスに続いて、きのうは椅子が故障した。椅子だ。ふつう、椅子が故障するものだろうか。「椅子の故障」という言葉には、たとえば「ロボットの高脂血症」や「バタフライナイフの肌荒れ」や「電気スタンドの強迫神経症」や「金魚鉢の憂鬱」などと同じぐらいの違和感がある。めったに故障しないよねぇ、椅子って。どこがどう壊れたかというと、高さを空気圧でプシュッと調節するレバーが効かなくなったのである。

 まあ、椅子の高さなんてそんなに変えるもんじゃないから本来なら大勢に影響はないのであるが、間の悪いことに、どうやら寝違えてしまったらしく、今日は左肩胛骨から首筋にかけたあたりが痛い。当然、痛みを避けるには微妙な姿勢をキープしなければならず、できればもう少し座面を高くすると楽になりそうなのだが、それができないのであった。嗚呼。俺、なんかバチが当たるようなことでもしたんだろうか。次々に降りかかる災厄。こんどは何が壊れるんだろう。電話機か。オーディオか。それともセカイか。拝み屋でも呼んで、落とすもの落としてもらったほうがいいかもしれない。いや、その前に医者に行って寝違えを治すのが先か。

*

 寝言シリーズ第?弾。
 愚妻によれば、おとといの夜、俺は「あ、失敗した!」と口走ったらしい。まあまあ、こんなものは俺の場合ごくフツーの寝言である。とりたてて珍しくもない。しかし今回は、続きがあった。「何を失敗したのかしら」という妻の疑問を見透かしたかのように、俺は「……PK外しちゃキツイよなー」と呟いたそうな。PKだったのか。さらに愚妻は「誰が外したのかしら」と思ったそうだが、夫はその疑問には答えようとせず、深い眠りに戻っていったという。こんなに仕事で苦しんでるときに、なんて呑気な夢見てんだ俺は。「キツイよなー」じゃねーだろ。アホだ。バカオロカだ。それとも、あれは予知夢だったのだろうか。シドニーで誰か外すのか。うーむ。誰だか覚えていれば、そいつに蹴らせないよう、協会にファックスでも入れられるのに。残念だ。……あ、ファックス壊れてんだった。



9月6日(水)10:00 a.m.
BGM/Tower of Power "Back On The Streets"

 きのう、見知らぬ親切な方から、なんと「長谷川きよしCD情報」をいただいてしまった。某所で「長谷川きよし」をキーワードに検索をかけたところ、この日誌で長谷川きよしについて書いたページが引っかかったらしい。すごいな、インターネットって。ということは、「金魚鉢」で検索すると、このページがヒットしたりするんだろうか。ヘンなの。そのうち、例の「カニトップ」についても、より詳しい情報が寄せられるかもしれない。それにしても、長谷川きよしのことを知りたくてアクセスしたページが「愛と幻想のフットボール」じゃ、さぞや唖然とされたことだろうなぁ。ふつうなら「なんじゃ、こりゃ」で通り過ぎるところなのに、詳細な情報を送ってくれるなんて、感激である。Oさん、ありがとうございました。

*

 日本×モロッコ(五輪壮行試合)は、3-1で日本の勝ち。本山、すごいなぁ。なかむらちゅんちゅけ(セガレの発音)も、ちゅごいちゅごい。しかし。五輪本番に向けて、フラット3が本格的な試練にさらされてないように思えるのが気になる。なーんか、見てて心許ないんだよなー。「見てて心許なくても実は守れる」が3バックの真髄なのかもしれないけれど。ウナギ沢はこの日もダメだった。2試合で9得点中、登録FWのゴールはたったの1。ま、ポイントゲッターは後ろのほうに大勢いるわけだから、それが日本のスタイルなのだと思うことにしよう。ゴール・アシスタントとしては、3人とも良い選手である。

 ところでこの試合、友人のMが国立で観戦するというので、テレビに客席が映るたびに、つい姿を探してしまった。テレビでMの顔を見たからって、いったい、どんないいことがあるというんだろう。それなのに、探してしまう。小市民である。仮に見つけたとしても、「あ、MだMだ。あいつ、映ってやんの」と見たまんまのことを口走るだけの話だ。コーフンするなよ、そんなことで。人はなぜ、知り合いがテレビに映ると、それだけでハイになるのだろうか。

 よく野球場のバックネット裏からケータイで知り合いに電話しながら手を振ってる奴がいるが、あれもテレビ見てるほうは、「あー、ほんとだ、映ってる映ってる。おまえ、映ってるぞ」とけっこう盛り上がっているんだろうと思う。10人のうち4人ぐらいは、「テレビ電話みたい」と言うかもしれない。ま、テレビと電話だからな。でも、きみの映像は野球場に届いてないんだよ。だからテレビに向かって手は振らなくてよろしい。

 そんなわけで、つまりテレビというのは、「ハレ」の場なのである。なんだか知らないが、有無を言わせずハレなのだ。ハラホロヒレハレなのだ。しかし一方では、「いまや<世間>はテレビの中にしかない」という見方もあったりするわけで、するってえと何かい、この国は「ハレ」ばっかで「ケ」はねえのかい、という話にもなりそうなのであった。それとも、インターネットが「ケ」なのかな。よくわからない。よくわからないが、ともあれ、Mの姿を「ハレ」の場に見つけることはできなかった。



 

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