<更新情報> |
法務省西日本入国管理センター(大阪府茨木市)に収容されているアフガニスタンの少数民族ハザラ人の男性が、国外退去令の取り消しと難民認定を求めて30日、大阪地裁に提訴した。もう1人のハザラ人も年明けに提訴する予定。難民認定を申請したが、米国の同時多発テロ事件後に退けられ、国外退去令を受けた。2人は「暫定政権が樹立されても、ハザラ人がほかの民族からの迫害を恐れている状況に変わりはない」と訴えている。
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ことし3月から8月にかけて、9人のアフガニスタン人が来日し、難民申請をした。9人は、10代から40代の男性で、タリバーン政権から迫害を受けていたハザラ人などの少数民族である。
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日本政府に難民認定を申請しているアフガニスタン少数民族の5人が21日、収容の執行停止の申し立てを却下した東京高裁の決定を不服として、最高裁に特別抗告した。 |
2001年12月21日 毎日新聞(夕刊)
東京地裁の収容の執行停止決定を受けて拘束を解かれていた5人のアフガニスタン人難民認定申請者が21日、東京入国管理局の命令を受けて、東京都北区の同入管第2庁舎に出頭した。5人は約40日ぶりに再び収容された。 午前10時過ぎ、5人は弁護団や支援者に付き添われ庁舎前に姿を見せた。モハマド・ダウドさん(27)は「今まで私たちはいつも入管の呼び出しに応じてきた。どうして私たちを捕まえておかなければいけないのか」と話した。最年少のアハマド・リザさん(18)は「昨夜は怖くて眠れなかった。体が悪く医者の診断書も出ているのに、収容するのは人権侵害だ」と診断書や薬を広げた。 5人は収容中の他の4人とともに10月3日、不法入国・残留容疑で摘発された。11月6日に東京地裁民事3部が収容の執行停止の申し立てを認め、同9日に拘束を解かれた。これに対し、東京入管が即時抗告し、今月19日、東京高裁が地裁決定を取り消し、申し立てを却下。同入管が改めて5人に出頭を求めていた。 弁護団はこの日、入管に5人の仮放免を申請した。また、高裁決定に対する特別抗告を同日中にも最高裁に行う。【磯崎由美】 |
難民認定の申請中に強制収容され、東京地裁に執行停止を認められて拘束を解かれていたアフガニスタン国籍の男性五人について、東京入国管理局は二十一日、同地裁の判断を覆し、収容を妥当とした十九日の東京高裁決定を受け、東京都北区の施設に再収容した。
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難民認定申請中に不法入国の疑いで強制収容され、東京地裁の収容停止決定で身柄拘束が解かれていたアフガニスタン人5人について、東京入国管理局は21日、東京都北区の入管施設に再収容した。これに対し、弁護団は仮放免を申請した。
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2001年12月20日 毎日新聞
2001年12月19日 毎日新聞(夕刊)
日本政府に難民認定申請中、出入国管理法違反容疑で東京入国管理局に収容されたアフガニスタン人5人が、収容の執行停止を求めた裁判の即時抗告審で、東京高裁は19日、5人の申し立てを認めた東京地裁決定を取り消し、改めて申し立てを却下した。地裁決定で5人は身柄拘束を解かれていたが、今回の決定により再び収容される。今後、強制送還の手続きが進められるとみられる。 雛形要松裁判長は「入国目的は日本での事業や就労などと推認される」と認定した。さらに(1)収容場の環境が過酷で人道上容認し難いとはいえず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの症状に悩まされている形跡もない(2)弁護士との面会が認められており、難民申請に関する活動が著しく制約されてはいない――と判断した。 5人については、東京地裁が11月6日、「難民の可能性がある者を不法入国の疑いだけで収容するのは難民条約に違反する」として、収容の執行を停止する決定を出した。東京入管はこれを不服として即時抗告し、その後、5人の難民申請を不認定にしていた。 この問題では、一緒に収容されたアフガニスタン人4人について、東京地裁の別の民事部が「収容は適法」として申し立てを却下し、東京高裁も4人の即時抗告を棄却した。今回の決定により、地裁段階で分かれた司法判断が、高裁では入管側の主張を認める形で統一された。 高裁の決定について法務省入国管理局の高山泰・審判課長は「来日目的や、収容による損害が生じるかなどの点で、当方の主張が認められたと考えている。適正、妥当な決定だ」とコメントした。 一方、弁護団は記者会見を行い、「高裁は収容が『回復困難な損害にはあたらない』というが、迫害によるトラウマを認めた精神科医の診断を証拠として出したにもかかわらず、決定の中で一切言及されていない。また、入管は難民認定の1次審査で代理人を一切否定していたのに、高裁は『収容されても弁護士がいる』としており、重要な証拠を無視した不当な決定だ」と話した。 |
難民申請中に不法入国などの疑いで収容されたアフガニスタン国籍の男性9人のうち5人について、東京高裁(雛形要松裁判長)は18日、「執行を停止する緊急の必要はない」として、東京地裁民事3部が出した収容停止の決定を取り消し、5人の申し立てを却下した。5人は近く収容される見通し。残る4人は強制送還に向けた手続きがすでに始まっている。 東京高裁は「収容で精神的苦痛を受けることがあったとしても、それだけでは収容を不相当とすることはできない」などと判断。また、5人の入国についても「事業の経営や就労が目的と推認される」と指摘した。 5人の弁護団は「5人の精神状態についての診断書など、重要な証拠を無視した全く不当な決定だ」と批判している。 東京地裁は先月、「収容の必要性は認め難いうえ、収容は男性たちに計り知れない苦痛をもたらす」として、収容を停止する決定を出していた。これを不服として国側が抗告していた。 |
難民認定を申請中に不法入国の疑いで強制収容されたアフガニスタン人5人が東京入国管理局による収容を停止するよう求めていた問題で、東京高裁の雛形要松裁判長は19日までに、「入国は就労目的などと推認される」として、収容停止を認めた東京地裁決定を取り消し、一転して5人の申し立てを却下する決定をした。 5人は現在、身柄拘束を解かれているが、入管側は既に難民認定しないことを決めており、同高裁決定を受けて、5人を再び収容し、強制退去手続きに入るとみられる。 この問題ではアフガニスタン人計9人が収容停止を申し立て、うち4人は却下され、今回の5人は収容停止を認められ、同地裁で判断が分かれていた。収容が続いている4人については、同高裁の別の裁判長が11月、申し立てを却下した同地裁決定を支持しており、同高裁は9人全員について、入管側の主張を認め、結論を統一した。 |
難民認定申請中に強制収容されたアフガニスタン国籍の男性五人が求めた収容の執行停止をめぐる即時抗告で、東京高裁は十九日、収容の執行停止を命じた東京地裁決定を取り消し、五人の執行停止の申し立てを却下する決定をした。これで東京入国管理局は、近く五人を収容し、退去命令書による強制退去の手続きに入るとみられる。 東京地裁は十一月六日の決定で「身柄の拘束は日本も批准している難民条約を無視しているのに等しく、国際秩序に反する」などと収容の執行停止を命じた。 この決定を不服として入管側が即時抗告していたが、東京高裁の雛形要松裁判長は五人について「日本での事業や稼働、就労目的と推認される」と認定。「収容で自由が制限されても特別の損害を被る恐れがあるとはいえず、難民認定申請を制約するものもない」と述べ、五人の申し立てを却下した。 この五人とは別に収容の執行停止を求めたアフガン人男性四人については、東京地裁の別の部が申し立てを却下する決定をし、東京高裁もこの決定を支持。四人は既に茨城県牛久市にある入管施設に収容され、強制退去の手続きが進められている。 また、この九人の難民認定申請については、法務省が既にいずれも難民と認めない決定をしている。 |
不法入国などの疑いで収容されたアフガニスタン国籍の男性9人のうち、法務省東京入国管理局に退去強制令書を発付され、収容中の4人が12日、「難民である4人を退去強制処分にするのは違法だ」として処分の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こした。併せて令書の執行停止を申し立て、法相が在留特別許可を認めなかった処分についても取り消しを求める訴えを起こした。
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難民認定申請中に不法入国などの疑いで法務省入国管理局に収容され、東京地裁の決定で拘束を解かれたアフガニスタン人五人が、再び収容される恐れがあるとして、難民支援団体や野党の国会議員が十一日、東京・永田町で集会を開き、アフガン難民を再収容しないよう訴えた。
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難民としての保護を求めているアフガニスタン国籍の男性9人の処遇をめぐり、難民認定手続きが抱える問題点が改めて浮き彫りになった。
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