TFJ's Sidewalk Cafe > Cahiers des Disuqes >
Review: Jerzy Mazzoll, Jerzy Rogiewicz, Piotr Domagalski, Wacław Zimpel, Michał Górczyński, DJ Lenar, Maciej Obara, Dagna Sadkowska, et al.: To Polska teraz intryguje!!! #2 - Festiwal Nowej Muzyki Polskiej (live) @ Pit Inn, Shinjuku, Tokyo
2013/10/26
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
『今 ポーランドがおもしろい #2——ポーランド・ミュージック・フェスティバル』
新宿 Pit Inn
2013/10/24 20:00-22:30.
Muzycy Polscy: Jerzy Mazzoll (bass clarinet), Jerzy Rogiewicz (drums), Piotr Domagalski (doublebass), Wacław Zimpel (alt clarinets), Michał Górczyński (clarinet), DJ Lenar (turntables), Maciej Obara (alt saxophone), Dagna Sadkowska (violin)
日本のミュージシャン: 梅津 和時 [Kazutoki Umezu] (saxophone, clarinet), 坂田 明 [Akira Sakata] (saxophone, clarinet), 八木 美知依 [Michiyo Yagi] (箏 [koto]), 高良 久美子 [Kumiko Takara] (vibraphone), 田中 徳崇 [Noritaka Tanaka] (drums), 内橋 和久 [Kazuhisa Uchihashi] (guitar, daxophone).
前半: 1)Mazzoll, 坂田, Górczyński, Domagalski 2)Zimpel, 八木, 田中 3)Obara, Sadkowska, 高良 4)梅津, 内橋, Regiewicz, DJ Lenar
後半: 1)坂田, Zimpel 2)Sadkowska, Domagalski, 田中 3)内橋, 高良, Regiewicz 4)Mazzoll, 梅津 5)八木, Górczyński 6)坂田, Obara, DJ Lenar 7)八木, Regiewicz 8)Mazzoll, Zimpel, Domagalski, Regiewicz 9)梅津, Sadkowska, 高良 10)Mazzoll, 田中 11)梅津, 坂田, 内橋, Domagalski, 田中, Regiewicz 12)坂田, Sadkowska, Domagalski

2年前の第1回 [レビュー] に続く 内橋 和久 のディレクションに主に jazz/improv の文脈で2000年代以降に活動する ポーランドのミュージシャンを紹介するフェスティヴァル。 今回はグループ単位でミュージシャンを呼ぶことはせず、 日本のミュージシャンを多く交えて、セッションを繰り広げるという形式。 自分が観た 新宿 Pit Inn での2日目は「かなりアコースチック・ナイト」と銘打たれ、 1日目の「ちょっとエレクトリック・ナイト」 (残念ながらこちらは観ていない) に比べるとアコースティックな楽器の演奏が中心の構成だったのかもしれない。

途中休憩を1回挟み、前半は3〜4人編成で4セットを約15分ずつ。 後半は2〜3人編成 (例外あり) で12セットを約5分ずつ演奏した。 演奏が良さげだなと思っても直ぐに終ってしまい、 面子もどんどん組み替えていくために展開というほどのものも無く、全体の印象は少々とりとめない。 もっとじっくり聴いてみたいと思った時も少なくなかった。 このフェスティバルは面白そうなミュージシャンを知るきっかけという程度で、 ここで気になったミュージシャンは個別にCD等を通してじっくり聴き進むといった所だろうか。

アコースティックな楽器中心のセッションということもあってか、 全体を通して見ると、clarinet 勢の良さが印象に残った。 1990sの Yazz の時代から Arhythmic Perfection 率いて活躍するベテラン Jerzy Mazzoll、 前回は Trio 146 として参加した Michał Górczyński。 オープニングの clarinet 3本に bass を加えたアンサンブル、 後半の Zimpel - 坂田 の clarinet duo や Mazzoll - 梅津 の bass clarinet duo など、 clarinet のソフトな響きを生かしたアコースティックならではのセッションが楽しめた。

特に、clarinet 勢いで印象に残ったのは Ken Vandermark の Resonane Ensemble にも参加する Wacław Zimpel。 もっとアウトに吹きまくるような演奏を予想していたのだが、むしろ、メロディを端正に聴かせるよう。 前半の八木、田中とのトリオも良かったが、 後半の piano trio Levity として来日もしている Domagalski, Regiewicz の bass-drums に Mazzoll, Zimpel の2管というポーランド4tetでは、 Zimpel は recorder も用い、folk 的なテーマを waltz に乗せる folk/roots 的な jazz/improv を聴かせた。 5分で終らせてしまったのはなんとも惜しい。単独ライブ、もしくはCDでじっくり聴いてみたい4tetだった。 Zimpel は Resonance Ensemble くらいでしか知らなかったが、 自身の 4tet Hera をはじめ多くの録音をレーベル Multikulti Project 等に残している。

clarinet 以外で印象に残ったものとしては、前半後半1回ずつ見せた Sadkawski (Górczyński と現代音楽の4tet Kwartludium で活動している) と高良は、 室内楽的な緊張感を作り出す組合わせだった。 Tomasz Stanko のグループにも参加しているという Maciej Obara は 前半後半1回ずつとセッションの組合わせに恵まれなかっただろうか。 turntable のDJ Lenar も前半後半1回ずつだったが、全体としてアコースティックな演奏が中心になったため、 居場所が少なくなってしまったのかもしれない。