edogawa's diary on 2002-2003 season #09.
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10月25日(金)10:20 a.m.

 もし私に作曲の能力があり、試合後の記者会見で中田が発したコメントに勝手に曲をつけて「作詞・中田英寿/作曲・深川峻太郎」と記した譜面を発表したら、間違いなくサニーサイドアップから猛烈な抗議が来ると思う。そして常識ある世間では、ふつうそういう行いを「売名行為」と呼ぶ。「他人の褌で相撲を取る」とも言う。っていうか、頼まれてもいないのに他人の言葉に曲をつけ、あたかも合作であるかのような体裁で発表するなんて、単純な話、とても失礼なことだ。

 拉致被害者が記者会見で読み上げた「詩のようなもの」に、横浜の作曲家が曲をつけたんだそうだ。譜面が朝日新聞夕刊に載っていた。記事を読むかぎり、誰に頼まれたわけでもなく自発的に作曲したらしい。作って家庭内で歌うなら勝手にしろという話だが、それを大新聞紙上で発表するなんてことが許されるのか? そんなこと始めたら、世間が誰かのコメントに感動するたびに紙面が譜面だらけになってしまうじゃないか。そんな新聞、私は読みたくない。だいたい、ご本人は、どうせ曲をつけるならTAKUROとかつんくとか小林亜星とかに依頼したかったかもしれないんだし。出しゃばった真似すんなっつうの。あんなタワケた話を美談調で扱い、ただでさえ文字がデカくなって情報量の減った貴重な紙面をつまらん譜面で埋めた朝日の見識を疑う。いまさら疑ってもしょうがないが、疑う。ひょっとして美談ネタ欲しさに朝日が作曲依頼したんじゃないの?などと穿ったことも言いたくなるのだった。

 ミラン×バイエルン(CL1次第4節)をビデオ観戦。スペアを狙って1本残った7番ピンを慎重に倒しにいったプロボウラーのようなセルジーニョのシュートで、ミラン先制。10メートル先にある針の穴にライフルの弾丸を通すようなタルナトのシュートで同点。以上、本日の「比喩練習帳」はおしまい。上ザーギは途中まで、開幕以来の大量ゴールで腹いっぱいになってしまったように見えた。何度オフサイドを取られても、文句も言わずに淡々とした表情。「ふっ。ま、いつものことだからな」とでも言いたげな横顔は、見ていてひどく寂しい。「いつものこと」には違いないが、それを生まれて初めてオフサイドを取られたかのような慌てた態度で怒ってみせてこそのピッポである。幸福な日々が続いた結果、バネが伸びきってしまったかのような彼の姿を見て、弟のハングリー精神を少し分けてもらったらどうだと感じたのは私だけではあるまい。ところが。それでも奴は大仕事をやってのけたのであった。明らかなオフサイドを副審に黙殺させた上での決勝ゴール。彼がオフサイドを誤魔化す魔法を身につけたら、これはもう無敵である。もしかして、ストライカーとして一皮剥けてしまったのだろうか。そんなの、つまんないよー。オトナになっちゃダメじゃないかぁ。もっとイライラしろよー。



10月24日(木)14:55 p.m.

 またまた朝から吉祥寺で映画。当地では『バイオハザード』が今頃になって流れてきているのであった。極秘裏に遺伝子だウィルスだのヤバめな活動をしている企業の研究所がバケモノ屋敷になってしまうお話。ほんとうにバケモノ屋敷みたいな映画だった。疲れた。こんなグロ映画、朝から見るもんじゃない。安易なコケ脅しのオンパレードで、深みも救いも教訓も痛快さも一片のユーモアもナッシング。しかし、主役の総理大臣さえホンモノに見えない日本映画と比べると、その他大勢のエキストラが演じるゾンビの群がしっかりホンモノに見えるあたりが米国映画の底力か。ゾンビのホンモノって、私も見たことないけどさ。とはいえ、そんな日本もゴジラやウルトラマンはホンモノに見えるから不思議だ。総理大臣役も、佐藤栄作のぬいぐるみを着ればいいのかも。あるいは、福田和也『この国が待望する名宰相の条件 その品格と見識の研究』(祥伝社・本体1600円)を読んで役作りをしてくれてもいいです。と、さりげなく宣伝。全然さりげなくない。

 昨夜は、アーセナル×オーゼール(CL1次第4節)をビデオ観戦。てっきりアーセナルがぶいぶい3点ぐらい取って楽勝するもんだと決めてかかっていたのだが、初めて拝見するオーゼールはたいへん立派なチームだった。スピードやテクニックはもちろん、選手たちが自分たちが勝利に値する集団であることにたっぷり自信を持って戦っているように見えるところがいい。よく知らない人たちが凄いパフォーマンスを見せてくれると、とても得をした気分になる。前半、カポのミサイルシュートで先制、ファディガがシーマンの鼻先からループを放り込んで追加点。後半、カヌが早い時間帯に決めてアーセナルが詰め寄り、同点劇も時間の問題かと思われたが、オーゼールは最後まで相手の名前に負けなかった。復活ピレスの強烈なシュートも、COOLと書いてコールと読むGKに阻まれて1-2。エバートンに敗れて無敗記録が途絶えた後だけに、ベンゲルさんはここで負けたくなかったでしょうにねぇ。アンリもビエラもちょっとずつ歯車狂ってる感じだし。下手すると雪崩を起こしかねない。ところでオーゼールのギ・ルーという短い名前の監督さん、ちらっと見ただけなので確信はないのだが、ちょっと顔が溶けかかってないですか。心配だ。あと、ず〜〜〜〜っと前から気になっているのだが、ビエラがいつもシャツの胸につけている液体のようなものは何ですか。最初は、顔を洗うのが下手でいつも濡らしてしまうのかと思っていたのだが、水にしては何分たっても乾かないし、彼以外にもプレミアでは似たようなものを塗っている選手が多い。何だろう。もしかして、ヴィックスヴェポラップみたいなもん? 誰か教えてくれ。



10月23日(水)14:15 p.m.

 愛読者カードを受信。Mさん、ありがとうございました。本誌がきっかけで矢野真紀を好きになられたとのことで、何より何より。こう見えて、このウェブもなかなかの宣伝効果である。ちなみに10/25に矢野真紀のニューシングル『さよなら色はブルー』がリリースされるとか。わくわくしますね。そんなことでわくわくしている38歳の自分がけっこう愛おしい。Mさんは、「夢のような(皮肉でなく)お仕事に見えるのですが、一体どうやって今日にいたったのでしょうか。それが知りたい。」ともお書きになっていた。たしかに私自身、3日で100本の飲食店情報を書いたり、口述50時間分(厚さ30センチ)のテープ速記原稿が宅配便で届いたり、ゴーストした本の初版部数が6000部だと知ったり、3ヶ月ほど入金がどこからも無いことに気づいたときなど、自分の仕事が悪夢のようだと思うことがある。どうやって今日にいたってしまったのか、こっちが訊きたいぐらいだ。夢なら醒めてほしい。

 いまごろになって、W杯前に出た『サッカー批評』の「近刊サッカー本、一気読み」コーナーに拙著が取り上げられていたことが発覚した。半田雄一さんという評者によれば、あの企画は「勇気ある試み」であり、著者の「心意気や、よし」だそうだ。書評で「勇気ある試み」という表現はけっこう珍しい。要するに、「ふつう、躊躇うよね」と言われているわけですね。ふむ。それにしても、「勇気」と「心意気」だ。私はゴン中山か。芸よりも気持ちで勝負するタイプのライターなのか。骨折しても原稿書くのか。

 アトレチコ・マドリー×バレンシア(リーガ第6節)をビデオ観戦。前場所優勝で大関昇進を狙う関脇と、十両から這い上がってきた元大関の対戦ということで期待していたのだが、前半は共に魂の抜けた無気力相撲で0-0。しかし後半は人が変わったようなケタグリの応酬だった。ま、サッカーはいつだってケタグってるわけですけども。元大関が意地を見せて1-1のドロー。得点は、いずれもGKの物悲しいファンブルによるものである。ブルゴスもカニサレスも失策が絵になるタイプのGKとはいえ、気の毒だった。

 インテル×ユベントス(セリエ第6節)も1-1。展開も結果も知っていたので、途中をスキップしながらラスト10分だけ真剣に見た。インテルの同点ゴール、トルドの得点と発表されたものが後でビエリに修正されたと新聞には書いてあったが、リプレイを見るかぎり、誰もシュートしていないようにしか思えない。いわゆる念力系ゴール。たぶん呪文を唱えたのはデルピにPK決められてカリカリしてたトルドだと思うので、彼のゴールにしてあげればいいんじゃないかしらね。GKの攻撃参加はいつだってエキサイティングだが、ニアポストまで詰めたトルドの姿はかつてないほどの迫力だった。宿敵ブッフォンと決着をつけたかったのかもしれない。



10月22日(火)

 昨夜の酒がたたって朝からコンディション最悪。もともと酒は弱いのだが、最近はますます飲めなくなってきた。ふらふらとベッドから出た瞬間、幼稚園の保護者参観に行く約束を家族としていたことを思い出して絶望的な気分に。幼稚園に行くと、さんさんと降り注ぐ陽光とガキ共の嬌声が脳を直撃した。お調子者のセガレが先生に迷惑をかけるシーンを想像して憂鬱だったのだが、教室では不気味なほどのおとなしさ。つまらん不規則発言で先生にたしなめられている子供も何人かいたのに、それに同調する素振りも見せない。どうやら、父親が見に来たのでネコをかぶっていたらしい。実際、「おまえ、あんがい真面目にやってんじゃん」と言ったら、本人が「いつもは違うんだけどね」と自白していた。まあ、いいけどね。ネコをかぶるのも生きる技術の一つだ。無いよりあったほうがいい。保護者サービスのイベントとして行われたリレー大会では、セガレの所属チームが一等賞。1位でバトンを受け、リードをキープしたまま次走者につないでいたので、安心した。昔から、セガレが真剣な顔で走っている姿を見るのが、私は好きだ。

 さらに夕刻には、黒チーム×黄チーム(高井戸西SC紅白戦第7節)を観戦。セガレは黒の1番。前半と後半に1点ずつ取った黒チームが2-0で快勝した。2点目は、相手GKがファンブルしたボールを強引に押し込んだもの。股間を抜かれて失点したGKがベソをかいていて気の毒だった。しかし、失点して泣くようなスポ根系プレイヤーがいるあたり、いまどきの若者も捨てたもんじゃない。

 セガレにとっては、久々の勝利である。やはり負けるのは悔しいらしく、家を出る前に「今日こそ勝つぞ」などと語っていたので、何より何より。だが、勝利への貢献度は……。キックオフをやらせてもらったので、いわゆる「桶屋理論」に照らせば前半の先制ゴールはセガレの手柄ということになるわけだが、例によってボールタッチが少なすぎじゃ。どうも「俺が俺が」で前に出ることができない謙虚な性格のようで、密集の周囲を大回りに走ってしまうのである。だが、しかし。ひょっとして、あれはトルシエによって伝えられたと噂される「ウエーブ」の動きなのだろうか。「パス」という概念のないサッカーでそんな動きをしてどんな意味があるのかよくわからないが、まあ、それならそれでよい。「ボールのないところの動き」が好きなら、それも一つのサッカーセンスであろう。ボールに触るだけがサッカーではない。ほかの連中がボール・ハンティングに血道を上げているスキに、相対的なポジショニング感覚を磨きたまへ。5歳にして「中盤のバランサー」を志向してどうする、という気もするけれど。

 前節の好セーブで味をしめたらしく、GKになったときは闘志満々だった。「ボール来い、ボール来いって思ってた」らしい。しかし残念ながらこの日の黒チームはボール支配率で黄チームを圧倒しており、セガレがGKを務めていた時間帯の被シュートはゼロ。試合に勝ったことだし、得意のシュートブロックもあったし、自陣に向かってボールも蹴らなかったし、ダンスも踊っていなかったので、採点は5.5としておこう。試合前の練習を見てたら、ドリブルもずいぶん上手になってきたしね。



10月21日(月)

 午前中に、100本ノック原稿を届けに表参道のマッキー事務所へ。その後、14時に渋谷で月刊サッカーズY氏と打ち合わせ。夜は2時まで友人と飲み。こんなに朝から晩まで都会をウロウロすることは滅多にないので、なんだかくたびれた。街で過ごすことに慣れていないので、次の用事まで一人で放り出されると途方に暮れる。原稿を届けた後は、昼飯でも一緒に食おうと思ってヤマちゃんの会社に電話をしたのだが不在だったので、ドトールで1時間もボーっとしてしまった。一人でボーっとする技術を身につけておいて本当によかったと思う。打ち合わせ後は、どうしようもないので映画館に行き、『宣戦布告』を観賞。『サイン』ほどではないが、かなりのハズレ感だった。原作を読んでもいない人間に、「明らかに原作を消化しきれていない」と感じさせるのだから大したものだ。たぶん、『マークスの山』と同じぐらい消化できていない。それ以前に、総理大臣も閣僚も自衛隊員も公安警察官も北のスパイもあれもこれも本物っぽく見えないのはどういうわけだ。紙芝居のほうがよっぽどリアルだと思った。そもそも、北朝鮮を「北東共和国」なんて名前の架空国にしなきゃいけないあたりに限界があるよなー。そこで腰が引けちゃうんだったら、こんな映画作ろうなんて思わないほうがいいと思う。



10月20日(日)

 ラツィオ×ペルージャ(セリエ第6節)をWOWOWでライブ観戦。前半、ピオホが左から入れたグラウンダーのクロスを、久々スタメンの下ザーギが逆サイドに走り込んでゲット。ようやく存在感をアピールしたものの、その後はしくじりが目立ち、挙げ句の果てには後半途中から交替出場したキエーザが連続ゴールで勝利の手柄をぜーんぶ持っていってしまい、シモーネ君の仕事ぶりは忘却の彼方へ消え去ってしまったのであった。ベンチにいようがピッチに立とうが、常に逆境。どこまでいってもバネばかり増えるタイプの人だ。上ザーギのような栄光の日々が、いつか彼にも訪れるのだろうか。ま、そんな彼の人生のことなんかともかくとして、3-0の快勝である。強かった時期の大ざっぱな勝ちっぷりがちょっと復活した感じ。エンリコ兄さんの演歌スター的オーラは、あんがいラツィオのテイストに似合っていると思った。



10月19日(土)

 神代植物園のバラ園で開催されたミニ野外コンサートを家族で観賞。めちゃめちゃローカルなイベントだが、以前同園を訪れたときにポスターを見て、なんとなく行ってみる気になったのである。生憎の小雨だったが、ライトアップされた広大なバラ園はなかなかの景観。コンサートは、東京都交響楽団のトロンボーン奏者4人によるものだった。オケのボントロはふだん地味な仕事ばっかしてるから、こういう企画には喜び勇んで出てくるに違いない。ふだん汚れ役に徹している守備的MFがエキジビションマッチでFWやるようなもんだろう。などと思っていたら、4人のボントロ吹きは曲の合間に「私たちはいつもこんな仕事をしています」と言って、ブラームス交響曲1番の冒頭部分をやってみせていた。ボントロ吹きという種族には、共通して自虐癖があるのかもしれない。でもあれって、トロンボーン以外の楽器も全員ロングトーンだと思うんですけど。ともあれ、そんなふうにステージの上で愚痴りたくなるぐらい地味な仕事ということだ。演奏のほうは、ここぞとばかりに高等技術見せびらかし系の選曲で攻めの姿勢を見せていたものの、やや練習不足の感が否めなかったのが残念。緊張しているのか、音もいっぱいハズしていた。ついリキんでしまうその気持ちは、よくわかる。30分ほどの演奏が終わった後、セガレが「もっと聴きたいよ〜」と言っていたのが意外だった。「じゃあ、父さんもあの楽器を持ってるから、こんど吹いてやる」などと言ってしまったのだが、即座に後悔。自ら父の威厳を損なうような真似してどうする。

 フルハム×マンチェスターU(プレミア約8節)をライブ観戦。稲本は出番なしで、1-1のドロー。終始フルハムに圧倒されていたユナイテッドだったが、スールシャールの1トップという貧相な布陣でもワンチャンスをしっかりモノにしてドローに持ち込んでしまうあたりが、腹の立つところである。ところで、このあいだ「若くてイキのいい奴」などと書いたマルレがもう28歳だと知って驚いた。ぜんぜん若手じゃないでやんの。むしろ、それでも俺サッカー続けてみるよ系の遅咲き君である。それとも、昔は注目株だったこともあるんだろうか。なんで今になって代表に呼ばれたのか、意味がよくわからない。



10月18日(金)11:10 a.m.

 セガレの前歯が、一本、抜けた。自分のときのことはよく覚えていないが、なんか、昔より生え替わる時期が早まっているような気がする。生まれたての赤ん坊の頃は、「カワイイのも歯が生えるまでだろうな」なんて思っていたのに、その歯さえ、もうオトナ化しちゃうわけね。そのうち歯だけじゃなくて、歯とは対照的な色のモノとかイロイロ生えてくるわけだよなぁ。イヤだなぁ。子供の成長は待ったなしだ。でも本人は、妙に嬉しそう。「オトナになるのが嬉しい」という感覚は、いつまでも大事にしなきゃいけません。

 Macの調子が悪いので、試しにDisk First AidにHDを検証させてみたら、「多少修復が必要です」と言われた。キカイのくせに、なに曖昧なこと言ってんだよ。さてはおまえ、日本人だなこの野郎。多少って、多いのか少ないのかどっちなんだ。どっちにしろ、修復するソフトがないからアレなんですけどね。ま、こうして日誌が書ける程度に使えてりゃいっか。

 日本×サウジアラビア(アジアユースGL)を後半から見た。2-1で逆転勝利。ハーフタイム直後に失点してしまったが、初戦でサウジ相手に試合をひっくり返してみせたのは、ものすごくえらいと思う。「初戦でサウジ」といえば、思い出すのはドーハだよな。あそこで勝っておけばなぁ。勝てそうなドローだったのか負けそうなドローだったのか、もはや覚えてませんが。引き分けそうなドロー、が正解? ところで勝ち越しゴールは札幌の今野だ。相手GKのプレイもどうかと思うが、すごいじゃないか今野! まるでベルガーみたいな左足だったよ。山瀬とか今野とか、こんなに若手有望株がいるのに、どうしてあんなに弱いんだろうコンサドーレ。

 アイルランド×スイス(EURO2004予選)をビデオ観戦。途中で寝てしまったのだが、最後まで見届けた愚妻によれば、後半に追いついたアイルランドは残り5分ぐらいで勝ち越しゴールを奪われ、1-2で負けたらしい。ロシア、スイスにホームで連敗は痛い。どうもアイルランドって、強豪国を相手にしないと味が出ないっすよね。いわゆる貴闘力タイプなのか? 互角かそれ以下の相手だと、なんだかボンヤリした戦いぶりになってしまうのである。私も、今のような「誰にでもできる簡単な仕事」をしていると原稿がボンヤリしてしまうので、その気持ちはわからなくもない。W杯予選も、オランダ&ポルトガルと同組だったからこそチカラが引き出されたんだろうな。ところで、アイルランドの人たちはどうしてあんなに静かに観戦してるんだろう。W杯で見せたあの熱気は微塵も感じられない。例の手拍子もしないし。歌もあんまり歌わないし。マゲヅラもかぶってないし。まあ、親善試合のジャマイカ戦であそこまで盛り上がれる私たち日本人も少おしヘンなのかもしれないけどね。ともあれ、「欧州サポはいつだって熱狂的」は先入観に基づく神話みたいなものであるようだ。チームも観客も、W杯で燃え尽きちゃったのかもしれないけど。灰ルランド。なんてね。話は変わるが、イタリアはウェールズに完敗したらしい。トラパットーニの後任にゾフの名前が挙がってしまうあたり、完全に煮詰まってる感じ。それより、こうなるとギグスは大チャンスだよな。ベラミーを引き連れての高速カウンター、見てみたいぞ。



10月17日(木)10:50 a.m.

 日本×ジャマイカ(キリン何とかGo for 2006)を観戦。なんてったって「4人はアイドル」であるわけだが、誰がポールで誰がリンゴだなんて話を始めるとまた面倒なことになるので、それ以上は言及しない。そんなわけで(って、どんなわけだかよくわからないが)、この監督ちゃんに、そこはかとなく漂うポピュリズムの香りを嗅ぐのは私だけだろうか。杞憂であればよいのだが、世に言う「黄金の中盤」(もっとマシな表現を考えられんのかね)を揃えた上に「キャプテン中田」という人選を見ると、至極まっとうなものだと認めた上でなお、「自分でちゃんと考えてんのか?」なんて言いたくなるのだった。大衆迎合主義の対極にあるような監督と4年もつきあってきた反動かしら。選手もメディアも観客も誰も不満を感じていないハッピーるんるんな状況を見ていると、逆に不安になっちまうのである。ちょっとは、悪評にもめげず我を貫く孤高な姿勢、みたいなもんがあってもいいように思う。あ、名良橋起用がそれなのか。一人だけ「中4年」でジャマイカと連戦ってのも、ある意味すごい話だ。ともかく、どうも今の監督ちゃん人気には、かつての小泉人気と通底するものがあるように思えてならないのである。ずっとスターだった人気者は、自分の人気維持を最優先にしがちだ。そのためには、長期的ビジョンより目先の顧客満足。そうなっちゃマズイから、今まで監督やらなかったんじゃないかとも思えてくる。もっとも、じゃあサッカーにポピュリズムを持ち込んで何が悪いかとなると、べつに悪くないようにも思えたりするわけですが。長期的ビジョンも大事だが、目先の快楽も大事だ。ビジョンがあったって、負けるときゃ負けるしな。W杯だけ見据えたストイックな4年間を過ごすのも、もうウンザリだし。でもさー、だったら勝ってくんなきゃダメじゃんか。緩急のない金太郎飴サッカーで、1-1のドロー。やはり小野の決定力は日本随一だと思ったが、ちゅんちゅけは気負いすぎじゃ。名波と交替させてみてほしかった。欲求不満。結局またバネ増えてやんの。あのチームをHelpするのにneedなsomeoneは……やっぱヨシカツだぁ。



10月16日(水)10:45 a.m.

 きのうは黒チーム×黄チーム(高井戸西SC紅白戦第6節)が行われたのだが、私は対談原稿の〆切があって観戦できず。雨天中止や発熱による欠場が続いたため、3週間ぶりのプレイである。しかし日曜も月曜も公園で自主練に励み、試合前も早出特蹴をした甲斐あって、観戦した愚妻によればなかなかの出来だったようだ。危ういところで敵のシュートをクリアし、味方のゴールの際には攻撃の起点となるなど、攻守に渡ってけっこうボールに触っていたらしい。そしてGKとしては、ゴール隅を狙った強烈なグラウンダーのシュート(すべてのボールはグラウンダーなんだけど)に鋭く反応し、右足でファインセーブ! 取り巻きのお母さん方から拍手が起こるほどの好プレイだったとか。やった。人生初ファインプレイだ。朝、出勤前に、「今日は父さん見に行けないけど、キーパーやるときは絶対にボールから目を離すなよ」と助言しておいたお陰だよな。うんうん。お陰お陰。そんなわけで、愚妻の採点は6.0。例によって試合中に踊ってたらしいので、ちょい甘いようにも思うけれど。ちなみに試合は1-2で負けてしまったそうだ。

 試合後、先生から重大発表があった。12月初旬、としまえんのグラウンドで数チームが参加するジュニア大会が開かれ、そこに高井戸西SCのチビッコたちも出場するのだという。うおお。早くも公式戦じゃあ。たまらんたまらん。燃えるぜベイビー。やっぱ横断幕とか用意するってモンかなー。大人用のレプリカ・ユニとか売ってないんだろうか。ブルー&イエローのフェイス・ペインティングは必須だよね。愚妻によると、先生は選手たちに「今年も優勝しようなっ」と言っていたらしい。つまり、ディフェンディング・チャンピオンってことである。あいつら、そんなに強かったのかー。しかし連覇の難しさはフランスがすでに証明しているので、あと2ヶ月、万全の準備をしてもらいたい。それにしても、ふだんの紅白戦にはタッチラインとかゴールラインとかいう概念がなくて、まだスローインとかコーナーキックとかやってるの見たことないんだけど、どんなふうに試合するんだろう。スローインのルール、教えておいたほうがいいんだろうか。



10月15日(火)11:55 a.m.

 イタリア×ユーゴスラビア(EURO2004予選)をビデオ観戦。とっくに代表引退したと思っていたミハイロが大張り切りのスタメンで顔を見せていたので驚くやら嬉しいやら。しかもキャプテンだ。スタンコ君は10番だ。ラツィオ所属選手、ユーゴのほうが多いってどういうことだ。それもイタリアのほうはオッドだけだ。こっちは、まだ顔と名前が一致してないぞ。後半途中に投入されたオッドは、右サイドからのクロスを何度も何度も目の前にいる相手DFにぶち当てていた。あんだけ時間&空間があって、そのお間抜けクロスかい。もしかしてパンカロ二世なの? まあ、下手なのはしゃあないけど、ミハイロ親分を削るのだけはやめてくれないか。あんまりCBいないんだからさ。自分のチームの事情もちゃんと考えながらサッカーしましょう。一方のミハイロ親分は、なんと上インザーギを完封だ。凄みのある守備だったよなー。スピードの無さを腕力でカバーするあたりは流石としか言いようがない。スタンコ君は、どこで何やってたんだかよく判りませんでした。試合のほうは、ミヤトまだエースやってますビッチのゴールでユーゴが先制、デルピ髪伸びてきましたエーロのFKで同点。1-1のドロー。イタリアつまらん。ガットゥーゾには、ボールよりもマンモスを追いかけてほしい。石斧とか持って。うほうほ。

 フランス×スロベニア(EURO2004予選)は5-0。日本がボコボコにされたときの悪夢が蘇るような、フランスの「これでも喰らえ攻撃」であった。こんどから、ワールドカップは10月にやったほうがいいと思う。無理なのは知ってるけど。コリア/ジャパンでこのフランスが見られなかったのは、ほんとうに不幸なことであったと改めて思うのだった。稲本の同僚マルレが2ゴールで存在感をアピール。さらに私の注目株ゴブー(だかゴボーだか)もヘッドで1点決めていた。何だよ、若くてイキのいい奴もいるんじゃんか。こういう奴ら抜擢しないんだから、ほんとダメだよなルメールって人は。それにしてもフランス、黒かったっすよねー。スタメンのうち、辛うじて白っぽいのは、バルテズとジダンだけだ。そのジダンだって、アルジェリア系だもんなー。そのうち、「レ・ブルー」じゃなくて「オール・ブラックス」になってしまうんじゃないだろうか。どんなおフランスざんすか。スロベニアは、勝ち点1をもぎ取るための努力や準備を、一切してこなかった感じ。とりあえずメンバー集めて現地に行ってヨーイどんで試合すりゃ、こうなるわいな。



10月14日(月)19:15 p.m.

 私の風邪が伝染ったのか、Macの調子が悪いのである。ヤフーにアクセスしただけでタイプ2のエラーが発生するんだから、やってられない。さっきは、ネスケとエディターを同時に立ち上げただけで再起動を要求された。そんなぁ。もはや末期ントッシュなんでしょうか。なんちゃって。笑い事じゃないっつうの。こんど壊れたらi-Macに買い換えようと思っていたのだが、そんな金はないのである。前にヤマちゃんから貰ったやつは、すでに愚妻が使ってるし(彼女のMacも壊れたのだ)。まだ原稿執筆&送稿等の業務に支障はなさそうだが、これから2月まで続くハードワークを乗り切れるとは思えない感じだ。いつ起動時のハテナマークが出ても驚かないね、私は。慣れというのは怖いものである。などと落ち着いていないで、今のうちに何か早期治療を施したほうがいいのだろうか。つったって、何すりゃいいのかわかんないけど。余計なことすると死期を早めてしまうような気がしないでもない。事実、余計なことをして死期を早めた経験が私にはある。Mac界のブラックジャック(りんご君のお父さん)は大分に引っ越しちゃったしなぁ。やれやれ。ものすごく憂鬱。

 というわけで、何だかんだ言いながら今日も日誌を書いているのだった。仕事もしてますけどね。どうも世の中が休日だと思うと仕事に集中できない。世の中が平日のときは仕事に集中できないのに、休日に仕事をしても集中できないというのは、考えてみると不思議だ。自分が何を言っているのかよく判らない。今日は長嶋茂雄が444本目の本塁打を打った日だと記憶しているのだが、違っただろうか。誰かの結婚記念日だったような気もする。そりゃあ、毎日誰かの結婚記念日だろうけどさ。誰だっけ。西尾か? いきなり内輪の固有名詞を出さないように。まあ、誰でもいいや。おめでとう。明日はウチの結婚記念日です。ありがとう。

 日本×イラン(アジア大会男子サッカー決勝)は1-2。ファイナリストになっただけで十分えらいと思ってはいたものの、負けてみると無性に悔しい。負けてなお強さを感じたからこそ敗戦が悔しく感じられるわけで、実に見事な戦いっぷりだったということでもあるわけだが、そんなとこでボケッと突っ立ってんじゃねえぞこのタコ審判。埋め合わせにロスタイムの12分ぐらいプレゼントせんか。などと口汚く罵ってこそのサッカーである。青木。泣きなさい。泣き疲れて眠るまで泣き通しなさい。二度とするなよ。お父さんも泣いてるぞ。いや、まじで、たまらんでしょう、親父さんは。私も運動会の「どんどんポイポイ」という競技(一般的には「玉入れ」という)で、セガレの投じる玉がカゴに一個も入らなかったときは、たまらなかったです。たしかに玉をどんどん拾ってポイポイ投げてはいたが、ぜんぜん入らないのである。枠にも行かないのである。いや、まあ、GKいないから枠に行きゃ入るわけですが、それ以前に、そもそもあの男は入れようともしていないのである。頼むから、遊んでないで真剣に戦ってほしい。そんなことはともかく。U-21世代の父親の場合、まだ50歳ぐらいだろうから、会社とか行くわけだしなー。そんでもって、「息子さん、よく頑張ったじゃないですか。銀メダルですよ銀メダル」なんて部下とかに慰められちゃって、かえって惨めなキモチになったりするわけだ。そんなことないのか。あるだろ、やっぱり。私は会社行かないけど、しばしば食卓のコップや味噌汁のお椀を倒してはあたりをビチョビチョにして叱られているセガレの迂闊な姿を見ていると、DFやGKにはなってほしくないと思うのだった。ミスのダメージがでかすぎるもん。っていうか山本監督、なんでうまく機能してるDFラインをいじったの? よほどの事情があったのだろうが、悔やまれる。ともあれ、例によって「この悔しさをバネに」という落とし所になるわけで、それはそれでいいと思うのだが、あんまりバネばっかり増やすのも辛いモンがあるのだった。アジアでは自力の垂直飛びで勝てるようになりたい。ジャマイカ戦でもバネ増えちゃったらヤだよな。



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