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Review: Billy Bang + Todd Nicholson (live) @ Mary Jane, Shibuya, Tokyo
2010/09/13
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Billy Bang + Todd Nicholson
Mary Jane, 渋谷
2010/09/12, 19:00-21:00
Billy Bang (violin), Todd Nicholson (bass); guest: unknown musician (flute).

US free/loft jazz の文脈で1970sから活動している violin 奏者 Billy Bang のライヴは、 2005年録音の新作 Prayer For Peace (TUM, TUM CD 019, 2010, CD) の5tetの1人 Todd Nicholson と。 前半は、Todd Nicholson のソロの導入の後、デュオで4曲。 休憩を挟んで後半は、Billy Bang のソロの後、 日本人 flute 奏者 (失礼ながら名前を失念) を加えたトリオで2曲、 さらに、デュオで3〜4曲程演奏した。 Prayer For Peace からの曲はもちろん、 スタンダード曲を織り交ぜ、ブルースの歌心を感じる violin を楽しめた。

演奏は、Nicholson の着実なベースラインに乗って、 Billy Bang がブルースを感じるフレーズを歌心いっぱいに弾くような展開が中心。 特に、前半最後2曲、ゆったり6拍子 の回るようなスイング感も気持ちよい “All Blues” (Miles Davis) から アップテンポでノリの良い “Jupiter's Future” (Sun Ra に捧げた自作曲。Prayer For Peace 所収) にかけてが、とても楽しめた。 flute 奏者を加えてのトリオでは、 「“Take The 'A' Train” なら知っているだろ?」と、 ゲストの flute 奏者にソロを取らせて主役にしたセッションをして、場を盛り上げたり。 シリアスに演奏を聴かすというより、時には観客に拍手を促すような所もある程。 Bang もソロの際に少しアウトな弾き方も見せたが、そこにすら芸人的なひょうきんさを感じた。 そして、そんな雰囲気をとても楽しんだライブだった。

ジャズ喫茶というこぢんまりとした会場もあってか、和やかな雰囲気も良かった。 暗く赤みがかった電球の光りの下でスイングしながら violin を弾く Billy Bang の様子は、 場末の酒場でのライブを観ているよう。 6年前に観た Super Deluxe でのビデオ等を使ったライブ [レビュー] のようなものも悪くないけど、 このようなアットホームで和やかなライブの楽しさも、改めて実感した。

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