Setsubun Bean Unit は、 Farmyard Animals Trio (Pete Flood, Gideon Juckes, Brendan Kelly) を核とした 日英ミュージシャン混成で、 日本の音頭や映画音楽を少々 dubwise な jazz/improv のスタイルで演奏するグループ。 CD [レビュー] のリリースから約2年を経て、 日本での初ライブだ。 約1時間と短いステージは少々物足りなかったけれども、 音楽から想像されるような色物感を押さえたステージを見せた。
演奏はCDで聴かれるものから大きく変わるところは無かった。 ライブではお祭り騒ぎ的なパフォーマンスを見せるかもしれないと予想した所もあったが、 むしろ Flood / Juckes / Kelly が淡々とシリアスに演奏している姿が印象に残った。 2人のお囃子踊り子は華があったけれども、カムラは落ち着いた雰囲気。 獅子舞もあったけれども、それほどパフォーマンス的な要素が強いという印象は受けなかった。 ノリノリのお祭りダンスミュージックとしての音頭の再生のようなものとは違い、 live electronics 入り jazz / improv 的な演奏で 少々シリアスに日本の音頭を再解釈しようとしているのだろうな、と。 後半、Cicala-Mvta の 大熊 ワタル と コグレ ミワゾウ が参加して、 チンドン的な賑わいも加わると、だいぶお祭りっぽくなったけれども。
今回の来日に合わせ、Cicala-Mvta の2人等をゲストに迎えて新作を録音しているよう。 その新曲がメインのライブかと期待した所もあった。 しかし、多くは2年前のCDからの曲。また、ライブも1時間程度で終わってしまった。 この点はちょっと残念だった。
ちなみに、このライブは、『奇想の系譜 其の一』と題し、 京都の DJ shabushabu と大阪の dub band neco眠る からの3人 (guitar, bass, drums) によるユニット Amagyou (neco-shaburu) とのジョイントだった。 neco眠る の名前は、前から少々気になっていたのだが、ライブを観るのは初めて。 この編成では、dub というより post-rock っぽく感じられた。 演奏時間が長くなかったので、ちゃんとしたライヴであれば、 また違うスタイルも観られるのかもしれないが。