Huntsville は、 Dans Les Arbes で度々来日している [関連レビュー] Ivar Graydeland と Ingar Zach に、Tonny Kluften を加えたトリオ。 今回は『トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2014』内の企画として、 フィンランドの監督 Aki Kaurismäki のサイレント映画 Juha を上映しつつ伴奏するという形でのライヴを行った。
正直に言えば、映画にも演奏にも集中できないという半端な感もあったのだが、 Rune Grammofon や Hubro の録音や Dans Les Arbes でのライブの印象より、 ミニマルながら guitar のフレーズもはっきりしドライブ感のある演奏になっていた。 映画内で音楽を演奏して歌を歌っている場面であえて無音にするなど、 映画内の場面に寄り添って演奏するというより、 その場面を意識しつつも距離を追いて音を構成しているようだった。
上映された映画は、 田舎で慎ましく暮らす夫婦に、都会の男が現れ、妻を誘惑。 誘惑に乗ってその男と都会に出るが、結局、娼窟送りに。 妻に去られた男は、都会に出て復讐するが、自分も撃たれて塵処理場に倒れるというもの。 Kaurismäki の映画は逆効果なように誇張された演技で即物的に撮っているようで、感情移入し難く、 Huntsville の映像も合わせて、筋は追えるのに抽象的なモノクロ映像のように感じられた。