Eivind Aarset は、2000年前後の Nils Petter Molvaer のグループで頭角を現し、 Jazzland レーベルからリーダー作をリリースしてきているノルウェーの guitar 奏者。 最近のグループ The Sonic Codex Orchestra のコアともいえる Sonic Codex 4tet で来日した。 演奏したのは1時間余りだったが、 繊細な音からラウドにロックするサウンドまで、その振れ幅もダイナミックなライブが楽しめた。 ほぼ power trio という編成だが、聴いていて最も耳を惹いたのはツインドラム。 vibraphone や steelpan を使って2人でメロディアスで繊細な演奏を聴かせる所もあれば、 一方が8ビートを軽快に刻みつつもう一方が steelpan を聴かせるように住み分ける時もあれば、 alt rock というより heavy metal のようにメカニカルに rock する8ビートを二人でシンクロしてラウドに聴かせる時もある。 Sonic Codex のダイナミックな音の振れ幅を作り出す要になっていた。 もちろん、Aarset の guitar もビートに合わせてディストーションを効かせて激しく弾くときもあれば、 steelpan や vib に絡むような爪弾きや浮遊するような響きを聴かせたり。 Erlien の bass もリードのようなラインを弾いて変化を作っていた。
この来日公演は 東京JAZZ 2010 内のノルウェーの jazz のショーケース Jazz Cruise Norway 2010 の出演に合わせて行われたもの。残りの2グループ、Mathias Eick と Arild Andersen は、 土曜の昼の 晴れたら空に豆まいて での公演を観ている [レビュー]。 Eick のグループ のツインドラムで、Erlian と Dahlen はそちらでも参加していた。 コンセプトが異なるので一概に比較はできないとは思うが、 Aarset のグループの方が bass や drums の存在感を楽しむことができた。