闇の中の翼たち
ブラインドサッカー日本代表の苦闘
(岡田仁志/幻冬舎/1500円+税)







キャプテン翼勝利学
(深川峻太郎/集英社インターナショナル)

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 4月27日 火曜日  (平成22年/2010年)
 たまにはライター仕事の宣伝など
 BGM : Sklamalbym / Anna Maria Jopek

 飛鳥新社から、小林よしのり先生の対談集『希望の国・日本』の見本が届いた。3月上旬に必死で取り組んでいた仕事がコレ。この分厚い本の対談部分(9本)を正味10日間でやっつけたかと思うと、あらためて気を失いそうになる。登場する政治家は、稲田朋美、平沼赳夫、石破茂、加藤紘一、高市早苗、城内実、田村謙治、安倍晋三、原口一博の9氏。私は最後の3人だけ取材現場に同行し、それ以外はテープ起こしだけ読んで構成したが、できれば全員と会ってみたかった。ちなみに奥付の「本文中写真撮影」にも私の名(本名のほう)があるが、私が撮ったのは原口一博総務大臣だけ。単に「一眼レフを持っている」というだけで、編集部から頼まれた。素人のわりにはなかなかよく撮れていると思う。総務省の大臣室は実に立派で広々としており、その前にお会いした安倍元首相の対談場所が議員会館の狭苦しい応接室だったこともあって、「権力」ってやつの威力をひしひしと実感した。今週中には書店に並ぶはず。アマゾンではすでに予約受付中。いまは(政局ではなく)政治がおもしろい、と感じている人には、参院選前に読むことをオススメする。食わず嫌いの保守アレルギーの人にはとくに。字がとても大きいので、老眼でお悩みの方にも吉。1600円+税。

(13:10)









 4月21日 水曜日  (平成22年/2010年)
 おれのせいじゃないからね
 BGM : Over The Hills / Lucy Kaplansky

■「SAPIO」(5/12号)は本日発売だが、「日本人のホコロビ」は休載。サボったわけでもボツったわけでも筆者急病のためでもなく、編集部の都合(ページ不足)によるものである。まあ、一挙4ページ書かせてもらうこともあれば、こういうこともありますわな。それに、ネタは何となく決まってはいたものの、どうもうまく書けそうな気がしていなかったので、渡りに舟でもあった。いや、むしろ「気のすすまない出張に噴火で欠航」というべきか。で、次号の原稿は明日が締切。状況はあまり変わっていないが、エンヤコラ今夜も舟を出す。

■いま聴いているルーシー・カプランスキーは、フォーク系のシンガーソングライター。声がとてもやさしい。曲がどうこうというより、表情豊かな声と歌い方で聴かせるタイプ。たぶん歌詞もよいのだと思うが、英語のわからん人間がそういうことを言ってはいけません。メアリー・ブラックやジュディ・シルあたりが好きな人は気に入るかも。と、アマゾンのカスタマーレビューみたいなことを書いてみた。メアリー・ブラックやジュディ・シルを知らない人にはまったくもって役立たずな情報。声や英語の発音が誰か有名なシンガーによく似ているのだが、それが誰だかどうしても思い出せない。

(12:10)









 4月19日 月曜日  (平成22年/2010年)
 46歳
 BGM : Michael Brecker / Michael Brecker

■金曜日の深夜、西荻窪のバーで飲んでいたら店の時計が12時を告げて土曜日になり、私は満46歳になった。セガレが大学を出るまで(順調に推移すれば)あと10年。外は、季節はずれの雪。いったい何の予兆であろうか。寒いのはイヤだ。

■土曜日はYBOの練習。テレマンのリコーダー協奏曲、かなり個人練習をして臨んだつもりだったのだが、合奏してみたら第4楽章のテンポが異様に速く、ついていけなかった。そ、そーゆー曲だったのかー。46歳の春に、こんなことで悩むとは思っていなかった。

■日曜日は狭山でブラインドサッカー日本代表選考合宿を見物。初めて見る日向(ひなた)君という若い選手の動きに目を奪われた。競技歴はまだ浅いのにトラップが異様に正確で、ルーズボールへの動き出しも凄まじく速い。このサッカーでは、ボールが自分の足元から離れたとき、立ち止まらずにすぐに動けるかどうかが、「戦える選手」になれるかどうかの最初のハードルだと私は思っている。北京パラでは、イングランドあたりにも、ドリブル中にボールを失うと諦めて立ち止まってしまう選手が何人かいた。そこを軽々とクリアしているだけでも、将来性は十分だ。ガツガツとゴールを狙う姿勢もいい。苗字の読み方は違えども、まさに「盲目の小次郎」の雰囲気がある。実際、紅白戦でも2ゴールを決めた。なにしろ経験が浅いし荒削りなところもあるのでイングランド遠征メンバーに選出されるかどうかは微妙だが、とりあえず日本選手権でどこまで活躍できるかが、とても楽しみ。

■ヒマなので、どこに何があるかわからなくなった膨大な枚数のCDをアルファベット順に並べ直すという、気の遠くなるような作業に着手してしまった。ABBAに始まりZZ TOPに終わることだけはすぐにわかるのだが、それ以外の部分はとても面倒臭い。で、CDの山との格闘中に出てきたのが、いま聴いているマイケル・ブレッカーの初リーダー作。おれ、こんなの持ってたのね。整理整頓には、さまざまな発見が伴う。マイケル・ブレッカーが2007年に57歳で亡くなったのも知らなかった。いまさら遅いけど、合掌。

(14:05)









 4月16日 金曜日  (平成22年/2010年)
 衝撃の組み合わせ
 BGM : Heart of Pain / Lucky Peterson

 8月に開催される第5回ブラインドサッカー世界選手権イングランド大会のグループ分けが、いつの間にか発表されていた。公式サイト blind2010.com はこちら。前回のアルゼンチン大会は全チームが現地入りしてから(開幕2日前に)抽選会が実施されたが、今回は事前に決めたのであるな。で、結果はこんな感じ。各組上位2チームが準決勝に進む。

 グループA イングランド、スペイン、コロンビア、韓国、日本
 グループB ブラジル、アルゼンチン、中国、フランス、カメルーン

 カメルーンの出場は初耳だし、なぜ南米3位のパラグアイではなく4位のコロンビアが出るのかも謎だが、そんなことより、こんなことにしちゃって、グループBに入った各国からクレームがつかないのかが心配だ。各大陸選手権のチャンピオン(ブラジル、中国、フランス)も、北京パラのメダリスト(ブラジル、中国、アルゼンチン)も、みんなB組。もし日本がBに入っていたら、私はカルロス・カンポスに抗議のメールを送ったと思う。JBFA事務局に問い合わせてみたところ、どうやら、開催国(イングランド)と前回優勝国(アルゼンチン)をシードし、同じ大陸の出場国を振り分けた結果こうなったようだが、たとえ偶然だとしても恐るべきホーム・アドバンテージである。ブラジルとコロンビアを入れ替えるか、もしくは中国と日本を入れ替えるだけで、かなり均衡するはずだけどね。国際大会デビューとなるカメルーンにとっては、ものすごーく得難い経験になるであろう。イヤになってやめちゃう恐れもなきにしもあらずですが。

 日本は、コロンビア、イングランド、スペイン、韓国の順で対戦。唯一の「初顔合わせ」の相手といきなり初戦で当たるのは、ちとやりづらいかもしれない。ともあれ、飛び抜けたチームが一つもないので、混戦は必至。どの試合も、最後まで予断を許さないハラハラドキドキの展開になるに違いない。すっげー楽しみ。週末の代表合宿は日曜だけお邪魔する予定です。

(14:25)









 4月12日 月曜日  (平成22年/2010年)
 倒れていた独立記念日
 BGM : The Tide / Lucy Kaplansky

■土曜日(10日)は風邪でダウン。YBOの練習に行けず。ヤバい。

■平成2年(1990年)の4月10日に会社を辞めてフリーになったので、独立20周年の記念日だったのだが。そんな日にぶっ倒れていたのは情けないといえば情けないが、まあ、そんなもんかなあとも思う。

■どっさり睡眠を取って、日曜日(11日)には回復。締切前だったが、ぎりぎりセーフ。さっき、PHPの突貫リライト作業をフィニッシュ。

■しばらくはまた失業状態。などと言うと本格的に失業中の人に怒られるかもしれないが、実際、フリーライターは失業と就業を頻繁にくり返しているようなもの。

■本をたくさん読みたい。

(10:45)









 4月8日 木曜日  (平成22年/2010年)
 家庭教育の勝利
 BGM : The Door / Keb' Mo'

■日曜の午前中、近所の公園でセガレとキャッチボールをした。グローブ&軟球でやるのは初めて。男の子の父親になって以来の念願である。中学生になる前にやっておきたかったので満足。もっとも、法的にはすでに中学生(電車は大人料金)だったが。

■月曜と火曜は不調。微熱中年状態で仕事もはかどらず。

■水曜日(きのう)は、区立宮前中学校の入学式。保護者は9時半に着席。その後、2年生と3年生が入場して席に着いたのだが、開式(新入生入場)の前に、校歌ともう1曲(歓迎ソング)の練習が始まったので驚いた。音楽の教師が「最後のほうのテンポが心配です」などとダメ出しをしている。ふつう、客にリハーサルを見せるだろうか。その間、保護者はお喋りをするわけにもいかず、冷え込んだ体育館で30分も余計にかしこまらされたのだった。

■セガレは1年B組。この4月から宮前中に転任してきたばかりの担任・大熊先生(国語)は、ヒゲ面で重量級の柔道家のような体格。だが目や声はやさしく、80パーセント以上の確率で、渾名は「クマさん」になると思う。

■午後、セガレは卒業した小学校に卒業文集を受け取りに行った。あっちもこっちも、物事の順番がどうかしていないだろうか。

■その文集に「もしものコーナー」があり、「もしもタイムスリップできたら?」という設問にクラス全員が答えている。「過去に行きたい」「未来に行きたい」「10年後の自分に会う」「生まれたころの日本を見たい」「戦国時代に行く」「自分がちゃんと医者になっているかどうかたしかめる」などと書く子が多い中、セガレのダイナミックな答えに感動した。

「ペリーを来航させない」

 着想、独自性、具体性、思想性、社会性、娯楽性、そして簡潔な言葉遣いなど、どこを取っても百点満点の回答であろう。行った先で「何をするか」まで書いたのはセガレだけだ。過去を変えるのはルール違反かもしれないけど、その意気やよし。常々、親として「一人前の日本人を世に送り出す」を教育目標にしているが、どうやら小学校卒業まではうまくいったようである。その調子で、立派な国士になってください。ちなみに私だったら、この「もしも」には、「たぶんノーベル賞をもらえると思う」と答えてしまうかも。ぜんぜん国士っぽくない。

(10:25)









 4月1日 木曜日  (平成22年/2010年)
 ふくらむ自己愛
 BGM : 優しき玩具〜吉松隆ギター作品集 / 福田進一

■火曜日に、集英社インターナショナルのSさんから、新規のライター仕事(対談本)が舞い込んだ。お題は大相撲関係。とても楽しそう。Sさんには営業メールを出していなかったが、こうして何かの拍子に自分のことを思い出してもらうのが、この稼業のヨロコビ。

■そのSさんと電話で雑談。高2の息子さんが「SAPIO」を読んで、「お父さん、この深川峻太郎って人、おもしろいよ」と言うので、「その人ならよく知ってるよ」と答えたとのこと。こういうのはメチャクチャ嬉しい。

■昨日は半蔵門のPHPで、ある企画の口述取材1回目。13時から16時まで。夜、著者からメールをいただく。先月、別の著者と1回目の口述でトラブった(3/12の日誌参照)のでドキッとしたが、内容は真逆。どうやら「SAPIO」や「わしズム」のコラムで私のことをご存知だったようで、心強く思ってくださったらしい。感激。

■何を隠そう、社会人になったときからの第一生命ユーザーである。株券なんか持つのは性に合わないし精神衛生にも悪いので、当然、現金払いを希望。思いがけぬボーナスにニヤニヤ。

■そんなこんなで、めずらしく機嫌がよい。以上、四月馬鹿のウソはないぞ。

(12:50)