TFJ's Sidewalk Cafe > Cahiers des Disuqes >
Review: Michiyo Yagi Double Trio (live) @ Pit Inn, Shinjuku, Tokyo
2010/06/07
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Michiyo Yagi Double Trio
Pit Inn, 新宿
2010/06/06, 20:00-22:30
八木 美知依 [Michiyo Yagi] (electric 20-string koto, electric 17-string bass koto, vocals), Todd Nicholson (bass), 須川 崇志 [Takashi Sugawa] (bass,cello), 本田 珠也 [Tamaya Honda] (drums), 田中 徳崇 [Nori Tanaka (Noritaka Tanaka)] (drums).

去年の9月に観た Michiyo Yagi Trio に2人をゲストに加えた編成 [レビュー] が、レギュラーの Double Trio として戻って来た。 前のライブがとても気に入ったこともあり期待していたのだが、それを裏切らないライブが楽しめた。

前回観たときと楽しめた所は大きくは変わらないが、 electric cello に代わりアコースティックな bass/cello の 須川 が入り、 編成が固まったおかげか、グループとしての一体感が出ていた。 ツインの bass に 八木 も bass 箏も駆使して炸裂する “Seraphic Light” (John Coltrane) の低音アンサンブルも強烈で良かったが、 やはり、cello を使った曲の方が、アンサンブルの妙が楽しめた。

例えば、“MZN3” のような曲 (後半にも同様の曲があったと思うが曲名失念) での、 Nicholson の bass がぐいぐいとグルーヴを作り出し、 2セットの drums の繰り出す変化に富んだタムやハイハットの刻みが飛び交う中、 箏と cello の弦の響きが時に歌うように時に細かいフレーズで添えるように 互いの位置関係の入れ替えていく所など、音空間と展開に広がりが感じられて、とても面白かった。