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Review: Jaga Jazzist (live) @ O-East, Shibuya, Tokyo
2009/11/03
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
O-East, 渋谷
2009/11/02, 19:00-21:00
Mathias Eick (trumpet, upright bass, keyboards, vibraphone), Stian Westerhus (guitars, effects), Even Ormestad (bass, keyboards), Andreas Mjøs (vibraphone, guitars, drums, electronics), Line Horntveth (tuba, percussion), Martin Horntveth (drums, drum-machines), Lars Horntveth (tenor sax, bass-clarinet, guitars, keyboards), Øystein Moen (Keyboards), Erik Johannessen (trombone, percussion).

1990年代半ばにノルウェーから登場した Martin & Lars Horntveth 兄弟を核とするグループ Jaga Jazzist の初来日公演だ。 A Livingroom Hush (Smalltown Supersound, STS056CD, 2001/2002, CD) は、そのIDM的なリズムとホーンセクションの組み合わせも斬新で、当時はよく聴いていた。 しかし、その後は自分の興味から外れてしまい、旧録の再発 Magazine (Smalltown Supersound, STS082CD, 1998/2004, CD) を聴いた程度で、 The Stix (Ninja Tune, 2003) も、 What We Must (Ninja Tune, 2005) も聴いていなかった。 というわけで、最近はどんな音楽をやっているのかチェックしてみようという気分で、ライブに臨んだ。 ライブはアンコール2回を含めて2時間弱と少々短め。 聴き覚えのある曲がほとんど無く、おそらく最近の曲が中心のセットだった。

CDで聴いていた印象から淡々と正確な演奏を繰り出すステージを想像していたので、 rock マナーの激しめの身振りでの演奏は意外だった。 観客に拍手を促したり、静かな展開からわっと盛り上げていくような約束事も、かなりベタに rock 的。 そんな所に、少々ついていかれなかったのも確かだ。 しかし、客煽りなどサービス精神溢れる振る舞いもしつつ Martin Horntveth が叩き出す変則的なビートは良かったし、 上段に並んだ trumpet、trombone、tuba のブラスセクションも聴きごたえがあった。 ライブということもあると思うが、CDで聴かれるような繊細な electronics の音は目立たず、 post-techno な nu-jazz というよりも、普通に jazz rock 的な演奏と感じた。

最も楽しんだ曲はアンコールでやった “Animal Chin”。 確かに、A Livingroom Hush のオープニングを飾る曲で、 聴き覚えがあるということもあったと思う。 しかし、アンコールに入ってから少々淡々とした演奏になったことも、 “Animal Chin” のような曲を映えさせたように思う。

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