Bobo Stenson は jazz の文脈で活動するスウェーデンの piano 奏者。 1970年代の Jan Garbarek との Quartet など、 その初期から ECM レーベルに録音を残してきています。 昔に Charles Lloyd のサイドメンとして来日したことがあるとのことですが、リーダーとしては初来日。 そんな Bobo Stenson の2000年代に入ってからのレギュラーの trio での来日ライブを聴いてきました。もちろん、ライブで聴くのは初めて。 3人ともスェーデンのミュージシャンで、 Anders Jormin は1980年代から Stenson と共演を重ねてきた bass 奏者、Jon Fält は1979年生の若手 drums 奏者です。 会場は9月に Elina Duni Quartet のライブをやった安養院 瑠璃光堂 [レビュー]。 途中休憩無しでアンコール1回の2時間弱の演奏でした。
最初の2曲は繊細な piano のフレーズにソフトにリズムを添えるような展開で、少々退屈しました。 3曲目に Jon Fält が thumb piano を弾ひきつつ drums を叩くような展開になってから、 綺麗な piano の音とチューンされてない thumb piano の音にコントラストもあって、ぐっと良くなりました。 以降、Fält は割り箸をバキバキと折ったり、紐の先に笛のようなものを付けたものを回したりと、少々アウトな演奏も。 Stenson や Jormin はそれに合わせせてドシャメシャな演奏となることはありませんでしたが、 流麗な演奏に留まらず、内部奏法、特殊奏法も含めてシャーブな音出しも聴かせました。 Stenson と Jormin の演奏はさすがにベテランならではの落ち着きも感じさせるものでしたが、 Fält がいることで大物の保守的な piano trio にならずに済んでいるのかもしれない、と思ったりもしました。
Elina Duni Quartet の時と同じように予約無しで行っても大丈夫かと思いつつ、 1週間前に予約したら、100席限定のかなり後ろの方になってしまいました。 当日は会場に観客がぎっしり。 料金も Elina Duni の倍以上取っていたにもかかわらず、 Elina Duni Quartet の時の4〜5倍は入っていたでしょうか。 Bobo Stenson のネームバリューもあるかと思いますが、piano trio 人気を見せつけられたようにも感じました。 これだけの集客力があるのであれば、ちゃんとプロモーションもして草月ホールくらいの規模のホールでコンサートしても良かったのではないか、と思ったりしました。