ノルウェーの女性歌手 Susanna Wallumrød の来日公演は2008年以来の約5年ぶり [前回来日のレビュー]。 編成は drums が Erland Dahlen に変わったものの、guitar の Henge Sten という Susanna 名義でのトリオ編成、 去年末にリリースされた新作 Wild Dog からの曲を中心に演奏し、 MCも控えめに、休憩無しアンコール1回の1時間半余り。 そんなライブのフォーマットを含めて、前回のライブと雰囲気の近い落ち着いたライブが楽しめた。
新作を聴きそびれ予習不足のまま臨んだとこもあると思うのだが、 前回に比べて音数が多く rock 色が強く感じたのは、drums の変化だろうか。 強く叩いて前に出てくるような所も。 一方、Helge Sten の guitar 音の控えめさは相変わらず。 そういう音作りということなんだろうけれども、 CDに比べてもライブでは音の解像度が低く埋もれがちなので、少々残念。
Susanna のハイトーンの歌声は相変わらず美しく、 呟くように歌っているようで、不安定になることなくよくコントロールされてもいる。 Susanna 名義ということかカバーよりも自作中心だったが、 “People Living” やアンコールで演奏した “Rolling On Roling Stone” など、 自作の歌も良いものだなあ、と。 もちろん、原曲のイメージをほとんど残していない Thin Lizzy: “Jailbreak” や Agnetha Fältskog (ex-ABBA): “Can't Shake Loose” など Flower Of Evil (Rune Grammofon, 2008) に収録されたカバー曲も聴くことができた。 また、The Magical Orchestra 名義のアルバム Melody Mountain (Rune Grammofon, 2006) に収録されていた Joy Division: “Love Will Tear Us Apart” をアンコール1曲目でやってくれた。 この歌を聴けるとは期待していなかったので、嬉しかった。